痔を治したいのだ。
痔を治して、肛門の事を気にせず暮らせる生活を手に入れたいだけ。
だから肛門科を受診している。
そんな当たり前のことを
実は一番分かってないのが
診療に携わる医師なのかもしれません。
大阪肛門科診療所には
全国各地から
「手術って言われたんですけど・・・

と言ってセカンドオピニオンで
受診される患者さんが多いです。
診察する前に必ず尋ねます。
「あなたはどうしたいですか?
手術をしたいですか?」
ほぼ全員が
「出来ればしたくないんです。。。

と言われます。
そうよね

したくないからココに相談に来たのよね

当たり前だ。。。
そしてもう一つ聞きます。
「手術以外に治す方法が無かったらどうする?」
答えは割れます。
「それでも出来るだけしたくないです」
「それなら考えます」
希望をお聞きしてから
診察をします。
その結果
うーん
これは手術しか無いな・・・

というケースはほとんどありません。
いや
そういうケースであっても
排泄管理と軟膏治療で
手術しなくても良くなっちゃった!
ということが多いです。
そんな話を
学会などで同業の先生に話しても
話題は手術の話ばかりで
全然、相手にされなかったり
「そんなことないだろ!」
と否定されることが多く
あまり話さないようにしてきました。
でも
院長が修行させてもらった
社会保険中央総合病院 大腸肛門病センター(現在は東京山手メディカルセンターに名称変更しています)出身の先生方は同じようなことを言われていて、
「そうだよね-。手術適応ってそんなにないよねー。」
って話していたのですが
今回、研究会で
小原先生が発表された内容が
まさしくそのような内容だったので
皆さんにも是非読んで頂きたいと思って
ご紹介します↓
とっても興味深いですね。。。患者さんの声
なるべく手術をせずに
保存的治療で治す方が
肛門にとっても
患者さんにとっても
やさしくて良心的治療だと思うのです。
治らないから手術
という流れになることが多いようですが
痔の原因となった便通を直せば
ほとんどの症状は軽快または消失します。
でも
一般的な肛門科で行われている診療は
「診断」と「投薬」です。
そしてそれでうまく行かなければ
「注射療法」「手術」
という流れになるようです。
何度もこのブログで書いていますが
痔の原因となった便通を直さなければ
どんな薬を使っても
手術や注射療法を受けても
痔は治りません。
一旦治ってもまた繰り返します。
だけど
その便通を直すということは
時間と手間がかかります。
だから
限られた診察時間内では
正直、難しいでしょう。
だって
便通は生活の結果だから。
患者さんの生活に立ち入らなければ
根本的な解決方法は提案出来ません。
また人によって
使うものが違ったり
使い方が違ったりしますから
その人に応じた指導も必要になります。
そうやって手間暇かけるよりも
手術をしてしまう方が
手っ取り早かったり
診療報酬点数が高いから
どうしても手術に流れがちです。
良心的にやればやるほど
手術は減ります。
だって
手術しなくても良くなっちゃうから

大阪肛門科診療所でも
保存的治療の技術が
上がれば上がるほど
手術は減っていきました。
10年前の3分の1くらいでしょうか。
現在、手術率は5%以下です。
患者さんが希望した場合のみ
手術をしています。
たとえ医学的に手術適応であっても
患者さんが望んでない手術は
しません。
どんなに痔がひどくても
患者さんが何も困ってなくて
別に痔があっても構わないのなら
手術をしません。
手術するかどうかは
私たち医師が決めるのではなく
患者さんが決めるんです。
だから
手術って言われても落ち込まず
自分がどうしたいか?
考えてみて下さいね。
また
本当に手術が必要なのか?
手術でしか治せないのか?
セカンドオピニオンで
別の肛門科を受診するというのも
いいと思います。
その際には
なるべく良心的にやっている
肛門を専門にしている先生を
選んで下さいね!
「肛門科専門医の探し方」
「何が専門?」
「本業か副業か」
「女医さんはもうこりごりです(;。;)」
「ちゃんと肛門科の先生に診てもらってる?」
「専門じゃないって書いてて欲しかった!」
診療所のセラピードッグ「ラブ」
右端がラブです
おーい、ラブ
どこ向いてるの~

右端がラブです

おーい、ラブ
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