暗記不要の簿記独学講座【簿記革命】 -10ページ目

製造間接費予算の具体例

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この記事には改訂版がございます。改訂版は製造間接費予算をご覧下さい。


製造間接費予算を具体例を使ってお伝えします。

固定予算の場合

例えば、下のような予算額と基準操業度だとします。

  • 製造間接費年間予算額…600,000円(うち固定費360,000円)
  • 基準操業度…3,000時間

固定予算の場合は、基準操業度に関わらず予算額は600,000円と設定されるので、

  • 操業度0時間…600,000円
  • 操業度1,000時間…600,000円
  • 操業度2,000時間…600,000円
  • 操業度3,000時間…600,000円
  • 操業度4,000時間…600,000円

となります。
これらにあてはまるところに点をとって直線で結ぶと下のようなシュラッター図になります。

暗記不要の簿記独学講座-固定予算の具体例

これが固定予算の具体例になります。

変動予算の場合

変動予算には「公式法変動予算」と「多桁式変動予算」があります。
それぞれご説明します。

公式法変動予算の場合

例えば、下のような予算額と基準操業度だとします(固定予算の例と全く同じです)。

  • 製造間接費年間予算額…600,000円(うち固定費360,000円)
  • 基準操業度…3,000時間

公式法変動予算の場合は、固定費は一定で、変動費は操業度に比例します。
まずは1時間あたり変動費を求めます。

1時間あたり変動費=(600,000円-360,000円)÷3,000時間=80円/時

となります。
600,000円-360,000円で変動費の総額240,000円を求め、それを操業度3,000時間で割ることで1時間あたりの変動費を求めています。
この1時間あたり変動費をもとに公式法変動予算を求めると、

  • 操業度0時間…80円/時×0時間+360,000円=360,000円
  • 操業度1,000時間…80円/時×1,000時間+360,000円=440,000円
  • 操業度2,000時間…80円/時×2,000時間+360,000円=520,000円
  • 操業度3,000時間…80円/時×3,000時間+360,000円=600,000円
  • 操業度4,000時間…80円/時×4,000時間+360,000円=680,000円

となります。
これらにあてはまるところに点をとって直線で結ぶと下のようなシュラッター図になります。

暗記不要の簿記独学講座-公式法変動予算の具体例
このシュラッター図は下の変動費のグラフと固定費のグラフを合計したグラフだと考えることもできます。

暗記不要の簿記独学講座-変動費

暗記不要の簿記独学講座-固定費

多桁式変動予算の場合

多桁式変動予算の場合は、それぞれの操業度における予算額を実際に調査して設定します。

  • 操業度0時間…380,000円
  • 操業度1,000時間…420,000円
  • 操業度2,000時間…540,000円
  • 操業度3,000時間…600,000円
  • 操業度4,000時間…660,000円

といった形で実際に調査します。
そして、これらのあてはまるところに点をとって結ぶと下のようなシュラッター図になります。

暗記不要の簿記独学講座-多桁式変動予算の具体例

多桁式変動予算の場合は直線ではなく、複雑な形になることが一般的です。


簿記検定では圧倒的に公式法変動予算が出題されるので、公式法変動予算を中心に学習してください。

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製造間接費予算

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製造間接費予算についてお伝えします。

製造間接費予算

予定配賦率を計算するには、まず基準操業度にどれを使うのかを選択します。
そしてその基準操業度における操業度が何時間になるのかを算定してから、その基準操業度において発生する製造間接費を予定します。
この予定する金額が製造間接費予算です。

この製造間接費予算には固定予算と変動予算があり、変動予算には「公式法変動予算」と「多桁式変動予算」があります。
以下詳しくご説明します。

固定予算

固定予算とは、操業度に関わらず一定の予算を設定する方法です。
図で表すと下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-固定予算

