大前 研一
即戦力の磨き方

大前研一氏は、昨年株式を公開したビジネス・ブレークスルー(http://www.bbt757.com/ )の代表取締役というよりマッキンゼー&カンパニーの日本支社長を長年勤めた経営コンサルタントとして有名であるが、この連休に近著「下克上の時代を生き抜く即戦力の磨き方」を読んだ。

大前氏は、ホリエモンや楽天の三木谷浩史氏そして村上ファンドの村上世彰氏の「六本木ヒルズ族」が、江戸幕末の動乱期に現われ、旧体制を打破し、明治維新への引き金を引いた志士の役目を果たしたという。

そして彼らに続くものが未だ現われていない今の平成の「下克上」時代に、経営者やビジネスパーソンに求められるのが「即戦力」「実践力」であるという。

今のグローバルな時代の日本は世界標準から20年は遅れているともいうアメリカのビジネスマンは30代で完成する人生設計を描いており、ンドは「勉強」が国技といわれるくらい自己研鑽・教育に余念がなく、大学を卒業したら世界での活躍を夢見て欧米のトップクラスの大学院に留学する人が多いという。

その即戦力に必要な「三種の神器」は、大前氏自身は

語学力(世界共通語の英語力)

財務力

問題解決力

と考えている。

この3つについては特に説明するまでもないが、アジアではインド、フィリピン、シンガポール、マレーシアそして韓国人の英語力は日本人よりもはるか上である。比較的遅れている中国でも現在は英語熱は高く、小学生が壁に向かってひたすら英語をしゃべり続ける光景など尋常ではないという。

現に、日本に来てまだ数ヶ月しか経たない中国の公務員のKさんと私の会話は英語であり、別の中国の友人も、カラオケで「タイタニック」の主題歌を英語で苦もなく歌うのには驚くばかりである。

問題解決力に関しては、欧米では小学生の時からカリキュラムに「ディベートdebate:討論」があり自分の意見を主張をする時間があるが、日本にはないばかりか受験勉強に見られる「答えを教える」教育が中心である。

ディベートやディスカッション能力の素地は欧米では小さい頃から家庭で養われる。中国人も家庭での家族の会話が豊富であることは中国の友人をみて容易に納得できる。

確かに中国人は、こちらが初めて紹介する中国人とも忽ちに旧知の仲のように会話をし、日本人のように「お見合い」のような雰囲気にはならない。

日本人が家庭での会話力の無さをカバーするには会社での会議しかないが、これも経営者や上司に恵まれないと議論にならなかったり「俺の支持とおりにやればいい」と謂れてしまうと会話力はつかなくなる。

この本で悔やまれるのは、『40歳を過ぎたら「60歳より先の人生を考えて勉強をせよ」』が、60歳に近づいている私にはあまりにも Too late であることである。


ホンダ本社 (ホンダ本社、ホンダHPより)


バブルの崩壊は、大手銀行や証券会社の倒産・合併やリストラ、日本的企業経営を代表する年功制・終身雇用制度の解消等をもたらしたが、戦後の日本企業の特徴でもあった運動会、社員旅行や独身寮の廃止をもたらした。

ところが、今、かっての「ニッポン株式会社」の伝統的な運動会等が復活しているという。(「日経ビジネス」2006.7.17号より)

アルプス電気は10月に13年ぶりに社内運動会を開催し、ホンダも鈴鹿製作所で24年ぶりに、同様にユニ・チャームプロダクツ、テイクアンドギヴ・ニーズやP&Gジャパンが運動会を復活するという。

また、我々団塊世代の新入社員時代の思い出の「独身寮」も復活しつつある。三井物産は都内の4棟のマンションを借り、13年ぶりに独身寮を新設した。日本電産サンキョーも今年独身寮を新設するという。

これらの復活は、企業側の業績回復や「社員の連帯感」を高めたい意図からであるが、一方新入社員も「会社の親睦行事に参加してもよい」とする人が83%にも達している「出来ればやりたくない会社の風習」からの意識の変化にもよる。

しかし、伝統的な社内行事を復活している企業は大手優良企業や楽天等の新興企業である。これらの企業は社員に対する処遇や職場の活性化が相応の水準にあり、これら行事がさらに社員の一体感を醸成する役割を果たすものと期される。

従って、中小・中堅企業では、日頃の職場の活性化に気を配り、社員の声を聞く姿勢が経営者にないとこれらの行事を企画しても、参加しない社員や参加してもいやいやという社員が多いことになりかねない。

ましてや、経営者が「社員は絞りとるもの(大前研一の著作より)」と思っている企業は単なる慰労会を行っても、参加者が少なく「俺の真意を理解してくれない」とひとり嘆くことになる。

このような経営者がいるとしたら、まず自分の意識改革がFirstであろう。

ギ ソルマン, Guy Sorman, 秋山 康男
みんながアメリカを嫌う

任天堂 〔任天堂HPより)


夏のボーナスは既に支給されている会社もあるが、今日あたり支給されるの会社が一番多いのではなかろうか?


