歯科医が「顔のしわ取り」急増…厚労省は困惑
(読売新聞 2014年8月17日(日) 配信)
歯科医がヒアルロン酸注射による顔のしわ取りに参入する動きが広がっている。
普通は美容医療だが、歯科診療の延長で口周りのしわ取りも治療メニューに加えるというもの。
歯科医過剰の時代、他との差別化による生き残り策の一環というが、厚生労働省は「一般的な歯科治療ではない」と困惑、歯科医によるしわ取りの実態について情報収集を始めた。
◆医師が一般的
ヒアルロン酸によるしわ取りは、一般的には美容外科医ら医師が手がける。
保険の利かない自由診療で、医師が海外の製剤を個人輸入するなどして行う。
ところが、輸入代行会社ウェルハート(東京都千代田区)によると、2、3年前から歯科医の注文が増え始め、ゼロだった輸入希望者は今や500人近く。
同社が開く歯科医向け美容治療セミナーも、毎月開催するほど希望者が多い。
7月に都内で開かれたセミナーには、歯科医5人が参加。
座学と実技に熱心に取り組んだ。
講師の美容歯科医、清水洋利さんは「歯科治療の延長上の選択肢として希望者に行うなら問題ない。技術的にも、麻酔で日常的に注射をする歯科医には向いている」と話す。
参加した40代の男性歯科医は「入れ歯をインプラント(人工歯根)にして上唇の縦じわが残り、気にする人がいる。美容外科より気軽な歯科で治療できれば喜ばれる」という。
◆過当競争
厚労省によると、医療施設で働く歯科医は2012年時点で全国に約10万人おり、人口10万人当たりの数は40年前の倍ほど。
歯科診療所は約6万8000という過当競争の時代だ。
そもそも顔のしわ取りは、歯科の診療領域なのか。
関係者が根拠としているのは、厚労省の専門家会議が1996年、歯科の診療領域の一つに「口唇」を挙げたこと。
解剖学的に口唇とは、唇だけでなく口周り全体を指すため、鼻の下やほうれい線のしわ取りも治療対象になるという解釈だ。
日本歯科医師会も違法行為には当たらないとしている。
この記事を読んで正直ビックリしました(◎-◎;)
私は美容外科医でも美容皮膚科医でもありませんので専門的なことは分かりません。
でも元皮膚科医でもあるので、「しわ取り」を含む美容的な技術は専門的な知識と特殊な技術を必要とし、
皮膚科医の中でもそれを専門にする医師がおり、
皮膚科医だからって誰でも出来る簡単な施術ではないことだけは分かります。
17年前、まだ皮膚科医だった頃にエステのトラブルで悩む患者さんをたくさん診てきた経験もあり、
命に関わらないから「簡単」で「誰にでも」出来るわけではないということを感じました。
特に顔へのフィラー注入は、血管の走行や神経の支配領域など、解剖学的なこともちゃんと勉強し、知った上で行わなければ大変なことになると大学の後輩でもある美容皮膚科医 岩城佳津美先生から聴きました。
岩城先生のブログはコチラ↓
iwa-cli diary ~イワクリ日記~
だから皮膚科医だからって誰でもちゃんと出来るわけじゃないんですよね。
皮膚科医の中でも美容を専門にしている先生がちゃんといるんです。
それを専業にしている人には叶いません。
歯科を専門にしている歯科医が副業で顔のしわ取りをして、何も重大なトラブルがないことを祈るばかりです(-_-;)
新聞記事がどこまで真実なのか分かりませんが、過当競争により本業だけではやっていけないから副業、つまりサイドビジネスとして顔のしわ取りに手を出す・・・というのであれば、それは「医療」ではなく「商い」になってしまいます。
同じ行為をやるにしても、根底にある動機はとても大切です。
輸入代行会社は海外の製剤を売りたいのでしょう。
売ったあとに誰がどのような使い方をしようが責任はありません。
これは何もこの輸入代行会社だけではなく製薬会社だって同じ事です。
自分たちの仕事の先には患者さんが居ることを意識してモノを売って欲しいです。
そしてこれは肛門科においても言えることです。
肛門科を掲げているクリニックは星の数ほどあります。
でもその中で肛門科を専門にしている、あるいは専業でやっている所がどれだけあるでしょう?
学会の専門医だけでも全国で300名くらいじゃないでしょうか・・・。
(私が専門医を取得した頃は200名ちょっとでした。今はもう少し増えてると思います。)
その中で女性医師となると現在20名くらいです。
ということは・・・
ほとんどのクリニックが副業で肛門科をやっている
ということになります。
だから専門外の医師によるトラブルもたくさんあります。
それは肛門科だけではないでしょう。
副業としてやるのか、本業としてやるのかで内容は全然違ったモノになってくるのは、どんな仕事でも同じだと思います。
片手間で出来るほど楽チンで儲かる仕事なんて、世の中にそうそうないと思います^_^;
そして片手間でやっている以上、その領域での成長は難しいです。
一つのことを究めるのってそう簡単じゃないですからね^_^;
他のことをやりながら究めるのは本当に難しいと思います。
どっちがいい
とか
どっちが正しい
とか、そういう問題じゃなくて、
あなたはどっちの先生にかかりたいか
それが大切だと思います。
あなたは本業にしている先生にかかりたいですか?
それとも副業にしている先生がいいですか?
あなたが納得できて満足なら
どっちでもいいんですよ(*^_^*)
診療所のセラピードッグ「ラブ」
右側がラブです♥
「犬のようちえん」は「犬専門」です
ネコは居ません^_^;
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