ちなみに、この図をシュラッター図といいます(学習が進むつれてどんどん複雑になっていきます)。
この図の描き方については後日詳しくお伝えします。
現時点では横軸が操業度、縦軸が予算額で、それぞれあてはまる点を結んで作ったグラフだとだけ理解しておいてください。

固定予算の場合は操業度に関わらず予算額が一定なので、このように真横のグラフになります。

変動予算

変動予算には「公式法変動予算」と「多桁式変動予算」があります。

公式法変動予算

予算を変動費部分と固定費部分に分け、固定費部分は操業度に関わらず一定、変動費部分は操業度に比例して増加するとみなして予算を設定します。

図で表すと下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-公式法変動予算

予算額=変動比率×操業度+固定費

という公式で予算額を計算することから公式法変動予算といわれています。
中学校で学習した1次関数と同じです。
傾きが変動比率、切片が固定費です。

中学校で学習した数学も簿記では使っていくので、忘れている人は復習しておいてください。

多桁式変動予算

公式法変動予算のように公式で求めるのではなく、それぞれの操業度における予算額をそれぞれで調査することで予算を設定します。
実際に調査して予算を設定するところから実査法変動予算とも言われています。

図で表すと下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-多桁式変動予算

それぞれの操業度における予算を実際に調査してグラフを描いているので、公式法変動予算のように直線的にならないところが特徴です。


簿記検定では圧倒的に公式法変動予算が出題されるので、公式法変動予算を中心にお伝えしていきます。

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基準操業度

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基準操業度についてお伝えします。

基準操業度

一定期間における予定配賦基準数値の合計のことを基準操業度といいます。
例えば、一定期間を1年、配賦基準が機械運転時間とすると、基準操業度は「1年間で行うと予想される機械運転時間」となります。

この基準操業度の決め方には「理論的生産能力」「実際的生産能力」「平均操業度」「期待実際操業度」があります。
1つずつご説明します。

理論的生産能力

理論的生産能力とは、完璧な効率で作業が全く中断されずに達成される操業水準をいいます。
理論的にこの操業水準を超えることはできません。

この操業水準はあくまでも理論値なので、実際には達成不可能になります。
よって、理論的生産能力を基準操業度として採用することはありません。

この理論的生産能力は、次にご説明する実際的生産能力を計算するためのベースの数字として使われます。

実際的生産能力

実際的生産能力とは、理論的生産能力から機械の故障やメンテナンスなど、避けられない停止時間を差し引いて計算される操業水準をいいます。
実現可能な操業水準としては最大の操業水準です。

実際的生産能力では生産技術のみで決められています。
需要の増減が全く考えられていないので、需要が非常に大きく、作れば作るだけ売れるような特殊な状況を除いて基準操業度として採用することはありません。

平均操業度

平均操業度とは、予想される季節的な変動や景気変動の影響による生産量の増減を考慮して操業度をいいます。
通常は季節的な変動や景気変動による生産量の増減は5年程度を平均して計算するので平均操業度といいます。

平均操業度は通常の生産では合理的な操業度となります。
しかし、変化が激しい業界では5年の平均が時代遅れとなる場合も多く、そのような場合には次の期待実際操業度が使われます。

期待実際操業度

期待実際操業度とは、次の1年間に予想される操業水準をいいます。
あくまでも予想なので平均操業度に比べて合理的とはいいづらいのですが、変化が激しい業界では平均操業度よりも正確な場合も多いです。


これらの4つの中から、その企業の現実に最も適した基準操業度を選択します。

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製造間接費の予定配賦の計算手順

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製造間接費の予定配賦の計算手順についてお伝えします。

製造間接費の予定配賦の計算手順

製造間接費の予定配賦は以下のような計算手順で行います。

  1. 予定配賦率の計算
  2. 予定配賦額の計算
  3. 実際配賦額と予定配賦額の差額の把握と分析

以下詳しくお伝えします。

1.予定配賦率の計算

予定配賦率=(一定期間の製造間接費予算額)÷(同期間の予定配賦基準数値合計)

