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<<前書き>>
ご都合主義のストーリーと、政治風刺になっていますので、エンタメとして読んでみて下さい
”これは違うだろ”って言う部分もありますが・・・”異世界”って事でご勘弁を
何者かに、自分の妻子が誘拐されるのを防ぐ事が出来た事を聞いた、溝口財政省事務次官
この後、溝口から話された”財政省の闇”とは?
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第27話 救国への道・内政編(2)・財政省の闇
何者かに、自分の妻子を攫われそうになった処を、私こと駿河義弘の“特異体質”によって防ぐ事が出来た事を聞いた、溝口財政省事務次官
「ありがとうございます・・・」
と、感謝され
「溝口事務次官・・・私の事務所で、財政省に対して少し聞かせて欲しいのですが?」
と、私が、私の事務室へと誘うと
「でも、総理にも危険が・・・」
と、溝口事務次官に心配されたが
「大丈夫です・・・周辺への警備に抜かりはありませんから」
と、私は“特異体質によって危機を免れる事は出来るんだ”とは言えず、適当に苦笑いしながら答え
溝口事務次官、躊躇する表情で
「わ、分かりました・・・私の妻や息子を救って頂いた手前、断る訳にはいかないですし」
と、渋々承諾してくれた
その後、溝口事務次官は、私の議員会館の事務室へと付いて行き、私の手招きに応じ、事務所内に入り、ソファーに腰を掛けると
少し落ち着いたのか、自分の妻と息子の無事が分かった事を再び思い出し嬉しさの余り、私を憚らずに泣きじゃくったのだ
“とにかく良かった・・・夫人も息子さんも無事に救出できて”
と、私は、彼とは対面にソファーに腰を掛け、そして溝口財政省事務次官が泣き止むのを待っていた
暫くすると・・・
「総理、失礼します」
と、秘書の佐々木が、私の事務所に入って来て
「お疲れ様です、総理・・・」
と、挨拶した後、溝口事務次官の存在に気づき
「あっ!!溝口財政省事務次官もいらしたのですね」
と、慌てて、お茶を淹れる準備をしだした
その後、佐々木が、お茶をテーブルの上にのせ、私の横に腰を掛けた
もう、その頃には溝口事務次官は泣き止んでいて、しばらく沈黙が続き
「佐々木君・・・溝口事務次官の妻子の件の顛末を教えてくれないか?」
と、私が、口を開く事によって沈黙を破り
溝口事務次官は、私の言葉に反応し
“私の妻と息子がどの様に救われたのか?”
と、ばかりに固唾を飲み
佐々木は、真剣な面持ちになり
「はい、それでは」
と、言った後、事の顛末の説明を始めたのだ・・・その顛末とは・・・
溝口財政省事務次官は、東京郊外の一軒家に住んでいて、その家から少し離れた場所に、溝口の奥さんと息子さんを攫おうとする連中が、如何にも建設屋の車らしいワンボックスに乗って待機していた
その時には、私の身の安全を護ってくれる“首相警護隊”のメンバーたちが、何時でも出動できるよう近くの空き家を借り、待機してもらっていた
その中に、以前“魍魎”の襲撃に世話になった、元“邪魂”バスターの、長谷部頼隆、狭山武文も参加していた
夕刻時、奥さんが夕食の準備、息子さんは部活から帰った後、居間でゆっくりとテレビを見ている時
その建設屋の車が、溝口家に停まり、作業着の5人の男たちが、“溝口の家の修理を依頼された”風に訪れ
奥さんが玄関を開けた途端、1人“法力”を持った男が、奥さんに“法撃”を掛け、声を張り上げる前に気絶させ、5人の内の2人が、気絶した奥さんをワンボックスに入れると同時に、残りの3人が息子のいる居間に向かう途中で
建設屋のワンボックスが動き出した時点で、素早く・・・そして静かに、溝口の家に侵入した首相警護隊たちが、5人の男たちを瞬く間に気絶させ取り押さえ
首相警護隊のメンバーの中に“記憶を消す法術”を使える者がいるので、眠っている奥さんと、急な事態に震える息子さんから“攫われそうになった記憶を消して”もらい、何事もなかったかの様に、誘拐犯5人を連れ去った
と、言った内容だったのだ・・・
それを、唖然として聞いていた溝口務次官だったが、ふと我に返ったように気を取り戻し
「総理・・・何故、私の妻と息子が攫われる事が分かったのですか?」
と、聞かれたが
「ある人物からの垂れ込みですよ」
と、言ったものの・・・
本当は、私の“自分の危機を免れる特異体質”が、幾度の“危機”に晒され“私の関わる者たちの危機をも免れる特異体質”へと進化していたのだ
要するに・・・私の事が邪魔で亡き者にしようとする連中が、直接では私を殺せないので、次は私に関わる者たちへと標的を変えたが
既に“私の関わる者たちの危機をも免れる特異体質”へと進化していて、意識的に、財政省の関係者たちにも範囲を拡げ“警戒”をしたら、結果、溝口財政省事務次官の家族を救う事が出来たって訳だ
