マーダーズ / 長浦京 ★★★★
検事の本懐 / 柚木裕子 ★★★★★
数学的にありえない 上 / アダム・ファウアー ★★★
数学的にありえない 下 / アダム・ファウアー ★★★★
宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたの知らないあなたの強み / 古野俊幸 ★★★
告白 / 町田康 ★★★★
遥かなる水の音 / 村山由佳 ★★★★
影武者徳川家康 上 / 隆慶一郎 ★★★★
影武者徳川家康 中 / 隆慶一郎 ★★★★
影武者徳川家康 下 / 隆慶一郎 ★★★★
検事の死命 / 柚木裕子 ★★★★★
神様からひと言 / 荻原浩 ★★★ 

連休もあったので、大量に読むことができた。
また、一気読みできる秀作が多かった。

「マーダーズ」、新聞か雑誌の書評で紹介されていた小説。
発見される死体はその後の所見で「殺人」と断定されない限り「不審死」で処理される。
殺人か不審死かを判断するのに必要なのは司法解剖だが、ほかの先進国に比べ日本の司法解剖率は圧倒的に少ない。
一体、不審死の隠れ蓑での殺人はどの程度あるのか?

柚月裕子「検事の本懐」「検事の死命」は文句なし。落涙必須
これは何も語らない。語れない。ベタな展開かもしれないが、こういう小説もあっていい。

「数学的にありえない」、癲癇持ちの統計学者の双子が薬の影響で未来を予測できるようになってしまうという話。
上巻は「読むのをやめようか?」と思うくらいの出来だが、下巻に入ると一変、展開が早くなり途中で止められない。

「告白」、探検家角田唯介が推していた小説。800ページの長編だが、1週間程度で読了。明治時代に実際にあった「河内十人斬り」を題材にした小説。


時間がたって再読したらまた印象も変わるのだろう。口語体が河内弁で記述されているので、読みにくい人がいるかと。

「影武者徳川家康」、隆慶一郎は楽天の三木谷社長ののおすすめ小説「死ぬことと見つけたり」を初読して以来。関ケ原の戦い直前に家康が殺される。長い間影武者だった世良二郎三郎が指揮を執り、関ケ原の合戦を勝利する。
 

その後も秀吉恩顧の武将が多くいるため、家康討ち死にとなると関ケ原の勝利が無駄になるので、二郎三郎が家康となり政を行う。史実とうまく絡めたフィクション。

「神様からひと言」、読売新聞の書評で紹介されていた。
広告代理店を辞め、大手食品会社に入った主人公。最初の会議で失態をさらしてしまい、リストラ候補の集まる「お客様相談室」に異動となる。
 

いやな上司や、いい加減な先輩の下で「すぐにでも辞める」つもりだった主人公が、やめられない理由と気持ちの変化とは。

しかし、こうしてみてもジャンルがバラバラですね。それが面白いんだけど。
 

キスカ 撤退の司令官 / 野口泰浩 ★★★★
極夜行前 / 角幡唯介 ★★★
逆説の日本史7 中世王権編 / 井沢元彦 ★★★
2040年の未来予測 / 成毛眞 ★★★★
エベレストには登らない / 角幡唯介 ★★★
千里眼の復活 / 松岡圭祐 ★★★
教養としての地政学 / 出口治明 ★★★

4月は出張があったので7冊。
 

松岡圭祐の「千里眼の復活」はジャケ買いして大失敗。
12年ぶりの復活らしいが、あとには何も残らない単なる冒険活劇。
 

逆説の日本史は再読。ここ最近室町時代の大河ドラマが入っていたので、手に取る。

■キスカ 撤退の司令官
旧軍軍人で好きな方をあげるなら、木村昌福と山口多聞の二人。
木村昌福はキスカ島撤退作戦を指揮し、5,200人一人残らず撤退させ損害もゼロという奇跡に近い作戦を成功させた。
「八月十五日に吹く風」松岡圭祐の小説にもなっているが、海軍軍人らしからぬ人柄は現代でも人の上に立つ人であれば、参考にできるところが多い。

■極夜行前
その名の通り、「極夜行」への準備を綴った本。

Amazonで買った六分儀を手にカナダ極北で、極夜を体験し、本番の「極夜行」の舞台を決め、グリーンランドのシオラパルクに行くこと数回、極夜行に向けて、食糧をデポしながらルート調査を行う。
「極夜」とは、冬の間太陽が出ないことを意味し、よく聞く白夜の逆である。
 

真っ暗な中、GPSを持たず天測で自らの位置を測り、全てをおいて自己の責任で探検する。
19世紀の探検家に近いかたちの探検だ。

何年にも渡り、膨大な準備をしたにもかかわらず、本番の開始時期にトラブルが発生するのは読んでのお楽しみとしておこう。
「極夜行」は数年前に読んだのだが、本作を踏まえ再読してみたくなった。