上の計算式で予定配賦率を求めます。
また、予定配賦基準数値合計のことを基準操業度といいます。

この計算式の意味を理解するために具体例で考えてみましょう。

  • 1年間の製造間接費予算額:5,000,000円
  • 予定配賦基準:直接作業時間
  • 1年間の直接作業時間:2,500時間

このような状況があったとします。
この場合、予定配賦率は(5,000,000円÷2,500時間=)2,000円/時となります。
この数値は直接作業時間1時間あたり2,000円の製造間接費が発生すると見積もっているいうことを意味しています。

2.予定配賦額の計算

予定配賦額=予定配賦率×製品ごとの実際配賦基準数値

上の計算式で予定配賦額を求めます。

この計算式の意味を理解するために上の例の続きを考えてみましょう。

  • 予定配賦率:2,000円/時
  • A製品の直接作業時間:80時間
  • B製品の直接作業時間:120時間

このような状況があったとします。
この場合、A製品の予定配賦額は(2,000円/時×80時間=)160,000円となり、B製品の予定配賦額は(2,000円/時×120時間=)240,000円となります。
この数値は予定配賦率にもとづいて配賦した製造間接費になります。

3.実際配賦額と予定配賦額の差額の把握と分析

予定配賦額というのはあくまでも予定の配賦率を見積もって求めた金額です。
よって、通常は実際にかかった費用との差額が発生します。
この差額がどのような性質のものなのかを分析することで原価管理を行います。
この分析については今後詳しくお伝えしていきます。

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固定費があることで製造原価が変わる理由

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固定費があることで製造原価が変わる理由についてお伝えします。

固定費があることで製造原価が変わる理由

固定費があることで製造原価が変わる理由をやや極端な具体例を使ってお伝えします。

固定費が大きい場合

  • 変動費:1個あたり100円
  • 固定費:1月あたり5,000,000円

だとしましょう。
変動費に対して固定費が極端に大きいと感じるかもしれませんが、複製が低コストでできる音楽CDやゲームソフトなどではこのような割合になることも珍しくありません。

では、この例で「100個生産した場合」と「10,000個生産した場合」について考えてみましょう。

100個生産した場合

100個生産するので、変動費は(100円×100個)=10,000円となります。
また、固定費は生産量に関わらず5,000,000円です。
よって、この月における製造原価は(10,000円+5,000,000円)=5,010,000円となります。
1個あたりの製造原価は(5,010,000円÷100個=)50,100円となります。

10,000個生産した場合

10,000個生産するので、変動費は(100円×10,000個)=1,000,000円となります。
また、固定費は生産量に関わらず5,000,000円です。
よって、この月における製造原価は(1,000,000円+5,000,000円)=6,000,000円となります。
1個あたりの製造原価は(6,000,000円÷10,000個=)600円となります。

固定費がない場合

  • 変動費:1個あたり100円
  • 固定費:0円

だとしましょう。
固定費が0円というのは少々考えにくいですが、生産量に応じて家賃が決まるといったような特殊な契約で生産している場合には起こりえます(通常はありません。あくまでも例です。)。

では、この例で「100個生産した場合」と「10,000個生産した場合」について考えてみましょう。

100個生産した場合

100個生産するので、変動費は(100円×100個)=10,000円となります。
また、固定費はありません。
よって、この月における製造原価は10,000円となります。
1個あたりの製造原価は(10,000円÷100個=)100円となります。

10,000個生産した場合

10,000個生産するので、変動費は(100円×10,000個)=1,000,000円となります。
また、固定費はありません。
よって、この月における製造原価は1,000,000円となります。
1個あたりの製造原価は(1,000,000円÷10,000個=)100円となります。

