たとえ全ての者が君を否定したとしても
僕は全力で君を肯定する MonAnge
彼の君、彼の君、お元気ですか?
こんなお芝居観てきました
場所はいつもの兎亭
黒く切なく美しい大人のための朗読劇「パンドラ童話集2」
私の愛するコッペリアの話がある
…というのを行ってから気がつきました
いや、その朗読劇の日程に気がついたのが前日でした
間に合って良かったです
今回語られる3編の中
コッペリアメインの話は「シ、イワク」
………ずるわよねー、そこの「シ」!!!!!(そこから入るかい)
たぶん、窓からのぞいたあの瞬間に
天使は「僕の天使」になったんだろう
観ている間、他の弟子の気分になってやさぐれるくらい
そりゃー「シ」が「イモウトデシ」を愛でる愛でる
こちとらもう何年も前から「シ」に仕えているわけで(←通い弟子に感情移入中)
尊敬し、敬愛し
オムレツなんざお前なんぞよりよっぽどうまく作れるやい
いやてか「シ」
あなたいつも「魚と飯と酒があれば充分」と
あれ作ろうが、これ作ろうが
「半分こ」とか言わなかったではないかー!!
60超えて血迷ったかーーー!!!!!とかとか(どんだけ弟子にシンクロしておる)
いやなんつーかさ
サンドマンの内弟子になるって、そりゃーたいそうなことだと思うわけです
「シ」はいつも教団から命狙われて
そんな中、命を削って削って言葉を紡いでいるわけです
「それ」しかできない「シ」なんですけれども
誰にも紡げない「それ」ゆえに「シ」は「シ」であるわけで
「シ」の側にいられる者というのは
「シ」が削り取るその命を
少しでも、ほんのわずかでも、繋げられるもの
だからそれができない僕らは「シ」と会える一秒一秒を大事に大事に
「シ」の隠れ家を出る時はものすごい後ろ髪引かれながら出て行っているというのに
ちゃっかり後からやってきて
「シ」の命を繋ぐどころか、ばっさり消しにきた奴だというのに
「シ」よ、なんたる甘やかな顔してイモウトデシを見るんですか
出て行く僕らを見返ることもしないですか
辛いです(めそめそめそ)
なにがこんなに辛いんだろうかと思ったらですね
彼の君がまだ大阪で活動していらした頃
観には行きます、全通です、満足です、幸せです
でもね、幸せな分だけ、新幹線が大坂を出る時、辛いのなんのって
彼の君は大阪にいると言うのに、なぜに去らなければいけないのか
本気で今所属している部署ごと大阪に行けないものかと(上司には言ってみたが当然一蹴された)
弟子達もね、決して恋愛ではないのだと思います、私同様
ただね、当然のようにそこにいるイモウトデシの立ち位置っての
どんだけの弟子達が望んでいたかっていうの、ひしひしと感じておりまして
なのでそういう感情もセリフの中にあって、いや今回もメインではなくそこにもふれる
やっぱここの本は好きだなーと思いました
またそれを受けるイモウトデシ・コッペリアもね
生まれた時から「死の天使」なんで
それ以外教わってないもので
「シ」の書いたものを読んだ衝撃たるや、我々の想像を超えたものであったと思われます
それ以外教わってないのに
それが非常にいけないことだったと気づかされるってのも辛いことだけど
気がつかないで終わるよりはずっといい
刀しか握ったことのない手でお皿を洗う、当然割る
後を振り返る
そこに笑顔の「シ」がいる
刀しか握ったことのない手でオムライスを作る
まだあまり上手には作れないし、他の物は作れないのかと人は聞くけれど
だけど「シ」がとてもとても好きな物だから
それに「シ」はいつも「半分こ」って言ってくれるから
それ以外作れなくてもきっと問題はないと思われる
「シ」が「信仰」ではなく「シ」と映る人達にとっては
それは微笑ましく思われたことだろう
だって「シ」は「シ」だけれど人間なんだもの
それがわかっているのが一緒に暮らせてたデシ達なんだろうなとかも思った
イモウトデシが最後まで入ることが許されなかった扉、その中にある「シ」の言葉
「シ」がいなくなった後に入ったイモウトデシが見つけた言葉
扉の中にひっそりと隠されていた言葉は「愛」
だから「シ」はずるいんだと言うのだよ
それがどんな「愛」なのか、もう聞けないじゃないか
隠すなら最後まで隠しやがれ、燃やして逝ってしまいやがれ
だけどもそれができなかったいどこか心弱い「シ」は、とても人間らしいと思いました
だって自分が「愛していた」こと、誰も知らなくてもいいって
そこまで人ってたやすく達観できたりしないもの
扉の中に入ってその言葉を知ったデシ達は皆涙を流していたと言う
その弱さを知ってデシ達は涙を流したのかな
もしも私がデシ達で
そんな「シ」を知ってしまったとしたら
もちろん尊敬も敬愛も全く変わらないけれども
いやもう「シ」がかわいくてかわいくてかわいくてしかたなくなると思うよ
衛りたくて
護りたくて
守りたくて
たまらなくなると思うよ
んで
コッペリアとサンドマンの関係は
まあサンドマンからの「愛」は違うと思うんだけれども
チョッパーとDr.ヒルルクのようであったと思いました(←おい)
「シ」の本を出してくれる印刷所を見つけ
はにかみながらも、でもとても嬉しそうに見あげるコッペリアと
いやもう自分の言葉を本になんぞしてくれる印刷所なんてあるわけないと知りつつ
サンドマンは死にに行ったんだと思うんです
もうすでに自分の寿命はわかっていた
少しずつ少しずつ弱っていく自分を見せて逝くのが正しいのか
「教団のせい」でばっさり逝くのが正しいのか
どっちがコッペリアを再び立たせるのに正しいのかわからないけれども
私は1日でも長くあなたの言葉を聞いていたかったです
「愛」してるなんて言わなくていいからさ
さてさて他に思いつくことなど
ちょこちょこと観せていただいてるこのリーディングシアター
何度か会った役名があって、その人の人生が垣間見えてくる所がとてもおもしろいです
……行くたび新しい謎もその倍出てくるんだけれども(爆)
当方ちょいと目が悪いので
照明暗めの所でカツラにばっちりメイクだと一瞬だれがどれだーとか思ったりするん
ですが
(↑最近イケメンの見分けすらつかなくなっていてあせっている)
なんだけれども喋りだした途端、わかる(人はわかる)
パンドラ様、幼くてもとっても怖かったよ
やっぱ最強
ミーム様も金髪だらけの女性陣の中で黒髪美しかったっす
オフィリスとアルシスも、もうちょい大人になってからの2人にはすでに会ってまし
た
今回はオフィリス役が前回と違いました
前回の双子は2人で1人みたいな感じで
今回のオフィリスは「姉」でした(ざっくりですみません)
この2人がいずれパペットと再会する話なんぞもあるんでしょうか
そんなお話も観てみたいです
彼の君、彼の君、お元気ですか?