■2040年の未来予測
20年後に関係あること全部出しました!との帯。
「はじめに」にも書いてあるように、20年前はスマートフォンもなく、ガラケーで写メを撮って「これは画期的だ!」と喜んでいた時代。
ネットはADSLがまだ主流で、YahooBBが駅前でルーターをばら撒いていた時代のような気がする。

スマホが登場したのは2008年、最初はおもちゃかと思っていたが、あっという間には普及し携帯=スマホの時代。

本書ではこれからの20年後を予測する。
決して明るい材料はないが、傾向がわかれば対策もできるというもの。
 

2000年にスマホの登場を予想できなかったように、今現在で予想できない新たな技術が普及し、本書の予想をいい意味で裏切ってくれることを期待する。

気になるのが著者の成毛眞氏、本書で執筆を一段落されるという。また、復帰してくれるのを期待するばかり。
 

ザ・カルテル(下) / ドン・ウィンズロウ ★★★★
ハンターキラー 最後の任務 (上) / ジョージ・ウォーレス&ドン・キース ★★★
ハンターキラー 最後の任務 (下) / ジョージ・ウォーレス&ドン・キース ★★★
ザ・ボーダー(上) / ドン・ウィンズロウ ★★★★
ザ・ボーダー(下) / ドン・ウィンズロウ ★★★★

 

 

-冷戦史上最大の二重スパイ / ベン・マッキンタイヤー ★★★★

 

よく読んだ一か月だった。

ドン・ウインズロウの小説はどれも700ページ越えで、シリーズ最終作の「ザ・ボーダー」に至っては辞書並みの厚さ。


しかし、長さを感じさせない展開とストーリーの深さ、小説内も1975年から2017年までを描くが、作者にとっても最初の「犬の力」から「ザ・ボーダー」まで20年かかって書き上げた代表作。

「KGBの男」はMI6がKGB内に獲得したスパイの実話。赴任先のデンマークでMI6のスパイとなり、一度帰国しその後はなんとスパイ相手のイギリスのKGBに赴任するという偶然。
 

色々あって、帰国させられスパイであることが発覚しそうになった際に、MI6と協力しモスクワから脱出を図るのだが、脱出作戦発動の連絡方法、尾行を巻く方法、協力者がいない中でソ連から脱出させる方法などまるで映画のような実話。
 

最終章では分刻みに話が進む。

昨年読んだ「最高機密エージェント: CIAモスクワ諜報戦」も非常に面白かったのだが、このCIAのスパイであるソ連人は諜報機関で務めている人ではないが、本作のスパイはKGBのバリバリのスパイ。
 

このような本によくある巻頭の写真で結末はわかってしまうのだが、掛け値なしで面白いノンフィクション。
 

本作で登場するCIAのクズ野郎(KGBに情報を流す)のせいで前述の「最高機密エージェント: CIAモスクワ諜報戦」のエージェントが拘束されることになるという部分も非常に興味深い。
 

犬の力(上) / ドン・ウィンズロウ ★★★
犬の力(下) / ドン・ウィンズロウ ★★★
「空腹」こそ最強のクスリ / 青木厚 ★★★
腸がすべて アダムスキー式「最高の腸活」メソッド / フランク・ラポルト=アダムスキー ★★★
光秀の定理 / 垣根涼介 ★★★★
ザ・カルテル / ドン・ウィンズロウ ★★★★
大事なことは3語で伝えなさい / 野口敏 ★★★★★

超長編に手を出してしまった。

 

ドン・ウィンズロウの犬の力、ザ・カルテル、ザ・ボーダーと続くDEAとメキシコの麻薬王との争い。
とにかく、登場人物が多いので多少混乱するが、ストーリーがしっかりしているので筋を見失うことはない。
上巻だけで600ページに迫る長編。手を出した以上完読するしかないね。
 

この小説を読むと、トランプ前大統領が国境に壁を作りたがったわけが少しわかるような気がする。
 

「犬の力」をディカプリオ主演で映画化するニュースがネットで出ているが、公開されたという話を聞いたことがないので、お蔵入りになったか中断したか。映画というより連続ドラマでお願いしたい。

「光秀の定理」は再読。大河ドラマで明智光秀にスポットライトが当たった一年だったが、この小説は「麒麟がくる」要素は全くない。
再読でも遜色なく、面白い。

健康関連の2冊は二冊まとめて一日で読める量。「空腹は最大のクスリ」に至ってはYouTubeでブックレビューが多々あるが、それを見るだけで十分。YouTube以外のことは本には書いていない。(これはYouTuberが優秀なのか?)

