部門別計算とは…
この記事には改訂版がございます。改訂版は部門別計算をご覧下さい。
部門別計算についてお伝えします。
部門別計算とは…
製造工程がいくつかの部門に分かれている場合に行う計算が部門別計算です。
いきなり工場の製造工程で考えるのはイメージしずらいので、最初は料理でイメージしてみましょう。
通常、家庭での料理には部門はありません。
同じ場所で同じ人が食材を切ったり焼いたり盛り付けたりします。
このような作業の仕方についての原価計算が今まで学習してきた工業簿記になります。
それに対してレストランや弁当屋などでは、このような料理の仕方は行いません。
- 食材を切る部門
- 切られた食材を炒めたり焼いたりする部門
- 調理された料理を盛り付ける部門
といったように、いくつかの部門に分かれて、それぞれの場所でそれぞれの人が作業を行います。
このような作業の仕方で製造されている場合、これから学習する部門別計算が採用されることになります。
規模の大きい工場では、このように製品の製造を行う部門や製造を補助する部門など、いくつかに部門が分かれています。
このような場合には原価要素を部門別に計算します。
このように計算することを部門別計算といいます。
部門別計算は、費目別計算が行われたあとに行われます。
- 費目別計算
- 部門別計算
- 製品別計算
という手順で行います。
ちなみに、規模が小さい工場では、2の部門別計算がないので、
- 費目別計算
- 製品別計算
という手順になります。
メルマガ登録フォーム
簿記革命メルマガ「簿記革命通信~簿記1級にラクラク合格する方法~」の登録はリンクをクリックしてください。製造間接費元帳の具体例
この記事には改訂版がございます。改訂版は製造間接費元帳をご覧下さい。
製造間接費元帳について具体例を使ってお伝えします。
減価償却費を間接費として計上
「工場の減価償却費の月割額200,000円を製造間接費として計上する」場合の仕訳について考えてみましょう。
減価償却費として200,000円を計上するので、減価償却費の仕訳より
(借)減価償却費200,000/(貸)減価償却累計額200,000
となります(何も指示がない場合は間接法で記帳します)。
商業簿記ならこの仕訳で終了ですが、工業簿記ではこのままではいけません。
このままでは減価償却費という費用が製造原価に参入されないため、正確な製造原価が計算できなくなってしまいます。
減価償却費を製造原価として考えるためには、この減価償却費を製造間接費に振り替えなければなりません。
よって、
(借)製造間接費200,000/(貸)減価償却費200,000
という仕訳を重ねて切る必要があります。
2つの仕訳をまとめると、
(借)製造間接費200,000/(貸)減価償却累計額200,000
となります。
工場の賃料を間接費として計上
「工場の賃料の当月分は300,000円をであり、請求書が送られてきたので間接費として計上する。なお、現時点では未払いである。」場合の仕訳について考えてみましょう。
賃料として300,000円を計上するので、『(借)支払家賃300,000』となります。
また、未払いなので『(貸)未払金300,000』となります。
まとめると、
(借)支払家賃 300,000/(貸)未払金 300,000
となります。
商業簿記ならこの仕訳で終了ですが、工業簿記ではこのままではいけません。
このままでは支払家賃という費用が製造原価に参入されないため、正確な製造原価が計算できなくなってしまいます。
支払家賃を製造原価として考えるためには、この支払家賃を製造間接費に振り替えなければなりません。
よって、
(借)製造間接費 300,000/(貸)支払家賃 300,000
という仕訳を重ねて切る必要があります。
2つの仕訳をまとめると、
(借)製造間接費 300,000/(貸)未払金 300,000
となります。
工場の賃料を間接費として計上
「工場の賃料の当月分は300,000円をであり、請求書が送られてきたので間接費として計上する。なお、現時点では未払いである。」場合の仕訳について考えてみましょう。
賃料として300,000円を計上するので、『(借)支払家賃300,000』となります。
また、未払いなので『(貸)未払金300,000』となります。
まとめると、
(借)支払家賃 300,000/(貸)未払金 300,000
となります。
商業簿記ならこの仕訳で終了ですが、工業簿記ではこのままではいけません。
このままでは支払家賃という費用が製造原価に参入されないため、正確な製造原価が計算できなくなってしまいます。
