なんで?て。『ENDLESS RAIN』が収録されているからだよう!(一日中雨が降ってたからとかいう短絡的思考回路は蒸し暑さによってショート寸前。)
PSYCHEDEIC VIOLENCE CRIME OF VISUAL SHOCK!
ということで…
ビジュアル系、日本のロック界隈においても偉大な金字塔であるX(JAPAN)のメジャーデビューアルバムにして名盤『BLUE BLOOD』を語り尽くすとか尽くさないとか!
X(JAPAN) - BLUE BLOOD
エックス - ブルー・ブラッド
1989年4月21日リリース
- PROLOGUE(〜WORLD ANTHEM)
- BLUE BLOOD
- WEEK END
- EASY FIGHT RAMBLING
- X
- ENDLESS RAIN
- 紅
- XCLAMATION
- オルガスム
- CELEBRATION
- ROSE OF PAIN
- UNFINISHED
と言うことで、言わずと知れたV系界隈飛び越えてJ-ROCK、さらにはジャパメタの金字塔と言っても差し支えないような(一部界隈ではあるような)名盤、『BLUE BLOOD』。X(JAPAN)はインディーズシーンでも『Vanishing Vision』という名盤を出して当時の世間をざわつかせましたが、またやっちゃいましたよと。オリコンでは100週以上に渡ってチャートインし、総売上枚数は80万枚超。これは当時の日本のロックシーンとしては異例の事態である。(あったらしい。)
そんな思い入れのある『BLUE BLOOD』のレビュー(思い出話)やっちまうぞおい!
1曲目、PROLOGUE(〜WORLD ANTHEM)
フランク・マリノ&マホガニーラッシュのアルバム『World Anthem』収録のタイトルトラックのインストを、そのままカヴァーした楽曲です。このアルバムの幕開けだけではなく、初期XのLIVEのSEとしても使用されていました。取り敢えず、フランク・マリノ&マホガニーラッシュの原曲貼っておきます。
YOSHIKIはオリジナルでインストを作るつもりだったらしいけど、どうしてもこの曲のメロディが頭から離れず、そのままカヴァーすることになったらしい。まぁ仕方ないよね。シンプルながら、幕開けに相応しいような素晴らしいメロディラインですもの。まさにアンセムって感じ。
尚、フランク・マリノというギタリストはしばしばレジェンドギタリストのジミ・ヘンドリックスと比較されてたような、過小評価されすぎているギタリストです。
2曲目、BLUE BLOOD
1曲目からシームレスで繋がるアルバムタイトルトラックの超高速ヘヴィメタルチューン!めちゃめちゃキラーチューン!
YOSHIKIが(ドラム叩くのしんどすぎて)一番やりたくない曲。尚、ギターのバッキングもまぁましキツイ模様。
個人的な話ですけど、親の転勤により大阪からやってきたドラマーを中学生の頃の同級生に紹介してもらった時に、X好きすぎた彼とスタジオで二人で初音合わせしたのがこのBLUE BLOODでした。そしてお互い実力を認め合い(今考えると大したことではないのだけれど)後に彼と本格的なメタルバンドを結成することになったという、非常に思い入れのある楽曲。
このバンドですね。真ん中に鎮座しているのがそのドラマー。当時BLUE BLOOD合わせた時は、「いやきっついわぁ。」言うとりました。
そしてこのバンドにおいては私が分不相応にもYOSHIKIみたいになっていた故に、実力を認め合いとは書いているものの、自分のことは棚に上げて演奏力に納得いかずメチャメチャブチ切れたりしていました。
はい。ドラマーの彼はね、今頃あっちで「きっついわぁ。」とか「複雑やわぁ。」とか言いながらよろしくやってるんでしょう。
尚、私から飛び出す関西弁は大いに彼からの影響を受けています。
BLUE BLOODに話を戻して、この曲はツーバスドコドコ、ギターザクザクのスラッシュメタルやスピードメタルを踏襲した楽曲ですが、メロディの美麗さ、展開ともに、非常に素晴らしい。個人的にはアルバムの中で3本の指には入る楽曲。
3曲目、週末。違う。WEEK END
YOSHIKIがロックンロールを作ろうとしたらこうなってたという楽曲。
WEEK ENDに関しては色んなバージョンがあるんですけど、まぁこちらもX(JAPAN)の代表曲の一つですよね。当時は大好きな楽曲でした。今ではXの中では、まぁまぁ好きくらいかな?綺麗なメロディ且つノリやすい曲だけれど、歌詞が扱っているテーマは自殺。
イントロからTAIJIのベースが素晴らしい。
多分だけれども、ギターソロに関してだけ言えば、アルバムの楽曲中と言うか、Xの全楽曲の中でもXとしては難易度の高い部類に入るんじゃないかと個人的には思う。特にアンサンブルという面ではね。バンドってなると一人でできるもんじゃないから。
4曲目、EASY FIGHT RAMBLING。
TAIJIとHIDEが原曲を作っている、作曲X名義のシャッフルビートのアメリカンハードロックを感じさせるご機嫌な楽曲。当時はすっ飛ばしてたんだけれど、今聴くとかなりかっこいい!こちらもイントロからTAIJIのベースの音が凄くいい感じだしね。歌詞はTOSHI自身のコンプレックスを歌っているらしい。
5曲目、X
XのX言うくらいですからね。そらXの名刺代わりの楽曲ですよ。こちらもスラッシュメタル由来の高速チューンである。
この曲に関しては、Xジャンプというものが存在し、東京ドームで観客が揃ってXジャンプした際には文京区が震度3を観測するらしい。(ガチ)