今朝の日経新聞では、全産業の一人当たりの支給額は、前年夏比2%増の82万6千円で03年から4年連続、過去最高の更新も3年連続になったと報じている。


個別企業では、任天堂が168万円で7年連続の首位。有名企業ではホンダが3位、武田薬品が8位、積水ハウスが9位、キャノンが11位で114万円などである。


ボーナスは当然企業の業績による社員への配分であるから、上位各社はその年の好業績会社が上位にくる。任天堂は携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」などのヒットやホンダは海外販売の好調によるものである。


もうボーナスをもらわなくなってから何年だろうか? 年俸制の導入により年収を単に12分の1毎月支給されるだけである。


日本の夏はお盆や子供の夏休みで纏まったお金が必要な行事があることより、この夏のバーナスはやはりいい制度であると思う。


ただ、新聞に出てくる企業のボーナスの金額の多さに羨ましいだけならまだいい会社員も多く、景気が回復して企業に余裕が出てきたにも拘わらず

支給しない企業や高齢者は対象外とする企業もあると聞く。


私は、苦しくても社員の日頃の頑張りに少額でも報いようとする経営者の姿勢に社員は必ず答えてくれると信じるものである。



杉本 信行
大地の咆哮 元上海総領事が見た中国




ワールド 〔ワールドHPより)


いよいよ明日日銀が5年4ケ月ぶりにゼロ金利を解除し、金利の誘導目標を0.25%に引上げる。


日本経済の景気の回復・拡大が確認できたことによるものであるが、立ち上がりにはこれまでの企業のリストラに負うところが大であることは論を待たない。


先期から今期にかけ、日本企業は過去最高益を計上する企業が続出しているが液晶テレビが好調なシャープも3期連続で最高益を更新する好調企業である。


そのシャープは、液晶テレビの工場を持つ三重県亀山市は、のシャープを頂点にして多くの協力会社や業務請負、労働派遣会社が裾野に広がっている。


特に工場では業務請負や派遣労働の活用が進んでいるが、彼等の労働条件は決してよくない。請負労働者の平均時給は1347で、南米からの日系人と大差がなく、しかも有期契約であり何時解雇されるかわからない不安定な立場にある。(「日経ビジネス」06.7.10号より)


驚くことに経済開発機構(OECD)によると、日本の相対貧困率(可処分所得が中央値の半分以下の世帯比率)は15.3%で5番目でしかもOECD24ケ国の平均10.4%を上回っている。


この主因は「パートなどの非正社員の増加」と推測され、「1億総中流」はすっかり一昔前の日本になっているという。我々の生活実感もそうである。


何事にも「揺り戻し現象」があるものであるが、行過ぎた競争による「差資本主義」に抗する流れも出てきているという。


株式上場を廃止したあのアパレルメーカーのワールドhttp://www.world.co.jp/ )は、非上場後にパート社員の正社員化に取り組み、現在は1万人のパートの95%が正社員になっているという。


ワールドの寺井秀樹社長は「価値は最終的に店舗が決めているから、(そこで働くパートを)正社員にすべき」といい、産業再生機構COOの冨山和彦氏も「資本主義はリアルキャピタル(資本)でなく、ヒューマンキャピタル(人的資本)へとその軸足を移し始めている」という。


今や現場の(正)社員に働き甲斐を持たせることが、長期的に企業価値を高めるとの考えが、日本以外にもアメリカやフランス等欧米で再認識されてきたことは、正しく日本人の得意とする団体的・家族的経営の復権でもある。



池尾 和人
開発主義の暴走と保身 金融システムと平成経済

JRA (日本中央競馬会HPより)


昨日、北海道の苫小牧で行われた競走馬の競り市「セレクトセール」で、今年2月生まれた牝馬が今までの最高額の6億円で落札されたという。

競馬には詳しくないが、この馬の父は日本ダービーなどGI2勝をあげたキングカメハメハで母はエリザベス女王杯を制したトゥザヴィクトリーだという。

昨年無敗の三冠馬ディープインパクトは02年前に7千万円で取引されたから、この馬はいかに高額かである。

多分、この差は馬の両親或いは片親の現役の成績からはじかれたと思われるが、経済学的に将来期待価値は如何に算出するのか、鈍足かもや足の骨折等のアクシデントを如何に織り込むのか興味を持ってしまう。

