仮面ライダー響鬼 第二十六之巻 「刻まれる日々」 | 牧歌組合~45歳からの海外ミュージシャン生活:世界ツアーに向けて~

仮面ライダー響鬼 第二十六之巻 「刻まれる日々」


佐土原 知子
新・やさしいピアノ伴奏法〈1〉入門編―コードがわかる!すぐ弾ける!!


つちだ よしはる
うたえほん〈3〉


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神崎ゆう子、速水けんたろう、宮内良ほか
幼稚園児のための童謡(4歳~6歳向き)~せんせいとおともだち・おもいでのアルバム~


NHKいないいないばあっ!いないいないばあっ!どうようベスト

 魔化魍の2分類(大きい黒と小さい白)とそれに対応した攻撃方法をみどりさんが解説、先々週プールで出合った努の不可解な動向、白衣の謎の男。物語は確実に新フェイズへ進みつつある。今日の轟鬼バケガニ退治、「音撃斬!雷電激震」は、Gのパワーコードパターン(参照 )。夏の「たちばな」、風鈴と蝉の鳴き声のアンサンブルが妙に美しく、音響効果さんたちの努力・技術力を感ずる。


 さて、今日は響鬼(ヴォーカル)、明日夢(パーカッション)による「かえるの合唱」変奏・替え歌ヴァージョンのコードアレンジを研究。キーはGメジャー。音楽の構造の基礎的な話になるのですが、お付き合いください。


太鼓た たけば
|4/4 G-Bm7 |D7-G|
心も 弾む。
|G-Am7 |D7-G|
む、む、 む、む、
|G-G#dim |Am7-Bm7|
夢中で叩いて 一休み。
|Em7-Am7 |D7-G|

 本来ならこの童謡は輪唱できるわけだから、2小節ごとに、常に同じコード進行である必要がある。この場合、Gのワンコードでも弾きとおせるし、最低、


 |G |D7-G|

つまり

 |Ⅰ|Ⅴ7-Ⅰ|


のコード進行で成立する楽曲だ。しかし、それではあまりに色彩感に乏しいので、色彩感を和声的に加える行為を「コード・アレンジ」と呼ぶ。「音楽がわかる本」 で引用した「人生の過ごし方」の違いだと考えればよい。


 例えば今回の場合、


 1行目:

  Ⅰ(G)と同じトニックの代理、Ⅲm7(Bm7)を挟み、

  Ⅰ-Ⅲm7-Ⅴ7-Ⅰ


 2行目:

  ドミナントⅤ7(D7)に進む前にサブドミナントⅡm7(Am7)を挿入し、

  Ⅰ-Ⅱm7-Ⅴ7-Ⅰ

  とツーファイヴ化(参照 )する。


 3~4行目:

  上のⅠ→Ⅱm7の間に経過音として#Ⅰdim(G#dim)を挿入、ドミナントを省略、最後のⅠをⅢm7で代理し、

  Ⅰ-#Ⅰdim-Ⅱm7-Ⅲm7

  とする。コレにより、上昇していくベースラインが生じ、

  4行目の

  Ⅵm7-Ⅱm7-Ⅴ7-Ⅰ

  という完全4度上昇進行(最も美しい進行→参照 )が成立し、解決する。


 「かえるの合唱」に見られるような輪唱の手法を、カノン(Canon)語源はギリシャ語で、「標準」「規則」等の意)という。先行する旋律を、後から他の旋律が引用、模倣、矛盾なきように変形した旋律で追いかけることのこと。ヨーロッパ中世1200年代に教会音楽のなかで生まれた技法で、それを集大成したのバッハ。


 この曲は文部省唱歌で、


  作詞:岡本敏明(1907~1977年。「どじょっこふなっこ」作曲家、玉川学園→国立音楽大学教授)

  作曲:ドイツ民謡(「Froschgesang Deutscher Gesang 」)


らしいのだが、ドイツに該当する民謡がない。1947年(昭和22年)7月に小学校『4年生の音楽』に採用されたのが初出であり、似たようなドイツ民謡を編曲したオリジナル曲の可能性も高い。また、民謡であるとするならば、前述したようにそのルーツはヨーロッパ中世時代に遡ることになるのだろう。ともあれ、裏打ちされた深い歴史に興味惹かれる楽曲だ。


 この曲、仮面ライダー響鬼の一貫して流れるカノン的「裏テーマ」化していて、


 出会いもあれば別れもあるさ。さ(×n)ようなら。

 出会いはいつも不思議なもんさ。さっ(×n)そく再会、驚いた
 現実ってやつはいつだって厳しい、はい(×n)


などと、旋律+替え詩追いかけっこ。全部つなげは「仮面ライダー響鬼」を象徴したカノンが出来上がるのかな(笑)。「カエル」はラスボスか何かを暗示しとるのでしょうか? 僕は個人的に「出会いもあれば別れもあるさ」に一票。明日夢と響鬼、祭りでの共演が楽しみ。


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