言うまでもないことですが韓国経済は危機的状況にあります。
さまざまな数値から「帰ってきたIMF」となる可能性が極めて高いと指摘されています。しかし、韓国のメディアを毎日チェックしている方なら「ちょっとまった」と思うかもしれません。たとえば、連日のようにKOSPI(韓国株価指数)が上昇していたり(1)、2006年度の発表値では韓国史上はじめて年間輸出額3000億ドルを超えており(2)、確かに国際収支をみると軒並み赤字の韓国ですが資本収支が黒字(3)となっています。これでどうして韓国が経済危機なのか? と不思議に思う人もいるかも知れません。
数日前、書店で手にしたこの本がすべての謎を解き明かしてくれます。
経済の話となるとどうしても数字がいっぱいで敬遠しがちになると思いますが、この本は初心者向けにきわめてわかりやすく国際収支の仕組みを教えてくれており、「反日国家韓国」の経済状況について統計資料から分析を行っています。この本を読めば経済のど素人でも現在の韓国がデフォルトに向かって一直線であることが理解できるでしょう。
国際収支というのは国家の家計簿のようなものであり、通常どの国家も嘘偽りなく国際収支を発表します。この国際収支で虚偽などがみつかればその国への信用が失われるだけでなく、鬼より怖いIMFの制裁を受けることになり自国通貨の暴落、ハイパーインフレーションなどようするに国家として存続できなくなる可能性があるため、あの韓国でさえ正直に発表せざるを得ない貴重な資料となるのです。
国際収支と聞くとかなり難しく思いがちでしょうが、実際に理解するには足し算や引き算といった小学校で習う四則演算があれば十分であり、つまり誰でも理解できるということです。
詳しい内容は同書を読んでいただくとして、先の疑問をいくつか見ていくと(1)のKOSPI指数が連日上がっているのはなぜか? という点に注目しましょう。これはその後の(3)と密接にかかわっています。一般に黒字は良いこと、赤字は悪いことという印象が私たちにはありますが、ことこの資本収支に限っては黒字が決してよいことだとは限らないのです。資本収支とはわかりやすく言えば、外国へお金を貸し出したり、あるいは外国からお金を借りたりする資本の流れ(あるいは、自国と外国の間を行き来する資本の流れ)をあらわしたものです。この場合、外国へお金を貸し出すのは自国からお金が流れるので「赤字」、外国からお金を借りるのは自国へお金が入ってくるので「黒字」となるのです。これでお分かりかと思いますが、資本収支の黒字とは韓国が外国からお金を借りてきたことを示しており、この黒字幅が大きいほど外国からの借入金が多いことを表します。そして、韓国の対外借入金の大部分が「短期借入金」(1年未満で償還を迎える借金)となっており、その短期借入金が韓国市場に流れ込んでいるのが実態なのです。
もう少しわかりやすく言えば、韓国株価指数が上がっているのは韓国の景気が良いからではなく、韓国の投資家や企業などが外国から借金して資本を作り、それを自国の株式市場に投下しているということになります。先述の通り、もともとのお金が「短期借入金」なので短期間に利益を出し償還する必要があるため、次々「短期借入金」が投下されて韓国の株式市場が活況を呈しているのですが、子供でもわかるとおりこれは自転車操業です。いくら株があがるといっても天井知らずで上がり続けることはなく、さらに韓国の投資家たちはこの短期借入金をより多くの利益を出そうと博打的な「円キャリー」で20兆円近く運用しているため、今後円相場が円高に少しでも向いていくと一気にバブルがはじけデフォルトになる可能性が高いのです。
ちなみに(2)の年間輸出総額3000億ドルはほとんど意味がない数字で、実際国際収支で必要なのは輸出総額ではなく純輸出額です。つまり、総輸出額-総輸入額=純輸出額 という図式が問題となるわけです。そしてこの純輸出額はGDPの加算要素であり、いくら総輸出額が増えようと純輸出額が増えなければGDPを押し上げることはないのです。では年間輸出総額3000億ドルを越えたと韓国が誇らしげに語る2006年の純輸出額の数字はどうだったのでしょうか?
3318.4億ドル(総輸出額)-3026.3億ドル(総輸入額)
=292.1億ドル(純輸出額)
と何とか黒字となっていますが、実は韓国の2004年からの統計では年々この黒字額は減少しており、2007年第1四半期(1月~3月)の純輸出額は61.8億ドルでこの状態が続けば今年はさらに黒字が減少するものと思われます。
経済破たんへ一歩一歩近付いている韓国について日本のメディアがほとんど報じていないことは大変異常な状況でありますが、この本を読まれて韓国経済の崩壊を既定路線として認識し、韓国デフォルトの際に日本はどのように対応するべきかを考える良い機会でもあると思います。
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