ルナティックオークション | My Favorites

ルナティックオークション

彼の君、彼の君、お元気ですか?
こんなお芝居も観てました


久しぶりに訪れた兎亭

入り口時点で「怪しい」……もとい「妖しい」のはいつも通りですが

「お客様、仮面はお持ちですか?」

あーーーーー当方そういう物を持ち歩く趣味は
あーーーーーお貸しいただける

そうですか

あーーーーー怪しい(爆)

そう、ここはオークション会場です

オークションにかけられる商品はもちろん価値あるものですが
それにまつわる物語を聞けば更に価値が上がるような気がするでしょう

例えばここにいるバニーちゃん
この子が実は、とある国の王女であったなら…みたいな感じですよ

………バニーちゃん

当方、耳つければバニーちゃん…とは認めないわ(どんなこだわり)

バニーちゃんがショートパンツ丈というのは
………そうか、地べたに座るわけですね、譲歩しましょう(しぶしぶしぶしぶ)

さて、今回開催されるオークション、まず出品されるのは

とある戦場画家が書いた絵

このお話、戦場画家とそのパトロンのお話

皆様、仮面をつけてるもんで、てっきり一番小さい女性がお気に入りさんかと思って
ました

声を聞いて「違う」ことには気がついたんですが

あれ?ということはオープニングにはいなかったぞ
あれ?今日出演しなかっただっけなぁ、名前載っていたような気がするけど
まあ………………………いいか
くらいの葛藤はあったので、やはりフライヤーはよく見ようと思います

このお話、パンドラ童話集に

「ありとあらゆる物から“消えない”絵の具を作り出す」

以外のどの程度の影響力があるのかわからない芝居ではあったのですが

「あ、しゃべった」

このセリフ何度かあって
彼が喋る度に何か心の絆が深まっていくような気がしてたんですが
(普通そうじゃんそうじゃん)

彼の方はそうであったんだろうと思うんだけれども
女性の方には全く意味のない、ただ単に珍しいだけという「あ、しゃべった」

女性って怖いもんだよなーとか思った



さてその後、この警戒厳重なオークション会場より出品物が盗まれるという事件発生

ああ、もちろんご心配なく

何人たりとも支配人の許可なくこのオークション会場より出ることはかないませぬ

ここで支配人登場です


ああ、よかった

ここで出て参りましたよ、白髪の……耳付きのお気に入りのお嬢さん

ファンデをもっと白くせんかい!!!(つっこむのそこかい!!)

いや、白髪かつらなので、スポット最大にあびた時には綺麗なんですけれども
普通にすると色黒く見えるもので

私が女優ライトずっと持ちましょうか!!!とか思ったが、じきに慣れた

お芝居脳ってすごいものね


さてお客様をお待たせしている間、この支配人さんが語りますところの

長耳族の物語

これ、なかなか興味深いお話でございました


昔々、まだ長耳族がカミサマのお手伝いをしていた頃

「おばかさん」な長耳族はカミサマのお薬「ふ・ろ・う・ちょ・う・じゅ」なるもの
を飲み干してしまう

罰としてカミサマはお薬の入っていた壷に長耳族を閉じ込めて、やがて100年と
ちょっと

暗くて、寒くて、ひもじくて、そして何より退屈な

そんな壷の中から出してくれたのは神様の1人がカミサマにお願いをしてくれたから

その代わり、自分がたった1人夜の空に昇り月となることを選んで

そんな…って思うけど
ではもう一度あの壷の中に戻るかと言われると、戻るとは言えない長耳族でありまし



長耳族はそんなお月様の回りに
ぴかぴか光って、温かい物をいっぱい置こうと思います

でも時々お空には穴が開くみたいで、投げても投げてもお月様の周りは今でも少し淋
しげです

だから今日も長耳族は
たくさんたくさんお金を手に入れて
たくさんたくさんお空に投げるのです


でもね、思ったの

月の神様もカミサマもそんなこと望んではいないのではないかしら

だって大事な大事な薬を飲んでしまったのは長耳族で
だから暗くて、寒くて、ひもじくて、退屈な場所に本来いなければならないのは長耳
族で

でもそこにはどうしても戻れなくて

だから精一杯のことをする

ありがとう、そしてごめんなさい

僕たちにできることは一生懸命やるから

だから彼らは学ぶことを惜しまない
怠けない

なんだけどね

本当に神様達が望んだのは

「僕らが壷に戻ります」だったと思うのです

そう言った時が本当の「ごめんなさい」で

そうしたら神様達も許せていたのではないかと思うのです


本当の「ごめんなさい」ができない代わりに
自分ができる範囲の「ごめんなさい」をいっぱいする


それを私達の世界では「自己満足」って言うんだよ、長耳族の皆さん

どんなにたくさんの自己満足をお空に投げても
決してお空は埋まらないと思うんだ

なんてことを感じた2話目でありました


さて犯人見つかっての3話目は、その背に描かれた絵のお話

ここで1話目の「絵の具」が出て参ります


昔々ではなく、ほんの少し昔

とても幸せな一族がおりました

自分達の本当に欲しい物だけを欲しい分だけ得る
それで足る人達というのは本当に幸せだと思う(自戒の意味もこめて)

そこに欲深き人達が訪れて

最初は対価を払うのだけれど

だけどそこはそれ、商売だから

買い戻すには倍の値がいるようになる

そのうち、その一族の物は全部外に出て行って
そこには何も残らなかった

一族の姫は、やっぱり「おばかさん」なので

盗賊となりそれを取り戻すことにした


長耳族の支配人は言うのです

私達の言う「おばかさん」とは学ばない人、怠ける人

お金を得る術がないからと盗賊になるなんてことを短絡的に考える人間
学ぶことを怠る人、努力することを怠る人
それをおばかさんと言うのです

おばかさんを操ることはいとも容易い事

結果的には誰もが望むものを…望む形ではないけれども手に入れられたので

大団円といたしましょう

私も概ね満足

私の大好きなお嬢様達がお芝居も衣装も間違ってはいなかった!!(靴も含め…そこ
結構大事)

また近いうちに夢に観に参りましょうかね