固定費がなければ変動費が1個あたりの製造原価になります。


このように、固定費が大きければ大きいほど生産量の変化に対して1個あたりの製造原価が大きく変動することになります。

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製造間接費の予定配賦

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製造間接費の予定配賦についてお伝えします。

製造間接費の予定配賦

製造間接費の実際配賦には2つの問題点がありました
この問題点を解決するために予定配賦があります。

よって予定配賦の特長は以下の2点になります。

  • 計算が速い
  • 配賦率が一定になる

以下詳しく見ていきます。

計算が速い

予定配賦では前もって予定配賦率というものを決めておきます。
前もって決めておくので、製品が完成し、その製品についての配賦基準数値が集計できた時点でその製品について製造間接費の配賦額が計算されます。

実際配賦では翌月にしか計算できなかったものが製品完成後すぐに計算できるようになるため、計算が速くなっています。

配賦率が一定になる

実際配賦の配賦率が生産量によって変動する理由は「製造間接費の中に固定費があるから」です。
固定費というのは生産量に関わらずに同額が発生する費用です。
家賃や保険料のようなものです。

このような固定費があるために、生産量が減ることで配賦率が上がります。

固定費というものは、生産設備を維持するためにかかるものです。
使うことでかかるものではありません。
そこで、固定費は実際の生産量で配賦するよりも、1ヶ月あたりの生産量の平均(基準操業度といいます)で配賦したほうが合理的です。
このように配賦することで配賦率が一定になります。


このような特長がある予定配賦を採用することで原価管理に役立ちます。
計算が速いため対策も早く打てますし、製造間接費の実際発生額と予定配賦額を比べることで適切な原価管理もできます。
これからはこの予定配賦の学習を中心に行っていくことになります。

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製造間接費の実際配賦の問題点

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これまで製造間接費の配賦についてお伝えしてきました。
これらは全て実際配賦についてのものです。

実際配賦は予定価格法でお伝えした原価法や予定消費賃率でお伝えした実際消費賃率と同じ欠点があります。
以下実際配賦の問題点についてお伝えします。

製造間接費の実際配賦の問題点

製造間接費の実際配賦には2つの問題点があります。

  • 計算が遅い
  • 配賦率が管理できない状況に影響される

以下詳しく見ていきます。

計算が遅い

これについては予定価格法や予定消費賃率でお伝えした欠点とほとんど同じです。
実際にどれだけ配賦したのかを意味する実際配賦額は、製造間接費の実際額を全て集計してからでなければ計算できません。

全て集計できるのは原価計算期間が終了した後になるので、翌月にならなければ計算できないということになります。

これでは原価管理という面からはほとんど役に立ちません。
原価管理を効果的に行うためには、いち早く原価をつかみ、そこから無駄を見つけ出して改善するという作業が必要です。
このような効果的な原価管理を行うためには原価をできるだけ早くつかむ必要があります。

配賦率が管理できない状況に影響される

これについては具体例を使ってお伝えします。


1月8月
製品A製品B製品A製品B製品
生産量100個100個100個200個
直接作業時間10時間10時間10時間20時間
製造間接費800,000円900,000円

配賦基準は直接作業時間法を採用しているものとします。

また、この例は8月はB製品の販売が好調で売り上げが伸びたという設定です。
ビールやアイスクリームなど、季節によって影響を受ける製品の場合(アイスやビールは夏が売れます)には、月単位での倍以上の変動は普通に起こるので、上の例は特殊な例ではありません。

製品の生産量の割に製造間接費の増加額は少なめだと感じるかもしれませんが、家賃や保険料などのように生産量に関わらず同額の費用がかかるもの(固定費といいます)も多いため、この金額も特殊な例ではありません。

では、それぞれの月の実際配賦額を計算してみましょう。

1月の実際配賦額の計算

  • 実際配賦率:800,000円÷(10時間+10時間)=40,000円/時
  • A製品の実際配賦額:40,000円/時×10時間=400,000円
  • B製品の実際配賦額:40,000円/時×10時間=400,000円

