「モンテーニュ通りのカフェ」

感想

それぞれの人間がそれぞれのドラマを繰り出してゆくので、一度にいくつものドラマを見た感じです。

主人公は若い女の子ですが、この主人公が、他の登場人物に微妙に接点があり、実際のパリにはそんなことはあるわけがないかもしれませんが、人間っていいなと思わせる、ほんわかした空気感があります。

 

 

 

あらすじ、概要

パリに実在する名門カフェを舞台に、店に集う人々の様々な人生模様を軽妙な会話劇で描き出す人情ストーリー。

主演は「スパニッシュ・アパートメント」のセシル・ドゥ・フランス。

セレブな街、パリ8区のモンテーニュ通り。田舎からやって来た女性、ジェシカは運良くカフェの名店“カフェ・ド・テアトル”で働くことに。

そんな彼女の目の前では、満たされない思いを抱えたままコンサートを迎える著名ピアニスト、

生涯のコレクションをオークションにかけようとする初老の資産家、

舞台の初日を目前にして苛立ちを募らせる女優といった面々が繰り広げる様々な人生の一瞬が切り取られていく。

 

作品情報

製作年: 2006年
製作国: フランス
原題: FAUTEUILS D’ORCHESTRE/AVENUE MONTAIGNE

「タイピスト!」 の解説・あらすじ・ストーリー

50~60年代名作へのオマージュをちりばめたスポ根ラブコメ

フランス映画祭で観客賞を獲得した映画。

1950年代のフランスを舞台に、タイプライター早打ちの世界大会に挑むヒロインの奮闘と恋を描いた作品。

ノルマンディーの田舎で小さな父親の雑貨店を手伝う主人公のローズ。

自分の人生を自力で切り開きたいと、得意のタイピングを生かして街の保険会社の秘書の座を手に入れる。

雇い主のルイは、タイプライター早打ち大会への出場を促す。そしてルイが厳しい指導を進める一方、ローズはルイへの恋心を芽生えさせていく……。

歴史物のような深ーい映画、というよりも、楽しく何も考えずにみれます。

主人公や周りの女性の服装も、とても可愛いですよ。

50年代のフランスのかわいらしいスカートなど・・・ワクワクしますよね。

 

「タイピスト!」 の作品情報

製作年: 2012年
製作国: フランス
原題: POPULAIRE

「タイピスト!」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

監督:レジス・ロワンサル

製作:アラン・アタル

出演:ロマン・ドュリス、デボラ・フランソワ、ベレニス・ベジョ

 

「ずっとあなたを愛してる」:なぜ我が子を殺めなければならなかったのか?

感想

胸がえぐられるような真実。

心を閉ざしていた姉が、妹とその家族、周りの人々の温かさで心を開いていくお話です。

謎めいていて無愛想な姉が、なぜ自分の子を殺したのか、という理由が知りたくて、淡々としたストーリー展開でも、見続けてしまう。

最後の最後に、その理由がわかるのですが、特に子どもを持つ母親である自分には、想像するだけで苦しくなるような内容でした。

しかしこの主人公は、映画の続きがあるならば、きっとこれから、痛みを抱えながらも新しい世界で、新しい人生を生きていけるのだろう。そんな終わり方です。

 

あらすじ・ストーリー

ある理由から我が子を手にかけ、15年の服役の末に出所した女性が、身を寄せた妹家族のもとで、孤独と絶望の淵から再生へ向けて一歩を踏み出していく姿を丁寧な筆致で綴ってゆく。

15年の刑期を終えたばかりのジュリエットは、空港で年の離れた妹レアと再会し、彼女の家へと向かう。

事件はレアがまだ幼い頃に起きた。以来、両親からは姉の存在を忘れるよう育てられたレアは、その空白を埋め合わせたいと願っていたが…。

 

キャスト・監督

監督:フィリップ・クローデル

出演:
クリスティン・スコット・トーマス 、 セルジュ・アザナヴィシウス 、 フレデリック・ピエロ、 リズ・セギュール 、 ジャン=クロード・アルノー 、 ムス・ズエリ 、 スアッド・ムシュリク 、

セラフィーヌの庭:フランス映画紹介

感想

2009年のセザール賞では作品賞をはじめ最多7部門を受賞したそうです。

個人的には、そんなに素晴らしい映画だとは思いませんでした。

実在の人物を描いた映画なので、その事実に忠実に描く必要性は確かにあると思いますが、それ故に映画としての面白さに欠けると感じました。

画家セラフィーヌのファンならば、楽しめると思います。

慎ましやかな一人の才能ある女性が、見出されて有名になってゆく、というところまでは良いです。植物や動物への愛情、という一面はそれほど映画の中で描かれていたとは感じませんでした。

また、少し有名になったらパトロンのお金をやたら勝手に使ってしまうところなど、何だか見苦しかったです。

 

