天才ピアニスト横山幸雄氏の奏でる崇高なショパン
天才ピアニスト横山幸雄さんの奏でる世界一崇高なショパン2010/09/06 1:57
横山幸雄さんがショパンのピアノ・ソロ作品166を全曲、16時間で演奏するという記念すべきイベントが5月4日、東京オペラ・シティのコンサートホールで行われ、夜中の1時までには見事弾き終わり「ギネスブック」に登録されるという快挙がありました。
全身全霊でピアノに向かう姿は神々しく、ピアノと一心同体となった迫力ある演奏に感動!
ショパン晩年の32歳の作品、全ピアノ音楽の中でも最高傑作に位置づけられる「バラード第4番」、そして「ポロネーズ第6番英雄」を夜中の12時頃に演奏した時には、横山さんとピアノが合体し炎がメラメラと立ち上がっていた様子は、今でも忘れられません。
今年はフレデリック・フランソワ・ショパン(1810~1849)の生誕200年記念なので、ショパンの気持ちまで理解されるほど研究しつくしている横山さんにお願いして、ADVで「ショパンの作品とワインのマリアージュ」クラスを行いました。
教室でCDを聞くためには、”ミューズが宿るスピーカー”でないといけないということになり、「ステレオ・サウンド」会長(ワイン王国社長)に毎回、豪華なプレイヤー、アンプ、スピーカーをお運びいただいて、前代未聞の大がかりな授業を3回行いました。
2時間の間に、7歳から作曲をしていたというショパンの様々なエピソード、CDの解説を聞きながら、ワイン通横山さんの自宅セラーから曲に合わせてセレクトしたワインを飲みながら、、。
本当に贅沢なレッスンでした。
ピアノという打楽器がちょうど完成されてきた頃、ショパンのお気に入りの「プレイエル」のピアノを使い、純粋で美しい旋律、哀愁とロマンに満ちた歌のような作品を世に出したショパンは、まさにピアノの詩人です。
わずか39年の人生の中で、20歳で祖国ポーランドを離れ、パリのサロンで演奏していても、あまり人前に出なかった内向的なショパン。
27歳で男装の麗人ジョルジュ・サンドとの出会いやマジョルカ島への逃避行、肺の病気が徐々に悪化したり、、
別れがあったりと39歳までの間に、様々な心境の変化に応じて作曲されたピアノ・ソナタ、ノクターン、ワルツ、プレリュード、エチュード、協奏曲、マズルカ、ポロネーズ、スケルツォ等は、横山さんの解説付で聞くと理解が深まり楽しめます。
最後は、横山さん経営の
横山さんは京都の祇園にも「キメラ」というレストランを経営。
京都・高知などの契約農家の地野菜や、産直の厳選食材にこだわり、美食に対する妥協のない感性がうかがえます。
天才ピアニストは1日1食だからこそ、全ての仕事が終わった後のディナータイムは喜びの時間。
お料理もワインも絶対に美味しくなくてはなりません。
グルマンなので量もたっぷり必要です。
福岡産剣先烏賊のサフラン風味とクレソンのインサラータ イクラの白ワインマリネを散らして
石割農園の茄子を使った前菜2種 白ミル貝と加茂茄子のズコット・蒸し鱧の水茄子
活オマール海老のポワレとカリフラワーの一皿
黒コショーを練りこんだキタッラ イタリア産フレッシュポルチーニのソース
熟成蝦夷牛のタリアータ 緑豆のリゾットと共に
ブルーベリームースを詰めた白桃のコンポート
ワインは横山さんのセレクション。
美しいこと、芸術を愛する人は、ワイン好きというのは、本当に真実なのですね!
