どうも、ドクロ家DEATH! -40ページ目

どうも、ドクロ家DEATH!

きゃっきゃうふふな日々をご紹介、かーちゃん達にはナイショだぞー(゚Д゚)ノ

チーム「なんと」の最終作戦は、実行された







部長は、今も止めることなく、スタンドの力を放ち続け

キノコ化の波動を受け止め続けている

大粒の汗が、部長の顔をつたう

凄まじい気力を使っているのであろう

いっさい 声をかけることをさせないほどの集中だ








たまねぎさんは、なんさんから カナリヤの鳥かごとホウキを受け取る








ミコシさんは、凄い速さで九字を切り始めた

「臨・兵・闘・者・皆・・・・」








なんさんは、ゆっくりと深く大きな息をはくと

呪文を詠唱しはじめた

すると

なんさんの体のシルエットが蜃気楼のように

2重に

3重に

4重に

ぶれたかと思うと







「魔法 分身!」

と叫ぶとともに なんさんの体から、四人のなんさんが現れ

なんさんを囲んだ








「おおおおっ!!」

す、すっごい!

リアルなんさんを合わせた、5人のなんさんは、同時にさらなる呪文を唱え始めた









ミコシさんの術が先に完成する

ミコシさんの指から、神通力の墨の軌跡が噴きだし

凄まじい速さで、なにか巨大な形を描きだす








「冥諧画術!」

「睥睨せよ!滅殺の極み! 御死子(おしし)!!」








ミコシさんの描きだしたものは

指先からどんどんと、姿を形作り

突如

発現した








それは

巨大な

とてつもなく巨大な

白い虎であった

どうも、ドクロ家DEATH!








それと同時に、なんさんの呪文も完成する

たまねぎさんが、タイミングを取り

叫ぶ

「じゃあ、いくよ!」

「よおーい!」

「ドン!!」







なんさんが、魔力を放つ

「次元転移! 反物質 発射!!」







リアルなんさんの指先から、見えない何かが天井に向けて発射された










約1秒後









ズドォォォォォーーーーーーーーン!!


この世の終わりか?と思えるほどの

轟音が轟いたあと








M王武道館の天井に ぽっかりと穴が開いた

何かが爆発したのは、わかったが・・・








爆発の威力が凄すぎて、砕けた破片は、粉みじんになるまで空中で分解されてしまい

その下にいたキノコ人間達に降りそそぐことさえなかった








反物質・・・








たしか・・・

ソフトボールで1個分ほどの ソレが、この世に生成された場合

地球1個まるごと ふっとぶ!・・・という

アレか?