こんなお芝居観てきました
場所はいつもの兎亭
黒く切なく美しい大人のための朗読劇「パンドラ童話集2」
私の愛するコッペリアの話がある
…というのを行ってから気がつきました
いや、その朗読劇の日程に気がついたのが前日でした
間に合って良かったです
今回語られる3編の中
コッペリアメインの話は「シ、イワク」
………ずるわよねー、そこの「シ」!!!!!(そこから入るかい)
たぶん、窓からのぞいたあの瞬間に
天使は「僕の天使」になったんだろう
観ている間、他の弟子の気分になってやさぐれるくらい
そりゃー「シ」が「イモウトデシ」を愛でる愛でる
こちとらもう何年も前から「シ」に仕えているわけで(←通い弟子に感情移入中)
尊敬し、敬愛し
オムレツなんざお前なんぞよりよっぽどうまく作れるやい
いやてか「シ」
あなたいつも「魚と飯と酒があれば充分」と
あれ作ろうが、これ作ろうが
「半分こ」とか言わなかったではないかー!!
60超えて血迷ったかーーー!!!!!とかとか(どんだけ弟子にシンクロしておる)
いやなんつーかさ
サンドマンの内弟子になるって、そりゃーたいそうなことだと思うわけです
「シ」はいつも教団から命狙われて
そんな中、命を削って削って言葉を紡いでいるわけです
「それ」しかできない「シ」なんですけれども
誰にも紡げない「それ」ゆえに「シ」は「シ」であるわけで
「シ」の側にいられる者というのは
「シ」が削り取るその命を
少しでも、ほんのわずかでも、繋げられるもの
だからそれができない僕らは「シ」と会える一秒一秒を大事に大事に
「シ」の隠れ家を出る時はものすごい後ろ髪引かれながら出て行っているというのに
ちゃっかり後からやってきて
「シ」の命を繋ぐどころか、ばっさり消しにきた奴だというのに
「シ」よ、なんたる甘やかな顔してイモウトデシを見るんですか
出て行く僕らを見返ることもしないですか
辛いです(めそめそめそ)
なにがこんなに辛いんだろうかと思ったらですね
彼の君がまだ大阪で活動していらした頃
観には行きます、全通です、満足です、幸せです
でもね、幸せな分だけ、新幹線が大坂を出る時、辛いのなんのって
彼の君は大阪にいると言うのに、なぜに去らなければいけないのか
本気で今所属している部署ごと大阪に行けないものかと(上司には言ってみたが当然一蹴された)
弟子達もね、決して恋愛ではないのだと思います、私同様
ただね、当然のようにそこにいるイモウトデシの立ち位置っての
どんだけの弟子達が望んでいたかっていうの、ひしひしと感じておりまして
なのでそういう感情もセリフの中にあって、いや今回もメインではなくそこにもふれる
やっぱここの本は好きだなーと思いました
またそれを受けるイモウトデシ・コッペリアもね
生まれた時から「死の天使」なんで
それ以外教わってないもので
「シ」の書いたものを読んだ衝撃たるや、我々の想像を超えたものであったと思われます
それ以外教わってないのに
それが非常にいけないことだったと気づかされるってのも辛いことだけど
気がつかないで終わるよりはずっといい
刀しか握ったことのない手でお皿を洗う、当然割る
後を振り返る
そこに笑顔の「シ」がいる
刀しか握ったことのない手でオムライスを作る
まだあまり上手には作れないし、他の物は作れないのかと人は聞くけれど
だけど「シ」がとてもとても好きな物だから
それに「シ」はいつも「半分こ」って言ってくれるから
それ以外作れなくてもきっと問題はないと思われる
「シ」が「信仰」ではなく「シ」と映る人達にとっては
それは微笑ましく思われたことだろう
だって「シ」は「シ」だけれど人間なんだもの
それがわかっているのが一緒に暮らせてたデシ達なんだろうなとかも思った
イモウトデシが最後まで入ることが許されなかった扉、その中にある「シ」の言葉
「シ」がいなくなった後に入ったイモウトデシが見つけた言葉
扉の中にひっそりと隠されていた言葉は「愛」
だから「シ」はずるいんだと言うのだよ
それがどんな「愛」なのか、もう聞けないじゃないか
隠すなら最後まで隠しやがれ、燃やして逝ってしまいやがれ
だけどもそれができなかったいどこか心弱い「シ」は、とても人間らしいと思いました
だって自分が「愛していた」こと、誰も知らなくてもいいって
そこまで人ってたやすく達観できたりしないもの
扉の中に入ってその言葉を知ったデシ達は皆涙を流していたと言う
その弱さを知ってデシ達は涙を流したのかな
もしも私がデシ達で
そんな「シ」を知ってしまったとしたら
もちろん尊敬も敬愛も全く変わらないけれども
いやもう「シ」がかわいくてかわいくてかわいくてしかたなくなると思うよ
衛りたくて
護りたくて
守りたくて
たまらなくなると思うよ
んで
コッペリアとサンドマンの関係は
まあサンドマンからの「愛」は違うと思うんだけれども
チョッパーとDr.ヒルルクのようであったと思いました(←おい)
「シ」の本を出してくれる印刷所を見つけ
はにかみながらも、でもとても嬉しそうに見あげるコッペリアと
いやもう自分の言葉を本になんぞしてくれる印刷所なんてあるわけないと知りつつ
サンドマンは死にに行ったんだと思うんです
もうすでに自分の寿命はわかっていた
少しずつ少しずつ弱っていく自分を見せて逝くのが正しいのか
「教団のせい」でばっさり逝くのが正しいのか
どっちがコッペリアを再び立たせるのに正しいのかわからないけれども
私は1日でも長くあなたの言葉を聞いていたかったです
「愛」してるなんて言わなくていいからさ
さてさて他に思いつくことなど
ちょこちょこと観せていただいてるこのリーディングシアター
何度か会った役名があって、その人の人生が垣間見えてくる所がとてもおもしろいです
……行くたび新しい謎もその倍出てくるんだけれども(爆)
当方ちょいと目が悪いので
照明暗めの所でカツラにばっちりメイクだと一瞬だれがどれだーとか思ったりするん
ですが
(↑最近イケメンの見分けすらつかなくなっていてあせっている)
なんだけれども喋りだした途端、わかる(人はわかる)
パンドラ様、幼くてもとっても怖かったよ
やっぱ最強
ミーム様も金髪だらけの女性陣の中で黒髪美しかったっす
オフィリスとアルシスも、もうちょい大人になってからの2人にはすでに会ってまし
た
今回はオフィリス役が前回と違いました
前回の双子は2人で1人みたいな感じで
今回のオフィリスは「姉」でした(ざっくりですみません)
この2人がいずれパペットと再会する話なんぞもあるんでしょうか
そんなお話も観てみたいです
ルナティックオークション
彼の君、彼の君、お元気ですか?
