長い映画。

マチュー・アマルリックが名演だという評価が多いようだ。

 

主演の女優も好きだし、良い映画だと思ったけど、長すぎて何を言いたいのかわからない。

何かメッセージを託すのが映画だという考えはフランス人にはないのかも。

 

色々な複雑な物語を見せられている感じ。

 

それぞれのシーンは全部面白いのだけど、全体では退屈、という映画。

映画でなく、分割してドラマ化したらそれなりに面白いと思う。

 

フランス映画「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」

 

 

あらすじ

世界的ベストセラー3部作、完結編の翻訳のために、各国から翻訳家が集められた。

彼ら9人は2カ月間、地下のシェルターに隔離され、翻訳作業に取り掛かる。

シェルターではインターネットなど、外部との連絡を取ることは禁止されている。小説の流出を防ぐために、出版社のオーナーであるアングストロームが考案した方法だ。まるで翻訳家を家畜のように扱っていると批判する人もいる。

作業が進められてゆく中、ある一通のメールがアングストロームの元へ届く。

機密であるはずの小説の内容がどこかから流出し、24時間以内に大金を支払わなければ、インターネットで世界中に公表するという脅しのメールだった。

原稿にアクセスできるのは、顔も所在も未公表のこの小説の著者、「オスカル・ブラック」本人と、そしてアングストローム。

そして毎日、翻訳作業のため20ページずつ内容を知ることができる、9人の翻訳家の中に犯人がいるはずと見込んだアングストロームは、彼らを問い詰める。

そして次第に、互いに疑いの目を向け始める9人の翻訳家たち。

この隔離されたシェルターから、一体誰が、どのようにして出版前の小説を流出させたのか?そして、その驚くべき理由とは・・・

 

作品情報

公開年: 2020年
製作国: フランス・ベルギー
原題: Les traducteurs

キャスト・監督

監督:レジス・ロワンサル

出演:ランベール・ウィルソン、オルガ・キュリレンコ、アレックス・ロウザー


感想

鑑賞前、タイトルから、フランソワ・オゾンの「8人の女たち」を想像した。

9人がある豪邸に隔離された状態で、その中の誰かが犯行を犯し、互いが互いを疑う・・・という展開も、「8人の女たち」のようだなと思いながら、見始めた。

見終わった感想としては、「9人の翻訳家」も「8人の女たち」も、私はどちらも好きだ。

しかし、今回鑑賞した「9人の翻訳家」は、サスペンス映画の中で区分けするならば、見ている間だけ楽しんで、見終わった後は現実の世界に戻れるタイプのエンターテイメントではなかった。

そもそも監督も違い制作された時代も違うので比べる対象ではないかもしれないが、「8人の女たち」は、ドキドキハラハラのサスペンス映画だが、見終わった後、見ている最中も、エンターテイメントとして割り切れるタイプの映画だった。

さて、「9人の翻訳家」は、映画の前半は、ザ・サスペンスを感じさせる、冷たい雰囲気で物語が進行してゆく。シェルターという設定、出版社の冷徹で金にしか興味がない社長。

9人の翻訳家たちも、それぞれクセがありそうだ。

翻訳は豪邸の中で行われる。2カ月間、この豪邸の外には出られない。

隔離された状態で、毎日のように顔を合わせ、時には酒を飲み交わす中で、9人は次第に打ち解けてゆく。そんな段階で、事件は起こるのだ。

最大の機密事項である、未出版の小説の流出。

当然、この9人の翻訳家が疑われる。

実は、この映画は時系列が、2ヶ月後、過去、翻訳作業中、と行ったり来たりしながら描かれるので、前半はついてゆくのに集中力が必要だ。

犯人が誰なのか?誰が怪しいのか?を見極めながら、鑑賞する。

犯人は、映画の中盤あたりでスルッと明かされる。なので映画の後半については、この人物が、なぜ、どのようにして小説の内容を流出させたのか?を知りたくて、見続ける事になる。

この映画の優れた点は、9人の翻訳家はもちろん、小説の著者とされている謎の人物「オスカル・ブラック」それぞれに魅力を感じさせる点だ。

バックボーンが、さすがに全員分しっかりと描かれているというわけではないが、主要人物については、その人間性をしっかり鑑賞者が汲み取れるところまで、描いているので、感情移入できる。

