キスカ 撤退の司令官 / 野口泰浩 ★★★★
極夜行前 / 角幡唯介 ★★★
逆説の日本史7 中世王権編 / 井沢元彦 ★★★
2040年の未来予測 / 成毛眞 ★★★★
エベレストには登らない / 角幡唯介 ★★★
千里眼の復活 / 松岡圭祐 ★★★
教養としての地政学 / 出口治明 ★★★

4月は出張があったので7冊。
 

松岡圭祐の「千里眼の復活」はジャケ買いして大失敗。
12年ぶりの復活らしいが、あとには何も残らない単なる冒険活劇。
 

逆説の日本史は再読。ここ最近室町時代の大河ドラマが入っていたので、手に取る。

■キスカ 撤退の司令官
旧軍軍人で好きな方をあげるなら、木村昌福と山口多聞の二人。
木村昌福はキスカ島撤退作戦を指揮し、5,200人一人残らず撤退させ損害もゼロという奇跡に近い作戦を成功させた。
「八月十五日に吹く風」松岡圭祐の小説にもなっているが、海軍軍人らしからぬ人柄は現代でも人の上に立つ人であれば、参考にできるところが多い。

■極夜行前
その名の通り、「極夜行」への準備を綴った本。

Amazonで買った六分儀を手にカナダ極北で、極夜を体験し、本番の「極夜行」の舞台を決め、グリーンランドのシオラパルクに行くこと数回、極夜行に向けて、食糧をデポしながらルート調査を行う。
「極夜」とは、冬の間太陽が出ないことを意味し、よく聞く白夜の逆である。
 

真っ暗な中、GPSを持たず天測で自らの位置を測り、全てをおいて自己の責任で探検する。
19世紀の探検家に近いかたちの探検だ。

何年にも渡り、膨大な準備をしたにもかかわらず、本番の開始時期にトラブルが発生するのは読んでのお楽しみとしておこう。
「極夜行」は数年前に読んだのだが、本作を踏まえ再読してみたくなった。

■2040年の未来予測
20年後に関係あること全部出しました!との帯。
「はじめに」にも書いてあるように、20年前はスマートフォンもなく、ガラケーで写メを撮って「これは画期的だ!」と喜んでいた時代。
ネットはADSLがまだ主流で、YahooBBが駅前でルーターをばら撒いていた時代のような気がする。

スマホが登場したのは2008年、最初はおもちゃかと思っていたが、あっという間には普及し携帯=スマホの時代。

本書ではこれからの20年後を予測する。
決して明るい材料はないが、傾向がわかれば対策もできるというもの。
 

2000年にスマホの登場を予想できなかったように、今現在で予想できない新たな技術が普及し、本書の予想をいい意味で裏切ってくれることを期待する。

気になるのが著者の成毛眞氏、本書で執筆を一段落されるという。また、復帰してくれるのを期待するばかり。