
「①ずっと前から糖尿病なんだけど、②最近数値が安定してきたんですよ~。
でも、③腎臓の方は少し悪くなってきてるみたいなんですよね。」
前回までのお話しでは、糖尿病について、合併症についてお話ししました。
さて、今回は合併症の一つである糖尿病性腎症の影響についてお伝えします。
病気の話の前に、まずは腎臓のお話し
私たち人間は腎臓を2つ持っています。
腎臓の場所は、腰のややうえのあたり、ソラマメの形をしています。
その重さ約150g。ペットボトル1本分!
腎臓はとても重要な働きをしています。
その働きとは!
①血液から老廃物や毒素を取り除き、血液をきれいにします。
つまり、尿を作り出すのです。
腎臓が一日に濾過する血液は150L。これを濾過して
約1~2L程度の尿を作り出すのです。
②体の水分量、電解質量(ナトリウム、カリウム、リン、カルシウムなど)の調整をします。
私たち人間の体内はこれらが多すぎても少なすぎても悪影響を及ぼします。
そこで腎臓が体の中のバランスを調整してくれるのです。
たとえば、塩分(NaCl)をたくさん摂取すると、体の中の濃度ナトリウムの濃度が濃くなります。
ですから、尿として水分と塩分を一緒に体外に排泄するわけです
③血液や血圧に影響する。
血液を作るエリスロポエチンというホルモンを作ります。
また血圧を調整するレニン、エリスロポエチンというホルモンを分泌します。
④ビタミンDを活性化する。
ビタミンDを体内で利用しやすい形にするので、
骨を作るカルシウムの吸収を助けてくれます。
つまり、腎臓の機能が低下すると…
①体内の老廃物や毒素を排泄できない・・・
→尿毒症(ず~と二日酔いのような状態)
②体が浮腫む!⇒心臓など体の各器官に負担がかかる!
③貧血になる!
④骨がもろくなる⇒骨折、骨粗しょう症
腎臓の機能が低下するとこんなに影響があるんです!
さて、ぴんときたでしょうか!?
そう、腎臓の機能が低下すると、③貧血 症状がでるのです。
血液は、赤血球、白血球、血小板から構成されており、
約40%は赤血球が占めています。
本来腎臓で作られるエリスロポエチンは、赤血球を作るホルモンなので、
腎臓の機能が低下すると赤血球が不足します。(貧血)
ここで、ヘモグロビンとは、赤血球に含まれるたんぱく質のことをいいます。
貧血になるということは、ヘモグロビンも欠乏状態ということです。
Hb↓↓
さて、ここで、最初のお話しに戻ります。
HbA1cとは、ヘモグロビンとブドウ糖が結合したものです。
Hbが少ないので、ブドウ糖と結合しているヘモグロビンも少ない
つまり、
HbA1cが低値を示すのです
さて、次回は、いよいよまとめです