EDマンが説明する!日本で認可されているEDの治療法って……? | EDマンブログ

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我EDマンなり。ED(勃起不全)撲滅にむけ、我はブログを始めた。
初めての方は「EDマン、ここに降りたったり 第一話」の投稿を読んで欲しい。

 

日本で認可済みのEDの治療って??

 

 

 今記事では、日本でのED治療ガイドラインに沿って説明していく。

 

目次

 

キーポイント

 

 □ 生活習慣や食生活の見直しが実は根本的な解決に直結している

 □ 禁忌の場合を除きPDE5阻害薬が第一選択の治療薬となる

 □ PDE5阻害薬にはシルデナフィル(バイアグラ)、バルデナフィル(レビトラ)、タダラフィル(シアリス)の3つが日本で認可を受けている。

 □ PDE5阻害薬の中でも薬によって少し性質が違う

 □ バイアグラは世界で最も偽物が出回っている薬の1つで、正規の薬を病院から処方してもらうのが一番。

 □ 薬には併用禁忌・服用禁忌が存在し、これらの場合にはその薬を服用してはいけない。

 □ PDE5阻害薬以外で認可されているのが陰圧式勃起補助具である。

 □ 日本で認可されていない治療法には陰茎海綿体注射陰茎プロステーシス移植などがある。

 

 

 

生活習慣……やっぱこれがメチャクチャ大事なんだ……

 

 


 薬などの治療はやっぱりその場限りの症状の緩和にしか過ぎないことがほとんどだ。もちろん幹細胞注射やプロステーシスなど根本的な治療や半永久的な効果を目的としたものもあるが、リスクもお金も掛かるのが現実だ。

 EDは特に血管に原因があることが多い。勃起の仕組み的に血管がもの凄く重要な役割を果たすからだ。血管をより若く、性欲を健全な状態に保つことが重要なのはお分かりいただけると思う。

 適度な運動、栄養がしっかり摂れる食事、適当な睡眠など、生活習慣の改善を少しずつでもすることが長期的にはEDの根本解決に繋がったりするのだ。薬による治療を既に始めていても、同時進行で行なっていってほしいものだ。EDマン的にはメチャクチャこれを推したい。

 また、EDは他の病気の一つの症状として発症することが多いのでそれにも注意だ↓↓
 『EDマンが説明する!EDの定義と原因のおおまかな枠組み!』勃起できないのは心のせい!?   我、EDマンなり。 目次☆キーポイントEDの定義EDの原因の主なカテゴリー 心因性について 器質性について 混合性について …リンクameblo.jp

 

 

 

禁忌以外は先ずはPDE5阻害薬

 

 

 

 禁忌と呼ばれるPDE5阻害薬を絶対に服用してはいけない場合を除いて、先ずはPDE5阻害薬が処方される。

 

 PDE5はホスホジエステラーゼ、英語でPhosphodiesterase 5 の略称で、細胞内に存在し、cGMPという勃起に重要な物質の分解を担っている。
 

 cGMPは血管を覆う平滑筋をリラックスさせる役割を担っており、本来一酸化炭素(NO)が副交感神経抹消で放出されることで細胞内で生成される。
 

 つまり、PDE5阻害薬はその名の通りPDE5を阻害することでcGMPの分解を阻止し、結果的にcGMPの濃度を上昇させて平滑筋を緩ませているのだ。

 これが陰茎海綿体で起こることで、ペニスに流れ込む血の量が増えて勃起が起こるという訳だ。

 血流を促して勃起し易くはなるが、性欲を増加させる訳ではないので実際に勃起するには服用後に性的に興奮する必要がある。

 

 勃起の仕組みに関する基本的な知識はこれを読んでほしい↓↓
 

 

 

 

 日本では厚生労働省によってシルデナフィル(バイアグラ)、バルデナフィル(レビトラ)、タダラフィル(シリアス)の3つが処方可能とされている。順番に見ていこう。
 

 

 

シルデナフィル(バイアグラ)

 

 

 

 世界で一番最初に開発されたPDE5阻害薬がシルデナフィルだ。バイアグラという販売名で知っている人が多いと思う。
 

 日本でも1999年3月からはじめてのED治療薬として発売された。
 

 飲むタイプの薬で、服用後30〜60分で効果を発揮する。因みによく「噛み砕いて飲み込めば早く効く」と勘違いされることがあるが、そんなことは全くない。ただ苦くなるだけなので注意してほしい。他の薬についても同様だ。

 副作用は主に頭痛、ほてり、視覚異常などが確認されている。

 

 処方量は25〜50mgで、日本では100mgは認可されていない。(日本以外の大体の国では100mgも認可を受けている。とは言え、人種などによっても薬の効きは違うもので日本には日本人の身体に合ったものが考慮されている)

 シルデナフィルは肺動脈性肺高血圧にも使われており販売名はレバチオ。成分は一緒なので、レバチオを服用している人はバイアグラとその他PDE5阻害薬を服用してはいけない。単純に薬の濃度が高まる分副作用もより強くなるからだ。

 そして何を隠そう、バイアグラは世界で最も偽物が流通している薬の一つなのだ。2021年アメリカ一カ国だけで約25億円相当の偽物が税関で発見され没収されている。実際に発見されなかった分、アメリカ以外の世界全体を考えると相当な量になると考えられるだろう。

 これで普通に効く薬であればまだマシだが、様々な不純物が混ざっていたり、製造工場の衛生環境が劣悪だったりとEDへの効果以前に普通に危ないものが多い。実際に死亡例も少なくない。

