奥山久美子の美と健康のワインライフ -824ページ目

1930年 エシェゾーDRC

1930年エシェゾーDRC@アッピア2010/01/15 13:26

久しぶりに麻布のイタリア・レストラン「アッピア」に行ってきました。

店内は相変わらず満席で、賑やかなお客の話し声がバックグラウンド・ミュージックのように響いている点は、

ローマ辺りにいるような錯覚をおこさせるほど。

アッピアの魅力は、ワゴンで運ばれる20種以上もある前菜を何種類も選べることですが、全部が美味しそうなので困ってしまいます。

友人が持ち込んだワインは、保存が完璧なパリのトゥール・ダルジャンで入手したという「1930 Echezeaux Domaine de la Romanee-Conti」!

1930年といえば、今から79年前。世界大恐慌の翌年の超不景気に加え、悪天候によりブドウは悲惨な状態であったことで有名な年です。

マイケル・ブロードベントのバイブル本「The New Great Vintage Wine Book」によると、「ドクター・バローレでさえ手の尽くしようが無かった1930,1931,1932」と書いてある。

悪い年のワインは寿命が短いので、早く飲まなければならないというのが通説とはいえ、スーパー生産者の

DRCだから大丈夫かも、、、、。

コルクを見ると70年もの年月は経ていない、リコルクされたこともあり、ワインは意外と若々しくて本当にビックリしました。

外観はロゼのように明るい色調ではあるけれど、ガーネット色で宝石のような輝き。

香りは非常に官能的なバラの香水やクリームの甘さが強烈にグラスからたちあがります。

そしてシルクのシフォンのようなくちあたり、優美で甘いというか、余韻はいつまでも甘く官能的。アミノ酸からくる旨味の甘さ以外にも、残糖分の甘さがあるから長持ちしたという理由もあるのでしょうね。

79年前、しかも天候不順のヴィンテージでも、パリの超一流店で最近まで大切に保存されていた、世界一の生産者のワインだから輝きが失われないのですね。

天からワインの神様が降りてきたような穏やかな喜びを感じることができました。

ナルカミ

新日本風フランス料理@ナルカミ2010/01/15 13:26

銀座で地下にあるミシュランの星つきフレンチレストランはナルカミだけ。

アピシウスとレカンは老舗の豪華レストランなのに、フランスには地下にレストランが無いということで星がない、、、、。銀座ナルカミ☆の実力が気になります。

そのナルカミが銀座に別れを告げ、10月に西麻布でスケールアップしたお洒落な店をオープンするとのことなので、移転前のナルカミに行ってきました。

2003年に独立された鳴神正量シェフは出身地が兵庫赤穂でルーツがイタリア料理。

そして、魚介類・野菜・肉の産地に強いこだわりを持っています。

自ら改造した包丁で新鮮な魚を調理するという、独特のナルカミ・ワールドを展開。

ワインリストには超人気生産者の贅沢なフランスワインが並んでいるけれど、お値段は高め。独立前に「エスペランス」というバブリーなワインレストランにいらしただけあって、ワイン愛好家のコレクションアイテム的なものが揃っています。

お料理は3コースが用意されていて、今回は一番品数が多い8品コースを頂きました。

富山県 岩ガキ バジル風味のカッペリーニ カキのコンソメ

岩ガキが小さくカットされて、細いパスタに和えてある和・伊・仏のコラボという感じ。

アジのモンブラン見立て

生のアジが山芋のモンブランに包まれ、クリームをまとった刺身風。

家島ハモの舞茸巻き

香り高く旨味十分の絶品

ノドグロのグリエ サフラン風味のあんかけ

赤むつのグリエがエキゾチックに。

蝦夷アワビ シャンパン蒸し 肝ソースで

洗練された新フランス料理の極致のよう。

佐久青山椒のソルベ

シェフ自ら育てている山椒がピリリと辛く心地よくシビレて美味しい。

シャラン産鴨 ロティ トリュフのソース

フォアグラ付きで非常にリッチな味わい。

デザートはフロマージュにしました。

鳴神シェフは、シュヴァリエ・デュ・タストヴァンに昨年叙任されたほどのチーズ愛好家。チーズのセレクションはさすがであり、エルベ・モンス熟成の上品なエポワスは特に素晴らしい。

美しく繊細且つダイナミックなお料理でした。

525000円のシャンパーニュ

52万5千円のシャンパン2010/03/31 2:24

六本木ヒルズにあるレストラン「テール・ド・トリュフ」で友人のM氏が持ち込んだシャンパンは、金色の粒がガラスのボトルに散りばめられ、その姿は斬新で目を見張るような美しさでした!

1998 Dom Pérignon シャネルのデザイナーであるカール・ラガーフェルドがデザインした1998本限定品。

日本には98本輸入されましたが、中身は約2万円のドン・ペリニヨンなのに、52万5千円と26倍もの値段が付くとはアートの力って凄いです。

限定品のケースのコレクターから、なんと4千円で買ったというM氏の実力にも圧倒されるけど。

金色の粒は18金なのかと思いきや、安物の金具でビックリだったけれど、食後に飲んだドン・ペリは、上品なミネラルと酸味と旨味が溶け込んでいる、いつものドン・ペリでした。

1995 Krug Clos d'Ambonnay 「クリュッグ・クロ・ダンボネ」というピノ・ノワール100%のブラン・ド・ノワールも3000本限定品で、アメリカでは3000ドル、日本では525千円です。

オート・クチュール的なクロ・ダンボネは、エキスの凝縮とフィネスとパワーが印象的で、味に対して付いた値段なのでしょうが、(高すぎるので話の種に飲むくらいだけれど、、)このドン・ペリは、コレクターズ・アイテムなのでしょうね。

テール・ド・トリュフでは

Krug Rosé

Montrachet 1988 Bouchard Père et fils

Montrachet 2001 Marqueis de Laguiche

Echézeaux 2006 Emmanuel Rouget George Jayer

Savigny lès Beaune 1er cru Narbarton 2001 Domaine Leroy

Echézeaux 1966 Leroy

Dom Pérignon 1998

1996年のルロワのエシェゾーは、宝石のような輝きのあるルビー色で、果実味が若々しくて華やかなのには驚きでした。

花冷えの寒い夜、楽しい仲間とこんな贅沢なワインとトリュフで豊かな気分を味わいました。