中東情勢が経済に与える影響と、それに対する投資戦略を考えてみる③
今は中東情勢の混乱などで、マーケットは明らかに混乱しています。「有事のドル買い」
という言葉があるように、大きな混乱の際は資金はドル・円・フランに向かう傾向があり
ます。特にドルに資金が向かう動きが顕著で、大きな要因は米国の年金マネーのリパトリ
(本国への資金還流)が大きく影響します。なぜ米国年金マネーがドルに向かうかと言え
ば、米国は彼らにとってホームマーケットであり、今回のように地政学リスクが取り沙汰
される場合、平たく言えば「逃げ帰って来る」状況です。ただ注意したいところで、その
マネーの動きに先んじて米株や米国債や米企業社債などに資金を振り向けても思うような
成果に結び付かないかもしれません。それは年金や投信のマネーは予め投資方針を決め、
自身の行動に大枠を付けているため、単発的な現象で安易に投資方針を変更する事は出来
ないのです。つまり、今は中東の台風に耐えるためにドルというシェルターに隠れている
状況です。言い換えるならば、この状況は、まだ本格的なリパトリとは言えないかも知れ
ません。本格的なリパトリが起こるには、一部の投資家が大きな打撃をこうむる必要があ
ります。それを目の当たりにして投資家のリスク回避志向、つまりリパトリが本格化すれ
ば米国債などの投資先に投資妙味が出てくると考えられます。
Ken
3大指標原油とは?
3大指標原油とは、テキサス産軽質油(WTI)、北海ブレント、ドバイ原油の3つの油種を指す。価格は通常、硫
黄の含有量が最も少ない、ガソリンを多く生産できる軽質油WTIが最も高く、次いで北海ブレント、WTIより2~3
ドル安い、重油なども含む中質油のドバイ原油はブレントよりさらに安い。
現在中東におけるデモなどによる情勢の混乱で、北海ブレントとドバイ原油ともWTIよりも高値で推移している。中東依存度が高い日本は、ドバイ原油の影響を最も強く受ける。
Robin
今後10年間原油価格は上昇傾向か?!
クォンタム・ファンドの共同設立者(Co-Founder)、ジム・ロジャーズ氏が昨日(2月28日)香港で、グローバルリソ
ースのロジャースインデックス発布会に出席する際に、次の1年間で、アジアにおけるグローバルな商品市場
は、強気相場を維持することが指摘された。特に原油価格はこれからの10年間で 1バレル200ドルを超え、農産
物の価格は長い間過小評価されており、今後は上昇傾向を維持すると述べた。
原油価格の動向についての質問について、ロジャーズ氏は“短期的な価格の予測について、私は予測できな
い。しかし、長期的には、原油価格が1バレル当たり200ドルレベルに達し、これからの10年間で上昇し続ける”と
の考えを示した。
Robin
中東情勢が経済に与える影響と、それに対する投資戦略を考えてみる②
原油上昇は世界経済に様々な悪材料をまき散らします。先進国新興国共通して原材料の高
騰を招きます。自動車社会米国の場合、人々の日常生活にガソリンは密接不可分で日本の
ようにガソリン高騰で車から電車やバスに切り替えるということが出来ない国です。この
状況は、立ち直りかけた米経済にとっても悪材料以外の何物でも無く、これはFRBが現
在実施している金融緩和策の継続を連想させます。先月までの金融政策の正常化(言い換
えると現在は異常)に水を差すことになります。同政策の継続は過剰流動性の継続を意味
し、そこから生じる余剰マネーが商品市況や一部新興国に流れ込み、それらの国のインフ
レを増幅させています。これは、厳しいインフレ圧力を受けている国々は、このインフレ
を自前で対処するしかなく、国内経済をさらに犠牲にして厳しい金融引締策を採用する事
を求められます。次回は、米経済は不明瞭、新興国も厳しい、こうした投資環境でどのよ
うに振る舞えば不正解でないか、を考えてみたいと思います。
Ken
中国ジャスミン革命-デモ不発、当局放水で封じ込め(5)
中国の民主化を求める「中国茉莉花(ジャスミン)革命」の呼びかけを受け、中国当局は27日、清掃車からの
放水などを用いて、デモ発生を封じた。北京市の繁華街は一時立ち入りが禁じられ、歩行者が排除された。上
海でも清掃車が道路脇に放水しながら人を散らした。北京と上海で少なくとも計5人の市民が当局に連行され
た。
反中国系で『ジャスミン革命』集会への参加を呼び掛けた米国の博訊新聞網は26日晩、同サイト上で呼びか
けを撤回した。米国で設立された同サイトは、「われわれはただ受け取った原稿を掲載しただけで、大きな圧力を
受けている」と主張、「19日より激しいサイバー攻撃を受け、サイトの正常な運営ができなくなっている。正常な運
営と現在の情勢分析などのため、当分は『ジャスミン革命』集会通知の発表を見合わせる」と主張した。
現在、中国国内ではネット規制をさらに強めており、反政府活動につながる情報の検索や閲覧ができない状態
になっている。一方、中国の温家宝首相は27日、インターネットを通じた国民との対話で、経済運営の方針「第
12次5か年計画」(2011~15年)における実質経済成長率の目標を、年7%に設定することを明らかにした。
Robin