翻って人間は馬のようにはいかない。優秀で立派な夫婦の子供が売買されることはもちろんないが、その子が親のように優秀で性格がいいとは限らない。

人間の場合は、多少の遺伝要素はあるが3歳位までの親の愛情語りかけがその子の将来を決するのが持論である。

従って、私は今の若い夫婦の共働きで子供を託児所等に預けるのは賛成しない。

それから、小・中学生の子供には親の生き様―例え貧しくても必死に働く姿や他人に対する正直さや思いやり等が、子供が社会人に成った時に「鏡」になるのではなかろうか。

綱淵 昭三
東レ 前田勝之助の原点 現実を直視せよ

金融庁 〔金融庁HPより)


以前のUFJ銀行、明治安田生命保険に続き、最近は三井住友銀行、中央青山監査法人、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険などに金融庁http://www.fsa.go.jp/ )の検査が入り、業務停止などの厳しい処分がなされている。


この金融庁の処分に関するアンケートが「日経ビジネス」7.10号で掲載している。


各Q(質問)に対するA(返答)は

 Q1.金融庁の処分の評価は?

    ・まだ手ぬるい  44.8% ・適切だ 36.5%

 Q2.「まだ手ぬるい」と考える理由は? 

経営陣の責任の取り方が甘い 72.7%

 Q3.金融機関の法令順守体制強化に必要なものは?

経営陣の法令順守意識の向上 64.8%

社外チェック体制の充実   約58%


いずれにせよ不祥事の発生は、最近の統合した大会社に集中しており

規模の拡大に「コーポレートガバナンス(企業統治)」が付いて行ってない証左である。


今ひとつは、大会社、中小会社を問わず企業経営者の法令順守が欠如していることであるが、この法令違反に対する自分、自社、社員を含めたステークホルダーの犠牲を他人事のように感じる甘さなのであろうか?


或いは、自覚していても掴んだ権力や金に対する執着心から解放されない

人間の性」によるものであるか?


経営トップになったことがないからわからないが、いずれにしろ「身辺の綺麗な」経営者が活躍できる企業社会になってもらいたい。



A. トフラー, H. トフラー, 山岡 洋一
富の未来 上巻
A. トフラー, H. トフラー, 山岡 洋一
富の未来 下巻

(プロフェッショナルバンクHPより)



このブログやその前のメールマガジンを書き始めて2年半にならんとして

いるが、最近私の友人のブログを読んで何か恥ずかしい気持になった。

このブロガーは、私の同窓同期の前パソナ社長を務め、1昨年10月に㈱プロフェッショナルバンクhttp://www.pro-bank.co.jp/)を創立した上田宗社長である。

ブログのタイトルは「団塊社長のプロBLOGhttp://www.pro-bank.co.jp/blog/index.html )であるが、彼はビジネス36年間の内、18年間アメリカ、南米等の海外生活を送り、また職業柄いろんな人との出会いを経験している。

このBLOGは上田社長の暖かい人柄に本や海外生活の経験から培われたがにじみでており、生活や社会の現象をいろんな角度から捉えている。

比べて自分のブログの文章の未熟さや硬さそしてビジネス本中心の情報収集からくる狭角度から視点・・・・・

是非、「団塊社長のプロBLOGhttp://www.pro-bank.co.jp/blog/index.html )を

読んでブログをすでに書いている人やこれから始める人は参考にしてもらいたい。

田中 慎一
ライブドア監査人の告白
北尾 吉孝
中国古典からもらった「不思議な力」


昨年のライブドアによるニッポン放送の経営権獲得騒動で、「白馬の騎手ホワイトナイト、White knight)」として颯爽と登場したSBIホールディングス(http://www.sbigroup.co.jp/ )代表取締役CEO北尾吉孝氏を覚えている方は

多いのではなかろうか?


