シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢

L’INCROYABLE HISTOIRE DU FACTEUR CHEVAL

 

 

あらすじ

建築の知識を持たない郵便配達員がたったひとりで宮殿を築いた実話を映画化。19世紀末のフランス。手紙を配り歩く郵便配達員・シュヴァルは、途中でつまずいた石の奇妙な形に心奪われ、娘のために石を積み上げ宮殿を作り上げることを決意する。

 

感想

主人公は無口で不器用な男、だが心は優しい、ということだが、個人的にはこの俳優の顔と雰囲気が、好みでないかもしれない。

 

自分にとっては退屈だったが、世間の評価は高かったので、私の人生経験が少なく、薄っぺらいために、この映画の良さが理解できないだけなのかも。

 

冒頭の25分間で、妻を亡くし、息子と別れ、新しい女性と出会い、結婚し、子どもが生まれ・・と、展開が早すぎて(そもそもここの部分はメインではないので、こうなるのも仕方がないのかもしれないが)わざとらしく、薄っぺらく見える。

 

ある男が、一生懸命、不器用ながらに生きて、自分の家(城)を建てる話。

実在した人物を基にした話は割と好きだが、城を建てる、というメインのストーリーの他に、大してそこから派生する展開がなく、映画としては少し退屈。

もちろん、一人で大きな宮殿の建設を成し遂げたことは、大変な偉業であるとは思う。フランス人にとっても、この人物は有名らしい。

 

子どもや近しい人が亡くなる、悲しいストーリーは見ていて辛い。

前の妻が亡くなり、「子どもは育てられない」と一人息子は簡単に親戚に里子に出されたが、その息子は後々父に会いにきて、良好な親子関係だとわかる。

 

全編を見て、初めて良さがじわじわとわかってくる、少し長い映画。

最後の美しい映像と、切ない終わり方には、ぐっときた。

自分が老人になってから見たら、きっと感動で涙の止まらない映画なのだろう。