「子どもの将来のために、おうちで英語を頑張ろう!」そう意気込んで始めたものの、就学前に「読み書き(RW)の壁」にぶつかり、挫折する家庭は少なくありません。
文部科学省のデータや公的な統計は少ないものの、SNSや教育関係者の間で語られる現実として、おうち英語を始めた家庭の約6割が就学前の段階で挫折すると言われています。
特に、英検受験で「読み書き」の必要性に直面し、断念するケースが非常に多いのが実情です。
なぜ、順調に進んでいたはずのおうち英語が、この段階で失速してしまうのでしょうか?その理由をデータとロジックに基づいて掘り下げ、乗り越えるための具体的な方法をお伝えします。
1. 「おうち英語」の定義が違いすぎる問題
まず、この問題の根本にあるのが、「おうち英語」の定義が家庭によってバラバラであることです。
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タイプA:インプット中心型
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方法: 英語の歌をかけ流す、アニメを視聴する、YouTube動画を見るなど。
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結果: 英語の音に耳が慣れ、リスニング力は向上しますが、文字と音を結びつける機会が圧倒的に不足します。
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タイプB:教材中心型
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方法: DWEやワールドワイドキッズなどの専門教材を体系的に利用。
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結果: 読み書きの要素も含まれるため、早期からRWへの準備ができますが、親の金銭的・時間的負担が大きいという課題があります。親子の能力的壁で断念する例も。
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タイプC:親主体型
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方法: 親が日常的に英語で話しかける。
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結果: アウトプットの機会が豊富ですが、親自身の英語力や継続するモチベーションが成果を左右します。
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多くの家庭が**「タイプA」からスタートしますが、この方法だけでは「音」の学習に終始するため、就学後の「文字」の学習にスムーズに移行できません**。これがRWの壁にぶつかる最大の原因です。
2. 子どもの発達段階と「言語習得」の壁
リスニングやスピーキングは、母語を習得するように感覚的に身につくスキルです。一方、読み書きは**「論理的思考」**を必要とする、より高度な認知能力です。
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聴覚認知: 音を聞き分け、理解する能力。
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視覚認知: 文字の形を認識し、記憶する能力。
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フォノロジカル・アウェアネス(音韻意識): 単語を音の単位(音素)に分解する能力。
就学前の時期は、これらの認知能力に個人差が大きいのが現実です。**「音韻意識」**が十分に発達していない子どもは、フォニックス(音と文字のルール)の学習でつまずきやすくなります。これが、英検などの試験で「文字」の問題を前に、挫折してしまう大きな理由です。
3. RWの壁を乗り越えるための具体的なステップ
挫折を避けるためには、これまでの「遊び」中心の学習から、就学後の「学び」を意識した段階的な移行が必要です。
STEP1:フォニックス学習の導入
読み書きの土台となるのがフォニックスです。楽しく学べる教材やアプリを活用し、**アルファベットの「名前」ではなく「音」**を覚えることから始めましょう。結局教材勢で断念する親子の大半はフォニックスの習熟度による問題だったりすることも多いです。
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遊び: 歌やチャンツに合わせてアルファベットを覚えたり、お風呂の壁に貼れる文字シートで遊んだりする。
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教材: YouTubeの「Super Simple Songs」や「Alphablocks」など、フォニックスに特化した動画を活用する。
STEP2:リーディングの習慣化
フォニックスのルールが身についたら、「自分で読める」という成功体験を積み重ねます。
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教材: フォニックスのルールだけで読める「Phonics Readers(フォニックスリーダーズ)」など、シンプルな絵本から始める。
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方法: 一緒に絵本を読むときに、文字を指でなぞったり、文字探しゲームをしたりして、文字と音を一致させる練習をする。
STEP3:ライティングへの第一歩
ライティングは、リーディングよりもさらに高いハードルです。最初は遊び感覚で始めましょう。
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遊び: 砂や小麦粉、お風呂の壁など、汚れてもいい場所でアルファベットを書く。
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練習: ワークブックや塗り絵感覚で、単語のトレース(なぞり書き)から始める。
まとめ:継続できる最適解は「柔軟な戦略」
おうち英語の「最適解」は、単一の学習方法ではなく、子どもの特性や成長に合わせて柔軟に学習内容を調整する戦略です。
就学前にお子さんの**「何が足りないか」**を客観的に見極め、リスニング中心からRWへの学習にスムーズに移行できるよう、計画的にサポートすることが重要です。
ここらへんの習熟度のズレがその後一定スキルが高いのに英検に受からないなどの結果として現れてきます。
挫折を経験することは、決して無駄ではありません。それは「このやり方ではダメだった」と気づき、次のステップへ進むための貴重なサインです。焦らず、お子さんの「楽しい」を大切にしながら、RWの壁を乗り越えていきましょう。
参考になれば・・・
でわ
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