支払家賃を製造原価として考えるためには、この支払家賃を製造間接費に振り替えなければなりません。
よって、
(借)製造間接費 300,000/(貸)支払家賃 300,000
という仕訳を重ねて切る必要があります。
2つの仕訳をまとめると、
(借)製造間接費 300,000/(貸)未払金 300,000
となります。
修繕費を間接費として計上
「当年度の工場の機械の修繕費が1,200,000円と予定されるので、この12分の1である100,000円を当月分の間接費として修繕引当金を計上する」場合の仕訳について考えてみましょう。
修繕費として100,000円を計上するので、『(借)修繕費100,000』となります。
また、修繕引当金を計上するので『(貸)修繕引当金100,000』となります。
まとめると、
(借)修繕費 100,000/(貸)修繕引当金 100,000
となります。
商業簿記ならこの仕訳で終了ですが、工業簿記ではこのままではいけません。
このままでは修繕費という費用が製造原価に参入されないため、正確な製造原価が計算できなくなってしまいます。
修繕費を製造原価として考えるためには、この修繕費を製造間接費に振り替えなければなりません。
よって、
(借)製造間接費 100,000/(貸)修繕費 100,000
という仕訳を重ねて切る必要があります。
2つの仕訳をまとめると、
(借)製造間接費 100,000/(貸)修繕引当金 100,000
となります。
製造間接費元帳と製造間接費のT字勘定
製造間接費元帳と製造間接費のT字勘定は下のようになります。
製造間接費元帳の借方の合計額が製造間接費のT字勘定の借方の合計額と同じになることを確認しておいてください。
メルマガ登録フォーム
簿記革命メルマガ「簿記革命通信~簿記1級にラクラク合格する方法~」の登録はリンクをクリックしてください。製造間接費元帳
この記事には改訂版がございます。改訂版は製造間接費元帳をご覧下さい。
製造間接費元帳についてお伝えします。
製造間接費元帳
製造間接費元帳は製造間接費勘定の内訳を記録するための補助元帳です。
製造間接費元帳には、減価償却費や工場消耗品費など製造間接費に関する全ての勘定が作られ、発生額が記録されます。
よって、製造間接費勘定の借方の合計と製造間接費元帳全ての勘定の借方の合計は一致します。
製造間接費元帳を作成する目的
製造間接費元帳を作成する目的は3つあります。
- 製造間接費の内訳を記録する(本来の目的)
- 製造間接費の予定額と実際額の比較をしやすくする
- 将来の製造間接費予算額の参考にする
以下、詳しくご説明します。
製造間接費の内訳を記録する
製造間接費元帳に限らず、補助元帳はその勘定科目の内訳を記録するために行われます。
簿記3級で学習した売掛金元帳や買掛金元帳と同じです。
製造間接費全体の金額を把握するだけでは減価償却費や工場消耗品費などの製造間接費の内訳がどのようになっているのかが分かりません。
製造間接費の内訳を記録するために製造間接費元帳を作成します。
製造間接費の予定額と実際額の比較をしやすくする
製造間接費は過去の実績から、ある程度金額が予想できます。
「減価償却費はこれくらいだろう」「工場消耗品費はこれくらいだろう」といった感じである程度予想できるのです。
この予想できた金額と実際に発生した金額が大きく違う場合には、何か原因があります。
この原因を分析することで原価管理をスムーズに行うことができます。
もし製造間接費元帳を作成していなかったら、製造間接費全体の予定配賦額と実際発生額の違いが差異分析から分かっても、具体的にどのような製造間接費が原因で差異が発生したのかが簡単には分かりません。
また、減価償却費で20,000円の有利差異、工場消耗品費で20,000円の不利差異といったように金額が同じで逆の差異が発生した場合、製造間接費全体の差異分析では埋もれてしまいます。
このような差異もきちんと原価管理するためには製造間接費元帳をきちんと作成しておく必要があります。
将来の製造間接費予算額の参考にする
製造間接費の予定配賦を行うためには予算を作成しなければなりません。
予算額と基準操業度が設定できてはじめて予定配賦を行うことができます。
この予算額を設定するために製造間接費元帳を作成します。
過去の製造間接費元帳の金額から、それぞれの勘定がいくらになりそうかの参考にするのです。
このような目的から製造間接費元帳を作成します。
メルマガ登録フォーム
簿記革命メルマガ「簿記革命通信~簿記1級にラクラク合格する方法~」の登録はリンクをクリックしてください。製造間接費の予定配賦の仕訳と勘定連絡図の具体例