こわい・・・なんさん こわすぎるう








凄まじすぎる 戦闘開始の号砲に

一万人のキノコ人間は、完全に出鼻をくじかれ ビタリと止まる








そこをねらって

ミコシさんが叫ぶ

「ゆけっ!御死子!!けちらせ!!」







「ガウオオオオオオオオオ!!」

強大な白い虎は、耳をつんざくほどの雄たけびをあげ

キノコの海めがけて 飛び込んだ







「ガアアアアア!!」

御死子が前足を一振りするだけで

キノコ人間が数十人ふきとぶ









あっという間に

キノコの海を

紅海を割って歩いて渡ったという、モーゼのように

ミコシさんの御死子が駆け抜けていく








なんさんの威嚇と

ミコシさんの突撃により

一万人のキノコ軍団は、いっきにその戦意を消失させた









だが、魔法戦隊「なん’s」は止まらない

分身の四人のなんさんが

さらにダメ押しの魔法をとなえた









「竜巻!」

「プロミネンス!」

「ショックウェーブ!」

「絶対零度!」

それぞれのなんさんが

それぞれの魔力を放出する









建物内に いきなり巨大な竜巻があらわれ

数百人のキノコの一団を、まるごと空にまいあげる



地面から真っ赤な火柱がたちのぼり、その熱波でキノコたちは、ちりじりに逃げ惑う



天井には、にわかに黒い雲が湧きおこり

何本もの稲妻がふりそそぐ

稲妻が着弾した地面のそばにいたキノコ達は、黒焦げになってバタバタと倒れていく



さらにその雲から 巨大な氷の塊が

何百、何千と降り注ぐ









ホール内のキノコ人間は

惨憺たるありさまで

倒れ、もがき、逃げ惑う








「な・・・なんという・・・」








味方ながら、恐ろしすぎる攻撃に

ボクチンは、おさえきれず







チョロっと

ちびりながら・・・








つづく













武道館 花道の上に居るボクチンたちを

一万人の生まれたてキノコ人間が取り囲む







「ぶ、ぶぶぶぶ部長~~~~!」

「どどどど どうしよう!?」

思わず部長にすがりつこうとするボクチンを、ミコシさんが引き止めた

「ドクロッチ 部長は今、集中力を切らせられない状態なんです」







部長を見ると、額から大粒の汗を流し スタンドの力を放出しつづけている







「だいじょうぶ 僕たちがいます」

「ね!なんさん! たまさん!」

ミコシさんがウインクする







「そうよ、大丈夫よ ドクロッチ」

「まかしなはれ~」

と、二人はいたずらっぽく笑う







それを合図にするように

たまねぎさんは前

なんさんは右

ミコシさんは左と

部長を中心にフォーメーションを組んだ








今にも飛びかかってきそうなキノコを前にして、臆することも、ひるむこともなく

なんさんは、冷静に作戦を語った










「ミコシさん おっきいのぶっ放して、キノコをひきつけて」

ミコシさんが元気に返事をする

「ハイ!」



「たまちゃんは、片っぱしから投げ飛ばして 部長にキノコを近づけないで」

「ニャッ!」

たまねぎさんも、待ってましたとばかりに返事をする



「私は、魔法でキノコを叩くから」










なんさんは、ボクチンをみる

ゆっくり、いいきかせるように

「部長のスタンドで機械から、私達を守ってもらう」

「私達はキノコを止める」

「で・・・見たところ、あのステージの上は機械の力は、働いていないようだから」

「ここからが本番」








なんさんのボクチンを見つめる瞳が、熱を帯びているようだ

「ドクロッチは、ステージまで飛んで 機械を止める」








「え・・・ええええええ!?」








なんさんは、握りこぶしで鼻息をあらげる

「ドクロッチが・・・ごりっぺさんを倒して 機械をとめるの!!」








や、やっぱりいいいい!?

「え・・・で、でも どうやってステージまで・・・」

「あ、あの やっぱり ちょっと・・・」








と、しりごみするボクチンの背中をバーーーンッ!と 

たまねぎさんが叩く

「ドクロッチ!修業の成果をここで発揮するのじゃ!!」

「君なら勝てる!!」








い、いや あの・・・その修行がムチャクチャで不安だから

ボクチンはビビっているんだけど・・・







ボクチンは、にげるべきタイミングを失い

「お・・・おう!!ボクチンにまかせて!?」

と言い放ってしまった







かくして









 一万人のキノコ人間と

ごりっぺ達がたちふさがる







機械をめぐる

チーム「なんと」の最終作戦が始まった










つづく

次回は本日 夜UP予定







ステージの床下から、せりあがってくる『機械』の姿を見て

ボクチンは、思わず息をのみこむ









縦横に、はりめぐらされたコードやパイプが、あちこちからケムリをはき、火花をちらす

点在する計器類は常に、その針を左右にゆらし

その姿は、まるで生き物の内臓のようにみえる










とりわけ目をひくのが、その中心部だ

チベット仏教の仏具「マニ車」のような

円柱状の物体が3つ、縦にかさなり

それぞれ独立して、別方向に回転している


どうも、ドクロ家DEATH!









その表面には、どのような規則によるものかは分からないが、なにか幾何学的な

模様のレリーフが、うすく光り輝いている











そして、その下にあるコンソール部分は、荘厳な意匠をあしらったパイプオルガンのような形状をしている


どうも、ドクロ家DEATH!


そのオルガンの前に置かれたイスに、静かに座る女・・・

あれが・・・









ニジさん・・・か?