こんなお芝居も観てました
久しぶりに訪れた兎亭
入り口時点で「怪しい」……もとい「妖しい」のはいつも通りですが
「お客様、仮面はお持ちですか?」
あーーーーー当方そういう物を持ち歩く趣味は
あーーーーーお貸しいただける
そうですか
あーーーーー怪しい(爆)
そう、ここはオークション会場です
オークションにかけられる商品はもちろん価値あるものですが
それにまつわる物語を聞けば更に価値が上がるような気がするでしょう
例えばここにいるバニーちゃん
この子が実は、とある国の王女であったなら…みたいな感じですよ
………バニーちゃん
当方、耳つければバニーちゃん…とは認めないわ(どんなこだわり)
バニーちゃんがショートパンツ丈というのは
………そうか、地べたに座るわけですね、譲歩しましょう(しぶしぶしぶしぶ)
さて、今回開催されるオークション、まず出品されるのは
とある戦場画家が書いた絵
このお話、戦場画家とそのパトロンのお話
皆様、仮面をつけてるもんで、てっきり一番小さい女性がお気に入りさんかと思って
ました
声を聞いて「違う」ことには気がついたんですが
あれ?ということはオープニングにはいなかったぞ
あれ?今日出演しなかっただっけなぁ、名前載っていたような気がするけど
まあ………………………いいか
くらいの葛藤はあったので、やはりフライヤーはよく見ようと思います
このお話、パンドラ童話集に
「ありとあらゆる物から“消えない”絵の具を作り出す」
以外のどの程度の影響力があるのかわからない芝居ではあったのですが
「あ、しゃべった」
このセリフ何度かあって
彼が喋る度に何か心の絆が深まっていくような気がしてたんですが
(普通そうじゃんそうじゃん)
彼の方はそうであったんだろうと思うんだけれども
女性の方には全く意味のない、ただ単に珍しいだけという「あ、しゃべった」
女性って怖いもんだよなーとか思った
さてその後、この警戒厳重なオークション会場より出品物が盗まれるという事件発生
ああ、もちろんご心配なく
何人たりとも支配人の許可なくこのオークション会場より出ることはかないませぬ
ここで支配人登場です
ああ、よかった
ここで出て参りましたよ、白髪の……耳付きのお気に入りのお嬢さん
ファンデをもっと白くせんかい!!!(つっこむのそこかい!!)
いや、白髪かつらなので、スポット最大にあびた時には綺麗なんですけれども
普通にすると色黒く見えるもので
私が女優ライトずっと持ちましょうか!!!とか思ったが、じきに慣れた
お芝居脳ってすごいものね
さてお客様をお待たせしている間、この支配人さんが語りますところの
長耳族の物語
これ、なかなか興味深いお話でございました
昔々、まだ長耳族がカミサマのお手伝いをしていた頃
「おばかさん」な長耳族はカミサマのお薬「ふ・ろ・う・ちょ・う・じゅ」なるもの
を飲み干してしまう
罰としてカミサマはお薬の入っていた壷に長耳族を閉じ込めて、やがて100年と
ちょっと
暗くて、寒くて、ひもじくて、そして何より退屈な
そんな壷の中から出してくれたのは神様の1人がカミサマにお願いをしてくれたから
その代わり、自分がたった1人夜の空に昇り月となることを選んで
そんな…って思うけど
ではもう一度あの壷の中に戻るかと言われると、戻るとは言えない長耳族でありまし
た
長耳族はそんなお月様の回りに
ぴかぴか光って、温かい物をいっぱい置こうと思います
でも時々お空には穴が開くみたいで、投げても投げてもお月様の周りは今でも少し淋
しげです
だから今日も長耳族は
たくさんたくさんお金を手に入れて
たくさんたくさんお空に投げるのです
でもね、思ったの
月の神様もカミサマもそんなこと望んではいないのではないかしら
だって大事な大事な薬を飲んでしまったのは長耳族で
だから暗くて、寒くて、ひもじくて、退屈な場所に本来いなければならないのは長耳
族で
でもそこにはどうしても戻れなくて
だから精一杯のことをする
ありがとう、そしてごめんなさい
僕たちにできることは一生懸命やるから
だから彼らは学ぶことを惜しまない
怠けない
なんだけどね
本当に神様達が望んだのは
「僕らが壷に戻ります」だったと思うのです
そう言った時が本当の「ごめんなさい」で
そうしたら神様達も許せていたのではないかと思うのです
本当の「ごめんなさい」ができない代わりに
自分ができる範囲の「ごめんなさい」をいっぱいする
それを私達の世界では「自己満足」って言うんだよ、長耳族の皆さん
どんなにたくさんの自己満足をお空に投げても
決してお空は埋まらないと思うんだ
なんてことを感じた2話目でありました
さて犯人見つかっての3話目は、その背に描かれた絵のお話
ここで1話目の「絵の具」が出て参ります
昔々ではなく、ほんの少し昔
とても幸せな一族がおりました
自分達の本当に欲しい物だけを欲しい分だけ得る
それで足る人達というのは本当に幸せだと思う(自戒の意味もこめて)
そこに欲深き人達が訪れて
最初は対価を払うのだけれど
だけどそこはそれ、商売だから
買い戻すには倍の値がいるようになる
そのうち、その一族の物は全部外に出て行って
そこには何も残らなかった
一族の姫は、やっぱり「おばかさん」なので
盗賊となりそれを取り戻すことにした
長耳族の支配人は言うのです
私達の言う「おばかさん」とは学ばない人、怠ける人
お金を得る術がないからと盗賊になるなんてことを短絡的に考える人間
学ぶことを怠る人、努力することを怠る人
それをおばかさんと言うのです
おばかさんを操ることはいとも容易い事
結果的には誰もが望むものを…望む形ではないけれども手に入れられたので
大団円といたしましょう
私も概ね満足
私の大好きなお嬢様達がお芝居も衣装も間違ってはいなかった!!(靴も含め…そこ
結構大事)
また近いうちに夢に観に参りましょうかね
こんなお芝居も観てました
久しぶりに訪れた兎亭
