昨晩は白澤教授のご自宅で今年最後の忘年会がありました。
今年一年を振り返ると、私個人にとっては、順天堂大学大学院医学研究科に新しく開設された加齢制御医学講座の一員となることが出来たことが大きな出来事でありました。2005年くらいまでは、医者仲間に「抗加齢(アンチエイジング)医学」といっても、なかなか理解してもらえなかったことが嘘のように、ここ1~2年で変わってきていることを実感します。今や順天堂以外にも、東京大学、慶應義塾大学、東海大学、愛媛大学などの医学部や大学院、大学病院などで、抗加齢医学を看板にした講座や外来が続々と開設されてきています。日本抗加齢医学会の会員数も、2001年発足当時(当時は日本抗加齢医学研究会)20名しかいなかったのが、2007年には5,500名を超えるほどになっています。
このように、医学、学問としての抗加齢医学は確実に医学界の中では育ってきており、医学としての「アンチエイジング」は当にこれからが旬とも言えるでしょう。
一方、世間一般でも確実に広まってきた感のある「(広義の)アンチエイジング」はどうでしょうか?2006年の新語・流行語大賞の60語のノミネートワードにも入ったこの言葉は、2007年になっても益々色々なところで目にしたり、耳にしたりすることが多くなってきています。が、しかし、現状では相変わらずアンチエイジング=若返りのための美容的アプローチといった意味合いで使われることが多く、「抗加齢(アンチエイジング)医学」の本質である“健康長寿を目指す”とか、“QOLをアップする”というところまでつかんでいる人はまだまだ少数です。
すなわち「アンチエイジング」なる言葉の使われ方が、我々の業界と世間一般とでは乖離してしまっていて、その溝を埋めるのがもはや難しいところまで来てしまっているように思えるのです。言ってみれば、「アンチエイジング」なる言葉そのものはブームには乗っているが、その本質(我々が意図するところの)は理解されずにブームが来てしまった、といったところでしょうか。
ここに来て、多くの日本の有識者や美容業界の大御所などが「脱・アンチエイジング」を一斉に唱えだしました。それが、「ハッピー・エイジング」であったり、「ビューティフル・エイジング」であったり、はたまた私も加担している「プロ・エイジ」であったりするわけです。「歳を重ねることは人生の熟成でもあり、いい歳のとり方をすることこそが私たちの目指すべきスタイルである」、これがその共通したフィロソフィーのようですが、う~ん、、、「アンチエイジング医学」もそれを目指しているのです…
メタボリックシンドロームが当に今、国民レベルでブームになっています。生活習慣病のフィールドの、まぁ、言ってみれば我々の「業界言葉」がここまで普及したことは驚愕に値します(様々なカラクリが裏にはあるようですが、、、)。しかし、その診断基準が槍玉に上がりだしました。これまでは医者仲間の間くらいでしか話題にされなかった疾患・症候群の診断基準というものが、医学界以外のところからああでもない、こうでもないと突かれているのです。
「アンチエイジング」と「アンチエイジング医学」の構図もこれと似たものがあります。何が言いたいのかというと、ライフスタイルに関与する医学・医療を扱う場合、医学(サイエンス)だけではなく、その時代の流れを読む文化的スタンスがやはり欠かせないのだということです。それと、言葉は難しい!
年末にはそういった辺りのことをいくつかの大手広告代理店の方々とかなりディスカッションさせていただきました。
2008年、「アンチエイジング」という言葉は適材適所で使わないと、実は「アウト」とされてしまう難しい言葉になってくるのかもしれません。特にビジネスのフィールドにおいては。。。