2月の実際配賦額の計算

  • 実際配賦率:900,000円÷(10時間+20時間)=30,000円/時
  • A製品の実際配賦額:30,000円/時×10時間=300,000円
  • B製品の実際配賦額:30,000円/時×20時間=600,000円

となります。

ここで、A製品の実際配賦額を見てみると実際配賦の欠点が見えてきます。
A製品は1月と8月で生産量も直接作業時間も変わりません。
つまり、作業の効率は変わらないということです。
にも関わらず、実際配賦額が大きく変わっています。

これでは原価管理という面からはほとんど役に立ちません。
作業に無駄が多くなったから製造間接費が上がってしまったのであればその無駄をなくすことで原価を減らすことができます。
これが本来の原価管理です。
他製品の生産量が少なくなったから製造間接費が上がってしまったというのではどう対策したらいいのか分かりません。
これでは原価管理ができないのです。


このような理由により、現在では製造間接費の実際配賦は使われません。
次回お伝えする予定配賦が原則となっています。

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製造間接費の実際配賦の具体例

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製造間接費の実際配賦の具体例についてお伝えします。

製造間接費の実際配賦の具体例

例題

下のようにして机といすを作った場合、それぞれの配賦基準における机といすの製造間接費配賦額を計算しなさい。

製品直接材料費直接労務費直接経費直接作業時間機械運転時間
200,000100,000300,000300時間150時間
いす150,00050,000200,000100時間150時間
  • 製造間接費総額:420,000円
  • 配賦基準
    1. 配賦基準が直接材料費法の場合
    2. 配賦基準が直接労務費法の場合
    3. 配賦基準が直接原価法の場合
    4. 配賦基準が直接作業時間法の場合
    5. 配賦基準が機械運転時間法の場合

では、一つずつ見ていきましょう。

1.配賦基準が直接材料費法の場合

製造間接費=420,000円
直接材料費総額=200,000円+150,000円=350,000円

配賦率=420,000円÷350,000円=1.2円

配賦率が1.2円ということは直接材料費1円あたりの製造間接費が1.2円ということです。

机への配賦額=200,000円×1.2円=240,000円
いすへの配賦額=150,000円×1.2円=180,000円

机への配賦額240,000円といすへの配賦額180,000円の合計が製造間接費総額420,000円になることを確認しておいてください。

2.配賦基準が直接労務費法の場合

製造間接費=420,000円
直接労務費総額=100,000円+50,000円=150,000円

配賦率=420,000円÷150,000円=2.8円

配賦率が2.8円ということは直接労務費1円あたりの製造間接費が2.8円ということです。

机への配賦額=100,000円×2.8円=280,000円
いすへの配賦額=50,000円×2.8円=140,000円

机への配賦額280,000円といすへの配賦額140,000円の合計が製造間接費総額420,000円になることを確認しておいてください。

3.配賦基準が直接原価法の場合

製造間接費=420,000円
直接原価総額=200.000円+100,000円+300,000円+150,000円+50,000円+200,000円=1,000,000円

配賦率=420,000円÷1,000,000円=0.42円

配賦率が0.42円ということは直接原価1円あたりの製造間接費が0.42円ということです。

机への配賦額=(200,000円+100,000円+300,000円)×0.42円=252,000円
いすへの配賦額=(150,000円+50,000円+200,000円)×0.42円=168,000円