女は、漆黒のドレスに身を包み その背中は微動だにしない








「カナさん!!」

部長が叫び声をあげる









それをきかっけにするように、女は髪をふりみだし

まるで、ピアニストが演奏するように

『機械の』作動キーの鍵盤を叩き始めた








『機械』の内部を

幾重ものプログラムが

膨大なエネルギーがかけめぐり

そして・・・







発動した!!









眼には見えない

だが

悲しみを 怒りを 憎悪を孕んだ

因果の波動が、ゆっくりと機械から放射されていく









波動は、ひろがり

身動きしない観客たちをのみこんでいく










「カナさん!!」

「やめろーーーーーーっ!!」


部長の声が むなしく響くが

とまらない!!








『機械』から放射された、あらゆる感情の波動を受けた

観客たちは、高圧電流に感電したようにビクリ!と体をのけぞらせ

いきなり

変異をはじめた

そう・・・

キノコ人間に!!








みるみる

ステージから、ボクチン達に向かって

何十、何百、何千という人間たちが、その姿を

おぞましいキノコ人間にかえていく








ばかな・・・・力を手に入れるための機械じゃ、なかったのか!?








そして

そのキノコ人間化の波は、どんどんボクチン達の方へせまってきた








「ぶ・・・部長!!」

「ど、どど どうしたら!?」

ボクチンは その恐ろしい光景を見せつけられ、恐怖のあまり部長にすがりついた









「部長 がんばってね」

なんさんが冷静に言うと

それをうけ、部長は一歩まえにでる








「まかせて・・・みんな、ぼくから あまり離れないようにね」

と言うと

部長は、右手をゆっくりとさしだし

ぽつりと小さく 言った










「ペイントブラック」









ブウウウウウウウン!

どうも、ドクロ家DEATH!


部長のスタンド「ペイントブラック」が現れる

ランプの目をらんらんと輝かせている









「ノーカラー エニーモア!!」

部長の叫びと共に

スタンドは、手に持っていた 大きな「筆」を

凄まじいスピードで、振りまわし始めた










「ウウウウバッシャアアアアーーーーーッ!!」











部長のスタンドの能力は、あらゆる種類の感情を生み出し

対象にぬりつけるというものだが

もはや

「ぬりつける」を超え

「はなっ」ていた










たちまち、部長本人とボクチンらを包み込む バリヤのように

スタンドが発するエネルギーが展開した








『機械』から発する エネルギーの波動と

部長が発するエネルギーのバリヤーが、ぶつかりあう!









「うおおおおおおおっっ!!」

スタンドだけでなく

部長 本人も雄たけびをあげ、能力を放ち続ける










キノコ人間化の波は、ボクチンたちを包み込んだが

完全にせき止められた









それを見て、ごりっぺは つぶやく


「お嬢さんが、生み出し『機械』が増幅した感情のエネルギー・・・マガツヒ・・・」

「ペイントブラックが生み出す、感情のエネルギーをぶつけることによって」

「中和した・・・」


「だが、これは想定の内」

「これで、厄介なペイントブラックの身動きを封じることができた」


「本番は・・・ここからだ」

「次の・・・これは・・・どう対処する?」








『機械』が放つ まがまがしい感情のエネルギーの暴風雨が

M王町武道館を完全に包みこんだ時

ごりっぺは、ステージ中央に置いてある マイクスタンドへ向かい

マイクを手に取ると

ボリュームを最大にして、叫んだ









「さあ、起きろ!!」

「虐げられた者たちよ!!」

「君たちが憎んだ、力 持てる者たちを叩き潰せ!!」

「ゆけっ!!」










ホール中のすべての

人・人・人が立ち上がる











その姿は・・・あの

あのおぞましいキノコ人間であった













M王武道館メインホールに集まった

ほぼ、すべて人が変態を終え








「ウウウウウウウウウウ!!」

「オオオオオオオオオオ!!」


およそ・・・


一万人の


あらたに生まれたキノコ人間が


いっせいに雄たけびをあげ


ボクチンたちに殺到してきたのだった!








つづく









次回 絶対絶命の窮地に!

「一万人のキノコ人間VSチーム「なんと」」の巻き

お楽しみに!