②最近数値が安定してきたんですよ~。
さて、ここで安定してきた「数値」というのは、何の事でしょうか?
それは、糖尿病の診断基準である、血糖値とHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー) 。
今回は、血糖値とヘモグロビンA1cについてご説明いたします。
血糖値とは、血液の中のブドウ糖の濃度のこと。
砂糖、ご飯、パン、麺類、イモ類などを食べると血糖値が上昇します。
血糖値が上がると、インスリンというホルモンが分泌されます。
インスリンは血液中のブドウ糖を体の各細胞に運ぶ役割をします。
つまり、血液中のブドウ糖濃度、つまり血糖値は下がります。
上昇した血糖値をもとに戻すには、インスリンが密接にかかわっているというわけです。
糖尿病の人は、インスリンの効きが悪くなったり、インスリンの分泌量が少なくなったりするため
血糖コントロールがうまくいかなくなるのです。
血糖値は食後すぐに上昇するので、
血糖値を測定する時間や直前に何を食べたかが大きく影響します。
これに対して、
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は、1~2か月の血糖値の平均を示しています。
つまり、1日や2日少し食生活が乱れたくらいではHbA1cは大きく変動しません。
2カ月後の血液検査でHbA1cが6.7→7.6へ変化したのに、
「昨日だけ少しおやつ食べただけです。普段は食べていません」だとか、
「この1か月特別食事を変えたわけではないし運動量にも変化はない」
という人の発言には、要注意!
実は間食しまくっていただとか、
知らず知らずのうちにご飯の量が増えていたりだとか
来客が多くて間食が多くなっていたりだとか、
小腹がすいたときには常に飴玉をなめているだとか
運動量が減っていたりだとか
・・・
原因は何か必ずあるのです。
(それを聞き出すのも管理栄養士の腕の見せ所なのですよね
)
つまり、食事の内容や時間に大きく影響する血糖値よりも
HbA1cの方が習慣的な食習慣を示しているので、信憑性があるというわけです。
今まではHbA1cは診断基準になかったのですが、
2010年7月に基準が改訂され、新たに加わった項目です。
↓↓↓参考↓↓↓
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jds2010/201005/515328.html
糖尿病の合併症を併発させないためには、
HbA1c6.5%以下を目指すと言われています
(正常値は4.3~5.8%、メタボ健診(特定保健指導)では5.2%以上を要指導とされています)
6.5%以下なら絶対合併症にならないのかといわれたらそうではありませんが、
あくまで目安ですよ!
糖尿病が進行すると、HbA1cが上昇するのですが、
人によっては、糖尿病と診断されてから10~20年程経過すると、
若干数値が下がってくる場合があります。
そうなると、糖尿病が『安定してきた』と錯覚する患者様がいらっしゃるのです。
しか~し、これには注意しなければなりません。
実はもっと、病状が悪化しているかもしれないのです。
いったいどういうことなぜなのでしょうか?
⇒糖尿病が治った?!の危険③へ続く