奥山久美子の美と健康のワインライフ -823ページ目

Le Meilleur Vignoble de Japon ミサワ・ワイナリー@明野

Le Meilleur Vignoble de Japon 日本の最優秀ブドウ畑2010/07/18 2:00

昨年の10月からアカデミー・デュ・ヴァンで「ブドウ栽培体験講座」を再開しました。

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1013年前は山梨県勝沼にある「丸藤ワイナリー(ルバイヤート)」の北畑で、カベルネ・ソーヴィニヨンの剪定から収穫まで、本当にエキサイティングで楽しい経験をしました。

最近は日本でも、ワールドクラスの本格派ワインが増えてきたけれど、当時はボルドー大学で学んだ大村春夫さんのような方は珍しく、故浅井宇介先生が「日本の希望の星」とおっしゃったのが昨日のことのようです。

北畑は、小さいので生産量は少ないけれど、傾斜もあり風通りの良い素敵な畑であり、益々洗練されてきています。

今回の研修地は「中央葡萄酒、グレース・ワイナリー」の三澤茂計さんが、2001年に明野に拓いた12haもある壮大なブドウ畑。「ミサワ・ワイナリー」。

日本で最も日照量が多い土地、その上富士山、八ヶ岳、南アルプスが見渡せるという華麗なる「日本の最優秀ブドウ畑」です。

明野農場は標高700mの高山性気候を持ち、適度な傾斜のある手入れの行き届いた畑の様子は、スケールの大きさとセンスの良さにおいてバツグン。

暗渠(あんきょ、地下に水路を作り水はけを良くする)システムもバッチリだそうです。

ブドウ樹の樹齢も7年を過ぎて、メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネが立派に育ち、素晴らしいワインが続々と生まれてきているのが嬉しいことです。

垣根栽培の「甲州2009年」は甲州の秘めたポテンシャルを証明。本当に凄い。

また、勝沼の菱山畑の甲州が、今年ロンドンで売られるそうですが、今後の甲州の活躍が楽しみです。

ワインには造り手のパッションや芸術性が表れますが、三澤社長の激情は確かに伝わってきます。

ワイナリーのレストラン「彩」のお料理を仕切る素敵な奥様、素晴らしいワインメーカーの彩奈さんやスタッフの方達もいらっしゃるから、益々明野に通うのが楽しみ。

ラール・エ・ラ・マニエール

「ラール・エ・ラ・マニエール」その本当の意味とは2010/07/07 0:34

今日、優秀なフランス語の先生に「ラール・エ・ラマニエール」について話をしたら、この表現方法はフランスでは「芸術的なセンスと、それを造る技術の2つを持っていて、さらにデコレーション等ディテールにもこだわるという本当にかっこいいやり方」という意味で「最高の誉め言葉」だそうです。

久しぶりに、フランスのエスプリを感じた素敵なネーミング。

次回は、またフランスのエスプリを紹介します。

6月のベスト・レストラン

6月のベスト・レストラン「ラール・エ・ラ・マニエール」2010/07/06 1:39

昨年の秋にオープンした銀座のフランス料理店「L'Art et la Manière」は「芸術の正しい導き方(作法)」という意味があり、名前が仰々しいので二の足を踏みそうだけれど、行ってみるとファンシーな料理と温かいサービス精神に溢れるガストロノミック・レストランでした。

代表取締役ソムリエの吉岡慶篤さんは、3年間フランスでワイン修行後、丸の内の「サンス・エ・サヴール」、西麻布の「カフェビストロ・でフレール・プルセル」の総括支配人をした後、昨年独立した独身でハンサムな方。

清水将シェフは、スイス近くのアヌシー湖の3つ星「マルク・ベラ」、パリの「アルページュ」等で7年間修行したそう。そのわりに、随分と若々しいこと。

マルク・ベラに数年前に2晩泊まりましたが、ハーブとスパイスの魔術師と呼ばれるベラ氏の料理は、天才らしく独創的。清水シェフはそれを進化させた形。

日本の最高の旬の野菜や魚介類をふんだんに使い、今回はブルゴーニュ地方の「ドンブのカエルの腿肉フリット」

そして、ロワール地方近くの「シャランの鴨肉のロースト」が絶品でした。

デザート

食材に関しては、あまりにも複雑で緻密なので、一緒に行ったD美ちゃんのようにジャーナリストさながら熱心にメモを取るべきでした、、。素晴らしいワインと会話に酔いしれると忘れちゃいますね。

吉岡さんが選んだメインのワインはDRC ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティの「ラ・ターシュ」La Tâche 1983

ラターシュ

ラターシュのグラス

当時は樽から直接ボトルに入れていたので、樽の上澄みの部分は色が薄く、下の部分はエキスが沈殿しているので濃い色でした。その後、バラツキをなくすために、5樽を混ぜて瓶詰めするようになったわけですが。

今回は、まさに色、香り、味ともに褪せていたので残念でした。。

代わりに持ってきたDRCの「エシェゾー」Echézeaux1999

エシェゾー

グラス比較

1999年は20世紀最後の傑出したヴィンテージ。

若々しい外観と香り、味わいも11年経ったとは思えないような果実味があでやかでシルクデシンのタッチでした。

お料理とワインの品揃えは、東京では最も楽しいレストランのひとつだと思います。