暗記不要の簿記独学講座【簿記革命】 -11ページ目

製造間接費が必要な理由

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この記事には改訂版がございます。改訂版は製造間接費をご覧下さい。


製造間接費が必要な理由についてお伝えします。

製造間接費とは

製造間接費は今までも何度も出てきました。

製造間接費はさまざまな製品についてまたがって発生しているため、特定の製品にいくらかかったのかを直接集計できない原価要素です。
間接材料費・間接労務費・間接経費は全て製造間接費に振り替えられます。
そして、何らかの基準を使って各製品に割り当てられます。
このようにして割り当てることを配賦といいます。

製造間接費はどの製品にどれくらい製造間接費を割り当てるのかを表す配賦率を求めることで配賦額を求めて配賦していきます
これまでは何となく配賦を行ってきましたが、この配賦を合理的に行うのが工業簿記では非常に重要です。
学習の中心になってきます。

製造間接費が必要な理由

例えば、洋服を作る工場を経営していて、その工場ではシャツとズボンを作成しているとします。
そこで、布代が合計で100,000円かかっていますが、布は直接集計できます。
シャツに40,000円、ズボンに60,000円だと判明しています。
このように直接集計できるのであれば製造間接費は必要ありません。

では、このシャツやズボンを作るのに必要な機械を動かす電気代はどうでしょうか。
この機械はシャツとズボン共通で使用しています。

この電気代は布代のように直接シャツにいくら、ズボンにいくらという形で集計できません。
そこで、合理的に割り当てる何らかの基準が必要になります。
この場合では機械を動かしている時間が最も合理的な配賦基準になりそうですが、このような形で合理的に配賦する必要があるのです。

このように数種類の製品を製造する場合には、製造間接費の配賦を合理的に行わないと製品原価の計算が不正確になってしまいます
正確な原価計算を行うためには製造間接費という勘定科目を使ってきちんと配賦を行う必要があるのです。


ちなみに直接費を製品に集計することを「賦課(直課)」、間接費を一定の基準(配賦基準)によって製品に割り当てることを「配賦」といいます。

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経費仕訳帳

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経費仕訳帳についてお伝えします。

経費仕訳帳

会計係は月末(原価計算期間の終わり)に経費を分類して経費仕訳帳を作成します。

費目内容製品との関連
外注加工費前月未払高300円、当月支払高800円、当月前払高100円全て直接費
旅費交通費前月未払高100円、当月支払高400円、当月未払高200円全て間接費
減価償却費年間予定費12,000円40%が直接費、50%が間接費、10%が一般管理費
保険料年額6,000円60%が間接費、40%が一般管理費
電気代当月支払高400円、当月測定高500円80%が間接費、20%が一般管理費
水道代当月支払高600円、当月測定高800円75%が間接費、25%が一般管理費

このような経費の明細から経費仕訳帳を作成すると下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-経費仕訳帳

直接経費は仕掛品の欄に、間接経費は製造間接費の欄に記入します

この経費仕訳帳の記入はやや難しいので、一つ一つ詳しくご説明します。

外注加工費

外注加工費がなぜ400円になるのかについてお伝えします。

外注加工費は「前月未払高300円」「当月支払高800円」「当月前払高100円」です。
この金額を仕訳を追いかけながら考えてみましょう。

前月月末に費用の見越しの仕訳である以下の仕訳を切っています。

(借)外注加工費 300/(貸)未払費用 300

この仕訳の再振替仕訳を当月月初に切っているので、仕訳は以下のようになります。

(借)未払費用 300/(貸)外注加工費 300

次に当期支払の仕訳を切ります。
当期の支払いに関する仕訳は、

(借)外注加工費 800/(貸)現金など 800

となります。
最後に当月末に費用の繰延べの仕訳を切ります。

(借)前払費用 100/(貸)外注加工費 100

となります。

これまでの外注加工費をT字勘定で表すと、下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-外注加工費のT字勘定


ここから外注加工費の当期消費高が400円になると考えられます。

当月消費高=当期支払高-当月前払高-前月未払高

という公式もありますが、この公式は覚えるものではありません。
当月の費用(当月消費高)になる金額をきちんと考えられるようにしておくことが重要です。

旅費交通費

旅費交通費がなぜ500円になるのかについてお伝えします。

外注加工費は「前月未払高100円」「当月支払高400円」「当月未払高200円」です。
この金額を仕訳を追いかけながら考えてみましょう。

前月月末に費用の見越しの仕訳である以下の仕訳を切っています。

(借)旅費交通費 100/(貸)未払費用 100

この仕訳の再振替仕訳を当月月初に切っているので、仕訳は以下のようになります。

(借)未払費用 100/(貸)旅費交通費 100

次に当期支払の仕訳を切ります。
当期の支払いに関する仕訳は、

(借)旅費交通費 400/(貸)現金など 400

となります。
最後に当月末に費用の見越しの仕訳を切ります。

(借)旅費交通費 200/(貸)未払費用 200

となります。

これまでの旅費交通費をT字勘定で表すと、下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-旅費交通費のT字勘定


