膿を出さずに3ヶ月も抗生物質を飲んでいた患者さんの話を書きました。
でもこれはほんの一例にすぎません。
他にもたくさんあります。
患者さんは専門の医師を求めて受診したのに、専門外だと分かって落胆したというケースが多いです。
肛門科の先生だと思ってたら、そうじゃなかったんです(;。;)
じゃあ、「肛門科の先生」って何?
その定義は?
難しいですね~(-_-;)
だって「肛門科」の看板を掲げていたら肛門科の先生ってことになっちゃいますから^_^;
医師免許さえあれば誰でも肛門科の看板を掲げることが出来るので、内科の先生でも、産婦人科の先生でも、肛門科を掲げることが出来るんです。
全く肛門科の知識や技術を持ってなくても・・・
手術が出来なくても・・・
私たち肛門科医にとって「肛門科の先生」とは、「肛門科の知識と技術に精通した指導医のいる専門施設で、ある一定期間ちゃんと研修を受け、独り立ちして診察から手術までこなすことが出来る医師」といったところでしょうか。
肛門の学会って一つしかないんですよね。
日本大腸肛門病学会です。
昔は「直腸肛門病学会」でした。
大阪肛門病院の初代院長の佐々木惟朝がこの学会の創始者の一人です。
肛門を専門に扱う医師の集会だったようです。
佐々木惟朝は今の院長(私の主人)の祖祖父(ひいおじいちゃん)に当たります。
当時から肛門を専門に扱う医師は少なかったようですね。
うちの院内に集合写真や学会誌が残っていますが、全国でも少なかったせいか、遠方の先生方との親交も深かったようです。
今では大腸肛門病学会と規模が大きくなり、肛門を専門にする医師は、その中でも本当に少ないです。
大腸を扱う内科の先生や外科の先生が大多数を占めています。
肛門科医は本当に少数です。
診療所のセラピードッグ「ラブ」
蝶ネクタイ、ステキでしょ♥
ラブは男の子なんですよ(*^_^*)
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そして専門医も内科・外科・肛門科と科が違うのに、ひとまとめになってしまっています。
私も専門医と指導医を持っていますが、肛門科領域であることは記載されていません。
内科なのか、外科なのか、肛門科なのか、分からないようになってるんです。
日本大腸肛門病学会認定
大腸肛門病専門医
と肩書きに書いてあっても、内科の先生かもしれないってことなんです。
だから
専門医を探し受診したけど、肛門の専門の先生じゃなかった・・・
ってことになるんです(;。;)
学会のホームページにも「全国の専門医一覧」に、専門医が掲載されていますが、内科・外科・肛門科、みんな一緒くたなんで、どの先生が肛門専門なのか分からないんです。
だから資格や肩書きよりも、経歴の方が大切。
どこで、誰に、どれくらいの期間教わったか
専門の施設で、専門の医師に指導を受けたか
の方が大切です。
狭い業界なので、同業者はだいたい把握しています。
ましてや女医となると、かなり少数です。
私が専門医を取得した時なんて、全国で肛門を専門にしている女医は10数名でした。
今はもう少し増えて20名くらいはいると思います。
肛門科はオシリを見せる科なので、恥ずかしいから女医さんにかかりたいという女性患者さんも多いです。
でも、女医さんであれば誰でもいいのか?
というとそうではなくて、ちゃんと専門の女医さんにかかりたいと思ってるんです。
だからずっとかかっていた女医さんが専門じゃなかった・・・って分かると
裏切られた
と感じてしまうんです(;。;)
「専門じゃないって書いてて欲しかった!」と言った患者さんもおられましたが、
専門じゃなくても肛門を診ることが出来るので、仕方ないんです。
コチラの記事も是非読んで下さい(*^_^*)
「専門じゃないって書いてて欲しかった」
だから受診する前に色々と調べましょう。
医師の経歴も参考にするといいでしょう。
だいぶ前に大阪肛門科診療所のホームページに「肛門科の選び方」というコンテンツを作りアップしたら大反響でした。
やはり皆さん、受診するときに困っているようですね。
よければコチラも参考になさって下さい。
「肛門科の選び方」
「肛門科の選び方・ブログ編」
あなたはちゃんと肛門科の先生に診てもらってますか?
専門の先生かどうか分からない場合は、
情報を集めて調べると良いでしょう。