多くの歯科医院や小児歯科では、歯科医院専売の子ども用の歯みがき「チェック・アップコドモA」が推奨されることが多く、ほんだ歯科でも小児用歯磨き剤として推奨していましたが、注意が必要です。



子ども用の歯みがき「チェック・アップコドモA」の使用後にアナフィラキシーを発現した事例が、昨年(2022年)12月から本年(2023年)5月の間に3例報告されています。注意

アナフィラキシーとは、じんましん、赤み、かゆみなどの「皮膚の症状」。

次にくしゃみ、せき、ぜいぜい、息苦しさなどの「呼吸器の症状」や、目のかゆみやむくみ、くちびるの腫れなどの「粘膜の症状」がおこります。

さらに、腹痛や嘔吐などの「消化器の症状」、さらには、血圧低下など「循環器の症状」もみられ、これらの症状が複数の臓器にわたり全身に急速にあらわれるのが、アナフィラキシーの特徴です。

小児の場合は、急激な血圧低下で意識を失うなどの「ショック症状」も1割程みられ、とても危険な状態に陥ることがあります。非常に短時間のうちに症状が悪化することがあります。


ただ、この製品の使用とアナフィラキシーとの因果関係については不明です。

厚生労働省は5月19日に通知「薬用歯みがき類『チェック・アップコドモA』の使用後に発現したアナフィラキシーについて(依頼)」を発出し、注意を呼びかけています。

(参照:薬生安発0519第1号 各都道府県衛生主管部(局)長 宛:薬用歯みがき類「チェック・アップコドモA」の使用後に発現した アナフィラキシーについて(依頼)

●アナフィラキシーが発生した事例について


報告されたアナフィラキシー事例は、次のとおりです。


1.使用製品「チェック・アップコドモAb(ストロベリー味)」
→4歳の小児が使用し、アナフィラキシーを起こすも回復
→児には「食物アレルギー(牛乳・鶏卵)」「アトピー性皮膚炎」「急性肺炎」の既往歴があった

 

2.使用製品「チェック・アップコドモAa(グレープ味)」

→9歳の小児が使用し、アナフィラキシーを起こすも回復
→児には「食物アレルギー(鶏卵、山芋、クルミ、ピーカンナッツ)」「サワシリンによる多形紅斑の副作用歴」の既往歴があった
 

3.使用製品「3 チェック・アップコドモ Aa(グレープ味)」

→7歳の小児が使用し、アナフィラキシーを起こすも回復
→児には「喘息」の既往歴があった

(出典;GemMed )

 

 

 

 

お子様で、卵アレルギーなどの食物アレルギー・アトピー・喘息などの既往がある場合で、該当製品使用後、突然(数分~数時間)、皮膚や粘膜の症状があらわれ、さらに、呼吸器系の症状あるいは血圧の低下などのうち少なくとも1つの症状がある場合は、直ちに使用を停止して、使用製品を持参して小児科などを受診して対応することが必要です。

また、製造元のライオン歯科材株式会社 のホームページにおいて公開されている、こども用歯磨き剤「Check-Up kodomo(販売名:チェック・アップコドモA)」 の安全性に関する情報とお願い も参照してください。