机への配賦額252,000円といすへの配賦額168,000円の合計が製造間接費総額420,000円になることを確認しておいてください。

4.配賦基準が直接作業時間法の場合

製造間接費=420,000円
直接作業時間合計=300時間+100時間=400時間

配賦率=420,000円÷400時間=1,050円

配賦率が1,050円ということは直接作業時間1時間あたりの製造間接費が1,050円ということです。

机への配賦額=300時間×1,050円=315,000円
いすへの配賦額=100時間×1,050円=105,000円

机への配賦額315,000円といすへの配賦額105,000円の合計が製造間接費総額420,000円になることを確認しておいてください。

5.配賦基準が機械運転時間法の場合

製造間接費=420,000円
機械運転時間合計=150時間+150時間=300時間

配賦率=420,000円÷300時間=1,400円

配賦率が1,400円ということは機械運転時間1時間あたりの製造間接費が1,400円ということです。

机への配賦額=150時間×1,400円=210,000円
いすへの配賦額=150時間×1,400円=210,000円

机への配賦額210,000円といすへの配賦額210,000円の合計が製造間接費総額420,000円になることを確認しておいてください。


5つの配賦基準を示しましたが、土台にある考え方は全て同じです。
計算式を覚えてはいけません。
どんな意味の数字を計算して求めているのかをきちんと理解しながら計算練習をすることが大切です

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製造間接費の実際配賦の配賦基準

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この記事には改訂版がございます。改訂版は製造間接費の実際配賦をご覧下さい。


製造間接費の実際配賦における配賦基準についてお伝えします。

製造間接費の実際配賦の配賦基準

製造間接費の配賦で配賦基準というものが出てきました。
この例では機械の電気代を配賦するときに機械の使用時間を配賦基準としました。
このようなものが配賦基準です。

製造間接費の実際額を配賦する場合の配賦基準にはいくつかの種類があります。

図でまとめると以下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-実際配賦の配賦基準

以下詳しく説明します。

金額法(価額法)

金額法(価額法)は製造直接費を配賦基準として使います。
直接材料費を配賦基準とする直接材料費法、直接労務費を配賦基準とする直接労務費法、直接費の合計額を配賦基準とする直接原価法(直接費法・素価法)の3つがあります。

直接材料費法

直接材料費の金額を配賦基準とする方法です。
次の計算式で配賦率を計算します。

配賦率=製造間接費総額÷直接材料費合計

この計算式では直接材料費1円あたりに製造間接費がいくらなのかが配賦率になります
直接材料費法を使うのは製造原価に占める直接材料費の割合が高い場合に使います。
高価な貴金属などを使ったアクセサリーなどがあてはまります。

配賦額=製品の直接材料費の金額×配賦率

上記で求めた配賦率にその製品の直接材料費をかけることで製造間接費の配賦額を計算します。

直接労務費法

直接労務費の金額を配賦基準とする方法です。
次の計算式で配賦率を計算します。

配賦率=製造間接費総額÷直接労務費合計

この計算式では直接労務費1円あたりに製造間接費がいくらなのかが配賦率になります
直接労務費法を使うのは製造原価に占める直接労務費の割合が高い場合に使います。
材料はそれほど効果ではないけど手が込んだアクセサリーなどがあれはまります。

配賦額=製品の直接労務費の金額×配賦率

上記で求めた配賦率にその製品の直接労務費をかけることで製造間接費の配賦額を計算します。

直接原価法(直接費法、素価法)

直接費の合計の金額を配賦基準とする方法です。
次の計算式で配賦率を計算します。

配賦率=製造間接費総額÷直接費合計

この計算式では直接費1円あたりに製造間接費がいくらなのかが配賦率になります

配賦額=製品の直接労務費の金額×配賦率

上記で求めた配賦率にその製品の直接費をかけることで製造間接費の配賦額を計算します。

時間法

時間法は製品の製造にかかった時間を配賦基準として使います。
工員の直接作業時間を配賦基準とする直接作業時間法と機械の運転時間を配賦基準とする機械運転時間法の2つがあります。

直接作業時間法

工員の直接作業時間を配賦基準とする方法です。
次の計算式で配賦率を計算します。

配賦率=製造間接費総額÷直接作業時間合計

この計算式では直接作業時間1時間あたりに製造間接費がいくらなのかが配賦率になります
直接作業時間法を使うのは工員の直接作業時間と製品原価の間に強い関連がある場合に使います。

