このブログの閲覧、ありがとうございます

 

小説・『俺は妻を愛していたのか?』を完結しましたので

↓ここを”クリック”すると第1話から読めます

 

 

次は、『投稿小説・ハーメルン』で掲載完結している小説を、このブログに再掲載しました

 

題名は・・・

 

『バック日の丸、左手団扇の”陰陽道組合”を立て直そうとしたが、叩き出された後、独立したら、中央政府からお呼びがかかった』

 

です・・・・是非とも読んでみてください

 

 

・・・・・

 

 

<<あらすじ>>
 

ある異世界
私たちの住む世界からみたら
平安時代・戦国時代・そして現在の令和の時代がごっちゃになった異世界

そんな古風な世界だが、令和時代みたいな、生活環境が整った世界にも
妖怪・鬼・怪物などの魑魅魍魎が出現し、その世界の生活を脅かしていた

その、魑魅魍魎から、生活環境を守ってきたのが
「陰陽師」という職業の人たちであった

中央政府・特殊法人「陰陽道組合」に勤める
安倍忠麿あべの・ただまろと言う、優秀な陰陽師がいた

優秀があるがゆえに、仕事がすべて、忠麿に廻され、四苦八苦していた
そのせいかして、周りの陰陽師たちの「質」が下がってきた

それに、危機感をもった、忠麿は、「陰陽道組合」の組織改革をしようとしたが、バック日の丸の危機感を持たない、陰陽師連中にハブられ、辞めざるをえなかった

そして、忠麿は、民間法人「あやかし駆除センター」設立した

 

↑主人公・安倍忠麿のイメージ画です

 

<<・・・・・>>

 

 

第1話 生業は陰陽師

 

私は、術をもって、世にわざわいをもたらす”魑魅魍魎”ちみもうりょうと言う”物の怪”を浄化させ、世の安定をもたらす陰陽師おんみょうじ生業なりわいとしている

 

安倍忠麿あべの・ただまろ”と言う名の30半ばになる者である

 

 

ある日中に、みやこの市街地に魑魅魍魎が現れたと、検非違使けびいしから

 

私の所属する、中央政府・特殊法人『陰陽道組合』に連絡があり、私が指名され

 

私の気の合う相棒であり、兄でもある安倍訓麿あべの・さとまろ入組にゅうそして3年目の若き優秀な後輩の中丸貢治なかまるの・つぐはると共に

 

直ちに、”緊急自動牛車きんきゅう・じどうぎゅうしゃ”で魑魅魍魎が現れた市街地へと急行した

 

私たちが現場に駆けつけ、自動牛車から降りた頃には

 

都内の市街地の家屋が破壊つくされ、多くの人々が怪我などの被害を受けていた

 

その魑魅魍魎と言うのは、”土蜘蛛”と言う、”名”を持つほど強大な物の怪

 

これは危険だ!!!

直ちに討伐をしなければならない!!!

 

私は間髪入れず”呪符”を構え

 

「陰陽術・樹木の尖槍せんそう

と、”攻撃陰陽術”を唱え、”具現化した樹木で出来た鋭い槍”を発進させ

 

市街地を破壊している土蜘蛛の動きを牽制

 

 

流石は”名”の付く魑魅魍魎だけあって、私の陰陽術に直ぐに反応し

 

素早い動きで、私の術を避けながら”糸”を吐き出し、私たちの動きを止めようとした

 

「そうは行くか!!!クズノハ、ヤヨイ、タマ!!!行け~~~」

 

兄の訓麿さとまろが、それぞれ、タガーナイフを持った、狐耳・狸耳・猫耳と尾の付いた美少女型式神3体を操り、土蜘蛛の”糸”を小刻みに切り落とした

 

”糸”を切られ、唖然とした”土蜘蛛”だが、直ぐに気を取り直し

 

素早く跳躍し、3体の式神の攻撃から逃れ

 

牙を剥き出しにしながら、私たちに向かって突進してきた

 

次は、貢治が“呪符”を掲げ

「陰陽術・捕縛の蔓」

と、素早く土蜘蛛に向かって”補助陰陽術”を唱えた

 

空中に舞う土蜘蛛の周りに大量の具現化した”茨の蔓”が現れ、巻き付けようとしたが

 

土蜘蛛、”茨の蔓”に反応し体中から”波状の刃”が現れ、”茨の蔓”が切り刻んだ

 

そのお陰か、土蜘蛛は、私たちに突進出来ずそのまま直落下し体勢を整えた

 