簿記(TOP)>工業簿記2級>製造間接費の予定配賦の仕訳と勘定連絡図の具体例
この記事には改訂版がございます。改訂版は製造間接費の予定配賦の仕訳と勘定連絡図をご覧下さい。
製造間接費の予定配賦の仕訳と勘定連絡図について具体例を使ってお伝えします。
資料
- 製造間接費実際発生額
- 間接材料費…300,000円
- 間接労務費…400,000円
- 間接経費…200,000円
- 製造間接費予定配賦額…800,000円
製造間接費の予定配賦
「上の資料をもとに製造間接費の予定配賦を行った」場合の仕訳について考えてみましょう。
予定配賦を行っているので、金額は製造間接費予定配賦額の800,000円を使います。
この800,000円を配賦するので、製造間接費勘定から仕掛品勘定に振り替えます。
よって、
(借)仕掛品 800,000/(貸)製造間接費 800,000
となります。
製造間接費の実際配賦額の判明
「製造間接費の実際配賦額が上の資料の金額だと判明した」場合の仕訳について考えてみましょう。
実際配賦額が「間接材料費が300,000円」「間接労務費が400,000円」「間接経費が200,000円」だと分かりました。
実際配賦額が分かったら、それぞれの費目の勘定科目から製造間接費勘定に振り替えます。
間接材料費300,000円を製造間接費に振り替えるので、
(借)製造間接費 300,000/(貸)間接材料費 300,000
間接労務費400,000円を製造間接費に振り替えるので、
(借)製造間接費 400,000/(貸)間接労務費 400,000
間接経費200,000円を製造間接費に振り替えるので、
(借)製造間接費 200,000/(貸)間接経費 200,000
となります。
これら3つの仕訳をまとめると、
(借)製造間接費 900,000/(貸)間接材料費 300,000
/(貸)間接労務費 400,000
/(貸)間接経費 200,000
となります。
原価差異の振替
「実際発生額と予定配賦額の差額を製造間接費配賦差異として把握する」場合の仕訳について考えてみましょう。
製造間接費実際発生額は900,000円の借方残高、製造間接費予定配賦額は800,000円の貸方残高となっています。
よって、製造間接費の勘定は借方が(900,000円-800,000円=)100,000円多くなっています。
この借方の100,000円を製造間接費勘定から製造間接費配賦差異勘定に振り替えます。
よって、
(借)製造間接費配賦差異100,000/(貸)製造間接費100,000
となります。
なお、この例題では基準操業度や実際操業度が示されていないので、予算差異と操業度差異の分析は要求されていません。
勘定連絡図
これらの一連の仕訳についての勘定連絡図は下のようになります。
仕訳との関係をきちんと理解しておくことが大切です。
メルマガ登録フォーム
簿記革命メルマガ「簿記革命通信~簿記1級にラクラク合格する方法~」の登録はリンクをクリックしてください。製造間接費の予定配賦の仕訳と勘定連絡図
簿記(TOP)>工業簿記2級>製造間接費の予定配賦の仕訳と勘定連絡図
この記事には改訂版がございます。改訂版は製造間接費の予定配賦の仕訳と勘定連絡図をご覧下さい。
製造間接費の実際配賦については製造間接費の配賦でお伝えしました。
今回は製造間接費の予定配賦の仕訳と勘定連絡図についてお伝えします。
製造間接費の予定配賦の仕訳と勘定連絡図
製造間接費の予定配賦を行う目的の一つは「計算を速く行うため」でした(詳しくは製造間接費の予定配賦をご覧ください)。
計算を速く行うために、予定配賦では「材料」「労務費」「経費」といった費目別の勘定科目から金額が流れてくる前に製造間接費を仕掛品に配賦します。
そして、実際配賦額が「材料」「労務費」「経費」といった費目別の勘定科目から流れてきたときに製造間接費配賦差異を認識して仕訳を切ります。
- 製造間接費を仕掛品に振替(予定配賦額)
- 材料・労務費・経費を製造間接費に振替(実際発生額)
- 製造間接費の貸借差額(予定配賦額と実際発生額の差額)を製造間接費配賦差異に振替
という流れで仕訳と勘定記入を行うことになります。
仕訳は下のようになります。
- (借)仕掛品 ×××/(貸)製造間接費 ×××
- (借)製造間接費 ×××/(貸)材料 ×××
/(貸)労務費 ×××
/(貸)経費 ××× - 有利差異の場合
(借)製造間接費×××/(貸)製造間接費配賦差異×××
不利差異の場合
