大きな虫歯や歯の外傷などが原因となって、歯の色が茶色く変色することがあります。
これは、歯の内部の歯髄(しずい:歯の神経)が壊死(えし:死んでしまうこと)してしまうことにより起こります。
歯髄壊死が放置されると、歯の変色がますます酷くなるとともに、腐敗した歯髄組織やバクテリアが歯根の先端から漏れ出し、やがて歯槽骨を溶かして根尖病巣を生じるようになります。
初診時口腔内。右側上顎前歯の変色を主訴に来院。歯の外傷の既往があり、先端半分にコンポジットレジンによる修復を認める。既往から歯髄壊死が疑われる、
初診時レントゲン。根尖部(歯根の先)に黒い大きなレントゲン透過像を認め、歯髄壊死を診断した。
根管治療中。根管の中にファイルを挿入し、歯根の長さと方向を確認する。
根管治療後レントゲン。歯根の先端まで、しっかりと根管充填されている(薬を詰めること)のが分かる。
治療後口腔内。オールセラミッククラウンによる補綴(ほてつ:被せること)を行った。色が左右で一致し、美しい口元になった。
歯の色、形態を左右で合わせ、違和感な無い自然な仕上がりになっている。
歯を美しく被せることはもとより、歯の内部の根管治療がより重要です。
ここをしっかりと治療することで、長期にわたって歯を良い状態で使っていただくことが出来るのです。