「不」を「解消」するのではなく「不」に「つけこむ」医療?! | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

病院やクリニックって

病気になったら行くところです。

決して病気でもないのに

楽しいから行くところではありませんえへへ…


うちの診療所には

便通管理目的で

私たちに会うのが楽しみで

私たちと話すのを楽しみにして

喜んで来られる患者さんもおられますが汗


普通は

何か困ったことがあるから

それを解消したくて


受診するわけです。


その困ったことは

患者さんによって色々です。


肛門科に来られる患者さんは

オシリに何か困ったことがあるから

それを何とかしたくて来られています。


痛み
出血
脱出
かゆみ
たるみ


人によって症状は様々です。


同じ症状でも

困ってなければ「不便」を感じません。

つまり

症状があるから困っている

とは限らない。



困ってるかどうかは

患者さんが感じること。


不便・不快

何らかの「不」を解消しようとして

病院を受診するわけです。


その「不」を解消する手段が

手術以外にないのであれば

それも仕方ないでしょう。


でも

手術せずに「不」を取り除けるのであれば

手術は必要ないですよね?


手術が大好きで

手術が受けたくて

肛門科に来てる患者さんなんて

いないんじゃないかな。


だけど

何でもかんでも

とにかく手術!っていう先生が多いです。


セカンドオピニオンで来られる患者さんのほとんどが

他の肛門科やクリニックで手術と言われていますが

本当に手術が必要なケースは5%以下です。


それくらい

手術でしか治せないケースって少ないです。


手術しなくても大丈夫だと思いますよ

と説明すると

嬉しくて泣き出す患者さんも多いです。



それくらい

切羽詰まって

夜も眠れないくらい悩み抜いて

私の外来に来られています。



手術しないとえらいことになる

とか

放っておくとこんなになるよ

とか

今スグ手術しないと大変なことになる

など、患者さんが不安になるような言葉で手術を勧めているケースも多いです。


でも診察すると

手術なんて必要ない状態の患者さんが多いです。


今スグ切らないといけない痔って

肛門周囲膿瘍くらいです。

それ以外は緊急性はありません。


泣き崩れる患者さんを見ていて

医療って何だろう?

って考えさせられます。


患者さんの「不」を取り除くことが大切なのに

患者さんの「不」につけ込んでるなって思いましたあせ


不安につけこんだり

不安をあおったり

肛門の中は見えないから

何とでも言えますよねふー


本当に

肛門科って

良心を試される科だな


って思います・・・。

以前のブログにも同じようなことを書いてます↓

見えないところでどれだけ誠実に仕事できるか



どうか一つの施設で

今スグ手術!

って言われても

その場ですぐに決めずに

何軒か肛門科を受診して下さいね。


できるだけ

専門性の高い先生を選んで下さい。

専門医の探し方はコチラ↓

「肛門科専門医の探し方」
「何が専門?」
「本業か副業か」
「女医さんはもうこりごりです(;。;)」
「ちゃんと肛門科の先生に診てもらってる?」
「専門じゃないって書いてて欲しかった!」


でも専門医も色々です。

切って治す方針の先生も結構多いです。


だから

なるべく良心的にやっている先生を探して下さいね。

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診療所のセラピードッグ「ラブ」らぶ
院内をウロウロするラブトイプ-アプリコット
犬が苦手な人が居る時は
カゴの中に入っています苦笑い
ラブは誰でもみんな大好きなので
犬が嫌いな人や苦手な人にも
シッポを振って寄っていきますしっぽフリフリ