世界は音 その3
耳が持つすぐれた能力について
音楽が芸術として認められたのは
絵画や彫刻よりもずっと遅かった。
しかしながら、芸術の中でも特別な価値を
認められるようになったのは、
音楽は「聴く」芸術だから。

以下、聴くことの本質に迫る。
◎耳の中の神殿(その1)
■「聴く」は「見る」より深い
見られるもの領域は表層である。
聴かれるものの領域は深層である。
目は表面をなでる。だが
耳は、侵入してくるものでなければ
知覚できない。
つまり耳を使えば、見てわからない
「中身」の本当のことががわかる。
だから、聴く人間は見る人間よりも、
物事の深層に入り込める機会が多い。

目は本質的内容を隠してしまう。
例えば
鉄道員は、車両や線路に異常がないか?
見ただけではわからないところを
金槌で叩いて音で確かめる。
目ではわからない
ひび割れやボルトのゆるみを
耳で「発見」できる。

人は見た目も大事だが、見た目よりも
その人が
どんな話をするのかを聴くことで、
本当の人柄がわかる。
見ただけでは決してわからない
決して氣づかない本当のことが、
聴くことによってわかるのである。

なぜ耳は真実を伝えてくれるか?
ひとつには、
耳は次元にしばられていない。
聴覚は次元から独立している。
目の届かないところの真実を
知ることができる。
だから
世界の本当のありようをとらえるには
見ることよりも
聴くことによらねばならない。

■聴覚は視覚より優れている
画家が三色の絵の具を混ぜて使った場合、
われわれの目はその結果をただひとつの
新しい色としてしか認識できない。
しかし、
フルート、オーボエ、クラリネットが
いっしょに鳴っても、われわれの耳は
その混合を新しい音として知覚すると同時に
この音をつくっている三つの楽器を識別できる。

耳は数値をも認識できる唯一の器官である。
例えば、
A(ラ)の音442Hzのオクターブ上で
鳴っている音が884Hzだとわかる。
Aの完全五度上で鳴っているE(ミ)の音が
442Hzの振動数の1.5倍の663Hzだとわかる。
耳はすごい。われわれは
数を聴き取ることができる。

■魂に届く音楽
でもこれは
耳が持つ素晴らしい二つの能力のうちの
ひとつにすぎない。
耳は昔から「魂への門」であるとされてきた。
耳には計測能力に加えて
感受能力もあり、これもまた目のそれよりも
疑いなく大きい。
だが最も素晴らしい点は、この二つの能力が
互いに結びついていることで、
この結合こそ耳の最大の能力だと思われる。
つまり
数学的なものを感覚的なものへ、
意識的なものを無意識的なものへ、
計測可能なものを計測不能なものへ、
抽象的なものを情緒的なものへ、そして
むろんそれぞれの逆方向へも、
移し替える能力である。
音楽は心の深くに沁み込み、
無意識の魂のレベルに到達することができる。

■映像の洪水は想像力を減退
テレビが行き渡ってから、現代人は
主として見るだけの人間になった。
見る人間は何を見ているか?
映像とコピーだけを見ているのではないか?
それを現実だと思っているのではないか?
メディアが自宅に届けてくれる世界の映像を
世界そのものと取り違えている。

こういう状況では、聴くことが重要である。
いつでも重要だった。しかし今では
いっそう重要になった。
聴覚がどれほど視覚に勝っているかは、
テレビの普及によって、かつてなかったほどに
明白になった。

与えられた外面的画像が、内面的画像を
不要なものにしてしまう。
与えられた画像のほうがおそらく
色彩豊かで、動きや刺激にも富んでいる。
そしてどぎつい。しかしそれゆえに
見る者の内面的画像を駆逐してしまう。
想像力を必要としなくなる。
語り聴く物語は、理解するためには
内面的な画像に転換されなければならない。
そしてそういう内面的な画像こそが、
心の豊かさをもたらす。

小説が映画化されると、
「原作のほうがすっとよい」という
批評が必ず出る。
聴くこと(読むことは聴くことの内面化)は
見ることよりもはるかに微妙な差異を識別し、
多層的である。
目のためにつくられたものは
耳のためのものよりも
繊細さを欠いているのはそのせいなのだ。
読む人の想像力を越える映像をつくるのは
大変困難なことである。(つづく)

★宇宙を貫く美の法則1/ f ゆらぎ
★世界は音 その1
★世界は音 その2『音は呼ぶ』
★世界は音 その3『耳の中の神殿』(1)
★世界は音 その4『耳の中の神殿』(2)
★世界は音 その5『神は音から世界を創造した』
★世界は音 その6『地球市民としての音楽家』
★世界は音 その7『地球市民としての音楽家』(2)

★ご訪問ありがとうございます。このブログを
訪ねて下さった方々の幸運を祈ります。
(幸運の女神のともだち、やぎりん)