 「時間がない」「お金をセーブしたい」「EDで病院に行くのは恥ずかしい」などの気持ちも分かるが、本物に良く似た偽物をオンラインで安く買って安全を祈るよりかは、病院に足を運んで正規の薬を処方してもらってほしい。ペニスをパオーンさせるために偽物の薬で死ぬほどほど虚しいことはない。命は大事よ……🥺

 

 

 

バルデナフィル(レビトラ)

 

 


 2004年6月から日本で発売されたバルデナフィル(レビトラ)は内服後30分で効果を発揮する。
 

 シルデナフィルと同様、常用量の10mgでは重篤な副作用は稀だ。
 

 

 

タダラフィル(シアリス)

 

 

 

 

 3つの薬の中では一番最近の2007年9月に発売されたタダラフィルだが、他の2つの薬とは少し違う。
 

 というのも、内服後30分後からその効果が36時間も持続するのだ。そのため、毎回性行為の度に服用する必要がない。
 

 効果が持続するといってももちろんずっと勃起している訳ではない。逆に4時間以上勃起する場合はペニスが壊死する可能性があるのですぐに病院で治療しなければならない。
 

 タダラフィルはPDE5だけでなく、PDE11を阻害することも分かっていて、薬の性質上も他の2つとは毛色が違う。ただPDE11は主に前立腺、精巣、骨格筋に存在していることは分かっているものの、それを阻害することの効果は未だに解明されていないのが現状だ。
 

 前立腺肥大症の治療薬としても2014年から認可されている。またシルデナフィルと同じく、肺動脈性肺高血圧にも処方されている。もちろん、これらの薬を既に服用している場合はPDE5阻害薬を服用してはいけない。
 

 主な副作用は頭痛、ほてり、消化不良で、重篤なものは稀だ。
 

 

 

禁忌って?

 

 


 薬には同時に他の薬と服用してはいけない併用禁忌その他の理由で服用してはいけない服用禁忌というものが存在する。

 これらの場合薬の影響によって、身体が危険な状態に陥ることがあるのだ。

 

 PDE5阻害薬の禁忌には硝酸薬可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬(リオシグアト)などがあるが、他にも様々な薬が存在する。既に他の薬を服用しているならそれが併用禁忌薬でないか医者に確認を取ってほしい(自分で調べてもいいが、医師に聞くのが確実なのでそれを強くオススメする)。
 

 例えば硝酸薬はNOドナーと呼ばれ窒化酸素を体内で放出することで心臓の血管を拡張しより心臓へ酸素を送り込めることから、心臓病によく使われている。これに更にPDE5阻害薬を服用したならば全身の血管が拡張することで血圧が危険なレベルまで低下して、重要な臓器に血が送れなくなり死亡する可能性があるのだ。
 

 肺動脈性肺高血圧に使われるグアニル酸シクラーゼ刺激薬(リオシグアト)もcGMP濃度を上昇させるためPDE5阻害薬と悪い方向に相乗効果を発揮してしまい、低血圧を引き起こしてしまう。

 

 実はグレープフルーツやグレープフルーツジュースも併用してはいけないとされている。というのも、グレープフルーツに存在するフラノクマリン類(furanocoumarins) がPDE5阻害薬を分解する酵素、CYP3A4の働きを弱くしてしまうので、PDE5阻害薬の副作用がより強く出てしまうのである。よって、PDE5阻害薬を服用する前後数日はグレープフルーツを避けた方がいい。

 服用禁忌は例えば、
 ・PDE5阻害薬に対してアレルギーがある場合
 ・脳梗塞や脳出血、心筋梗塞6ヶ月以内に患っている場合
 ・低血圧、または薬によって血圧のコントロールがされていない高血圧の場合
 ・心血管疾患などで性行為自体が身体に負担で危険な場合

 など、他にも数多く挙げられる。病院でPDE5阻害薬を処方してもらう際に確認を受けると思うが、自分で知っておくことも重要だ。

 

 

PDE5阻害薬が効かなかったら?

 

 


 PDE5阻害薬が効かなかったり副作用が酷い場合、他の治療を考慮する訳だが……

 PDE5阻害薬以外で今のところ日本で認可を受けているものは陰圧式勃起補助具だけである。

 更には実際に認可されているもので日本への輸入が可能なのは一つ(ビガー2020)しかない現状らしい。

 陰圧式勃起補助具はその名の通り器具で吸引することによって陰圧を作り出し、ペニスに血流を物理的に促すもので、更に陰茎を締め付ける陰茎リングをペニスに着けることによって勃起を維持できるのだ。

 このリングは長時間着けると逆にペニスに充分な血がいかないことで壊死する可能性があるので、30分以内に留めておくことが好ましい。

 EDの治療には日本で認可されていないものが他にも陰茎海綿体注射プロステーシス移植などあるが、認可されていないからと言って絶対に日本でこれらの治療を受けることができない訳でもない。今後の記事で紹介していきたいと思う。
 

 

 以上、日本で認可されているED治療について解説した。

 

 次回もまたよろしくお願い申し上げる。

 

 

 我、EDマンなり。我の活動にご興味ある方は、是非我の初めのブログを読んでほしい。↓↓

 

 

参考文献

日本性機能学会・日本泌尿器科学会 ED診療ガイドライン 第三版

Smith BP, Babos M. Sildenafil. In: StatPearls. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; February 14, 2023.

Leslie SW, Sooriyamoorthy T. Erectile Dysfunction. In: StatPearls. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; January 9, 2024.

Gianmarco Troiano at el, The potential toxic combination of grapefruit juice and sildenafil Gianmarco Troiano, 2019