入り口時点で「怪しい」……もとい「妖しい」のはいつも通りですが
「お客様、仮面はお持ちですか?」
あーーーーー当方そういう物を持ち歩く趣味は
あーーーーーお貸しいただける
そうですか
あーーーーー怪しい(爆)
そう、ここはオークション会場です
オークションにかけられる商品はもちろん価値あるものですが
それにまつわる物語を聞けば更に価値が上がるような気がするでしょう
例えばここにいるバニーちゃん
この子が実は、とある国の王女であったなら…みたいな感じですよ
………バニーちゃん
当方、耳つければバニーちゃん…とは認めないわ(どんなこだわり)
バニーちゃんがショートパンツ丈というのは
………そうか、地べたに座るわけですね、譲歩しましょう(しぶしぶしぶしぶ)
さて、今回開催されるオークション、まず出品されるのは
とある戦場画家が書いた絵
このお話、戦場画家とそのパトロンのお話
皆様、仮面をつけてるもんで、てっきり一番小さい女性がお気に入りさんかと思って
ました
声を聞いて「違う」ことには気がついたんですが
あれ?ということはオープニングにはいなかったぞ
あれ?今日出演しなかっただっけなぁ、名前載っていたような気がするけど
まあ………………………いいか
くらいの葛藤はあったので、やはりフライヤーはよく見ようと思います
このお話、パンドラ童話集に
「ありとあらゆる物から“消えない”絵の具を作り出す」
以外のどの程度の影響力があるのかわからない芝居ではあったのですが
「あ、しゃべった」
このセリフ何度かあって
彼が喋る度に何か心の絆が深まっていくような気がしてたんですが
(普通そうじゃんそうじゃん)
彼の方はそうであったんだろうと思うんだけれども
女性の方には全く意味のない、ただ単に珍しいだけという「あ、しゃべった」
女性って怖いもんだよなーとか思った
さてその後、この警戒厳重なオークション会場より出品物が盗まれるという事件発生
ああ、もちろんご心配なく
何人たりとも支配人の許可なくこのオークション会場より出ることはかないませぬ
ここで支配人登場です
ああ、よかった
ここで出て参りましたよ、白髪の……耳付きのお気に入りのお嬢さん
ファンデをもっと白くせんかい!!!(つっこむのそこかい!!)
いや、白髪かつらなので、スポット最大にあびた時には綺麗なんですけれども
普通にすると色黒く見えるもので
私が女優ライトずっと持ちましょうか!!!とか思ったが、じきに慣れた
お芝居脳ってすごいものね
さてお客様をお待たせしている間、この支配人さんが語りますところの
長耳族の物語
これ、なかなか興味深いお話でございました
昔々、まだ長耳族がカミサマのお手伝いをしていた頃
「おばかさん」な長耳族はカミサマのお薬「ふ・ろ・う・ちょ・う・じゅ」なるもの
を飲み干してしまう
罰としてカミサマはお薬の入っていた壷に長耳族を閉じ込めて、やがて100年と
ちょっと
暗くて、寒くて、ひもじくて、そして何より退屈な
そんな壷の中から出してくれたのは神様の1人がカミサマにお願いをしてくれたから
その代わり、自分がたった1人夜の空に昇り月となることを選んで
そんな…って思うけど
ではもう一度あの壷の中に戻るかと言われると、戻るとは言えない長耳族でありまし
た
長耳族はそんなお月様の回りに
ぴかぴか光って、温かい物をいっぱい置こうと思います
でも時々お空には穴が開くみたいで、投げても投げてもお月様の周りは今でも少し淋
しげです
だから今日も長耳族は
たくさんたくさんお金を手に入れて
たくさんたくさんお空に投げるのです
でもね、思ったの
月の神様もカミサマもそんなこと望んではいないのではないかしら
だって大事な大事な薬を飲んでしまったのは長耳族で
だから暗くて、寒くて、ひもじくて、退屈な場所に本来いなければならないのは長耳
族で
でもそこにはどうしても戻れなくて
だから精一杯のことをする
ありがとう、そしてごめんなさい
僕たちにできることは一生懸命やるから
だから彼らは学ぶことを惜しまない
怠けない
なんだけどね
本当に神様達が望んだのは
「僕らが壷に戻ります」だったと思うのです
そう言った時が本当の「ごめんなさい」で
そうしたら神様達も許せていたのではないかと思うのです
本当の「ごめんなさい」ができない代わりに
自分ができる範囲の「ごめんなさい」をいっぱいする
それを私達の世界では「自己満足」って言うんだよ、長耳族の皆さん
どんなにたくさんの自己満足をお空に投げても
決してお空は埋まらないと思うんだ
なんてことを感じた2話目でありました
さて犯人見つかっての3話目は、その背に描かれた絵のお話
ここで1話目の「絵の具」が出て参ります
昔々ではなく、ほんの少し昔
とても幸せな一族がおりました
自分達の本当に欲しい物だけを欲しい分だけ得る
それで足る人達というのは本当に幸せだと思う(自戒の意味もこめて)
そこに欲深き人達が訪れて
最初は対価を払うのだけれど
だけどそこはそれ、商売だから
買い戻すには倍の値がいるようになる
そのうち、その一族の物は全部外に出て行って
そこには何も残らなかった
一族の姫は、やっぱり「おばかさん」なので
盗賊となりそれを取り戻すことにした
長耳族の支配人は言うのです
私達の言う「おばかさん」とは学ばない人、怠ける人
お金を得る術がないからと盗賊になるなんてことを短絡的に考える人間
学ぶことを怠る人、努力することを怠る人
それをおばかさんと言うのです
おばかさんを操ることはいとも容易い事
結果的には誰もが望むものを…望む形ではないけれども手に入れられたので
大団円といたしましょう
私も概ね満足
私の大好きなお嬢様達がお芝居も衣装も間違ってはいなかった!!(靴も含め…そこ
結構大事)
また近いうちに夢に観に参りましょうかね
それでも恋とはちがいます
サンタマリア
ちがいます、ちがいます
何がどうとはもとより知らねど
彼の君、彼の君、お元気ですか?
