本日も簿記論ブログにお越し
いただき誠にありがとうございます。
初めましての方はこちらをお読みください。
5月に入り、いよいよゴールデンウィーク
となりましたね。
皆様いかがお過ごしでしょうか?
いま、私の方はWeb学習方略セミナーの
開催をしつつ、テキストの編集などに
追われております。
とくに、以前から簿記の理解がなかなか
進まない原因について考えていて、
簿記学習の初めに「概念と考え方の理解」
に関する説明がないこともその1つの
原因になっていると思い当たりました。
欧米では、物理と化学などの学習では
まず、その考え方や概念について
しっかりと授業で取扱うそうです。
これがないと、本当の理解がないまま
単に計算や技術だけの習得に終止して
しまい、応用ができなくなってしまう
そうなんです。
私も以前から、簿記学習者の多くが
簿記検定3級レベルから学習を始め、
複式簿記や発生主義、期間損益計算等
について、それが何なのかも分からない
まま学習を進め、
さらには、簿記3級は1ヶ月半程度で
終わらせ、ほとんど問題集の反復練習
のみで合格証を手にする現在の
カリキュラムについて、結構、危惧して
おります。
そこで、当社の簿記反転授業講座で
使用するテキストでは、
・家計簿と簿記の違い
・単式記入と複式記入の違い
・なぜ、企業は家計簿的に記録計算しては
いけないのか?
といったところから説明に入り、
簿記の根本における概念や考え方から
理解していただく内容となっています。
このことで、簿記の仕訳なんかも
だいぶ頭の中に入ってきやすくなる
かと思います。
さて、今回の記事の内容です。
前回から、
純銀、鉄、プラスチックなどの素材を
使って、同じプレス機械を使用すること
によりマグカップを製造している会社
についての話を書いています。
第2章:ついにできた~!
新しい原価計算表
B山君達が不眠不休で取り組んだ
原価計算システムが完成しました。
1年間において発生が予想される
加工費の合計額(予算額)を、年間の
予定生産量(基準操業度)で割った
ところ、
プレス機械を1回“ガッチャン”と
するにあたっての加工費は@2,000円
(予定配賦率)と設定されました。
この加工費に従って、3種類のマグ
カップの原価計算表を作ってみると・・
【純銀マグカップ】
①直接材料費:10,000円
②加工費(予定配賦率):2,000円
③製造コスト(①+②):12,000円
【鉄マグカップ】
①直接材料費:3,000円
②加工費(予定配賦率):2,000円
③製造コスト(①+②):5,000円
【プラスチックカップ】
①直接材料費:50円
②加工費(予定配賦率):2,000円
③製造コスト(①+②):2,050円
上記の原価計算表から、プラス
チックのマグカップは最初の75円から
2,050円と跳ね上がっていることが
分かります。
「製造コストが27倍も跳ね上がる
プラスチックのマグカップなんか
作らない方がいいよねぇ~」
などと、B山君たちシステム開発部
のメンバーが暢気な会話をしている
最中、ある事件が起きました・・
第3章:若い時の苦労は買ってでもしろ
システム開発部のところへ、営業部長
のE川氏が真っ赤な顔をして怒鳴り
こんできました。
「だれだ!こんないい加減な原価
計算表を作ったのは!!!」
「どういうつもりで、2,050円など
と、目ん玉が飛び出るような値段に
したんだ!」
「どういうつもりと申されましても、
新しい原価計算システムから導き出さ
れた結論では、これが正確な製造
コストでして・・・」
「正確なコストだと?ふざけるな!
プラスチックのマグカップの製造
コストが2,050円もしていて、
どうやって100円ショップに売り込め
というんだ~!」
システム開発部のみんなが同時に
「あっ」と声を上げました。
機械で1回“ガッチャン”とプレスする
のは、素材の質にかかわらず同じだ、
とするのが
今回開発した原価計算システムの基本
コンセプトでした。
ところが、そこには買い手側の視点が
抜け落ちていたのです。
「早急に見直します!」
と平身低頭することで、E川営業部長
にはお引き取り願うことにしました。
入れ違いに、今度はS田工場長がシス
テム開発部にやってきました。
「いや~すごいね。E川営業部長の声
は隣の工場にまで聞こえてきたよ。
ところで、わたしも、プラスチックの
マグカップの製造コスト2.050円に異論
があってね。」
S田工場長の話によると、プラスチックの
マグカップの製造コストが2,050円もする
ので、だれも最新鋭の機械を使わなくなっ
たとのこと。
やむなく、工場では昔使っていた万力を
引っ張り出し、ほとんど手作業でプラス
チックのマグカップを作っている状態に
なっているそうです。
鳴り物入りで導入した最新鋭の汎用型
プレス機械ですが、今では純銀のマグ
カップを作るときだけ稼働する事態に。
純銀のマグカップは付加価値の高い
商品ではありますが、セレブ層相手
では大量生産には馴染むものでは
ありません。
しだいにプレス機械も閑古鳥が
なくようになっていました。
「これでは、何のための汎用タイプ
なのかわかりません。
加工費の予定配賦率を、早急にもう
一度見直して下さい!」
はい。
今回はここまでです。
続きは次回です。
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簿記の原理では大きく2つの
仕訳方法があることを説明して
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商品売買取引その3
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商品売買取引その4
どうして売上原価対立法や分記法では
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商品売買取引その5
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商品売買取引その6
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