ここから旅費交通費の当期消費高が500円になると考えられます。

当月消費高=当期支払高+当月未払高-前月未払高

という公式もありますが、この公式は覚えるものではありません。
当月の費用(当月消費高)になる金額をきちんと考えられるようにしておくことが重要です。

減価償却費

減価償却費は年間で12,000円です。
1ヶ月あたりの減価償却費は(12,000円÷12=)1,000円になります。

1,000円の40%が直接費、50%が間接費、10%が一般管理費なので、(1,000円×40%=)400円が仕掛品、(1,000円×50%=)500円が製造間接費、(1,000円×10%=)100円が販売費及び一般管理費となります。

保険料

保険料は年間で6,000円です。
1ヶ月あたりの減価償却費は(6,000円÷12=)500円になります。

500円の60%が間接費、40%が一般管理費なので、(500円×60%=)300円が製造間接費、(500円×40%=)200円が販売費及び一般管理費となります。

電気代

電気代は測定経費なので、当月支払高400円ではなく当月測定高500円が当月消費高になります。

500円の80%が間接費、20%が一般管理費なので、(500円×80%=)400円が製造間接費、(500円×20%=)100円が販売費及び一般管理費となります。

水道代

水道代は測定経費なので、当月支払高600円ではなく当月測定高800円が当月消費高になります。

800円の75%が間接費、25%が一般管理費なので、(800円×75%=)600円が製造間接費、(800円×25%=)200円が販売費及び一般管理費となります。

経費仕訳帳から切る仕訳

この経費仕訳帳から仕訳を切ると下のようになります。

(借)仕掛品 800/(貸)外注加工費 400
(借)製造間接費 2,300/(貸)旅費交通費 500
(借)販売費及び一般管理費600/(貸)減価償却費1,000
              /(貸)保険料 500
              /(貸)電気代 500
              /(貸)水道代 800

となります。
それぞれの経費(費用)の勘定科目を直接費は仕掛品、間接費は製造間接費、製品の製造と関係がない費用は販売費及び一般管理費に振り替えます。
これらの仕訳の借方が経費仕訳帳の最下段、仕訳の貸方が科目欄になっていることを確認しておいてください。

ちなみに、この仕訳は月末に一括して行います。

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経費の分類

簿記(TOP)>工業簿記2級>経費の分類


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経費の分類についてお伝えします。

経費の分類

経費は材料費労務費以外の原価要素です。
この経費の定義から分かるように、経費には「その他」という意味合いがあるため、細かいものを入れると非常に多くの種類になります。
今回はこの細かい経費を、その性質によっておおまかに4つに分けてお伝えします。

支払経費

外注加工費や旅費交通費のように、実際の支払高にもとづいて消費高が計算される経費を支払経費といいます。

支払経費は、毎月の支払額に未払分や前払分を調整することで対応する金額を計算します。
その計算によって求まった金額を消費高とします。

月割経費

減価償却費や保険料のように、一定期間を単位として発生する経費を月割経費といいます。
月割経費は1ヶ月分を計算して、それを消費高とします。

測定経費

電気代や水道代のように、計量器の測定高にもとづいて消費高が計算される経費を測定経費といいます。
原価計算期間に対応する測定高を消費高とします。

発生経費

棚卸減耗費などのように発生高にもとづいて消費高が計算される経費を発生経費といいます。

ちなみに経費に算入される棚卸減耗費は材料または仕掛品についてのもののみです。
製品に関する棚卸減耗費は商業簿記のように売上原価の内訳科目にするか販売費および一般管理費として処理します。

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「直接工の賃金」以外の労務費

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「直接工の賃金」以外の労務費についてお伝えします。

「直接工の賃金」以外の労務費

「直接工の賃金」以外の労務費は全て間接労務費になります。
「直接工の賃金」以外の労務費について一つずつ見ていきましょう。

間接工の賃金と給料

直接製品の加工を行わずに、製品を製造する補助的な作業を行う工員のことを間接工といいます。
間接工の場合には、直接工のように「直接作業時間」と「直接作業時間以外」に分けて考える必要はありません。
直接作業時間がないからです。