こんなお芝居も観てました Part2
かなり前のことなのですが、あげ損なってました
遅ればせながらご報告
2週に渡って「作家と少女とコーヒーと後なにか」
通称「さしこ」を観てまいりました
場所は例によって例の兎亭さんです
たぶん今年はこれで最後だと思うよ、たぶん……たぶん(2014年暮れに観たお芝居で
した)
さて、第一週、「私が惚れるであろうカラスマさん像」というのが見てとれて
次の週まで妄想力がフル稼働されたわけなんですが
最終的には「演出家が意図するカラスマさん」にも満足をして帰ってきました
えーっとつまりなんというかその
「女子が望む所の舞台上での彼の君」と
「彼の君が感じ取った台本上での彼の君の立ち位置」の差って言うんですかね
わかりにくい例えで本当申し訳ない
第一週から第二週にかけての1週間
私が思う所のカラスマさん、きゅんきゅんセリフNo.1は
「あれは小説だから」(っぽいセリフ)だった
どのくらいきゅんきゅんしてたかって言うと
それを思い出しながらお酒を飲むと決まって泣けるくらいにはきゅんきゅんしてた
(そんな基準)
それまで、ちゃらんぽらんで、いいかげんで、ウソツキな、そんな男が
その瞬間だけちっちゃくもらす本音
彼の書く物語の中では、彼女の話を聞き、慰め、それを解決するのはいつも「先生」
だけど
あれは小説だからと
自分はただ聞くだけで
理解はできても、それを素直に言葉にできない
慰め、解決し、彼女を愛し、守り抜くのは別の人だと
だからあれは「小説」の中だけなんだと
人に問われて、そう答えなければならなかった彼の
そんなポツリともらす弱音に泣けたんですが(妄想の中で)
まあいつもの通り、それは演出家の意図するカラスマさんでは当然ないわけで(爆)
なんというか、二週目に観たカラスマさんは「乙女の夢」ではなく「等身大」の男の
人でした
こんな人がそばにいてくれたらいいなと
それは恋ではないかもしれないけれど
きっと女の子(という時代をすごしてきた人)ならそう思うだろうカラスマさんでし
たよ
一週目に比べて内なる思いが一層外に出るようになっていたからかもしれない
あれならサクラさん(にも同調しかけた私)、お盆で叩けるわ
ここまで隠したならしっかり最後まで隠せよって
そう、ここの演出、いろんな人に同調してしまい
まあそれがとっちらかるわけでもなく
つまりは誰の気持ちもわかってしまうので、よりいっそうせつないんだと思う
1回目を観た時はモエという少女に同調して
モヤモヤモヤモヤして
彼女のラスト近くのセリフですっきりし
んでもって同じ所で「卑怯者」って思った
メイン2人と、サクラさん
この3人がテンポ合わないと俄然クマガイさんのかわいらしさが際立ったしね(笑)
特に29日の夜の回では文句つけようがなくて
次の日にも何とか行けないものかと、電車の時間ギリギリまでジタバタしてましたよ
とても私好みのお芝居でした
そんなワーズ×ワークスさんなるユニットとははじめましてですが
キャストも見知った顔が多かったし
こちらの演出家さんの作品とは今年一番会ったというのもあって
いくつかの構成からなるお話にも慣れてきましたよ
まずは
【FICTION(虚構)】 読み芝居
そして
【DELUSION(妄想)】 エチュード
最後に
【truth(真実)】 セリフ劇
【FICTION(虚構)】 読み芝居
日本の人口を1億2千万人とすると
半分は女性で、その内の80%が「恋愛」で悩んでいます
半分は男性で、その内の80%が「仕事か夢」で悩んでいます
3話目のセリフ劇になにげに絡んでくるお話
【DELUSION(妄想)】 エチュード
お客様からいただく「お題」と、カードから選ぶ「ジャンル」を組み合わせてのエ
チュード
私が観た回は(たぶん)
ハチミツ×スポコン
タバスコ×ホラー
亀×18歳未満お断り
11月22日×青春
カーテン×ホラー
忠臣蔵×SF
セーラームーン×恋愛
の組み合わせあったと思う
あと
メガネ
紅葉
作家
なんてお題もありましたが
とりあえず私的には
水沢幸恵さん圧勝!!!!!!でした
ハチミツ、花から取るとこからくるとは思わなかったよ
普通にテーブルに座ってタバスコかけるマネを始めた相手役に向かって
「知らない人が部屋にいる!!!」シチュエーションにもっていくとは思わなかった
よ
忠臣蔵が「世界の中心にある蔵」に変換されるとは思わなかったよ
エチュード強い方を見るとほれぼれいたします
あ…あと………セーラームーンを知らない世代がもう舞台の上にはいるんだね(遠い
目)
軽く衝撃でした
さて、そろそろメインのきゅんきゅん芝居
【truth(真実)】 セリフ劇
について語ってしまおう
たぶん熱く語るのは私の「妄想」話の方だとは思うけれど(爆)
私、こちらの演出家って「心は女子」だと思うの!!!!(ほめてる)
途中、モヤモヤモヤモヤしましてねぇ
したっけ、「今だ!!!!」ってタイミングでヒロインが
私の言ってほしい…てか、私だったら言うよ、なセリフをね、宣わったわけでござい
ますよ
あのモヤモヤ…というか
不思議な間というか
いきなりくる沸点というか
何度となくおとずれる2人だけの空間というか
すべてはあのセリフにつながっているわけで
んでもって、その答がね、実に
「卑怯者」って言うしかないセリフでね
恋愛小説…というのか、これはライトノベルズというのですか
実に見事に具現化していたと思います
きゅんきゅんした!!!(爆)
…でも実は家に帰ってからの方がきゅんきゅんした(妄想力ばんざい)
出演者は作家のカラスマ
女子大生のモエ
喫茶店のマスターのサクラ
カラスマ担当の編集者クマガイ
この4人、実は1話目の時にいろんな「カード」を渡されています
「ウソツキ」とか「片思い」とか
主人公カラスマは作家です
絵本も書くし、エッセイも書く、恋愛小説も書くし、エロ小説だって書いてる
今回も1本シリーズ物の最終巻を仕上げ
サクラのいる喫茶店へやってくるわけです