サスペンスは、「誰が犯人か?」または「なぜ?」ということに終始して、まぁまぁ楽しめるが内容が薄っぺらくなりがちな映画も中にはある。

しかしこちらの「9人の翻訳家」については、登場人物に魅力があり、そのセリフに共感できるものを感じるので、心が揺さぶられる。

とにかく、心をぎゅっとつかまれるような映画であった。

2回目は、犯人など全て知った状態で、鑑賞するが、それでも楽しめる。

豪邸への隔離、インターネットを利用した現代的な犯行スタイル、など、サスペンス要素盛りだくさんではあるが、最後は人間の愛というところで心を揺さぶり、胸に残る作品。

 

 

ひとりの女が恋をし、気が狂うまで恋をしたっていう話。

恋愛モノ、昼ドラ的な内容。

夕方、家事をしながら映画のDVDをつけといて流しながら見るのがちょうどいいくらいの内容だと思った。

 

映画の最後に、実際のアデルのことが語られる時、初めて、ああ、これ実際にいた人の話なんだよなーって具合に感銘を受ける感じ。

つまり、本当の話だってことを思い出して、何だか心にくるものが一瞬あったけど、映画としては昼ドラかな。

 

恋愛の内容も、いろいろな登場人物が絡んで・・・というようなドラマティックなことではなく、ひたすら主人公アデルの、ピンソンという男に対する一方通行の愛だけが描かれている。

 

タイトルと監督が有名だよね。

当時はみんなが衝撃を受けて、流行った作品なのかもしれない。娯楽の少ない時代でもあったのだろうか。

フランソワ・トリュフォーの1975年の作品。

 

実際のアデルが島に渡ったのは33歳とのこと。

 

アニエス・ヴァルダの人生について、本人から語られる映画。

 

アニエス・ヴァルダとは、フランスの有名な女性の映画監督で

彼女の自伝の映画化とも言える。

つまり、アニエス・ヴァルダの映画を見て、彼女の映画が好きで、さらに監督である彼女本人について関心がある人は楽しめる。

 

 

そうでない人にとっては、ご年配の少しオシャレなフランス人で、おそらくフランスでは有名と思われる女性が、ただ自分の人生を語るという、特に見応えのない映画と感じるだろう。

 

アニエス・ヴァルダの交友関係も語られる。

彼女本人が有名な監督であるので、登場する著名人は多い。

 

こういう絵を撮ってみたかったの。

そんな気持ちが映画から伝わってくるようだ。

アニエス・ヴァルダは、キャリアを写真家からスタートしているので、つまりこの「アニエスの浜辺」は、フォトジェニックなフランスの歴史の写真集の映像版だと思えば見やすい。

 

始終、本人が視聴者に語りかけるスタイルなので、その言葉は聞き取りやすい。

フランス語学習にはいいかもしれない。

 

エンターテイメント性はない。ワクワクドキドキするような映画ではないので、ご注意を。

 

ヌーヴェルヴァーグ が本当に面白いのか確かめようと思った

 

映画といえば、フランス、フランス映画といえば、ヌーヴェルヴァーグ 。

やたら賞賛されるけど、本当にヌーヴェルヴァーグ って面白いのか?

 

絶対面白くないでしょ。だって、現代には、ヌーヴェルヴァーグ を見て学んで、さらに面白いものを作ろうとした監督たちの作品が溢れているんだから。

 

そして、現代の価値観と、60年〜70年前の価値観が違うし、私たち現代人は面白いものを見慣れてしまっているのだから。

 

ということを確かめるために、ヌーヴェルヴァーグ作品をこれからコツコツと、み始めようと思います。

というか、まず手始めに2つ見ました。

 

①ゴダール作品

「かってにしやがれ」

À bout de souffle

 

②フランソワ・トリュフォー作品

「大人はわかってくれない」

 

こちらは、代表的なヌーヴェルヴァーグ 作品ということなので、見た。

 

****

 

まず、

①ゴダール作品

「かってにしやがれ」

 

wikipediaによると、

 

ヌーベルバーグの記念碑的作品であり、フランソワ・トリュフォーが原案、クロード・シャブロルが監修、ジャン=リュック・ゴダールが監督・脚本を務めた。ゴダールにとっては初の長編映画である。

 

とのこと。

 

個人的な感想

主人公が人殺し、盗人、女たらしなので、かなり嫌い。演じているのは、ジャン=ポール・ベルモンドで、有名な俳優です。

唇を指でなぞるこの主人公のクセがあり、物語の中では意図的に何回も描かれているが、この仕草も気色悪い。

 

女たらしっぷりや、なんでもすぐ盗むことも、嫌な気持ちになる。

 

賞賛される所以は、ラストシーンか?とんでもなく悪い男だが、最後にだけ、女性のことを本当に愛していたことが垣間見えるシーンなのか?