何故か知らんがヒーロー戦隊ものを思わせるのは私だけなのであろうか。アンサンブルとか素晴らしいし、やはりTAIJIのベースが光りまくってるし、聴いても弾いてもテンション上がるんですけど、何故か当時からそこまで好きじゃないっていう、私にとっては謎楽曲。
でも、LIVEでのPsychedelic Violence Crime of Visual SHOCK!とか、You areとかWe areとか、HIDEによる飛べ飛べ飛べ飛べ!屋根をぶち破っちまえ!とかは、やっぱテンション爆上がりするんですよね。
6曲目、ENDLESS RAIN
Xのバラードはどれも素晴らしいけれど、やはりENDLESS RAINも素晴らしいのだよ。
眠りは麻薬である。雨が降ると大体この曲が頭の中でリフレインしている。センチメンタルな気分の時の雨とかだと尚更である。
これはYOSHIKIのドラムフィルとかピアノも素晴らしいけど、やはりまたなんですけどTAIJIのベースラインが本当に素晴らしいし、ギターソロもHIDEとPATAによるツインギターでの泣きのアンサンブルで本当にいいですよね。
私はこの曲のギターソロをして、後輩ギタリストに対して「まず、ギターは顔で弾け!」とか意味のわからないことを言いながら、めちゃめちゃ顔を顰めながらお手本を見せていました。
その後輩ギタリストは、気がついたらめちゃくちゃ上手くなっていました。師匠ドン引き。
7曲目、紅。
BLUE BLOOD収録のアルバムバージョンは、導入がオーケストラからなんですよね。そして始まる例のアルペジオ。
高校野球の吹奏楽部が定番の曲として演奏したりね、Xの中でも人気の代表曲だと思います。私がギターでコピーしたのもXではこの曲が初めてです。バンドでカヴァーしてLIVEしたこともあります。各パートの見せ場もありいいと思います。
がしかし、実はそんなに好きじゃないんですよね。というか、これ特にXファンあるあるやと思うんですけど、紅よりもっと良い曲いっぱいあるじゃろ?っていうね。
バンドでの演奏に関しては、テクニック云々以前にまずバンドとしてのアンサンブルを第一に考えることが大事!
8曲目、XCLAMATION
はい来た!HIDE&TAIJI作曲によるオリエンタル&エスニックなインストナンバー!めちゃめちゃ大好き!別に人には勧めないけど。
イントロからのオリエンタル&エスニックな感じも勿論いいんだけれど、やはりTAIJIのベースのスラップ入ってからのカッコ良さが尋常じゃないんですよね。私は何故にギター弾きなのにTAIJIのベースゴリ押ししているのだろうか?って思うこともなく、TAIJIのベースは輝きを放ちまくっている!
9曲目、オルガスム
アルバムで一番の高速チューンであり、X(JAPAN)全体を通しても3本の指に入るくらい速いんじゃないかな?2本かな?どうでしょう。この曲も個人的には別にそこまで好きじゃないけれど、LIVEでは大人気の曲であり、更にLIVEでは耐久レースかの如く演奏時間が15分を超えてくる。YOSHIKIが二酸化炭素を振り回しまくるのが定番。
10曲目、CELEBRATION
T・レックス及びマーク・ボランやKISS大好きなHIDE作詞作曲によるご機嫌なハードロックチューン。
この曲もね、当時は全然好きくなかったんだけれど、今聴くとこれが中々どうして素晴らしい楽曲ではないか!なんといっても全体のアレンジが本当に素晴らしい。HIDEのポップでロックなセンスが炸裂しまくっていますね。
11曲目、ROSE OF PAIN
バッハのフーガト短調をモチーフにしたアルバム最長の楽曲。歌詞のモチーフは血の伯爵夫人ことエリザベート・バートリ。
個人的には昔からアルバム中最も好きな楽曲である。Xの全楽曲の中でも相当に好きな部類。
そもそも私は昔からもしかしたらクラシカルな旋律だったりオーケストレーションが好きなのかもしれない。
そうじゃなくても高速パートに入ってからも好きだし、ツインリードも好きだし、TAIJIのベースソロも好きだし、なんせ全部好きなんです。
なんと言ってもアンサンブルが美しい。
そう、Xの特にバラードではないハードな曲においてはね、勢いとかテクニックとかじゃなくて、何よりもアンサンブルが大事なんですよ。
の割に、LIVEでのYOSHIKIのリズム感とか無茶苦茶やんと、私も思ったりしますけど、それを含めてのバンドとしてのグルーブ、アンサンブルが本当に大事。
12曲目、UNFINISHED
インディーズ時代のアルバム『Vanishing Vision』に途中で終わるものが収録されているけれど、その曲の完成系。でもYOSHIKI曰くやはり未完のままで、タイトルもそれを示す通りUNFINISHEDである。
アルバムラストを飾るに相応しい素晴らしいバラードなんですけれどもね。ただ確かに、X(JAPAN)の歴史における他の素晴らしいバラード群に比べたら影が薄いのかもしれません。何なんでしょうかね。シングルカットされてないからでしょうか?
オーケストレーションを使うどころか、ピアノも重ねてたり、詰め込みすぎているのかもしれませんね。
X『BLUE BLOOD』の総評
やはり特にV系という界隈においては名盤中の名盤である。今聴いても全然色褪せない。V系ファン必聴の一枚であることは間違いない。ジャパメタとして楽曲としてではなくテクニック等を追い求めた時は、どうしても一枚落ちるものがあります。そもそもXはテクニックで売ってるバンドじゃないですからね。それでもTAIJIのベースのテクニックだけは一級品!
個人的にお奨のBLUE BLOOD中の楽曲
全曲!
って言いたいけど流石にそれはいかんだろうということで強いてあげるなら。
2.BLUE BLOOE、6.ENDLESS RAIN、10.CELEBRATION、11.ROSE OF PAIN