(借)製造間接費配賦差異×××/(貸)製造間接費×××
また、この流れをT字勘定で表すと下のようになります。
この例は製造間接費の実際発生額が予定配賦額よりも大きい例です。
この場合、差異は借方に発生します(不利差異=借方差異)。
もし実際発生額が予定配賦額よりも小さければ有利差異となり、貸方に差異が発生します。
実際配賦に比べるとやや複雑ですが、予定配賦における勘定連絡図の流れもきちんと理解しておいてください。
メルマガ登録フォーム
簿記革命メルマガ「簿記革命通信~簿記1級にラクラク合格する方法~」の登録はリンクをクリックしてください。予算差異と操業度差異の具体例
この記事には改訂版がございます。改訂版は製造間接費配賦差異をご覧下さい。
予算差異と操業度差異について具体例を使ってお伝えします。
例題
- 製造間接費予算(公式法変動予算)
- 変動費率:500円/時
- 固定費予算(月間):4,000,000円
- 基準操業度(月間):2,500時間
- 配賦基準数値:直接作業時間
- 当月の実績
- 当月実際作業時間:2,300時間
- 製造間接費実際発生額:6,000,000円
これらの資料を元に、「予定配賦率」「予定配賦額」「予算差異」「操業度差異」を求めてみましょう。
シュラッター図の作成
資料からシュラッター図を作成します。
作成の流れは以下のようになります。
1.シュラッター図のひな形を描く
シュラッター図のひな形を描きます。
予算差異や操業度差異が有利差異なのか不利差異なのかを考える必要は特にありません。
ひな形を作成すると下のようになります。
2.計算の必要がない数値をまず記入する
「変動費率」「固定費予算」「基準操業度」「当月実際作業時間」「製造間接費実際発生額」は計算の必要はありません。
これらの数値をまず記入します。
3.固定費率を計算して記入する
予定配賦率は変動費率と固定比率の合計です。
よって、予定配賦率を求めるためには固定比率を求める必要があります。
固定比率は固定費予算(月間)を基準操業度(月間)で割って求めます。
4,000,000円÷2,500時間=1,600円/時
となります。
この固定費率を記入します。
また、この時点で予定配賦率が(500円/時+1,600円/時=)2,100円/時と求まります。
4.予定配賦額を計算して記入する
予定配賦額は予定配賦率に実際操業度をかけて求めます。
2.100円/時×2,300時間=4,830,000円
となります。
この予定配賦額を記入します。
また、実際操業度における変動費予算と実際操業度における固定費予算も求めておきましょう。
- 実際操業度における変動費予算=変動費率500円/時×実際操業度2,300時間=1,150,000円
- 実際操業度における固定費予算=固定費率1,600円/時×実際操業度2,300時間=3,680,000円
5.操業度差異を求める
操業度差異は固定費予算から実際操業度における固定費予算を引くことで求めます。
固定費予算4,000,000円-実際操業度における固定費予算3,680,000円=320,000円
となります。
操業度差異は実際操業度と基準操業度の違いから発生するもので、実際操業度が基準操業度よりも小さいと不利差異、大きいと有利差異となります。
不利差異なのか有利差異なのかの判断は図からではなく、実際操業度と基準操業度の大小関係から考えると分かりやすいです。
この例の場合、実際操業度は2,300時間、基準操業度は2,500時です。
実際操業度の方が基準操業度よりも200時間小さいので不利差異となります。
6.予算差異を求める
予算差異は実際発生額から固定費予算と実際操業度における変動費予算を引くことで求めます。
実際発生額6,000,000円-固定費予算4,000,000円-実際操業度における変動費予算1,150,000円=850,000円
となります。
予算差異は製造時における無駄が原因で発生するものです。
よって、実際発生額が固定費予算と実際操業度における変動費予算の合計額よりも大きければ不利差異、小さければ有利差異となります。
この例の場合、実際発生額が6,000,000円、固定費予算と実際操業度における変動費予算の合計額が5,150,000円なので不利差異となります。
それぞれの計算式は一応公式として挙げていますが、シュラッター図から感覚的に求められるようにしておきましょう。
また、製造間接費配賦額に予算差異と操業度差異を加えた金額が製造間接費実際発生額となっていることも確認しておいてください。
解答
- 予定配賦率:2,100円/時