モノリス
「モノリス」はフランス料理店の2010年新店王になるかしら2010/08/29 12:27
ラッキーなことに「モノリス」に今月は2回行きました。
モノリスは青山学院西門近く、昨年末まで「ア・テ・スエ」があった後にオープンした優秀フランス料理店です。
「モナリザ・丸の内店」の料理長をしていた石井剛シェフが独立。
ここに店を出した理由は23歳の時に「ア・テ・スエ」で修行していた頃の初心を忘れないようにとのこと。
私としてはモナリザ風の洗練された華麗なお料理が、とてもリーズナブルな価格でいただけて嬉しいです。
「モノリス」は「一つの大きな石」という意味で一体感を表すフランス語。
シェフは「2001年宇宙の旅」に登場した進化を意味する黒い石版にちなんで名付けたようだ。
今回はADVの「ブルゴーニュの偉大な生産者たち」クラスの放課後会で12名が行き、ワインを持ち込みさせていただきました。
とうもろこしのムース、モロヘイヤのソース
赤ピーマンのババロワ、蟹のジュレ
帆立貝のグリエ、有機野菜のサラダ
子羊のロースト
私が持っていったワインは「2007年 ラ・ロマネ」ドメーヌ・デュ・コント・リジェ・ベレール
ロマネ・コンティの真上にある0.8haの、コート・ドール最小のグラン・クリュのモノポール(1ドメーヌが単独所有している畑)。
2004年からリジェ・ベレール家がパーフェクトに造るようになってから劇的に芳しい香りになったが、以前ブシャール・ペール・エ・フィスが醸造していたものは酸味の強い地味なワインだった。
チョッと前まではロマネ・コンティよりも標高が高く気温が低いから酸が突出していると言われていたけれど、DRCのように収量制限をして、完熟しているブドウのみを贅沢に選び、一切妥協をせずに造れば、こんなに感動的な美しいワインが出来るのだ。
2007年の赤ワインはグラン・クリュも果実味が優しく柔らかいから、驚くほどに早くから美味しく飲める。
ロマネ・コンティの妹と思えるほど上品でフィネスに溢れていました。
他には、シャンパーニュの「ドン・ペリニョン」をカーヴで長期間熟成させた「1995 エノテーク」
ブルゴーニュ好きの方達ばかりなので、ブルゴーニュの偉大な生産者の素晴らしいワインが集まりました。
授業中に「ピュリニー・モンラッシェ」のグラン・クリュ等5種類飲んできたので、暑い日にもかかわらず赤ワインが多いです。
お料理もワインも大満足の楽しい時間。
次回の放課後クラス会も、また楽しみです。
「かんだ」は高級シャンパーニュに合う日本料理
日本料理「かんだ」のシャンパーニュに合う料理2010/08/22 2:45
日本料理界の巨匠の中で、最もワインに造詣が深い方は元麻布「かんだ」の神田裕行さん。
フランス生活が長く、ワインはライフスタイルの一部になっているからワインの話がとっても面白くて楽しいです。
来月はシャンパーニュの「クリュッグ」のオリヴィエ社長の招待で、収穫中の「クロ・デュ・メニル」の畑でランチをいただくそうです。
私の考えではシャンパンと日本料理の相性はベスト・マッチング。
調理に使うお出汁が、繊細で上品なアミノ酸の旨味という点で共通しているからです。
「かんだ」のお料理は極上の素材の持ち味を最大限に活かすというスタイルなので、他では真似できない端正な世界があります。
シャンパンとバツグンに相性が良いのは「たまご豆腐、秋田のじゅんさい、梅とスダチ風味のお出汁ゼリー」
鮑とうに
かれいのお刺身
鱧と鰯のつみれ
名物のアナゴ寿司
鮎の塩焼き
揚げゴマ豆腐と海老のあんかけ
極上フィレ肉を北海道の有機パン粉で香ばしくカツにした特別料理、力強いシャンパンにぴったり。
なすの煮物、極細そうめんをシンプルに。
グラフィック・アーティスト麹谷先生、イチオシの「鱧たまごとじご飯」
優しいけれど威風堂々とした日本料理と一緒に飲むシャンパンはリッチ&パワフルかつエレガントな「テタンジェ・レ・フォリ・ド・ラ・マルケトリ」
Taittinger Les Folies de la Marquetterie
ピノ・ノワール55%,とシャルドネ45%を一部樽発酵により醸造。
「レ・フォリ」の畑は、あまりにも急斜面で農作業をする困難さを全く無視しているため、レ・フォリ(クレイジー)と名付けられた。
黒ブドウと白ブドウを交互に植樹しているので、収穫時のレ・フォリ畑は巨大なチェス盤のようになる。
ドメーヌ・シモン・ビーズの「1999コルトン・シャルルマーニュ」でした。
(写真を撮り忘れた)
ASATSUYU ナパ・ヴァレーの「ケンゾー・エステート」のソーヴィニョン・ブランで造られる話題の白ワインも飲みました。
栽培責任者「デヴィット・エイブリュ」、醸造家は「ハイジ・バレット」というカリフォルニアのカルト・ワインの教祖が造るのだから本当に贅沢なワインです。
神田さんの話によると、先日ナパに行った時に、ケンゾー・エステートのオーナーに「フレンチ・ランドリー」(ナパの3つ星レストラン)に招待されたそう。
そこで、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティの「モンラッシェ」とこの「ASATSUYU」を並べて”どう思うか?”
と意見を聞くほど自信作とのこと。
でも、シャルドネとソーヴィニヨン・ブランの違いもあるし、、、。
「かんだ」のワインリストではカルト・ワインの教祖が造る「スクリーミング・イーグル」が270000円で載っている。
(アメリカでは2000ドル)
繊細なシャンパーニュやブルゴーニュと違い、ASATSUYUはアルコールのボリュームからくるグラマラスなスタイルなので、日本酒のような感覚で飲めるとは思いました。
とにかく美味しいお料理とワインは私達にエネルギーを与えてくれるのは間違いないです。