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今回は、オールセラミッククラウンによる審美治療について書きます。
オールセラミッククラウンは、金属を使わない治療なので、光の透過性がよく、まるで天然歯のように仕上がりがとてもきれいです。
ところで、セラミッククラウンで被せる場合、歯の神経をすでに取ってあることが多いと思います。
この場合、歯根は経年的に徐々に色が暗くなる傾向があります。
歯茎も経年的に退縮(下がること)していくため、セラミッククラウンの縁が歯茎から露出し、歯根色が見えるようになってきます(ブラックマージンと呼んでいます)。
したがって、オールセラミッククラウンで被せたからといって、歯の付け根の色が絶対に変わらないというわけではないのです。
治療前。オールセラミッククラウンに治療が施してあるが、歯茎の退縮したためにクラウンの縁が露出し、歯根色が露わとなっている
オールセラミッククラウンによる再治療後。歯茎の炎症が無くなり、歯根はすべてセラミッククラウンで被覆され、審美性が改善されている
日本人は、欧米人に比べて歯茎の厚みが薄いといわれています。
このため、日本人、特に女性は、歯茎が退縮しやすい傾向にあります。
また、歯磨きの際の歯ブラシの圧力が強過ぎたり、ストロークが大きい横磨きを行うと、歯茎は一層退縮しやすくなります。
ブラッシング以外にも、歯周病や歯ぎしり、噛み合わせ不良は、歯茎の退縮の原因となります。
これらをトータルで治療することで、長期的に安定した審美性が得られます。
もちろん、歯の形成や歯肉圧排、型取りなどの基本的手技を手抜きなくきちんと行うことが大前提です。
審美治療において、オールセラミッククラウンという選択は、あくまで材質の選択に過ぎないといえるでしょう。