- 予定配賦額:4,830,000円
- 予算差異:850,000円(不利差異)
- 操業度差異:320,000円(不利差異)
予算差異と操業度差異は必ず有利差異なのか不利差異なのかも書かなければなりません。
金額が分かっても有利差異なのか不利差異なのかが分からなければ何の意味もないからです。
メルマガ登録フォーム
簿記革命メルマガ「簿記革命通信~簿記1級にラクラク合格する方法~」の登録はリンクをクリックしてください。予算差異と操業度差異とシュラッター図のまとめ
簿記(TOP)>工業簿記2級>予算差異と操業度差異とシュラッター図のまとめ
この記事には改訂版がございます。改訂版は製造間接費配賦差異をご覧下さい。
予算差異と操業度差異とシュラッター図についてまとめておきます。
予算差異と操業度差異とシュラッター図のまとめ
予算差異と操業度差異がシュラッター図においてどの位置になるのかまとめると以下のようになります。
また、製造間接費の予定配賦の計算手順でお伝えした予定配賦率と予定配賦額の計算式は以下の2つです。
- 予定配賦率=(一定期間の製造間接費予算額)÷(同期間の予定配賦基準数値合計)
- 予定配賦額=予定配賦率×製品ごとの実際配賦基準数値
この2つの式がシュラッター図の中でそれぞれどこを表しているのかも記入すると以下のようになります。
公式とシュラッター図の関係をしっかりと理解しておくことが重要です。
メルマガ登録フォーム
簿記革命メルマガ「簿記革命通信~簿記1級にラクラク合格する方法~」の登録はリンクをクリックしてください。操業度差異のシュラッター図による考え方
簿記(TOP)>工業簿記2級>操業度差異のシュラッター図による考え方
この記事には改訂版がございます。改訂版は製造間接費配賦差異をご覧下さい。
操業度差異のシュラッター図による考え方についてお伝えします。
操業度差異のシュラッター図による考え方
まずはシュラッター図を描きながらそれぞれの場所が何を意味しているのかを考えていきましょう。
公式法変動予算が簿記検定では圧倒的に多く出題されるので、これからは公式法変動予算のみ取り扱っていきます。
公式法変動予算におけるシュラッター図

まずはここまでシュラッター図を描きます。
ここまでは製造間接費予算でお伝えした内容と同じです。
このシュラッター図に実際操業度における製造間接費の実際発生額を書き込むと下のようなシュラッター図になります(便宜上、実際発生額は大きめに、実際操業度は基準操業度よりも小さくなるように設定しています)。
ここまでは予算差異のシュラッター図による考え方と同じです。
操業度差異では固定比率というものを考えます。
固定比率というのは固定費予算額を基準操業度で割ったもので、操業度1時間あたりの固定費予算額になります。
固定比率を図に書き込むと下のようになります。
この図の1の部分の意味を考えてみましょう。
この部分の金額は、実際の操業度における固定費予算です。
実際の操業度における変動費予算部分と合わせると、製造間接費配賦額となります。
製造間接費の予定配賦の計算手順でお伝えした予定配賦率と予定配賦額について、
- 予定配賦率が変動比率と固定比率の合計になっているということ
- 予定配賦額が製造間接費配賦額部分の金額になっているということ
を公式と見比べて確認しておいてください。
では、次は上の図の2の部分の意味を考えてみましょう。
この金額は(固定費予算額-実際操業度における固定費予算)を意味します。
もし実際操業度と基準操業度が同じであれば、2の部分は0になります。
つまり、この2の部分の金額は実際の操業度が基準操業度に足りていないから発生した差異だと考えられます。
よって、この2の金額が操業度差異ということになります。
操業度差異=(実際操業度-基準操業度)×固定比率
という操業度差異を求める公式と下の図の関係をしっかりと理解しておいてください。
ちなみに、2つの固定比率は平行線の錯角にあたるため図形的に等しくなります。
また、公式では「実際操業度-基準操業度」、図では「基準操業度-実際操業度」というように引く数と引かれる数が逆になっています。
引く数と引かれる数が逆になることでプラスマイナスが逆になりますが、数の大きさ(絶対値)は変わりません。
メルマガ登録フォーム
簿記革命メルマガ「簿記革命通信~簿記1級にラクラク合格する方法~」の登録はリンクをクリックしてください。予算差異のシュラッター図による考え方
簿記(TOP)>工業簿記2級>予算差異のシュラッター図による考え方
この記事には改訂版がございます。改訂版は製造間接費配賦差異をご覧下さい。
