仕事のペースを今の半分にしたとしても、おそらく文句を言われる様なパフォーマンスにはならず、プライベートの時間もしっかりとれて、お給料も申し分なくもらえる…どう考えても楽が出来る状況が目の前に広がっているのに、その生活を選んだら後で絶対に後悔すると感じてしまう…
これ以上贅沢な悩みってあるでしょうか。
「じゃぁ何をしたいんだ?」
というと、「思いっきり志が同じチームを作ってどこまで行けるか見てみたい」んです。
これについても散々検証しました。2年前には部下0でプレーイングマネージャーとして始め、今は4人。志的にはかなり近い人達が集まって来ています。
「どこか他でグループを始めるのじゃなくて、今居る人達で始めればいいじゃない…?」
まさにその通りなんですよね。
「えびのり、ないものねだりはいけません。今あるチームを強くするのが貴方の責任じゃないですか?」
それも、その通りなんです。
その観点から、まぁ散々検証しまくりました。…でも、
「やっぱりそうだよね~。彼らの人生において私も少し責任ある訳だし…。」
という得心がいかないのです。
どうしてなのか…
結論はここなのです。
私の志とその上の人達の志が一つにならないから
ここに結局いきついてしまうのでした。
以前別のビジネスから今のビジネスに意識的に動いた時のことを思い出しました。
当時、そのビジネスは飛ぶ鳥を落とす勢いで成長していました。基本の特許をしっかり押さえて、独占販売に近い形でビジネスをしていたのです。しかし、基本となる特許の一部が切れて粗悪な品質だけれど価格の安いイミテーションが出回り始めてきていました。
それまでは、他社にビジネスを取られることはほとんどありませんでした。顧客も多くの国でオペレーションをしていたので、日本での販売減は台湾や韓国に注文が動くだけだったのです。けれど、その粗悪だけれど安い製品が出まわるようになり、よく見ると、自社品の販売額と市場のサイズにだんだんと乖離が見られるようになって来ていたのです。けれど、その動きは丁寧に解析しないと見過ごされてしまうものでした。なぜなら、仮に日本でロストしたとしても日本の人は以前の様に「台湾に取られたんだろう」と思います。それが本当に台湾に移ったのかどうか、台湾に確認しないと「なくなってしまったのか」どうかは判らないからです。本社がそれを気がつくことが出来る唯一の場所であったのです。
私は、それぞれの国の人達の「また取られたよ~」という声を聞いて、「おかしい!」と思いました。
誰かが取られたら、誰かがもらっている筈なのです。全部の国が「取られた」と言っているということは、我々ではない「誰か」が取っていることになるのです。
それに気がついた私は更に詳しく解析を進め、自分たちが思っている様な市場占有率はもはやないこと、根本的にビジネスモデルを考え直さないと取り返しのつかないことになる。このシナリオを回避するためには今ならいくつかオプションがある…
そう提案しました。
さて、何が起きたでしょう。
上の人達の私への批判の嵐が吹いたのです。
データを基にしっかりと考察しても、「データが悪い」「自分に注意を向けたいために騒いでるんだろう」と非難されたのでした。
「このまま流されたら滝が前にあって、落ちますよ」
「オオカミが来るよ」
と言った私に、「嘘つき!」とののしったのでした。
ビジネスが沈んで行くのを見て見ぬ振りが出来ません。見ている距離が違う、志が根本的に違う人が上にいて、その権力(ポジション)に固執する時、見えている距離が違うから、私が「嘘つき」になってしまうのです。
多いに落胆し、その場所を去ったのですが、やはり私が去った後3年後、そのビジネスは滝壺に落ちていきました。予言した通りのシナリオで。その時の権力を持っていた人達の上に、新しいセットのリーダーが次々とやって来て、組織の粛正と人きりを行っていきました。私を嘘つきとののしった人達は、降格させられてもそこに残り、あるいは違う場所で更に降格をされながら働いています。
私が出て行った後、その粛正中に残っていた人達が私に言いました。
「いい時に出て行ったよね~。」
それを聞く度に苦く哀しい思いをしたのは言うまでもありません。それを回避する手段があったのに、その機会を与えられなかったばかりか嘘つき呼ばわりされ、去らざるを得なかったのだ…と。
話を現在に戻します。
今は好調だからいいとして、これ以上続けて行くと、必ず声をあげなければ行けない場面が出てくるのです。既に「社内装飾」に血道を上げている事業部なのですから、おかしくならない方がおかしいです。その時に、本当のことを言わないでいられない筈なのです。
「このまま行くと滝壺があるよ」
「オオカミが来るよ」
と。
今の配役でそれを言ったら、確実に「嘘つき」呼ばわりされるのは、以前の時より更に確率は高いです。もう、100%間違いないと言っていいでしょう。密室でそれを言ったら確実に抹殺される…、それはそれなりに働いて来ているので、賢くなりました。だから、密室で言わず出来るだけ広く広く解放状態で言う様にするにはどうしたらいいのか?