何故?“危機の詳細”まで分るのだと疑問に感じたと思うが、私も良く分からないが、急に眠くなり“夢”で知らせてくれるのだ(自分の危機の場合は“自動的”に免れているのだが)
そして“私の関わる者たちの危機をも免れる特異体質”へと進化した切っ掛けは・・・
秘書の佐々木が、2度の”危機“に晒されたされた事と、私と共に協力をしていた者たちの中には、自分の命が狙われている事が分かると、私の元を去ったあと行方不明となってしまった事があったのだ
この時とばかり、私の“特異体質”の不甲斐なさに落ち込んだが・・・
「私たちは、駿河総理の元、自分の命を賭けて、我が国・日本を護っていくと言う覚悟をしているので、気に病まないで下さい・・・その人は、例え“別の道”に進んでも、その日に亡くなる運命だと思います」
と、佐々木たちに励まされ、何とか私の精神が安定した頃に、さっき言った“夢”で、私に関わる者たちの“危機”を察知できる様になったのだ
だが、大事な時に“眠く”なるのは不便なので、一層の事、私と関わった人々の危機を“自動的”免れるように“意図的に”進化出来るよう頑張っている処だ・・・
私は、自分の家族の無事を知り、安堵の顔を見せている溝口に
「溝口事務次官・・・奥さんと息子さんが無事で良かったですね・・・今でもそうですが、暫くの間、貴方の身の周りに首相警護隊を配属しています」
と、溝口の憂いを無くし
「貴方に一体何が起こったのですか?教えて頂きたい・・・場合によっては、貴方がたの身の安全を保障する制度を作れたらと思います」
と、溝口を諭すように質問をすると
少し沈黙をしたあと、溝口は重い口を開いてくれた
結果から言うと、“脅迫”されたのである
私が、“積極的財政出動の政策”をうちだし、その為に”通貨・国債発行権“を行使する事に”ある集団“の怒りを買い
財政省の歴代OBたちを通じて、私の”積極的財政出動の政策“と”通貨・国債発行権“を止めるよう要請してきたのである
その人柱として、溝口財政省事務次官が選ばれ、それが叶わない場合は、溝口の親族を攫い
人身売買を通じて、その身柄を此方の都合にさせてもらうと“ある集団”が“脅迫”を受けたのである
それを、聞いた私は、“やはり、そうか・・・”と、納得しながら
「その“脅迫”は、溝口さんが初めてなのか?」
と、聞いたら
溝口は
「いいえ・・・私だけではありません」
と、答えたあと・・・・
その様な“脅迫”は、第二次覇権大戦後から続いていて、日本のバブル景気が続くまえは、“戦争を経験した”戦前生まれの人達が多かった為、気概のある政治家や、気骨のある蔵所省(財政省の前身)の行政官が、命を賭して抵抗をしていたが
バブル崩壊後は、政治家も行政官も、戦後生まれの人達へと世代交代したためだろう、30年以上前から、その“脅迫”に屈していった
それでも、それなりに“抵抗”は見せたものの、本人が“暗殺”されたり、攫われて“拷問”を受けるなどをして、最終的に“屈する”しかなかったのである
そして、私が現れるまで、政治家が“積極的財政出動”の政策をさせない、“通貨・国債発行権”を行使させないよう
財政省やその他省庁の行政官が、政治家を説得に行ったり、メディアやその他情報媒体を使い、“国の借金”“国家破綻”などの“緊縮財政”に有利な言葉を並べたて、日本国民を洗脳させていたのである
私は、溝口の告白に、それほど驚かなかった・・・既に、佐々木の“相手の素性や経緯、性質などを観る特異体質”で、ある程度の事は知っていた
「それらが原因で、国民に“増税”や“新たな税制”を制定させる事によって、財政省内の出世争いが日常化したのですか?」
と、問い質したら、溝口は、首を縦に振り肯定した
「私たちも同じ日本国民・・・自分たちの同胞を傷付けたくはなかった・・・そうしないと、私たちだけでなく・・・」
と、言ったあと、嗚咽を漏らし、身を崩し、しくしくと泣き出していた
財政省の行政官たちが、“ある集団”のために、永い間、その様な“プレッシャー”の中で、一般国民も知らずによく耐えてきたものだ・・・
ここまで聞かれると、流石に“財政省”を“国賊”と言って責める事は出来ない
私は、溝口が、自身の行いを悔いながら告白してくれた為か、財政省に対して、憎しみが消え、同情の念を寄せていたのであった・・・
<<後書き>>
財政省は、“ある集団”に操られ、“通貨・国債発行権”を行使する事が出来なくなっていた・・・
それに、屈していた財政省は、財源は“税金”だと、政治家及び、国民を騙し続けていたのである
内閣総理大臣・駿河義弘はどのようにして、この衰退した国家を救う事が出来るのだろうか?
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