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昔昔亭桃之助 亀有落語会

2022年4月30日(土)午後2:00
亀有駅南口2分 藍(あい)ほーる
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やぎりんトリオ・リベルタ×大前恵子
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5月21日(土)2:00開演
稲城市立 i プラザホール
全席指定¥2000
042-331-1720

亀有 読み語り音楽会
まりりん・やぎりんアイリッシュコンサート

2022年5月22日(日)午後2:00
亀有駅南口2分 藍(あい)ほーる
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2022年6月19日(土)午後2:00
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山形公演ツアー2022
6月25日(土)4:00
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やぎりんカルテート・リベルタ♪
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大前恵子×木星音楽団 セカンド・アルバム
鳥たちの詩、海の詩

1.くじらの子守歌
小笠原育美・作曲/相馬邦子・編曲
2.海はふるさと【大海啊故郷】
王立平・作詞作曲/やぎりん訳詞
3.浜辺の歌
林古渓・作詞/成田為三・作曲
4.アメイジング・グレイス
英国賛美歌
5.ロッホ・ローモンド
スコットランド民謡/相馬邦子・編曲/やぎりん訳詞
6.ふるさとのナナカマド
スコットランド民謡/相馬邦子・編曲/やぎりん訳詞
7.聖母の御子
カタルーニャ民謡
8.鳥の歌
カタルーニャ民謡/やぎりん訳詞
9.つばめよ
ナルシソ・セラデル・セビージャ作詞作曲/やぎりん訳詞
10.海はふるさと【大海啊故郷】
王立平・作曲(インストゥルメンタル)
2017年8月25日
東京文化会館小ホールでのライヴ録音
11. 童神(わらびがみ)
古謝美佐子・作詞/佐原一哉・作曲
12. コンドルは飛んで行く
ダニエル・アロミーア・ロブレス作曲/やぎりん作詞

歌:大前恵子
演奏:木星音楽団
小野美穂子【箏:十七絃/十八絃】
藤枝貴子【アルパ】
三塚幸彦【尺八】
八木倫明【ケーナとナイ】
ゲスト
金亜軍【揚琴】
古谷真未【チェロ】
★定価¥2600(+税)
★通販価格¥3000(送料¥180込み)
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◎エッセイ『広い河の岸辺』
大変好評で、販売中ですドキドキ


クローバー必然と偶然が時を得て生み出した、
大いなる奇跡!
この歌は今後50年、
100年と歌い継がれて
日本の歴史に残るでしょう。
湯川れい子

本の表紙
ドキドキ やぎりんBOOK『広い河の岸辺』
(主婦と生活社)発売しました!!¥1000+消費税

コンドル合唱譜混声
やぎりん作詞《コンドルは飛んで行く》
やぎりん訳詞《つばめよ》
吉田桂子編曲
合唱譜が出版されました。
女声三部/混声三部の2種類。
それぞれに、易しい二部合唱の楽譜も
収録されています。
¥1300(+税)全音楽譜出版社


合唱譜女声
ドキドキやぎりん監修の合唱譜が発売(全音楽譜出版社)。
小川類・編曲
☆女声三部/二部
★☆混声三部/二部

《広い河の岸辺》(スコットランド民謡)
《思い出のサリーガーデン》(アイルランド民謡)

2曲セット。
定価¥1200(+消費税)


完成した絵本表紙
ドキドキ葉祥明さんの絵本(文:八木倫明)
『ひろいかわのきしべ』(国土社)
発売しました!!


絵本『ひろいかわのきしべ』推薦文の
帯付きは初版のみです。
クミコさんと湯川れい子さんの言葉が
載っています。

ドキドキクミコさん
いま世界にあってほしいと思うものが
この絵本の中にあります。それは
暗い空をてらす、希望の光です。

ドキドキ湯川れい子さん
この歌は、これからの時代に愛され、
その時代を踏み越えて、
未来に継承されていくと信じています。


クミコジャケ写
合唱のスコアもついた
《広い河の岸辺》CD
You Tubeには載っていない合唱バージョンが
このCDには収録されています。
女声合唱団「青い鳥」が素晴らしい演奏をしています。

★《広い河の岸辺》の本質
『小さな死』からの出発。
http://amba.to/1oBdnE3


★地球人が渡るべき河のこと
http://amba.to/1t0E3O6

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「なにも知らない。なにもできない。
なにもない。
なのに、なにかを求めている。
自分の微力は、よく承知している。
とるに足りない才能についても自覚している。

でも、せっかく生まれて来たのだから
感動したい。共鳴したい。
おなじ心のひとに会いたい。

それがせめて
みじかい生命の軌跡の中で
ぼくらが望むものではないか。

ところであなたは・・・。


★『詩とメルヘン』サンリオ刊
1982年4月号編集後記やなせたかし
◎やなさたかしさんの限りない優しさ
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★エーリッヒ・フロムの愛の論理と音楽