ザ・カルテル(下) / ドン・ウィンズロウ ★★★★
ハンターキラー 最後の任務 (上) / ジョージ・ウォーレス&ドン・キース ★★★
ハンターキラー 最後の任務 (下) / ジョージ・ウォーレス&ドン・キース ★★★
ザ・ボーダー(上) / ドン・ウィンズロウ ★★★★
ザ・ボーダー(下) / ドン・ウィンズロウ ★★★★

 

 

-冷戦史上最大の二重スパイ / ベン・マッキンタイヤー ★★★★

 

よく読んだ一か月だった。

ドン・ウインズロウの小説はどれも700ページ越えで、シリーズ最終作の「ザ・ボーダー」に至っては辞書並みの厚さ。


しかし、長さを感じさせない展開とストーリーの深さ、小説内も1975年から2017年までを描くが、作者にとっても最初の「犬の力」から「ザ・ボーダー」まで20年かかって書き上げた代表作。

「KGBの男」はMI6がKGB内に獲得したスパイの実話。赴任先のデンマークでMI6のスパイとなり、一度帰国しその後はなんとスパイ相手のイギリスのKGBに赴任するという偶然。
 

色々あって、帰国させられスパイであることが発覚しそうになった際に、MI6と協力しモスクワから脱出を図るのだが、脱出作戦発動の連絡方法、尾行を巻く方法、協力者がいない中でソ連から脱出させる方法などまるで映画のような実話。
 

最終章では分刻みに話が進む。

昨年読んだ「最高機密エージェント: CIAモスクワ諜報戦」も非常に面白かったのだが、このCIAのスパイであるソ連人は諜報機関で務めている人ではないが、本作のスパイはKGBのバリバリのスパイ。
 

このような本によくある巻頭の写真で結末はわかってしまうのだが、掛け値なしで面白いノンフィクション。
 

本作で登場するCIAのクズ野郎(KGBに情報を流す)のせいで前述の「最高機密エージェント: CIAモスクワ諜報戦」のエージェントが拘束されることになるという部分も非常に興味深い。