そこへあとがきをきちんと書きなおしてほしいとやってくる編集のクマガイ
できちゃった結婚をひかえて現在マリッジ&マタニティブルー全開の女子大生モエま
でやってきて
ってお話です
こういう風に書くとコメディかと思われそうですが
実に私向きのきゅんきゅんの恋愛「小説」なんです
まずカラスマとモエの関係
これ元家庭教師と教え子です
そんな立場で出会って「恋」に落ちる2人もいるだろうけど
この2人は、関係を「恋愛」に変えられなかった
でもそれは「恋」ではない…ということでもない
ただモエのダンナになる人と、あてつけでつきあったのかというと
どうも「否」な感じです
お話見ている限り、モエのダンナ、とても良い人
結婚相手として申し分ない
就職もし、家も構え、子供の誕生を楽しみにし
これから結婚しようというモエとも「デートだから“待ち合わせ”しないと」と
花束などかかえてかけつけてくれるらしい
カラスマはたぶん就職などした場合、うまくやっていけない
いや、皆そうだよ、それと折り合いつけながらやってるんだよ
そう言われればそうなんですけれども
たぶんものすごい閉塞感
彼はそんな自分の生き方、決して嫌いではないけれど
でも「彼女」をそこに巻き込んで平気でいられるほど強くもない
なので求めない
でも離れたりもしない
うむむ、なんたる「卑怯者」なんですか、
そんな中、やはりモエは特別なんです
彼が唯一「先生」と呼ぶことを許している少女
もうすぐ大人になることを余儀なくされてる少女
そのモエ、非常に機嫌が悪い
マリッジ・マタニティブルーと言ってしまえば簡単なんだけど
私、ここにモエと同じイライラを感じていたわけです
当方、マリッジもマタニティも控えてないというのに(爆)
結婚する前に
もう結婚を取りやめるという選択肢はないし、するつもりもないけど
ダンナのこと大好きなんだけれども
なんだか一番大事なことに決着がついてない
このモヤモヤを抱えたまま結婚しなきゃいけないってことに妙にいらだつ
なので「先生」がいると聞いて走ってくる
彼女はまだ母親ではなく少女なんです
私の気持ちはカラスマにもモエにも、ついでに言うとサクラにも非常に同調して
ここんとこでは「走んなよ」って毎回思った
気分はきっとカラスマ
モエ、昔話をしてみる
からんでもみる
でも全然、私が思う答は聞けなくて
いらいらする、泣きたくなる
手当たり次第物を投げてみる
普段だったら許されてたことなんだ
なんだけど、気分はカラスマに変わり
足元が気になる
投げながらどんどんこちらに来るんだ
それにすべって転んだらどうする
興奮すんな
落ち着け
本編ではここのところ、カラスマさんが
「物投げんな、落ち着け」ってセリフはあって
ほぼ押し倒して押さえつけてる状態なんで
私が思う所のカラスマさんは違和感をおぼえていたりした(複雑な言い方でごめん
ちゃい)
いやいや、おなかに子供いる人を押し倒しちゃダメなんだ、わたしの思うカラスマさ
んは
アンケートには、ついつい
「もっともっと“恋”って出したら好きかも
押し倒すんじゃなくて、もう少しクマガイさんが入ってくるのが遅かったら抱きしめ
てしまった
…もしかしたらキスのひとつでもしてしまったかも、みたいな」
とか書いて帰ってきたわけですが
家に帰ってじっくり考えるに
そうじゃない気がしてきた
自分が世間一般なるところの社会不適合者と気がついてしまった時から
カラスマさん、なんとなく「恋」になる前に別のものに変換してきた
だけどモエに関しては、自分が思ったものへは変換できなかった気がする
カラスマ自身にも理解できない想い
だけど確かにある想い
説明できない想い
そうじゃない、そうじゃない、そうじゃない!!!!!
ただそれだけが頭の中を駆け巡るので
サクラ、本当に良いタイミングで水をさしたと思います
このサクラさんの設定も(勝手に)せつなかったんだ
年はカラスマさんと一緒なのに彼は彼女のことを「サクラねえさん」と呼ぶ
サクラさんも自分のことを「おねえさんはね」って言う
だけど1幕目、彼女のボックスの中には「片思い」というキーワードが入る
この片思い、相手がカラスマさんだったとしたら非常にせつないじゃないですか
しかもモエも「ねえさん」って呼ぶ
更にせつないでしょ
自分の好きな人を、自分を「ねえさん」と呼ぶ妹分も好きなのだと
先に気がついてしまったら、もう手は出せないじゃありませんか
モエがその思いに気がついてたら、これまた非常にひどい奴なんですが
モエの思いってのもまっすぐなので嫌いになれない
前述の通り、思ったタイミングで思ったセリフ言ってくれる子ですから
最後の最後、カラスマが「大事な言葉を言ってなかった」と
最後の最後、これがほんとに最後の最後、とくんとする最後の最後
「なに?」と聞き返すと
「末永くお幸せに」と答えられる
胸は違う意味でとくん、とした
でもお腹の中でとくん、ともう1つの鼓動
お腹の中で小さな命がモエの背中を押す
「言われなくても幸せになるよ」
吹っ切って歩き出すモエはきっと幸せになれる
そう思った
引きずるのはカラスマさんの方だよ、きっと
でも彼は一流のウソツキだから
これからもずっと言葉に出さず、それをただ綴っていく
と、ここまで書いてきて
サクラさんの片思いの相手、モエのダンナだとしたらどうだろう
「来るのは“あいつら”だろう」って言うんだよね、カラスマさん
ということは、ダンナもこの店の常連のはず
カラスマにはね、「お金がない」とか
その日「打ち合わせ」って言い訳があるんですが
サクラさん、断りようがないんです
たくさんのドレス引っ張り出して、どれにしようと悩み続けてるのが
かわいいようなせつないような、そんな気がしたんですが
最後にそれに合うアクセサリーやバックを選んでほしいとクマガイに言ったサクラさ
ん
彼女も新しい一歩を踏み出したのかもしれません
うん、とても妄想力をかきたてる良いお芝居でございました
ありがとうございました
ちがいます、ちがいます
何がどうとはもとより知らねど
彼の君、彼の君、お元気ですか?