あらすじ・ストーリー

フランスに実在した素朴派の女性画家セラフィーヌ・ルイの生涯を描いたヒューマン・ドラマ。

貧しい暮らしの中、敬虔にして無垢な心のままに草花や果物を描き続けたセラフィーヌと、彼女の才能を見出したドイツ人画商が織りなす心の交流。

1912年、フランスのパリ郊外サンリス。貧しく孤独な家政婦セラフィーヌは、草木や花々に話しかけ、部屋に籠もって黙々と絵を描く日々を送っていた。そんなある日、アンリ・ルソーを見出したドイツ人画商ヴィルヘルム・ウーデが、偶然目にした彼女の絵に心奪われ、援助を申し出るのだった。

 

キャスト・監督

監督:マルタン・プロヴォスト

出演:

作品情報

製作年: 2008年
製作国: ベルギー・フランス
原題: Séraphine

「クリスマス・ストーリー」フランス映画紹介

感想

冒頭から、なかなかうまくいかない家族のモヤモヤとした愛憎が流れていて、どんよりとした雰囲気です。

一見謎解きのようなミステリー感がありますが、特に隠された真実が存在する訳でもなく、スッキリとせず終わるのです。

骨髄移植を息子から母へ・・・しかもその息子は、母に愛されていなかった子。誰が悪いのか、悪くないのか。

「クリスマス・ストーリー」というタイトルを聞くと、暖かい家族のお話かと思ってしまいますが、クリスマスに集まった、仲の悪い家族のお話なので、明るい気持ちになりたい方にはオススメしません。

日本の映画のように、全てを丁寧に説明はしてくれませんが、ラストシーンには作り手の表現したい事が凝縮されているように感じます。


 

あらすじ・ストーリー

年を重ねた今でも仲むつまじいアベルとジュノンのヴュイヤール夫妻には、かつて4人の子供がいた。

しかし、幼くして長男のジョゼフは白血病を患い、わずか7歳でこの世を去ってしまう。

それから長い年月が経ち、それぞれに独立した3人の子供たち。そんなある日、母ジュノンはジョゼフと同じ白血病を宣告されてしまう。そこで、ジュノンを助けるため、すっかりバラバラだった家族は、クリスマスを前に久々の再会を果たすのだが…。

弟を憎む姉。なぜこんなにも、弟を好きになれないのか。

愛憎の中で波乱含みのひとときを送る姿を描いた家族ドラマ。

 

フランス映画紹介「君を想って海をゆく」

感想

印象的なシーンがいくつかあります。そのどれもが、胸がぎゅっとなるような、苦しいシーンです。

昨今特にヨーロッパでは移民が問題になっておりますが、まさに移民問題にスポットを当てた映画とも言えるでしょう。

いえ、もしかしたら、監督の意図としているのは、主人公の少年と、水泳講師の心の触れ合いかもしれません。 

でも、水泳講師が、不法入国者である少年を助けたいという気持ちがありながらも、それを排除しようとする法との間で頭を悩ます姿は、ニュースで聞く「不法入国者」という言葉を超えて、考えさせられるものがあります。

 

不法入国者である少年をかくまうのは、犯罪だそうです。そういった「保護」をすることで、ますます不法入国者が増えるらしいのです。

 

しかし、もしあなたの前に、身寄りのない、寒空の下で泊まる所もない、食べるものもロクにない、貧しい少年達がいたら、どうしますか?

 

「不法入国者への奉仕活動は一掃する。」

 

家に少年をかくまったことを責める警官はこう言う。

しかし、これが善なのか悪なのか。まさに答えの見えない移民問題であると思います。

冒頭に出てくるトラックに乗ってイギリスに渡ろうとするシーン。

どうやら、トラックの荷台の二酸化炭素の検査を逃れるために、ビニール袋を被って数分間、耐えなければならない。時には、これで死んでしまう者もいるようなのです。

明るい気分にはなれない映画ですが、移民問題を一人の人間と人間の単位で描かれているので、漠然とした「移民問題」というのではなく、身近なものとして考えるきっかけになる映画だと思います。

 

あらすじ

『灯台守の恋』のフィリップ・リオレ監督によるヒューマンドラマ。

恋人に会うため、ドーバー海峡を泳いで渡る決意をしたクルド難民の少年と、彼に泳ぎの指導をすることになったフランス人中年男性が次第に心を通わせていく。ヴァンサン・ランドン主演。

 

監督 フィリップ・リオレ

出演 ヴァンサン・ランドン、フィラ・エヴィルディ、オドレイ・ダナ

 

youtubeの予告編へのリンク↓

予告編

 

 

製作年:2009年

製作国:フランス

原題:WELCOME

感想

静かな映画です。全体を通して、薄暗い、「北の町」の雰囲気で、派手な展開などはありません。

違法入国した少年をかくまう、町の人々の姿が、心温まります。

 

「君を想って海をゆく」も違法入国した少年と男性の友情を描いていますが、私はこの「ル・アーヴルの靴みがき」の方が、結末が好きです。

 

こういった移民に関する映画は、フランスならでは、と言えるのではないでしょうか。単純に日本人は、少年を匿う町の人々に感情移入してしまうと思うのですすが、移民問題がもっと自分の生活のすぐそばにある、問題も身近に起こっているフランス人にとっては、こういった映画はどのように受け取られるのか、気になります。