「大事なことは3語で伝えなさい」は部下や同僚に配りたくなる良本。
早速、書店で発注してしまいました。
話が長い人は聞く気がなくなってくるからね。自分も気を付けようかと思っております。

 

ウルトラ・ダラー / 手嶋龍一 ★★★
F-14 トップガンデイズ / デイブ・バラネック ★★★
地頭を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」 / 細谷功 ★★★
クレイジーヘブン / 垣根涼介 ★★★
メモ活 / 上阪徹 ★★★
海峡に立つ:泥と血の我が半生 / 許永中 ★★★
企業変革力 / ジョン・P・コッター ★★★
マネーロンダリング / 橘玲 ★★★★

「F-14 トップガンデイズ」の著者、デイブ・バラネック氏はF-14のRIO(後席)として、トップガンに入校し、その後教官となる。見た目は全く違うが、映画のマーベリックと同じ道を歩む。


「海峡に立つ」は同僚で許永中に似ている人がいるので、一体許永中とは何者か?が気になり読んでみる。「マジか?」と思うことがたくさんあるが、世の中こういう世界もあるということで。

1月は正月休みもあり、併読していた本もまとめて読了したので多めです。


今年こそ読書目標75冊を達成したいね。
 

日本人だけが知らない戦争論/フォレスト出版
¥1,620
Amazon.co.jp

2015.5.23読了

太平洋戦争はアメリカが石油を輸出しなくなったのではじめた。

第一次世界大戦はサラエボでセルビアの皇太子が暗殺されたのではじまった。

太平洋戦争開戦後も日本はアメリカから石油を輸入していた事実や、第一次世界大戦にしても太平洋戦争にしても多くの人命を犠牲にするほどのきっかけであったか?という点の指摘。

古くはイングランド クロムウェルの時代、フランス革命、南北戦争、明治維新、第一次世界大戦、第二次世界大戦、全て同じテンプレートがハマるという指摘。

FRBの株はアメリカ政府は1株も持っていなく、日銀も39%が個人株主とされており、その株主は誰か明かされていない。(二つともヨーロッパの大銀行が裏で噛んでいるという話)

多少、陰謀論的なところがあるが、うなずけるところもある。
ITシステム開発はなぜ失敗するのか/幻冬舎
¥1,620
Amazon.co.jp

2015.5.22読了

この業界の片隅に身を置くものとして読んでみようと思った。

本の帯には「右脳を使えば要件定義は必ず成功する」とあり、あやしいと思ったのだが、ざっと目を通すとまともなことが書かれているので購入。

本書の対象はユーザ側を意識しているため、ベンダー側にとっては多少耳の痛い話も書いてある。
しかし、モックアップやプロトタイプを作るところ、導入効果として数値目標を上げる点など、ベンダー側としても有効な手段だと思う。

世の中、アジャイル開発と称し、ぼんやり開発していくのが流行だがお互いにとってベストな方法ではないかもしれない。
読んだら忘れない読書術/サンマーク出版
¥1,620
Amazon.co.jp

2015.5.20読了

スキマ時間の読書、時間を決めた読書、アウトプット読書、ワープ読書など参考になるテクニックは多数あるが、どうしても本を汚く読むことだけはできない。

読んだ本を身につけるためにはアウトプットすることの重要性も説かれており、その面ではこのクソブログも一助になればと思う。

斉藤孝氏の話にも四色ボールペンを持って本を読み、バンバンペンを入れるとあるが、再度申し上げるが私にはできない。

本を読むことの大切さとして、自分で勉強したいこと、足りないこと、興味のあることの本を読めば良いという事。
私はHow to物は同じようなことばかりが書いてあって、あまりためにならないと思っていたが同じようなことが書いてあるということは、それが大事なことだということ。

参考文献が多い本も信頼に値する本だということなど、今後の本選びの参考になるアドバイスも多かった。
64(ロクヨン) 上 (文春文庫)/文藝春秋
¥691
Amazon.co.jp

2015.5.17読了。

NHKでドラマをやっており、文庫落ちしたこともあって手に取る。

横山秀夫はお初。
主人公は元刑事の広報官。
話の発端は、交通事故を起こした妊婦の実名報道問題。
そこから、その県警で昭和64年(平成元年ではない)の未解決誘拐殺人事件、警察庁長官訪問など、ばらばらであるかのようだが、つながっていく。

文庫は上下2巻だが、上巻ではまだ点のままで進んでいき、下巻の後半で一気に急展開、まさに寝食を削ってでも先が読みたくなる展開。

舟を編む (光文社文庫)/光文社
¥670
Amazon.co.jp

2015.5.12読了

いわずと知れた、辞書を編纂する小説。
辞書を編纂することはまさに「編む」がふさわしい。

今まで普通に引いていた辞書を改版する作業や、新しい辞書を作る作業がこんなにも大変なのかと思った。

用例カードを常に手元に置き、町の中で新しい言葉や使い方を耳にすると、メモをして次の改版に備える。

出版社でも異質の部署となりがちな辞書編集部で黙々と作業をする人たち。

一日で読了する面白さ。