久しぶりにタイトル回収をスカッとできる
本に出会った。
SF謀略ミステリだ。
伏線ガッツリで一気読みしたい方にオススメ。
一次元の挿し木
文庫グランプリ受賞作。
★本レビューにはネタバレは含まれません。
この著者のプロフィール。
松下龍之介(まつした・りゅうのすけ)
1991年4月生まれ。東京都江戸川区出身。茨城県牛久市在住。千葉工業大学大学院工学研究科修士課程を修了。
現在は電機システム事業を扱う会社で、火力発電所や製鉄所向けの高圧ポンプの設計や技術提案に携わっている。
若っ!!
平成生まれの作家がデビュー。
自分よりかなり年下の作家。というある意味、新鮮な違和感は正直、あった。

あらすじ
二百年前の人骨のDNAが
四年前に失踪した妹のものと一致!?
ヒマラヤ山中で発掘された二百年前の人骨。大学院で遺伝学を学ぶ悠がDNA鑑定にかけると、四年前に失踪した妹のものと一致した。不可解な鑑定結果から担当教授の石見崎に相談しようとするも、石見崎は何者かに殺害される。古人骨を発掘した調査員も襲われ、研究室からは古人骨が盗まれた。悠は妹の生死と、古人骨のDNAの真相を突き止めるべく動き出し、予測もつかない大きな企みに巻き込まれていく――。

帯につられて購入したのだが
ストーリー展開のアップテンポと伏線回収は鬼才。
新人作家、故の荒削りさがこれまた良い。
SFなので若干のご都合主義は否めないのだが、記憶に刻まれる内容。
ドラマ向け脚本というイメージ。
江戸川乱歩の現代版のような。
後半はページをめくる手が止まらなくなるような圧巻はある。
きれいに伏線回収出来るのでモヤッと感を残さないところがいい。
これがデビュー作と言うのだから
今後が楽しみだ。
一気読みお勧め