「そっそんな・・・上手くいったと思ったのに」

 

貢治が、落ち込み嘆いていたが

 

「「落ち込むなら、あの土蜘蛛を倒してからだ!!!気を抜くな!!!!」」

と、兄が貢治に発破をかけた

 

貢治は、兄の発破に気を取り直し

 

「「は、はい!!!!」」

と、大きな声をあげ、気合いを入れて、”呪符”を構え直し臨戦態勢をとった

 

「貢治、良くやったぞ!!!あの素早い土蜘蛛を足止めしただけでも大したものだ!!!」

と、私は、貢治に慰めとやる気を増幅させるつもりで褒めたが

 

こともあろうか、貢治の奴、顔を赤らめながら私の方に向き

 

「俺、都一の最強陰陽師である忠麿主任に褒められて嬉しいです」

と、名のある魑魅魍魎を相手に、油断出来ない状況でありながらも、頭を掻きながら気恥ずかしそうな仕草で言ってきた

 

そんな油断した貢治を見逃してくれるほど、土蜘蛛は甘くはなかった

 

”ばっ馬鹿野郎”

と、私が叫ぶ前から、土蜘蛛は牙から毒液を貢治に向けて発射していた

 

私が陰陽術で、貢治に放たれた毒液を浄化しようとしたが待ち合わず

 

貢治も気が付いた時には、毒液を躱すタイミングを外してしまい

 

毒液にかかりそうになった処を、兄の狐耳の式神が、貢治を払いのけ、代わりに毒液をくらい消滅し、”人型の呪符”に戻ってしまった

 

「ふぅ~~危なかったぜ」

と、兄が胸を撫でおろし、残りの2体の式神に

 

「「ヤヨイ、タマ!!!土蜘蛛を撹乱させろ!!!!」」

と、命令した

 

2体の式神、土蜘蛛に向かって攻撃を仕掛け、土蜘蛛も、式神の攻撃の牽制をしていた

 

兄に助けられた貢治が、申し訳なさそうに

 

「訓麿さん、申し訳ありません」

と、頭を下げ誤った

 

「そんなことより貢治、あの土蜘蛛をどうにかしろ!!!!」

と、兄が貢治に、式神で牽制している土蜘蛛を指して、止めを刺す指示を出した

 

兄は、貢治が土蜘蛛を討伐することによって“花”を持たせ、揺るぎがない自信を与える為に、敢えて式神で土蜘蛛に止めを刺そうとしなかった

 

私も、兄と同じ考えで、後輩の貢治に、土蜘蛛を討たせ、より自信を持たせ精進し、一流の陰陽師になって欲しいと思っていた

 

 

「で、でも・・・」

と、戸惑う貢治

 

私は、貢治に近づき

 

「土蜘蛛と言う、大物の魑魅魍魎は、そうそう現れるものではない・・・私がフォローするから、止めを刺してみろ」

と、優しく諭すと

 

貢治、満面の笑みを浮かべ

 

「忠麿主任のフォローが、あれば百人力です!!!頑張って土蜘蛛を討ちます」

と、気合いを入れて”呪符”をかかげ

 

「「陰陽術・緑竹の剣山!!!」」

と、唱えると

 

土蜘蛛の居る範囲を、具現化した”大量の竹の串”が地面から突出し

 

土蜘蛛もそれに気付き逃げようとしたが、兄の式神に邪魔をされ逃げられず

 

見事に土蜘蛛を串刺した

 

「「「「グギャ~~~」」」」

 

土蜘蛛は、おぞましい断末魔をあげながら、身体が徐々に煙化し浄化していった

 

貢治は、ガッツポーズを決めながら、嬉しそうに私たちに

 

「「や、やりました!!!忠麿主任に、訓麿さん」」

と、はしゃいでいたが・・・

 

私と兄は、浄化していく土蜘蛛から目を離さなかった

 

何故なら土蜘蛛が、いつ悪足掻きをするか分からないからである

 

 

案の定、土蜘蛛が自分の脚を引きちぎり、勝利に酔って油断している貢治目掛け、投げつけた

 

兄が、式神を操り、土蜘蛛の脚を撃破し

 

「陰陽術・樹木の尖槍」

 

私は、即座に“攻撃陰陽術”を唱え、”樹木の鋭い槍”を具現化し発射、土蜘蛛の頭をかち割った

 

その数分後には、土蜘蛛は何の抵抗もなく静かに浄化していった

 

