ども!
eイヤホン秋葉原店 SVのたっくんです。
最近、使っているスピーカー B&W CM1に御影石を敷いてみました。
思っていたよりも大きく音が変わってびっくりしました。制振って大事だな…と感じました。
イヤホンでも、ヘッドホンでもドライバの固定方法や、ハウジングの素材に、制振するために様々な工夫がされています。そういう細かい所に着目すると、新しい楽しみ方ができるかもしれませんね。
あ、完全にオタクや…orz
ということで先日に引き続き、須山補聴器に突撃取材~後編~のスタートです!
↓前編はコチラ↓
FitEarでは現在、クリア、ブルー、レッド、ブラックからカラーを選ぶことができます。
けんけん
「ほかのカスタムIEMメーカーでは多くの色が選べますが、FitEarではあまりカラーが選べないのは何故ですか?」
須山さん
「ほかの色も作ることができるんですが、色に安定性が無いんです。FitEarでは型を取って、ドライバーを積み込む段階で、一部に削る加工をします。
ほかのメーカーさんだと、シェルの厚みを均一にしているところが多いため、色がどの箇所でも同じように見えんです。
FitEarでは、耐久性を第一に考え、もっとも強度が出るように各部でシェルの厚みに変化を持たせています。そのため、色を付けるときれいに同じ濃度の色が出にくいんです。
お客様に使っていただくものなので、細かいところですがこだわりを持って作っています。」
某女性歌手の耳型。
できあがった耳型はこうした透明なシリコンで固められ、型が作成されます。
この辺の技術は補聴器でも同じようです。
元々補聴器を作っていたので、こういったところの技術のノウハウをしっかりと持っています。
この透明の型をもとにカスタムIEMが作成されます。
実際にカスタムを作成する場合、この型通りに作ると実はユルユルだそうです。
多くのカスタムメーカーがありますが、それぞれでどこかの箇所に帯状に厚みを持たせ、耳から外れにくくするようです。
これは全部須山さんが、新製品を作る際に作られたものだそうです。
すごい数です(^^;
たくや
「フェイスプレートはなぜあの形に?JHやUEのコネクタが一般的ですが、なぜFitEarは揃えなかったんですか?」
須山さん
「フェイスプレートについてはかなり考えて作っています。他のメーカーさんは、凹凸がなくアートワークなんかも入れたりしていますが、FitEarはそもそも業務用なので、出来るだけ目立たないカラーを採用しています。
加えて、アートワークやフラットなフェイスプレートだと、ライトが当たってハレーションを起こすことがあるので、あくまで目立たず、音だけの為に使用されるように作っています。」
須山さん
「コネクタについて耐久性と、補聴器で培った技術が生きるようにあのコネクタを採用しています。
また、修理のしやすさを考慮した結果、コネクタ部をフェイスプレートに逃がすことで、万が一の時にすぐに修理できます。アーティストの顧客を抱えているため、ライブ前に故障してしまって直ぐに直さなければいけない場合などを想定しています。
カスタムIEMの故障原因のほとんどがコネクタ部の故障です。実はバランスドアーマチュアのユニット自体が壊れることはほぼありません。
本来バランスドアーマチュアは補聴器用で、耳の不自由な方の為のユニットですから、音楽で使用している音量の何倍もの音量で毎日使用され、何年物耐久性を持っているユニットです。
音楽の音量での使用では、故障することはほとんどありません。」
たくや&けんけん
「す、すげー!!!須山さん…すげーーー!!!!!!!」
試作シェル。
チタニウム!た、高そうだ。
音はどうなんですか?と聞くと、え…。まぁまぁですね(^^;とのこと。
カスタムの場合、シェルによる音質変化よりも、内部で音の導線につかっているチューブの素材や出口付近の素材の方が音への影響が大きくなるようです。
そしてこのチタンのシェルを作るのは本当に大変なようです。
そういえばこのカスタムIEM…。
たくや
「なんか見たことなさそうなやつですか!?」
須山さん
「実は今開発中の…アレです。ご期待ください。」とのことでした。
もはやあまり隠す必要もないような気もしますが、あるジャンルに特化したイヤホンになる予定です。
FitEarシリーズの音を決める基準となっているリファレンスルーム。
GRACEDesignのm904!?Porta tube+ に BabyFace!
見たことある機材だっ!
なんだかちょっと安心します(^^;
それにしても良い音だな…。セッティング次第で音が大きく変わってしまうスピーカーですが、セッティングをここまで追い込むと、こんなに良い音が出るんだ…。帰ったら家のスピーカーもいじくってみるか…。と思っていました。
そこにおられたのは…。
原田さんと言えば、松田聖子や山下達郎などのマスタリングを手掛けている方!
まさかこんなところでお会いできるとは思いもしませんでした。
実は原田さんがFitEarシリーズの音決めに携わっているんです。FitEarのMHは原田 光晴の頭文字です。
須山さんと並んで写真を撮らせていただきました。
一つ一つ手作業で作られるカスタムIEMの特性を測り、左右バランスのチェックや、不良がないかなど厳しくチェックされてお客様の元に届けられます。
本当に貴重なお話を聞かせて頂きありがとうございました。
また、須山さんと話していて、カスタムIEMを使うにあたって、注意事項などもお伺いすることができました。
・カスタムIEMは高い気密性を誇るため、音が外部に逃げずにダイレクトに鼓膜に音を届けます。必要以上に大きな音での試聴は耳を傷める危険性があるので、くれぐれもご注意ください。
・未成年の方などの身体がまだ成長を続けている方は、保護者の同意の上で使用し、耳に合わないと感じたら使用をやめるようにしましょう。
長く良い音を聴いていたいですよね?自分の耳を守れるのは、やはり自分でしかないので、使用方法をしっかり守って楽しみましょう。
また、こうした啓蒙活動を、販売店、メーカー、代理店などで力を合わせてもっと積極的にやっていきましょう。
今日はいい話をたくさん聞かせていただいて、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
ぼんやり浮かぶ須山補聴器の看板。
実はFitEar TO GO!334もカスタムと同じように一つ一つハンドメイドで作られています。
ということで、須山補聴器に突撃取材はいかがでしたでしょうか?
全面的にご協力いただいた、須山補聴器の須山さん、上岡さん。ありがとうございました。
カスタムIEMで自分だけのイヤホンを手に入れてみてはいかが!?
※須山補聴器さんで耳型(インプレッション)を採取する場合、前日までの予約が必要です。
→須山補聴器ホームページ ←
以上たっくんでした!
PS.取材してたらFitEarのカスタム欲しくなってきた…(^^;
↓前編はコチラから↓