 

 

2011年に第64回カンヌ国際映画祭にコンペティション部門でプレミア上映されたそうです。


あらすじ・ストーリー

北フランスの小さな港町ル・アーヴルを舞台に贈る心温まる人情ドラマ。

ひょんなことから不法移民のアフリカ人少年と出会った老人が、彼を救うべく奔走する姿を優しい眼差しで綴る。

北フランスの港町ル・アーヴル。ここル・アーヴルで靴みがきの仕事をしながら、愛する妻アルレッティとつましくも満たされて日々を送っていた。しかしある日、アルレッティが倒れて入院してしまう。同じ頃、マルセルは不法移民の少年イドリッサと出会い、彼のロンドン行きを手助けしようとするのだが…。

 

キャスト・監督

監督:アキ・カウリスマキ

出演: アンドレ・ウィルム、 カティ・オウティネンジャン=ピエール・ダルッサン、ブロンダン・ミゲル

 

あらすじ・ストーリー

 

小さい頃から空想の世界が一番の遊び場だったアメリ。

22歳になった今でも、モンマルトルのカフェで働き、周りの人々を観察しては想像力を膨らませて楽しんでいた。

そして、あることをきっかけに、他の人を幸せにすることに喜びを見出したアメリ。

他人の人生にこっそりおジャマしてはたのしい悪戯を仕掛け、人知れずお節介を焼いて回るのだった。

そんなアメリも自分の幸せにはぜんぜん無頓着。

ある日、不思議な青年ニノに出会ったアメリはたちまち恋に落ちてしまうのだったが、アメリは自分の気持ちを素直にうち明けることが出来ない……。

 

原題:LE FABULEUX DESTIN D’AMELIE POULAIN/AMEL

 

感想

 
日本でもヒットした映画で、フランス映画といえば、一般的に知られているのはこの映画ではないでしょうか。
ヒットした理由としては、パリの風景がたくさん映っている、女性向けで可愛い、など、いろいろでしょうが、フランス映画好きの中には、全然面白くないのに、映画配給会社の戦略によって有名になった映画、という印象を持つ方もおられるかもしれません。
 
しかしながら、私は2回目にこの映画のDVDを見たときに、やはり面白い映画だな、と思いました。日本人好みであることは確かにその通りかもしれません。
本当にありそうで、でもファンタジック。だと思います。

原題:l'affaire farewell

あらすじ・ストーリー

ソビエト連邦を崩壊させたきっかけの一つともいわれる実在のスパイ事件“フェアウェル事件”を映画化したヒューマン・サスペンス。

愛する息子と祖国の未来のため、危険なスパイ行為に及んだ男(コードネーム:フェアウェル)の実像と、民間人でありながら仲介役としてスパイ活動の一翼を担ったフランス人技師の葛藤を、それぞれの家族との関係を軸に描き出していく。

キャスト・監督

監督:クリスチャン・カリオン

出演:エミール・クストリッツァ、ギョーム・カネ、

感想

冷戦時代の恐ろしい空気感に、始終ゾっとしながら鑑賞しました。

スパイ映画と括るには、内容が重すぎます。実話で、しかもつい40年ほど前の出来事。冷戦時代には、人知れず、”抹消” されてしまう人もたくさんいたのですよね。

大変心に残る映画でした。祖国の情報をフランスに受け渡すのは、祖国の行く末を憂い、せめて愛する我が子が新しい世界で生きて欲しいという、愛あればこその行動。

この一人の男の1年半に渡る命がけの行動が、今生きている私たち自身の世界を築いたと言っても過言ではないしょうね。

DVDジャケットなどのビジュアルはいかにも、”男性向きな映画”のイメージですが、歴史に興味のある方なら、男性も女性も必見です。

 

原題:la fête des mères

あらすじ・ストーリー

パリで働く女たちとその家族の“幸せ探し”を描いたドラマ。

女性大統領・アンヌは、職務と母親業の狭間で不安に揺れていた。シングルマザーでジャーナリストのダフネは、仕事を優先するあまり思春期の子どもたちとうまくいかず…。

   
 

感想

全ての女性に・・・特に母である女性に向けた、応援歌のような映画です。

様々な女性の人生、様々な母親像。家庭事情が日本よりも多様化した、フランスならではの映画なのでは、と思います。パリで交差する、頑張る女性たちが描かれています。

しかしながら、様々な女性が出てきすぎて、少しわかりにくいと前半は感じました。

後半、だんだん登場人物の顔を覚えてくると、一人一人の抱えている人生が理解でき、一つ一つのセリフが心に響いてくるようになります。

親子のシーンでは、忘れられない良いシーンもあります。

子育てに悩む母親の気持ちを代弁するようなセリフも多いです。

共感する人もいれば、映画で伝えようとしているメッセージが明確すぎて胸焼けすると感じる方もいる事でしょう。

邦題の「パリの家族たち」に関しては、ストーリーの内容とそぐわない気がします。日本人はパリが好きなので、パリという言葉を入れたかったのでしょう。

ストーリーに入り込むのに少し時間がかかりますが、良い映画です。