 

と予想したけれど、たとえそうだとして、数ヶ月前にバカンスで出会って、パリで再会して数日の男女の間に、そんな感動的な愛を感じられないし、共感ができない。

 

男女のやりとりのセリフは、日本人にとっては詩的で素敵でロマンチックとも思えるような、愛のセリフの数々。

字幕からも、それがしっかりわかる。

 

これが、芸術的ということで世間的には受けたのか・・とも考えてみる。

確かに、娯楽の少ない当時には、聞いているだけで心がくすぐられるようなセリフのオンパレードだったのかもしれないが、今では特に、何も心を動かされない。

 

 

②フランソワ・トリュフォー作品

「大人はわかってくれない」

 

こちらの作品は、とっても悲しい気持ちになった。

子どもを持つ母親として、主人公の男の子が母親にも父親にも愛されず、学校でも嘘つき呼ばわりされ、家出を繰り返し、不幸になってゆく姿は心が痛い。

 

大人たち、特に主人公の男の子の両親が最悪すぎて、腹が立つ。まさに、悪い大人を子供の視点から描いたという作品なのだろう。

 

感動とかはあまりないし、暗い気持ちになる映画。

でも、先に紹介した

 

ゴダール作品

「かってにしやがれ」

 

よりは、心に残る作品。

 

人におすすめするかと言われたら、微妙である。

社会風刺なのか?あほな大人を描き切り、反面教師的な問題提起をすることが目的の作品なのか?

 

 

まとめ

 

自分はフランス語も学んでいるのですが、フランス語のテキストや、コラムには、

「懐かしのヌーヴェルヴァーグ 、見たときは衝撃だった」とか、

「今でも忘れられない、ゴダールの・・・」

 

など、ヌーヴェルヴァーグ に感銘を受けたという内容を結構見かける。

それを書いた人は、その時代の自分の「青春」を重ね合わせているので、映画以上に、映画を鑑賞した時の映画館の様子とか、自分の環境とか、そういうのを重ね合わせて作品の感想を美化しているように思える。

 

ヌーヴェルヴァーグ 作品を2つ見たくらいで、偉そうに述べるな、もっと色々な作品を見てから判断しろと思う方もいるかもしれないが、いくつもの作品を見ないと面白さが伝わらない映画って、それじゃあ一つの作品としてどうなの??と思う。

 

面白い、面白くない、は個人の感じ方なので、正直に書いたまで。

 

まずは

①ゴダール作品

「かってにしやがれ」

À bout de souffle

 

②フランソワ・トリュフォー作品

「大人はわかってくれない」

 

を見たので、今度はまたこの二人の監督の作品を見て、比べたいと思う。

そうすると、もしかしたら自分の好きなヌーヴェルヴァーグ 作品と、嫌いなヌーヴェルヴァーグ 作品が分かってくるかもしれない。

 

 

 

 

正義と真実はどこにある?「アムール、愛の法廷」フランス映画紹介

 

あらすじ・ストーリー

厳格で人間味のない裁判官と恐れられるミシェル。

法廷では、娘を殺した父親の裁判が始まる。

かつて思いを寄せていた女医・ディットが、偶然、この裁判の陪審員に選出され、動揺するミシェル。

そんな中、裁判は進み、被告側、原告側の証人が次々と証言してゆく。果たして、真実はどこにあるのか。

ベネツィア国際映画祭で脚本賞と男優賞を受賞した作品。

 

 

作品情報

製作年: 2015年
製作国: フランス
原題: L’hermine

キャスト・監督

監督:クリスチャン・ヴァンサン

出演:ファブリス・ルキーニ、シセ・バベット・クヌッセン

 

「正義の目的は真実を暴くことではない」(感想)

フランス語タイトルの「アムール」は映画の内容にそぐわないと個人的には感じました。アムール、愛、など、日本人の勝手なフランスへのイメージを映画に押し付け、映画館に客を動員しようとする意図があると思います。