というわけで間接工の賃金消費額の計算は、原価計算期間と給与計算期間のズレを調整するだけで求めることができます。

賃金消費高=実際支払高+当月未払高-前月未払高

だけで間接工の賃金消費額は計算できるということです。

従業員賞与手当

工場の従業員に支払われる賞与(ボーナス)は、期首にその年の支払額を予定し、それを12で割った月割額を毎月末に製造間接費として計上します。
実際支払額との間に差額が生じた場合は、決算日に売上原価勘定に振り替えます。

また、通勤手当や住宅手当などの諸手当は、毎月の賃金・給料と一緒に支払われます。
これらの諸手当は直接作業に関係がないため、支払われた月の製造間接費として計上します。

法定福利費

工場の従業員の健康保険料や雇用保険料などのうち企業が負担する分を法定福利費といいますが、これらも直接作業に関係がないため製造間接費として計上します。

退職給付引当金繰入

工場の従業員に支払われる退職給付引当金繰入は、期首にその期間の繰入額を予定し、それを12で割った月割額を毎月末に製造間接費として計上します。


このように、「直接工の賃金」以外の労務費は全て間接労務費になります。

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原価計算期間と給与計算期間のズレの調整の取引と仕訳(未払賃金勘定を使用しない場合)

簿記(TOP)>工業簿記2級>原価計算期間と給与計算期間のズレの調整…


この記事には改訂版がございます。改訂版は原価計算期間と給与計算期間のズレの調整の取引と仕訳をご覧下さい。


原価計算期間と給与計算期間のズレの調整の取引と仕訳(未払賃金勘定を使用しない場合)についてお伝えします。
下の取引と仕訳は前提として「給与計算期間:前月21日から当月20日まで、毎月25日に支給」だと考えます。

未払賃金の再振替

「前月の賃金未払高が20,000円ある(未払賃金勘定を使用する)」場合の仕訳について考えてみましょう。

これは商業簿記で学習した費用の見越しにおける再振替仕訳と同じ考え方です。
しかし、この例では未払賃金勘定は使いません。

未払賃金勘定を使わないということは費用の見越し計上も行わないということになります。
よって再振替仕訳もありません。

仕訳なし

となります。

賃金の支払い

「当月の賃金200,000円を現金で支払った」場合の仕訳について考えてみましょう。

現金で200,000円分支払っているので『(貸)現金200,000』となります。
また、賃金を200,000円分支払っているので『(借)賃金200,000』となります。

まとめると、

(借)賃金 200,000/(貸)現金 200,000

となります。
これは未払賃金勘定を使用する場合と同じです。

未払賃金の計上

「当月の賃金未払高が40,000円ある(未払賃金勘定を使用する)」場合の仕訳について考えてみましょう。

これは商業簿記で学習した費用の見越しと同じ考え方です。
しかし、この例では未払賃金勘定は使いません。

未払賃金勘定を使わないということは費用の見越し計上も行わないということになります。

よって

仕訳なし

となります。

賃金の消費

「当月消費額のうち75%が直接労務費、25%が間接労務費だった」場合の取引と仕訳について考えてみましょう。

まずは当月消費額を確定します。
前月未払高(前月21日から前月末まで)が20,000円、当月支払高(前月21日から当月20日まで)が200,000円、当月未払高(当月21日から当月末まで)が40,000円です。
当月消費高(当月1日から当月末まで)を求めるためには当月支払高に当月未払高を足して前月未払高を引かなければなりません。

この計算を行うと、当月消費高は(200,000円+40,000円-20,000円=)220,000円となります(賃金の勘定残高と同じになります)。
この当月消費高が振り替えられるので、『(貸)賃金220,000』となります。

次は借方です。
当月消費高である220,000円の75%が直接労務費なので、『(借)仕掛品165,000』となります。
直接労務費は仕掛品勘定に振り替えます。
金額は(220,000円×75%=)165,000円で求めます。

また、当月消費高である220,000円の25%が間接労務費なので、『(借)製造間接費55,000』となります。
間接労務費は製造間接費勘定に振り替えます。
金額は(220,000円×25%=)55,000円で求めます。

まとめると、

(借)仕掛品   165,000/(貸)賃金 220,000
(借)製造間接費 55,000

となります。
これは未払賃金勘定を使用する場合と同じです。
未払賃金勘定を使用しない場合は、費用の見越しを未払賃金勘定ではなく賃金勘定で行っていると考えると分かりやすいと思います。



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原価計算期間と給与計算期間のズレの調整の取引と仕訳(未払賃金勘定を使用する場合)

