溜まりに溜まっている患者さんアンケート。
やっと2023年分突入したところなのですが、今日は最近来られた患者さんのアンケートを先にご紹介します。
1〜2年経つと診察室で話した内容を忘れてしまうのと、電子カルテに患者さんとの会話内容はほぼほぼ記載しているのですが、今、伝えたい気持ちが消えないうちに書きたいと思います。
今日来られた患者さんは20代女性。
オシリのかゆみに悩み他府県から来られました。
まずはアンケートをお読み下さい↓
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この患者さんは典型的な肛門そう痒症でした。
かゆみの原因は便なので、肛門の中に残ったり溜まったりしている便を出さない限り何を塗っても治りません。
こちらに詳しい解説を書いていますので是非お読み下さい↓
また日本大腸肛門病学会の市民向け記事も執筆担当しました↓
この患者さんはかゆくて掻いてしまっていたので肛門周囲の皮膚は色素脱失し炎症で皮膚の浮腫も見られ慢性化した皮疹を認めました。
予想通り直腸診で便を認めました。
今日はまだ排便がないとのこと。
コロコロ便なので昨日の残便です。
昨日の出残り便を一晩寝かせて水分飛ばして熟成してから便を出しているようです。
だから出始めが硬い、コロコロ便。
出始めの便は昨日の出残り便です。
スッキリ出てないから拭いた紙に便が付く。
何度拭いてもキレイにならない。
肛門に残った便、溜まった便を出さないと治療はできません。
だから治療の第一歩は正しい排泄から。
ちゃんと便を出して肛門の中を空っぽにするのです。
そして皮疹ができてしまっているのでステロイドを使わざるを得ません。
ステロイドは使い方を間違えると依存性・習慣性が生じ副作用が出たり、やめられなくなったりして大変ですが、正しく使えばそういうことは起こりません。
コチラにステロイドの使い方について解説しています↓
元皮膚科医としての経験を活かし書いた論文がコチラ↓
治療は排便の管理とステロイド外用。
それだけ。
とてもシンプルです。
坐剤を入れるのは最初大変ですが2週間もすると慣れてきます。
この患者さんも2週間後に来られた時には見違えるほどキレイになっていました。
実はこの患者さん、アンケートにも書いておられるように幼少期からのアトピー性皮膚炎で10代は不登校になるくらい重症だったそうです。
社会人になってからも症状は良くなったり悪くなったりの繰り返し。
その間、皮フ科のみならず様々な自費診療のクリニックを受診し、腸内洗浄や血液クレンジング、オーソモレキュラー栄養療法、断食療法などを受けてこられていました。
それでもまだ就寝時に全身の痒みに襲われ、まともに眠れていない状況でした。
それが眠れるようになったと大層、喜ばれました。
本当に今までの悩みがなくなったと。
肛門のかゆみが消失し、皮疹が改善していればステロイド外用は終了です。
そこで何も塗らないと痒みがぶり返すので診療所の手作り軟膏「Sザルベ」に切り替え。
皮膚の炎症はおさまっても皮膚のバリアー機能はまだ元に戻っていないので、ステロイド外用が終わったあとは必ず保湿をしてあげる必要があります。
そして一番大切なことですが排便管理は続きます。
かゆみの原因は便なので、坐剤をやめるとかゆみは再発しますから。
だから肛門そう痒症のステロイド外用剤漸減療法を受けられた場合は2回来院していただくことになります。
3回目の通院で治療が終了になって、あとは年に1回のオシリ検診。
痔や肛門のかゆみなどのトラブルは出口の便によって引き起こされているので、日々の生活の中でちゃんと便を出し切るようにしないと、何度でもトラブルを繰り返します。
実はこの患者さん、アトピーの治療のことで皮膚科のクリニックで色々とトラブルがありまして・・・
その話は明日にしたいと思います
患者さんのリクエストで復活させた
化粧品と発酵素するりの記事は
コチラ
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