日本人の熟年のラブストーリーは確かに描かれていますが、ラブストーリーが主体ではなく、裁判と、法廷を取り巻く人々の人間味溢れるドラマです。

 

この映画の紹介、オフィシャルホームページでさえも、「冷徹な裁判官が恋をしたことにより、人間味を取り戻して、良い判決ができた」のように書かれているが、私はこの解釈に全く賛成できない。

 

長い経験のある裁判官が、個人的な感情で行動を変えるとは思えない。

 

みんなからは好かれていないかもしれないが、真実と正義に対する信念をしっかり持ち、仕事のできる裁判官、それが、この映画の主人公。

その魅力に、偶然再会した、裁判官が思いを寄せる女性も陪審員として見守る中で惹きつけられてゆき、映画のラストでは、これから二人の恋が始まるんだなとわかる展開になる。

 

なので、私はこの映画が、大人のラヴストーリーだと紹介されていることに不自然さを感じます。

 

フランス語タイトルのhermine(アーミン)とは、司法官の礼服のガウンのような布の事です。

大人のラヴストーリーと紹介されていますが、冒頭から全編を通して、裁判の様子が描かれます。

 

フランスの一般人の陪審員の様子や、裁判の様子がわかります。

裁判の内容は殺人事件が扱われており、暗いムードではあります。

裁判長、裁判官、陪審員、警察。全ての裁く人も、また一人の人間であり、真実はどこにあるのか、何を真実とするのかをいつの間にか考えさせられる映画。

 

正義の目的は真実の追求ではないというセリフも大変深いと思いました。

 

 

裁判の結果が気になって、最後まで見てしまいます。

 

あらすじ・ストーリー

中堅企業のカステラ社長。有能な経営コンサルタントにも、ボディガードも目障り。

長年連れ添っている妻も夫より愛犬にご執心。

そんなカステラ社長は、ある日、コンサルタントがよこした英語教師クララをさっさと追い返してしまう。しかし、その夜観に行った芝居の主演女優が昼間の英語教師クララと気づき思いがけず彼女に恋してしまう。

2000年 第22回 モントリオール世界映画祭 グランプリ
2000年 第73回 アカデミー賞 外国語映画賞
2001年 第26回 セザール賞 作品賞

 

 

 

作品情報

製作年: 1999年
製作国: フランス
原題: Le Goût Des Autres

 

 

キャスト・監督

監督:アニエス・ジャウイ

出演:アンヌ・アルヴァロ、ジャン・ピエール・バグリ、ブリジット・カティヨン

 

 

感想

この映画の評価は高いようで、本年度セザール賞主要4部門を受賞し、アカデミー賞にもノミネートされた大ヒット作。だが、個人的にはそこまで引き込まれなかった。

群像劇である。群像劇とは、それぞれ別の人物による複数の人生の物語で、一見バラバラなエピソードに見えるストーリーが、全体を通して知ることで一つにまとまり本当の姿を現す手法のことである。

たくさんの登場人物がたくさんの人生を紡ぐからこそ、最後に感動を呼ぶ、という方もいると思う。しかし、一生懸命見ていないと、ついてゆけなくなる。

外国の映画の場合には、顔と名前を覚えるのに少し時間がかかるので、物語に入り込むのにも時間がかかる。

監督のアニエス・ジャウイは、これまで脚本家、女優として活躍しており、この映画は彼女の監督デビュー作。

映画の中では、自由奔放なウェイトレスのマニーを演じている。

 

 

Films Bonheur / Feel-Good Moviesより

 

シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢

L’INCROYABLE HISTOIRE DU FACTEUR CHEVAL

 

 

あらすじ

建築の知識を持たない郵便配達員がたったひとりで宮殿を築いた実話を映画化。19世紀末のフランス。手紙を配り歩く郵便配達員・シュヴァルは、途中でつまずいた石の奇妙な形に心奪われ、娘のために石を積み上げ宮殿を作り上げることを決意する。

 

感想

主人公は無口で不器用な男、だが心は優しい、ということだが、個人的にはこの俳優の顔と雰囲気が、好みでないかもしれない。

 

自分にとっては退屈だったが、世間の評価は高かったので、私の人生経験が少なく、薄っぺらいために、この映画の良さが理解できないだけなのかも。

 