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原価計算期間と給与計算期間のズレの調整の取引と仕訳(未払賃金勘定を使用する場合)についてお伝えします。
下の取引と仕訳は前提として「給与計算期間:前月21日から当月20日まで、毎月25日に支給」だと考えます。

未払賃金の再振替

「前月の賃金未払高が20,000円ある(未払賃金勘定を使用する)」場合の仕訳について考えてみましょう。

これは商業簿記で学習した費用の見越しにおける再振替仕訳と同じ考え方です。
原価計算期間は1ヶ月なので、費用の見越し計上も毎月行います。

では仕訳について考えていきます。
前月末に20,000円を賃金の見越し計上しています。
この仕訳は、

(借)賃金 20,000/(貸)未払賃金 20,000

となっているはずです。
この仕訳の再振替仕訳を行います。
よって、

(借)未払賃金 20,000/(貸)賃金 20,000

となります。

賃金の支払い

「当月の賃金200,000円を現金で支払った」場合の仕訳について考えてみましょう。

現金で200,000円分支払っているので『(貸)現金200,000』となります。
また、賃金を200,000円分支払っているので『(借)賃金200,000』となります。

まとめると、

(借)賃金 200,000/(貸)現金 200,000

となります。

未払賃金の計上

「当月の賃金未払高が40,000円ある(未払賃金勘定を使用する)」場合の仕訳について考えてみましょう。

これは商業簿記で学習した費用の見越しと同じ考え方です。

(借)賃金 40,000/(貸)未払賃金 40,000

となります。

賃金の消費

「当月消費額のうち75%が直接労務費、25%が間接労務費だった」場合の取引と仕訳について考えてみましょう。

まずは当月消費額を確定します。
前月未払高(前月21日から前月末まで)が20,000円、当月支払高(前月21日から当月20日まで)が200,000円、当月未払高(当月21日から当月末まで)が40,000円です。
当月消費高(当月1日から当月末まで)を求めるためには当月支払高に当月未払高を足して前月未払高を引かなければなりません。

この計算を行うと、当月消費高は(200,000円+40,000円-20,000円=)220,000円となります(賃金の勘定残高と同じになります)。
この当月消費高が振り替えられるので、『(貸)賃金220,000』となります。

ちなみに、賃金勘定をT字勘定で表すと下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-賃金のT字勘定

このT字勘定と仕訳と上の計算の関係をしっかりと身につけておいてください。

では借方にいきましょう。
当月消費高である220,000円の75%が直接労務費なので、『(借)仕掛品165,000』となります。
直接労務費は仕掛品勘定に振り替えます。
金額は(220,000円×75%=)165,000円で求めます。

また、当月消費高である220,000円の25%が間接労務費なので、『(借)製造間接費55,000』となります。
間接労務費は製造間接費勘定に振り替えます。
金額は(220,000円×25%=)55,000円で求めます。

まとめると、

(借)仕掛品   165,000/(貸)賃金 220,000
(借)製造間接費 55,000

となります。

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原価計算期間と給与計算期間のズレ

簿記(TOP)>工業簿記2級>原価計算期間と給与計算期間のズレ


この記事には改訂版がございます。改訂版は原価計算期間と給与計算期間のズレの調整の取引と仕訳をご覧下さい。


原価計算期間と給与計算期間についてお伝えします。

原価計算期間と給与計算期間のズレ

これまでは労務費を「賃金消費額」=「賃金支払額」と考えてきました。
しかし、現実はこのようにはなりません。

原価計算期間は、通常は1ヶ月で、1日から月末までの1ヶ月です。
よって、労務費の計算をする場合もこの範囲の金額を計算することになります。

それに対して給与計算期間は、通常は前月の21日から当月の20日までの1ヶ月です。
よって、賃金支払額と賃金消費額にもズレが出てきてしまうのです。

このズレを図で示すと下のようになります。

暗記不要の簿記独学講座-給与計算期間と原価計算期間


1の部分と2の部分がズレています。

原価計算期間と給与計算期間のズレの調整

原価計算期間と給与計算期間のズレを調整するためには給与計算期間の金額(賃金支払高)に2を足して1を引かなければなりません。
この調整を公式として示すと下のようになります。

賃金消費高=実際支払高+当月未払高-前月未払高

1が前月未払高、2が当月未払高ということになります。

原価計算を正確に行うためには、このズレを調整する必要が出てくるのです。
このズレを調整する方法には未払賃金勘定を使用する方法と未払賃金勘定を使用しない方法の2つの方法があります。

なお、仕訳の考え方については簿記3級で出てきた費用の見越しと同じです。
ちなみに、未払賃金勘定を使用しない方法は費用の見越しの簡便的な方法です。

ちなみに、どちらの方法を用いるのかは問題文に指示通常はありますが、もしなければ未払賃金勘定のあるなしで判断します。

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賃率差異における勘定記入の取引と仕訳

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賃率差異における勘定記入の取引と仕訳についてお伝えします。

