薬代の方が高かったです | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

またまた来られました。

自宅で誰にも知られずコッソリ治療出来る通販の高価な痔疾薬を使っている患者さんが^_^;

週に一人くらいは来られてますね^_^;

やっぱりそれだけ人に知られたくない病気なんでしょうか・・・

ごくごくありふれた、誰でもなる病気なのに、悲しいです(;。;)

薬を使っても一向に良くならない

と言って来られる場合は、だいたい「脱肛」です。

今回の患者さんもそうでした。

まだ使い始めて半年なので、以前のブログで書いた患者さんのように5千万円には達してませんでしたが、既に100万円以上使っておられて、やっぱり高いなあ~って思いました(◎-◎;)

電話相談で「薬で治る」と断言されたそうです。

それを信じてせっせと使っても、ちっとも良くならない!

これは無理だ!

と思って私の外来に来られました。

そうしたら肛門の周りに花が咲いたみたいになっている立派な脱肛でした。

これじゃあ薬を使っても症状は改善しません^_^;

出てるモノが中に入るわけでもないし、薬を使い続けてもイボ痔が無くなるわけでもない。

手術を希望され、手術費用について尋ねられました。

日帰りと入院で費用が違うので、その点についても詳しくお伝えしたら

「薬代よりも安いです。受けます。」

と即答^_^;

うちの診療所は自由診療です。

決して手術代や入院費用は安くないです。
(自分としては良心的な価格設定のつもりですが・・・)

また自由診療だからってお金持ちの人が来られてるわけでもないんです。

普通の人がたくさん来られています。

中にはアルバイトをして手術代金をせっせと貯めてから受診される方もおられます。

でも、その費用よりも半年間にかかった薬代の方がはるかに高かったと患者さんが言われました。

「まだ半年で気付いたから良かったものの、信じて何年も使い続けてたら私も5千万円使い果たしていたかもしれません」

って笑っておられました。
(うーん、笑えない -_-;)

blog182

診療所のセラピードッグ「ラブ」
犬のようちえんで
「デモ犬」としてトレーニング♥
「ウィーヴ」と言って
先生の足の周りを歩く練習をしています


以前のブログでも書きましたが、薬で治る痔と治らない痔があります。

また痔であるとは限りません。

癌だったという悲しいケースもあります。

だから診断もせずに、むやみに薬を使い続けるのは危険です。

オシリを診ないと分かりません。

ましてや電話相談員は肛門科医ではありません。

肛門科医であっても電話相談で診断出来ません。

実際に診察して初めてちゃんとした診断が出来るんです。

だから薬をダラダラと使い続けないで下さいね!


あなたは診察を受けずにダラダラと薬を使っていませんか?

ちゃんと専門の先生にかかって

診断を受けましょう。

電話相談では診断はできませんよ。