 

それを呆然と見ていた貢治

 

「良くやったぞ・・・貢治」

と、私が声をかけると

 

私の掛け声で気を取り戻した貢治は、即座に頭を下げ

 

「「俺が油断したせいで、忠麿主任と訓麿さんに迷惑掛けて申し訳ありません!!!」」

と、謝罪してきたので

 

 

私が、もう済んだ事などで、わざわざ怒鳴る事でもなかったので

 

「たまに、“名”の付く魑魅魍魎や、もしかしたらそれ以上の“人語”を話す物の怪が現れるかも知れないから、最後まで気を抜かないように」

 

と、一言注意すると

 

貢治、少し落ち込みながらも

 

「忠麿主任の言う通りです・・・・今まで簡単に魑魅魍魎を倒してたので・・・・頭に乗っていました・・・これから気を付けます」

と、反省の意を唱えていた

 

私は、少しにっこりと微笑み

 

「そこまで反省してるなら、まだまだ伸びしろはある・・・土蜘蛛を倒したのは貢治だ、誇っても良い」

 

と、褒めたが・・・・

 

貢治の奴、満面の笑みを浮かべ

 

「いや~~それほどでも、でもやっぱり俺って凄いですね・・・もちろん、忠麿主任のご指導あってものですが」

と、まんざらでもなさそうな態度で、自分で持ち上げ、オマケに私をも持ち上げる発言をした

 

私は“貢治君・・・君は大変優秀だが、まだまだこれからだよ”と思いながら、苦笑いするしかなかった

 

普段、“人の事など何処吹く風”の兄も、貢治の態度には呆れていた、だがその事に何も追及せず

 

「もう終わった事だし、事務所へ帰ってひと眠りするか~~~」

と、相も変わらずのマイペースな言葉を吐いていた

 

“ひと眠りって・・・おいおい、事務所に帰っても、まだ仕事はあるだろう”

 

それは、それで私は、貢治と違った、あの兄の態度にドン引きするのだが・・・

 

そんな時、一緒に付いて来た検非違使の方々が

 

「安倍忠麿さん・・・やあ~~”土蜘蛛”をいとも簡単に討伐するとは、やはり都一の最強陰陽師だけあって凄いです」

 

と、褒めて頂けるのは嬉しいが、あの”名のある魑魅魍魎・・・土蜘蛛”を討ったのは、私の後輩の中丸貢治である

 

「いや、これは・・・」

 

と、私が”これは貢治の功績だ”と、反論しようとした時、貢治が嬉しそうに

 

「なんせ、忠麿主任は、”土蜘蛛”より上の”人語を話す魑魅魍魎”を一人で討伐しますからね~~」

と、私を持ち上げる様な事を話してきた

 

検非違使の方々も感心しながら

 

「流石は、都一の最強陰陽師・安倍忠麿だ!!!」

と、言われたが、私はそれ程の実力者ではない・・・

 

これより強い”災害を起す魑魅魍魎”が存在し、それ以上に強い、”魑魅魍魎の三魔王”の1柱『天魔王』を独りで倒したと言われた伝説の大陰陽師

 

陰陽師三大名家・阿部家創始者・阿部晴洲あべの・せいしゅうに比べたら、大した事ではない

 

そう思いながら、感心してる検非違使に対し

 

「いや、たまたま偶然です」

と、私は恐縮しながら答えていた

 

「そこまで、恐縮されたら、逆に嫌味になりますよ」

と、検非違使に返されたが・・・・どんな態度で臨めば良いのか全く解らなかった

 

私は、その検非違使の言葉を無視し

 

「現場検証に、私たちはどうなるのですか?」

と、ビジネスライクで質問し

 

「ご苦労様です・・・後日、お尋ねしますので」

と、検非違使も、同じくビジネスライクで答えてくれたので

 

後の事は検非違使に任せて、私たちは土蜘蛛が暴れた現場から引き揚げた・・・

 

 

私は、後々土蜘蛛より遥かに強大な“魑魅魍魎”と戦わされる羽目になっていた

 

それは、バック日の丸をいい事に、組内権力しか頭にない腐った役員がのさばり、そのせいで、組員たちが陰陽師としての職務を全うしなくなり、堕落した組織になった『陰陽道組合』である

 

『陰陽道組合』と言う“魑魅魍魎”と、どう立ち向かって行けばよいのかまだまだ未知数だった・・・

 

 

第2話へ続く・・・ 

 

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