賃金の支払い

「当月の賃金200,000円を現金で支払った」場合の仕訳について考えてみましょう。

現金で200,000円支払っているので、『(貸)現金200,000』となります。
賃金200,000円を支払っているので、『(借)賃金200,000』となります。

まとめると、

(借)賃金 200,000/(貸)現金 200,000

となります。
ここまでは実際消費賃率を使用する場合と変わりません。

作業時間報告書の明細

「作業時間報告書を見ると、製品1に対して400hr、製品2に対して300hr、製品3に対して250hr、不明なものが50hrだった。なお、予定消費賃率は1時間あたり190円だった(当社は予定賃率によって労務費を計算している)。」場合の仕訳について考えてみましょう。

1時間あたり190円の予定消費賃率で総就業時間が(400hr+300hr+250hr+50hr=)1,000hrなので、振り替えられる賃金は(190円×1,000hr=)190,000円となります(hrとはhourのことで時間を表します)。
よって『(貸)賃金190,000』となります。

次は借方です。
特定の製品に対して直接作業されている時間(直接作業時間)は(400hr+300hr+250hr=)950hrなので、(190円/時×950hr=)180,500円が直接労務費になります。
直接労務費は仕掛品勘定に振り替えるので『(借)仕掛品180,500』となります。

また、不特定の製品に対して作業された時間は50hrなので、(190円/時×50hr=)9,500円が間接労務費になります。
間接労務費は製造間接費に振り替えるので『(借)製造間接費9,500』となります。

まとめると、

(借)仕掛品  180,500/(貸)賃金 190,000
(借)製造間接費 9,500

となります。

次は賃率差異です。
実際に支払われた賃金が200,000円、予定価格により振り替えられた賃金が190,000円なので、借方に賃金が10,000円多くなっています。
この賃金を賃率差異に振り替えるので、

(借)賃率差異 10,000/(貸)賃金 10,000

となります。
賃率差異についても差異の考え方と名称と同じように考えます。

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賃率差異

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賃率差異についてお伝えします。

賃率差異

消費賃率に予定消費賃率を使用する場合には、実際額との差額が生じます。
これを賃率差異といいます。

考え方は材料消費価格差異と同じです。
材料消費価格差異の場合は消費材料という勘定科目を使う方法消費材料という勘定科目を使わない方法がありましたが、賃率差異の場合は「消費賃金」という勘定科目を使うことがありません。
よって、消費材料を使う方法での考え方は賃率差異では出てきません。

消費材料を使わない方法での考え方のみを使っていくことになります。

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予定消費賃率

簿記(TOP)>工業簿記2級>予定消費賃率


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予定消費賃率についてお伝えします。

予定消費賃率

これまでは実際消費賃率を利用してきましたが、予定消費賃率を使う場合もあります。

実際消費賃率=(実際基本給+実際加給金)÷実際総就業時間
予定消費賃率=(予定基本給+予定加給金)÷予定総就業時間

それぞれの消費賃率は以上のようになります。
ちなみに実際数値とは製品の製造を行った後に集計される数値で、予定数値とは製品の製造を行う前に集計される数値です。

実際消費賃率の欠点と予定消費賃率の方が好ましい理由は材料費のところで出てきた予定価格法と同じです。

予定消費賃率では総就業時間も予定である理由

予定価格法による材料消費高は実際消費量×予定価格で求めます。
しかし、予定消費賃率は(予定基本給+予定加給金)÷予定総就業時間で求めます。

なぜ材料の場合は消費量は実際の消費量なのに、労務費の場合は総就業時間は予定の総就業時間なのでしょうか。

それは原価法の欠点を補うために必要な以下の2つの条件にあります。

  • 早く消費賃率をつかむ
  • 消費賃率を一定にする

これら2つが満たせなければ予定消費賃率を取り入れる意味がありません。

材料の場合は、実際消費量は消費したときにすぐに分かるため、単価さえあらかじめ予定しておけば消費と同時に材料消費高を計算することができます。
それに対して労務費の場合は、基本給と加給金だけ予定していても総就業時間が予定されていなければ、給与計算期間が終わるまで予定消費賃率を計算することができません。
早く消費賃率をつかめないのです。
そのため予定消費賃率を求める計算式は基本給や加給金だけでなく総就業時間までも予定になっているのです。

ちなみに、実際消費賃率は実際賃率、予定消費賃率は予定賃率という場合が多いです。

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