亡くなる寸前までお酒のことを考える藤原道隆のことが『大鏡 全現代語訳 (講談社学術文庫)』に記録されています。
疫病ではなく、御酒の飲み過ぎからの飲水病で亡くなる道隆さん、しかしその死ぬ間際までお酒のことが・・・
死に際までもお酒好きの心を忘れなかった道隆
大河ドラマ『光る君へ』でも、お酒をよく飲んでいる感じの藤原道隆さんですが、『大鏡』でもその度が過ぎた深酒について書かれていました。
(NHK大河ドラマ『光る君へ』で病に倒れ、死の床に就く道隆(C)NHK)
『大鏡』では、道隆さんのお飲みっぷりは立派で、お酒好きのお心は死ぬ間際までお忘れなさらなかったのでしょうかと以下のエピソードが紹介されています。
道隆さんがお病みつきになって、お亡くなりなさったとき、ご臨終に人々が道隆さんを介添え申して西の方にお向かせ申し上げて、「お念仏をお唱えあそばしませ」と、道隆さんにお勧め申し上げると
道隆さん
「飲み友達の済時や朝光なども、極楽にいるだろうか」
はおっしゃられたそうです。
よくもまあお酒にご執着なさったものよと、まことにあっぱれなことでした。いつもご心中にお酒のことばかり思い出しになる癖がついていらっしゃったからでしょうか
と評しています。
ちなみに、飲み友達の済時や朝光は賀茂院の行列見物で3人で酔って、被り物を脱いで頭を晒してしまう酔態の仲間です。その記事は、こちら