ひと月早い、自分への誕生日プレゼントとしてゲットした 「Vox Giulietta - VGA-3PS」。
5日ほど弾いてみたインプレッションをあげたいと思います。
1.まず、ネックを握って感じたのが、シェイプから握り心地まで、所有している Les paul sutudio にそっくりなんです。マホガニー素材が同じというのもあるのですが、握り心地までそっくりなのは驚きました。ただ、太いアコースティック弦が張ってある(011-052 なんですかね?)、弦高をギリギリに下げても、弦を押さえるのには多少力が要ります。
指板には、貼りローズウッドではなく、ベイクドジャトバが使われています。
ジャトバは、主にブラジルや南米に生息する木材で、強度が高く、音質も良いとされています。
ローズウッドの代替材として、最近多くのギターで使われるようになってきたが、更に、ベイクド処理がほどこされているのは、今のところVOX製品だけのようです(ローステッドメイプルは良く耳にする)。
ベイクド処理とは、木材を高温で加熱し、水分を蒸発させることで、木材の安定性を高める加工。これにより、ジャトバの性質である収縮や膨張を抑え、演奏時の音の安定を向上させることができるといいます。
特徴:
・高い安定性:ベイクド処理により、指板が気温や湿度による変化に強く、ネックの反りやねじれが起こりにくく安定した音質を維持できる。
・優れた音質:ジャトバ特有の明るくクリアな音色に加え、ベイクド処理で響きが豊かになる。
・美しい外観:ジャトバの独特な木目や色合いが、ギターの美しさを引き立てる(明るい赤みがかった色で、好みは分かれると思います)。
ということで、弾き心地は問題ありません。

2.次に、アーチトップのボディから出る音ですが、やはり、非常にコンパクトにできているため、意外と音は小さいです(もちろんソリッドギターと比べたら、アンプにつながなくとも十分に演奏できる音量ではありますが、普通のアコギに比べたらだいぶ小さいです)。
従って、ピエゾピックアップが拾う音もそれに見合った音で、低音が太い感じがしない音になっています。この辺プリアンプやエフェクターで補正してやる必要があると思います。

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3.そこで、付属のプリアンプなんですが、このプリアンプを通しても音はほとんど大きくなりません。
ボリュームとトーンをコントロール(音を小さくする、高音成分を削る)できるようになるというだけの役割でした。他のエレアコのプリアンプを試したことが無いので比較ができないのですが、ブースターのような役目は期待しない方がいいと思います。
最初「スーパー・キャパシタ・プリアンプ」の意味が分からなかったのですが、充電式といってもニッカド電池が内蔵されているわけではなく、「電気二重層コンデンサ」(※)が蓄電してプリアンプ部に電気を供給しているようです。それが、約15分の充電で12時間連続使用可能というのですから、ブースターのような強力なことはできないのかもしれません。

(※)電気二重層コンデンサ 二次電池と異なり電極での化学反応によって電気エネルギーを蓄えるのではなく、イオン分子が電荷を蓄えるため、充放電による劣化は少なく、耐電圧付近での電極の劣化や電解質のイオン分子の劣化が長期的には少し存在するだけで、10万 - 100万回程度の充放電サイクルが可能。 また、耐電圧が低く、充電できる電圧は最高でも3V程度となるため、高電圧が必要なら直列接続が必要。。
4.そこで、シールドでアンプにつないだ時に、やはりこのギターの本領を発揮することになります。
エフェクターで疑似的に出せるアコギの音とは比べ物にならない、リアルなアコギサウンドが響きます。ボディのコンパクトさを感じさせない音圧の豊かさと高音域のきらびやかな音は素晴らしいものがあります。
VOX Giulietta VGA-3PS Trans Red
ということで、全体的な造りの良さ(スプルースとマホガニーのバインディングされたボディ、セットネック、木製のハイブリッドブリッジや洒落たトラピーズ・テールピース等)と、音の良さで十分満足を与えてくれる楽器だと思います。

































