それも、解析してみました。
結論は、「どうも同じ志の人は上には居そうもない」という残念な結論だったのです。
世界中でビジネス展開をしていて、9万人弱の社員のいる超大企業で、CEOから数えると私のポジションは4段下になります。私とCEOの間にいる人は斜めの関係を加えてもそんなに多くないのです。
結局「雇われ社員だしな~」と、覚めて納得もしますし、自分の信ずるところを曲げない限り、この環境では生きて行けない…そういう思いがあるから、どういう経緯で現実になるか判らないけれど「後悔する」と思ってしまうのです。
これ以上贅沢な悩みってあるでしょうか。
「じゃぁ何をしたいんだ?」
というと、「思いっきり志が同じチームを作ってどこまで行けるか見てみたい」んです。
これについても散々検証しました。2年前には部下0でプレーイングマネージャーとして始め、今は4人。志的にはかなり近い人達が集まって来ています。
「どこか他でグループを始めるのじゃなくて、今居る人達で始めればいいじゃない…?」
まさにその通りなんですよね。
「えびのり、ないものねだりはいけません。今あるチームを強くするのが貴方の責任じゃないですか?」
それも、その通りなんです。
その観点から、まぁ散々検証しまくりました。…でも、
「やっぱりそうだよね~。彼らの人生において私も少し責任ある訳だし…。」
という得心がいかないのです。
どうしてなのか…
結論はここなのです。
私の志とその上の人達の志が一つにならないから
ここに結局いきついてしまうのでした。
以前別のビジネスから今のビジネスに意識的に動いた時のことを思い出しました。
当時、そのビジネスは飛ぶ鳥を落とす勢いで成長していました。基本の特許をしっかり押さえて、独占販売に近い形でビジネスをしていたのです。しかし、基本となる特許の一部が切れて粗悪な品質だけれど価格の安いイミテーションが出回り始めてきていました。
それまでは、他社にビジネスを取られることはほとんどありませんでした。顧客も多くの国でオペレーションをしていたので、日本での販売減は台湾や韓国に注文が動くだけだったのです。けれど、その粗悪だけれど安い製品が出まわるようになり、よく見ると、自社品の販売額と市場のサイズにだんだんと乖離が見られるようになって来ていたのです。けれど、その動きは丁寧に解析しないと見過ごされてしまうものでした。なぜなら、仮に日本でロストしたとしても日本の人は以前の様に「台湾に取られたんだろう」と思います。それが本当に台湾に移ったのかどうか、台湾に確認しないと「なくなってしまったのか」どうかは判らないからです。本社がそれを気がつくことが出来る唯一の場所であったのです。
私は、それぞれの国の人達の「また取られたよ~」という声を聞いて、「おかしい!」と思いました。
誰かが取られたら、誰かがもらっている筈なのです。全部の国が「取られた」と言っているということは、我々ではない「誰か」が取っていることになるのです。
それに気がついた私は更に詳しく解析を進め、自分たちが思っている様な市場占有率はもはやないこと、根本的にビジネスモデルを考え直さないと取り返しのつかないことになる。このシナリオを回避するためには今ならいくつかオプションがある…
そう提案しました。
さて、何が起きたでしょう。
上の人達の私への批判の嵐が吹いたのです。
データを基にしっかりと考察しても、「データが悪い」「自分に注意を向けたいために騒いでるんだろう」と非難されたのでした。
「このまま流されたら滝が前にあって、落ちますよ」
「オオカミが来るよ」
と言った私に、「嘘つき!」とののしったのでした。
ビジネスが沈んで行くのを見て見ぬ振りが出来ません。見ている距離が違う、志が根本的に違う人が上にいて、その権力(ポジション)に固執する時、見えている距離が違うから、私が「嘘つき」になってしまうのです。
多いに落胆し、その場所を去ったのですが、やはり私が去った後3年後、そのビジネスは滝壺に落ちていきました。予言した通りのシナリオで。その時の権力を持っていた人達の上に、新しいセットのリーダーが次々とやって来て、組織の粛正と人きりを行っていきました。私を嘘つきとののしった人達は、降格させられてもそこに残り、あるいは違う場所で更に降格をされながら働いています。
私が出て行った後、その粛正中に残っていた人達が私に言いました。
「いい時に出て行ったよね~。」
それを聞く度に苦く哀しい思いをしたのは言うまでもありません。それを回避する手段があったのに、その機会を与えられなかったばかりか嘘つき呼ばわりされ、去らざるを得なかったのだ…と。
話を現在に戻します。
今は好調だからいいとして、これ以上続けて行くと、必ず声をあげなければ行けない場面が出てくるのです。既に「社内装飾」に血道を上げている事業部なのですから、おかしくならない方がおかしいです。その時に、本当のことを言わないでいられない筈なのです。
「このまま行くと滝壺があるよ」
「オオカミが来るよ」
と。
今の配役でそれを言ったら、確実に「嘘つき」呼ばわりされるのは、以前の時より更に確率は高いです。もう、100%間違いないと言っていいでしょう。密室でそれを言ったら確実に抹殺される…、それはそれなりに働いて来ているので、賢くなりました。だから、密室で言わず出来るだけ広く広く解放状態で言う様にするにはどうしたらいいのか?
それも、解析してみました。
結論は、「どうも同じ志の人は上には居そうもない」という残念な結論だったのです。
世界中でビジネス展開をしていて、9万人弱の社員のいる超大企業で、CEOから数えると私のポジションは4段下になります。私とCEOの間にいる人は斜めの関係を加えてもそんなに多くないのです。
結局「雇われ社員だしな~」と、覚めて納得もしますし、自分の信ずるところを曲げない限り、この環境では生きて行けない…そういう思いがあるから、どういう経緯で現実になるか判らないけれど「後悔する」と思ってしまうのです。