予算差異のシュラッター図による考え方についてお伝えします。
予算差異のシュラッター図による考え方
まずはシュラッター図を描きながらそれぞれの場所が何を意味しているのかを考えていきましょう。
公式法変動予算が簿記検定では圧倒的に多く出題されるので、これからは公式法変動予算のみ取り扱っていきます。
公式法変動予算におけるシュラッター図

まずはここまでシュラッター図を描きます。
ここまでは製造間接費予算でお伝えした内容と同じです。
このシュラッター図に実際操業度における製造間接費の実際発生額を書き込むと下のようなシュラッター図になります(便宜上、実際発生額は大きめに、実際操業度は基準操業度よりも小さくなるように設定しています)。
まずはこの図の1の部分の意味を考えてみましょう。
1の部分の金額は、実際の操業度における予定通りの原価の消費額を表しています。
実際操業度において予定よりも無駄が多くも少なくもない場合の金額ということです。
図に書き込むと上のようになります。
これは予算差異を求める公式の「変動比率×実際操業度+固定費予算額」だということを確認しておいてください。
では、今度は上の図の2の金額の意味を考えてみましょう。
2の金額は1の金額よりも実際発生額がどれだけ大きいかを表しています。
1の金額は実際の操業度において予定よりも無駄が多くも少なくもない金額を意味しています。
ということは2の金額は予定よりも多くなってしまった金額、つまり無駄な金額を表しているということになります。
よって、この2の金額が予算差異ということになります。
(変動比率×実際操業度+固定費予算額)-実際発生額
という予算差異を求める公式と下の図の関係をしっかりと理解しておいてください。
メルマガ登録フォーム
簿記革命メルマガ「簿記革命通信~簿記1級にラクラク合格する方法~」の登録はリンクをクリックしてください。製造間接費配賦差異
この記事には改訂版がございます。改訂版は製造間接費配賦差異をご覧下さい。
製造間接費配賦差異についてお伝えします。
製造間接費配賦差異
製造間接費の予定配賦を行っている場合、製造間接費の実際発生額と予定配賦額との間に差額が発生します。
この差額のことを製造間接費配賦差異といいます。
この製造間接費配賦差異をさらに細かく分析し、原価管理を行うための資料にします。
製造間接費配賦差異は大まかに予算差異と操業度差異に分けられます。
以下、詳しくお伝えします。
ちなみに、製造間接費配賦差異のような原価差異は、原則として損益計算書の売上原価の内訳科目の欄に記載します。
予算差異
予算差異は予定よりも無駄が多かったり少なかったりしたことによる差異です。
予算差異は以下の公式で求めます。
(変動比率×実際操業度+固定費予算額)-実際発生額
「変動比率×実際操業度+固定費予算額」の部分が、実際の操業度における予定通りの原価の消費額になります。
この金額が実際発生額よりも大きい場合、実際に発生した額が予定よりも小さいので、無駄が予定よりも少なかったということになります。
予算差異はプラスとなり、有利差異となります。
逆に、この金額が実際発生額よりも小さい場合、実際に発生した額が予定よりも大きいので、無駄が予定よりも多かったということになります。
予算差異はマイナスとなり、不利差異となります。
操業度差異
操業度差異は予定よりも操業度が多かったり少なかったりしたことによる差異です。
操業度差異は以下の公式で求めます。
(実際操業度-基準操業度)×固定比率
固定比率は操業度1時間あたりの固定費で、固定予算額を基準操業度で割って求めます。
固定比率は操業度1時間あたりの固定費なので必ずプラスになります。
よって、(実際操業度-基準操業度)がプラスのとき、つまり「実際操業度>基準操業度」のときには操業度差異はプラスとなり有利差異となります。
基準操業度よりも実際の操業度の方が大きいことにより、操業度1時間当たりの固定費が少なくなることで有利になります。
また、(実際操業度-基準操業度)がマイナスのとき、つまり「実際操業度<基準操業度」のときには操業度差異はマイナスとなり不利差異となります。
基準操業度よりも実際の操業度の方が小さいことにより、操業度1時間当たりの固定費が大きくなることで不利になります。
これらの公式は覚える必要はありません。
次回以降シュラッター図を使って考える方法をお伝えします。
シュラッター図を使う方が感覚的にそれぞれの差異を求めることができるので、シュラッター図を使って解くことをお勧めします。
この公式が何を意味しているのかを理解しておくだけで十分です。