配賦額=製品の直接作業時間×配賦率

上記で求めた配賦率にその製品の直接作業時間をかけることで製造間接費の配賦額を計算します。

機械運転時間法

機械の運転時間を配賦基準とする方法です。
次の計算式で配賦率を計算します。

配賦率=製造間接費総額÷機械運転時間合計

この計算式では機械の運転時間1時間あたりに製造間接費がいくらなのかが配賦率になります
機械運転時間法を使うのは機械の運転時間と製品原価の間に強い関連がある場合に使います。

配賦額=製品の機械運転時間×配賦率

上記で求めた配賦率にその製品の機械運転時間をかけることで製造間接費の配賦額を計算します。


さまざまな配賦基準をお伝えしましたが、土台にある考え方は全て同じです。
計算式を覚えるのではなく、何を計算しているのか考えながら学習することが大切です。

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製造間接費の配賦

簿記(TOP)>工業簿記2級>製造間接費の配賦


この記事には改訂版がございます。改訂版は製造間接費をご覧下さい。


製造間接費の配賦についてお伝えします。

勘定連絡図の確認

ここで、一度触れた勘定連絡図をもう一度確認しておきます。
材料費労務費経費を詳しく学習したので、勘定連絡図もそれに合わせて詳しくします。

勘定連絡図を詳しく書くと下のようになります。
暗記不要の簿記独学講座-勘定連絡図2

製造間接費の配賦

直接費はどの製品にどれだけ集計するのかが明らかなので、すぐに製品に賦課することができます。
しかし、製造間接費は一度製造間接費勘定に全ての間接費を集計し、一定の合理的な基準にしたがって配賦することになります。

製造間接費の配賦は、製造間接費を仕掛品に振り替えることで行います。

仕訳的には

(借)仕掛品 ×××/(貸)製造間接費 ×××

となります。

製造間接費の配賦の流れ

製造間接費の配賦は、

  1. 配賦率の算定
  2. 配賦額を計算

という流れで行います。

以下詳しく見ていきます。

1.配賦率の算定

配賦率は以下の計算式で求めます。

配賦率=製造間接費総額÷配賦基準数値合計

この式は見た目は難しそうですが、きちんと理解すればそうでもありません。
具体例で考えてみましょう。

シャツとズボンを作っている工場で、シャツとズボンを両方とも作っている機械の電気代を考えてみましょう。

1ヶ月の電気代が100,000円とします。
そして、合理的な配賦基準が機械の使用時間だとします。
機械の使用時間はシャツが600時間、ズボンが400時間だったとします。

この場合、製造間接費は100,000円、配賦基準数値合計は(600時間+400時間)=1,000時間となります。

配賦率=100,000円÷1,000時間=100円/時

となります。
配賦率は機械1時間あたりいくら電気代がかかったのかを表しています。

工業簿記全体にいえることですが、公式を暗記するのではなく、何を求めているのかを意識しながら計算練習することが重要です。

2.配賦額を計算

配賦額は以下の計算式で求めます。

配賦額=その製品の配賦基準数値×配賦率

この式も見た目は難しそうですが、きちんと理解すれば暗記する必要はありません。
上記の具体例の続きを考えてみましょう。

配賦率(1時間あたりの機械の電気代)は100円/時です。

シャツを作るのにこの機械を600時間動かしています。
配賦基準数値は600時間です。
よって、シャツに配賦される電気代の額は

600時間×100円/時=60,000円

となります。
これが配賦額になります。

また、ズボンを作るのにこの機械を400時間動かしています。
配賦基準数値は400時間です。
よって、ズボンに配賦される電気代の額は

400時間×100円/時=40,000円

となります。
これで製造間接費の配賦は終了です。


最後にシャツへの配賦額(60,000円)とズボンへの配賦額(40,000円)の合計が全体の電気代(100,000円)となっていることを確認しておいてください。

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