テレビや講演会でみる北尾社長は、いかつい顔に今年55歳とはとても思えない落ち着き振りと貫禄がある人である。


昨晩、その北尾氏の本「中国古典からもらった不思議な力」を一気に読み

通した。


率直な感想は、SBIのグループ企業群のトップ、白馬の騎手(ホワイトナイト)を引き受ける人物の印象からは程遠い極めてオーソドックスな人物である。


この本の中の、北尾氏は人生を成功に導く「人生の四大テーマ」として

運を強くすること

人生を心豊かに楽しくしていくこと

リーダーに求められる資質を学ぶ

仕事を成功させる知恵

を挙げている。


一番目の『運を強くすること』を紹介すると、運には「天運―神様が決めるもの」と「人運―その人の努力や生きざまによって変える」の2種類があり、「人運」は孟子の「立命」にあたるという。


『易経』には、この「何ともならない部分」も含めて運命がよくなるためには「積善の家には必ず余慶あり。積不善の家には必ず余殃(よおう)有り」という言葉があるという。


この意味は、善行を施し積み重ねていく家は必ず余分の恵みがあり、不善の家には必ず災いがある。そして善行の積み重ねは子孫末代にわたり大きな影響があるという。


北尾氏も、2001年ソフトバンクファイナンスの取締役会で社会貢献策の一つとしてグループ会社で税引後利益が3億円以上を計上した場合、その1%を児童福祉社会福祉法人へ寄付し、それ以降毎年これを続けているという。


2004年7月の寄付は173施設で総額1億6千万円強であるから、今日のSBIグループの成長し好業績からは、その寄付額は大幅に増大していると推定される。


皆さんの会社は、経営者が或いは皆さんが日頃からほんの小さな善行でも積み重ねているでしょうか? 積み重ねないと「運」は開けないと信じ、今日からでも「一日一善」を習慣付けたいものである。



ジェームズ・C・コリンズ, 山岡洋一
ビジョナリーカンパニー【特別編】














ボーダーフォン (ボーダフォン新製品、同社HPより)


「二律背反antinomy」とは、辞書に「哲学で相互に矛盾する二つの命題(定立と反定立)が同等の妥当性をもって主張されること」と説明されている。


このように難しくとらえなくても、この世には相反する事象が実に多いことは我々凡人でもわかる。例えば、食生活が豊かになり糖尿病になる「飽食と不健康」の関係などである。


現在の携帯電話機能は日進月歩であり、保存される情報も電話番号、メールアドレスや写真など増加する一方である。


この携帯電話には機密性の高い個人情報を沢山詰め込まれている。

従って、紛失すれば忽ちにニッチもサッチもいかなくなるばかりでなく、大きな事故や損害をもたらす危険性がある。


最近、携帯電話各社はより高い利便性の追求以上に、その危険の防止や不安の軽減に激しい競争をしているという。(「日経ビジネス」06.7.3号から)


NTTドコモは、紛失時に遠隔地から携帯電話の操作を不能にする「遠隔ロック」機能の機種の発売を始めており、KDDIもauで同様の機能機種を用意しているという。


既に、本人だけに限定する認証機能も従来の暗証番号から、指紋、顔、声などの生体情報を利用した携帯電話が登場しており、NTTドコモ、ボーダーフォンは既に発売中で、KDDIも投入を検討しているという。


更に、生体認証以外に携帯電話に専用の“”を使う方法が研究されているという。携帯電話と別に無線機能を持つ小型装置をもち、両者が離れると通信が出来なくなるものである。


いやはや、最近漸く写真付きメールが打てるようになったり、WEBでニュース等が見れるようになったばかりの中高年には、これらの機能は大変助かる筈であるがその操作に慣れるまでまた一苦労しそうである。


電話料も安く、長く話せたし、何処までも家族から追いかけられなかったと最近は探すのに一苦労する公衆電話時代を懐かしんでいるようではあまりにも情けない時代になったものである。




スティーヴン・レヴィット, スティーヴン・ダブナー, 望月 衛
ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する

小泉首相 〔首相官邸に入る小泉首相、asahi.comより)


今朝のニュースで、午前3時から6時までの間に北朝鮮がテポドンを3発

日本に向け発射したテレビニュースで驚いていたら、会社に着いた7時半ごろ4発目が打たれたという。


今漸く新興株も含め日本の株式市場が再浮上の最中での今回の北朝鮮の狂気な行為は、日本だけでなく建国記念日(4日)の米国をも怒らし先取防の手段をも辞さないことになりかねない。


株式相場の変動要因には、昔から国内の企業業績、為替相場、国際経済

戦争紛争などの地政学的要が挙げられるが、最後の地政学的要因が現実化しようという状況になってきた。


今日乃至今後の株式市場が、今回の事件をどのように反応していくか

興味深い!(午前8時現在)


大前 研一
即戦力の磨き方