冒頭の25分間で、妻を亡くし、息子と別れ、新しい女性と出会い、結婚し、子どもが生まれ・・と、展開が早すぎて(そもそもここの部分はメインではないので、こうなるのも仕方がないのかもしれないが)わざとらしく、薄っぺらく見える。

 

ある男が、一生懸命、不器用ながらに生きて、自分の家(城)を建てる話。

実在した人物を基にした話は割と好きだが、城を建てる、というメインのストーリーの他に、大してそこから派生する展開がなく、映画としては少し退屈。

もちろん、一人で大きな宮殿の建設を成し遂げたことは、大変な偉業であるとは思う。フランス人にとっても、この人物は有名らしい。

 

子どもや近しい人が亡くなる、悲しいストーリーは見ていて辛い。

前の妻が亡くなり、「子どもは育てられない」と一人息子は簡単に親戚に里子に出されたが、その息子は後々父に会いにきて、良好な親子関係だとわかる。

 

全編を見て、初めて良さがじわじわとわかってくる、少し長い映画。

最後の美しい映像と、切ない終わり方には、ぐっときた。

自分が老人になってから見たら、きっと感動で涙の止まらない映画なのだろう。

 

 

 

 

 

 

「さすらいの女神たち」

感想

最優秀監督賞に輝いたというのが信じられない。
バーレスクやストリップを描く映画は他にもあるが、そういう意味で下品なのではない。出てくる人間が、落ちぶれていて凹む。
女性ダンサーたちの人間性とか温かさで心が和むという口コミを結構見かけた。
でも、そう言った事を受け取れるお話では、ないと思う。
こちらの映画のおすすめ記事を見て鑑賞したが、なぜおすすめされるのか理解できない。

 

あらすじ、概要

「潜水服は蝶の夢を見る」のマチュー・アマルリックが監督・主演を務め、みごとカンヌ国際映画祭で最優秀監督賞に輝いた人生コメディ。アメリカのショー・ガールたちを引き連れ、祖国フランスでの巡業公演に再起を期す落ち目のプロデューサーが、光と影をまとうショー・ガールたちと織りなすほろ苦くも心温まる人生模様を優しい眼差しで綴る。トラブルを起こして業界を干されてしまったTVプロデューサーのジョアキムは、家族も親友も捨ててアメリカへと渡る。数年後、再起を図るべく、ニュー・バーレスクのダンサーたちを引き連れ、フランスでの凱旋ツアーに打って出る。セクシーでゴージャスなステージは、行く先々で観客を沸かせ、ツアーは順調かに思われたが…。

作品情報

製作年: 2010年
製作国: フランス
原題: TOURNEE/ON TOUR

 

「いつか、きっと」

感想

あらすじには特に惹かれなかったが、大女優イザベル・ユペール出演なので、少しの期待を持って鑑賞し始めた。

しかし、期待外れで特に面白くない映画だった。 

 

子どもを捨てる母親の気持ちがまず私にはわからないし、とてつもない理由があったとしても、それが明らかにされなかったら共感も同情もできない。

ロードムービーで、逃避行の旅。

母と娘の絆が復活してゆくのを描きたいのかもしれないが、それが何らかの出来事をきっかけにというよりも、何となく近づいていく感じなので、メリハリがない。

途中で現れた男も、なぜこの親子を追いかけているのか、何となくしか理由がわからない。そして、主人公と良い仲になる。

 

全体的に、花をモチーフにしている映像。自然の風景も多い。

 

 

あらすじ、概要

南フランス、ニース。中年の娼婦シルヴィアは、人生をほぼ諦めたかのごとく惰性的に生きている。そんな自分の自堕落な姿を、14歳の愛娘ロランスには見られまいと、できるだけ彼女を自分から遠ざけていたが、ロランスの方は母の愛に飢えていた。ある夜、こっそりシルヴィアのアパートにやって来ると部屋に忍び込むロランス。すると、帰宅したシルヴィアと娼婦の元締めらしき男たちとの喧嘩に遭遇、止めに入ったロランスは誤って男の1人を刃物で刺してしまう。シルヴィアは行く宛てもないまま、とっさに娘を連れて逃げ出すのだが…。
 

「ピアニスト」の演技派女優イザベル・ユペール主演によるロードムービー。人生を放棄し娼婦に成り果てた母親が、娘との逃避行を通して再生していく姿を見つめる。

作品情報

製作年: 2002年
製作国: フランス
原題: LA VIE PROMISE