こんなお芝居も観てました Part2
かなり前のことなのですが、あげ損なってました
遅ればせながらご報告
2週に渡って「作家と少女とコーヒーと後なにか」
通称「さしこ」を観てまいりました
場所は例によって例の兎亭さんです
たぶん今年はこれで最後だと思うよ、たぶん……たぶん(2014年暮れに観たお芝居で
した)
さて、第一週、「私が惚れるであろうカラスマさん像」というのが見てとれて
次の週まで妄想力がフル稼働されたわけなんですが
最終的には「演出家が意図するカラスマさん」にも満足をして帰ってきました
えーっとつまりなんというかその
「女子が望む所の舞台上での彼の君」と
「彼の君が感じ取った台本上での彼の君の立ち位置」の差って言うんですかね
わかりにくい例えで本当申し訳ない
第一週から第二週にかけての1週間
私が思う所のカラスマさん、きゅんきゅんセリフNo.1は
「あれは小説だから」(っぽいセリフ)だった
どのくらいきゅんきゅんしてたかって言うと
それを思い出しながらお酒を飲むと決まって泣けるくらいにはきゅんきゅんしてた
(そんな基準)
それまで、ちゃらんぽらんで、いいかげんで、ウソツキな、そんな男が
その瞬間だけちっちゃくもらす本音
彼の書く物語の中では、彼女の話を聞き、慰め、それを解決するのはいつも「先生」
だけど
あれは小説だからと
自分はただ聞くだけで
理解はできても、それを素直に言葉にできない
慰め、解決し、彼女を愛し、守り抜くのは別の人だと
だからあれは「小説」の中だけなんだと
人に問われて、そう答えなければならなかった彼の
そんなポツリともらす弱音に泣けたんですが(妄想の中で)
まあいつもの通り、それは演出家の意図するカラスマさんでは当然ないわけで(爆)
なんというか、二週目に観たカラスマさんは「乙女の夢」ではなく「等身大」の男の
人でした
こんな人がそばにいてくれたらいいなと
それは恋ではないかもしれないけれど
きっと女の子(という時代をすごしてきた人)ならそう思うだろうカラスマさんでし
たよ
一週目に比べて内なる思いが一層外に出るようになっていたからかもしれない
あれならサクラさん(にも同調しかけた私)、お盆で叩けるわ
ここまで隠したならしっかり最後まで隠せよって
そう、ここの演出、いろんな人に同調してしまい
まあそれがとっちらかるわけでもなく
つまりは誰の気持ちもわかってしまうので、よりいっそうせつないんだと思う
1回目を観た時はモエという少女に同調して
モヤモヤモヤモヤして
彼女のラスト近くのセリフですっきりし
んでもって同じ所で「卑怯者」って思った
メイン2人と、サクラさん
この3人がテンポ合わないと俄然クマガイさんのかわいらしさが際立ったしね(笑)
特に29日の夜の回では文句つけようがなくて
次の日にも何とか行けないものかと、電車の時間ギリギリまでジタバタしてましたよ
とても私好みのお芝居でした
そんなワーズ×ワークスさんなるユニットとははじめましてですが
キャストも見知った顔が多かったし
こちらの演出家さんの作品とは今年一番会ったというのもあって
いくつかの構成からなるお話にも慣れてきましたよ
まずは
【FICTION(虚構)】 読み芝居
そして
【DELUSION(妄想)】 エチュード
最後に
【truth(真実)】 セリフ劇
【FICTION(虚構)】 読み芝居
日本の人口を1億2千万人とすると
半分は女性で、その内の80%が「恋愛」で悩んでいます
半分は男性で、その内の80%が「仕事か夢」で悩んでいます
3話目のセリフ劇になにげに絡んでくるお話
【DELUSION(妄想)】 エチュード
お客様からいただく「お題」と、カードから選ぶ「ジャンル」を組み合わせてのエ
チュード
私が観た回は(たぶん)
ハチミツ×スポコン
タバスコ×ホラー
亀×18歳未満お断り
11月22日×青春
カーテン×ホラー
忠臣蔵×SF
セーラームーン×恋愛
の組み合わせあったと思う
あと
メガネ
紅葉
作家
なんてお題もありましたが
とりあえず私的には
水沢幸恵さん圧勝!!!!!!でした
ハチミツ、花から取るとこからくるとは思わなかったよ
普通にテーブルに座ってタバスコかけるマネを始めた相手役に向かって
「知らない人が部屋にいる!!!」シチュエーションにもっていくとは思わなかった
よ
忠臣蔵が「世界の中心にある蔵」に変換されるとは思わなかったよ
エチュード強い方を見るとほれぼれいたします
あ…あと………セーラームーンを知らない世代がもう舞台の上にはいるんだね(遠い
目)
軽く衝撃でした
さて、そろそろメインのきゅんきゅん芝居
【truth(真実)】 セリフ劇
について語ってしまおう
たぶん熱く語るのは私の「妄想」話の方だとは思うけれど(爆)
私、こちらの演出家って「心は女子」だと思うの!!!!(ほめてる)
途中、モヤモヤモヤモヤしましてねぇ
したっけ、「今だ!!!!」ってタイミングでヒロインが
私の言ってほしい…てか、私だったら言うよ、なセリフをね、宣わったわけでござい
ますよ
あのモヤモヤ…というか
不思議な間というか
いきなりくる沸点というか
何度となくおとずれる2人だけの空間というか
すべてはあのセリフにつながっているわけで
んでもって、その答がね、実に
「卑怯者」って言うしかないセリフでね
恋愛小説…というのか、これはライトノベルズというのですか
実に見事に具現化していたと思います
きゅんきゅんした!!!(爆)
…でも実は家に帰ってからの方がきゅんきゅんした(妄想力ばんざい)
出演者は作家のカラスマ
女子大生のモエ
喫茶店のマスターのサクラ
カラスマ担当の編集者クマガイ
この4人、実は1話目の時にいろんな「カード」を渡されています
「ウソツキ」とか「片思い」とか
主人公カラスマは作家です
絵本も書くし、エッセイも書く、恋愛小説も書くし、エロ小説だって書いてる
今回も1本シリーズ物の最終巻を仕上げ
サクラのいる喫茶店へやってくるわけです
そこへあとがきをきちんと書きなおしてほしいとやってくる編集のクマガイ
できちゃった結婚をひかえて現在マリッジ&マタニティブルー全開の女子大生モエま
でやってきて
ってお話です
こういう風に書くとコメディかと思われそうですが
実に私向きのきゅんきゅんの恋愛「小説」なんです
まずカラスマとモエの関係
これ元家庭教師と教え子です
そんな立場で出会って「恋」に落ちる2人もいるだろうけど
この2人は、関係を「恋愛」に変えられなかった
でもそれは「恋」ではない…ということでもない
ただモエのダンナになる人と、あてつけでつきあったのかというと
どうも「否」な感じです
お話見ている限り、モエのダンナ、とても良い人
結婚相手として申し分ない
就職もし、家も構え、子供の誕生を楽しみにし
これから結婚しようというモエとも「デートだから“待ち合わせ”しないと」と
花束などかかえてかけつけてくれるらしい
カラスマはたぶん就職などした場合、うまくやっていけない
いや、皆そうだよ、それと折り合いつけながらやってるんだよ
そう言われればそうなんですけれども
たぶんものすごい閉塞感
彼はそんな自分の生き方、決して嫌いではないけれど
でも「彼女」をそこに巻き込んで平気でいられるほど強くもない
なので求めない
でも離れたりもしない
うむむ、なんたる「卑怯者」なんですか、
そんな中、やはりモエは特別なんです
彼が唯一「先生」と呼ぶことを許している少女
もうすぐ大人になることを余儀なくされてる少女
そのモエ、非常に機嫌が悪い
マリッジ・マタニティブルーと言ってしまえば簡単なんだけど
私、ここにモエと同じイライラを感じていたわけです
当方、マリッジもマタニティも控えてないというのに(爆)
結婚する前に
もう結婚を取りやめるという選択肢はないし、するつもりもないけど
ダンナのこと大好きなんだけれども
なんだか一番大事なことに決着がついてない
このモヤモヤを抱えたまま結婚しなきゃいけないってことに妙にいらだつ
なので「先生」がいると聞いて走ってくる
彼女はまだ母親ではなく少女なんです
私の気持ちはカラスマにもモエにも、ついでに言うとサクラにも非常に同調して
ここんとこでは「走んなよ」って毎回思った
気分はきっとカラスマ
モエ、昔話をしてみる
からんでもみる
でも全然、私が思う答は聞けなくて
いらいらする、泣きたくなる
手当たり次第物を投げてみる
普段だったら許されてたことなんだ
なんだけど、気分はカラスマに変わり
足元が気になる
投げながらどんどんこちらに来るんだ
それにすべって転んだらどうする
興奮すんな
落ち着け
本編ではここのところ、カラスマさんが
「物投げんな、落ち着け」ってセリフはあって
ほぼ押し倒して押さえつけてる状態なんで
私が思う所のカラスマさんは違和感をおぼえていたりした(複雑な言い方でごめん
ちゃい)
いやいや、おなかに子供いる人を押し倒しちゃダメなんだ、わたしの思うカラスマさ
んは
アンケートには、ついつい
「もっともっと“恋”って出したら好きかも
押し倒すんじゃなくて、もう少しクマガイさんが入ってくるのが遅かったら抱きしめ
てしまった
…もしかしたらキスのひとつでもしてしまったかも、みたいな」
とか書いて帰ってきたわけですが
家に帰ってじっくり考えるに
そうじゃない気がしてきた
自分が世間一般なるところの社会不適合者と気がついてしまった時から
カラスマさん、なんとなく「恋」になる前に別のものに変換してきた
だけどモエに関しては、自分が思ったものへは変換できなかった気がする
カラスマ自身にも理解できない想い
だけど確かにある想い
説明できない想い
そうじゃない、そうじゃない、そうじゃない!!!!!
ただそれだけが頭の中を駆け巡るので
サクラ、本当に良いタイミングで水をさしたと思います
このサクラさんの設定も(勝手に)せつなかったんだ
年はカラスマさんと一緒なのに彼は彼女のことを「サクラねえさん」と呼ぶ
サクラさんも自分のことを「おねえさんはね」って言う
だけど1幕目、彼女のボックスの中には「片思い」というキーワードが入る
この片思い、相手がカラスマさんだったとしたら非常にせつないじゃないですか
しかもモエも「ねえさん」って呼ぶ
更にせつないでしょ
自分の好きな人を、自分を「ねえさん」と呼ぶ妹分も好きなのだと
先に気がついてしまったら、もう手は出せないじゃありませんか
モエがその思いに気がついてたら、これまた非常にひどい奴なんですが
モエの思いってのもまっすぐなので嫌いになれない
前述の通り、思ったタイミングで思ったセリフ言ってくれる子ですから
最後の最後、カラスマが「大事な言葉を言ってなかった」と
最後の最後、これがほんとに最後の最後、とくんとする最後の最後
「なに?」と聞き返すと
「末永くお幸せに」と答えられる
胸は違う意味でとくん、とした
でもお腹の中でとくん、ともう1つの鼓動
お腹の中で小さな命がモエの背中を押す
「言われなくても幸せになるよ」
吹っ切って歩き出すモエはきっと幸せになれる
そう思った
引きずるのはカラスマさんの方だよ、きっと
でも彼は一流のウソツキだから
これからもずっと言葉に出さず、それをただ綴っていく
と、ここまで書いてきて
サクラさんの片思いの相手、モエのダンナだとしたらどうだろう
「来るのは“あいつら”だろう」って言うんだよね、カラスマさん
ということは、ダンナもこの店の常連のはず
カラスマにはね、「お金がない」とか
その日「打ち合わせ」って言い訳があるんですが
サクラさん、断りようがないんです
たくさんのドレス引っ張り出して、どれにしようと悩み続けてるのが
かわいいようなせつないような、そんな気がしたんですが
最後にそれに合うアクセサリーやバックを選んでほしいとクマガイに言ったサクラさ
ん
彼女も新しい一歩を踏み出したのかもしれません
うん、とても妄想力をかきたてる良いお芝居でございました
ありがとうございました