製造部門費の製品(製造指図書)への実際配賦の具体例
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製造部門費の製品(製造指図書)への実際配賦の具体例についてお伝えします。
資料(補助部門費の製造部門への配賦(第2次集計)(直接配賦法)の具体例の続き)
| 製造部門費 | 配賦基準 | |
|---|---|---|
| 切削部門費 | 226,400円 | 機械時間 |
| 組立部門費 | 217,100円 | 機械時間 |
| 切削部門 | 組立部門 | |
|---|---|---|
| A製品の製造のために要した機械時間 | 230時間 | 70時間 |
| B製品の製造のために要した機械時間 | 170時間 | 60時間 |
上の資料をもとに各製造部門の配賦率と配賦額を求めてみましょう。
各製造部門の配賦率
- 切削部門の配賦率(566円/時間)=切削部門費合計(226,400円)÷切削部門の配賦基準数値の合計(230時間+170時間)
- 組立部門の配賦率(1,670円/時間)=組立部門費合計(217,100円)÷組立部門の配賦基準数値の合計(70時間+60時間)
配賦率はその部門が1時間作業をするのにいくらの原価が発生するのかを表していることを確認しておいてください。
各製品に配賦する製造部門費の配賦額
- A製品に配賦する切削部門の配賦額(130,180円)=切削部門の配賦率(566円/時間)×その製品に対する切削部門の配賦基準数値(230時間)
- B製品に配賦する切削部門の配賦額(96,220円)=切削部門の配賦率(566円/時間)×その製品に対する切削部門の配賦基準数値(170時間)
- A製品に配賦する組立部門の配賦額(116,900円)=組立部門の配賦率(1,670円/時間)×その製品に対する組立部門の配賦基準数値(70時間)
- B製品に配賦する組立部門の配賦額(100,200円)=組立部門の配賦率(1,670円/時間)×その製品に対する組立部門の配賦基準数値(60時間)
- 切削部門の配賦額の合計が切削部門費(226,400円)に、組立部門の配賦額の合計が組立部門費(217,100円)になることを確認しておいてください。
製造部門費を製品(製造指図書)へ配賦する仕訳
切削部門費も組立部門費も仕掛品勘定に振り替えるので、
(借)仕掛品 443,500/(貸)切削部門費 226,400
/(貸)組立部門費 217,100
となります。
この仕訳を切るだけなら配賦率の計算も配賦額の計算も不要なのですが、製造原価をきちんと計算するためには必要です。
製造部門費を製品(製造指図書)へ配賦する仕訳の勘定連絡図での流れ
上の仕訳を勘定連絡図で表すと下のようになります。
勘定がどのように流れているのかをきちんと理解しておくことが大切です。
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製造部門費の製品(製造指図書)への実際配賦
実際配賦の場合は、各製造部門に集計された実際額をそのまま製品(製造指図書)に配賦します。
配賦の方法は、製造部門費の合計をその製造部門の配賦基準数値の合計で割ることで配賦率を求め、この配賦率をもとに製品ごとに配賦額を決めます。
- 切削部門の配賦率=切削部門費合計÷切削部門の配賦基準数値の合計
- 組立部門の配賦率=組立部門費合計÷組立部門の配賦基準数値の合計
- 製品に配賦する切削部門の配賦額=切削部門の配賦率×その製品に対する切削部門の配賦基準数値
- 製品に配賦する組立部門の配賦額=組立部門の配賦率×その製品に対する組立部門の配賦基準数値
製造部門費の製品(製造指図書)への実際配賦の仕訳
上記の切削部門と組立部門から仕掛品へのは配賦の仕訳は、切削部門費と組立部門費を仕掛品勘定に振り替えることになるので、
(借)仕掛品 ×××/(貸)切削部門費 ×××
/(貸)組立部門費 ×××
となります。
この仕訳を切ることで、各製品が切削部門と組立部門から受けた作業の割合に応じて各製品に製造間接費を配賦する計算手続が完了します。
また、この仕訳だけでは各製品にいくらずつ製造間接費が配賦されたのか分かりませんが、製造指図書にはきちんと配賦額が記入されます。
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製造部門費の製品(製造指図書)への配賦についてお伝えします。
製造部門費の製品(製造指図書)への配賦
製造間接費を各部門へ集計(第一次集計)し、補助部門費を製造部門へ配賦(第二次集計)したことで、切削部門や組立部門といった各製造部門には製造間接費が集計されています。
この各製造部門に集計されている製造間接費を製品(この時点ではまだ未完成なので仕掛品)に配賦します。
この手続を行うことで製造間接費が仕掛品に振り替えられます。
製造部門費の製品(製造指図書)への配賦には実際配賦と予定配賦があります。
それぞれの配賦に関しては次回以降詳しくお伝えしていきます。
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補助部門費の製造部門への配賦(第2次集計)について具体例を使ってお伝えします。
今回は相互配賦法(簡便法)についてお伝えします。
資料(製造間接費の各部門に集計(第1次集計)の具体例の続き)
(A)各部門費
- 部門費合計 443,500円
- 切削部門費 168,000円
- 組立部門費 164,500円
- 動力部門費 38,000円
- 修繕部門費 73,000円
(B)補助部門費の配賦基準
- 動力部門費の配賦基準:機械時間
- 修繕部門費の配賦基準:修繕時間
| 配賦基準 | 切削部 | 組立部 | 動力部 | 修繕部 |
|---|---|---|---|---|
| 機械時間 | 900時間 | 600時間 | 250時間 | 400時間 |
| 修繕時間 | 1,000時間 | 1,000時間 | 920時間 | 360時間 |
補助部門費の製造部門への配賦は相互配賦法(簡便法)とする。
部門費振替表
上の資料をもとに部門費振替表を作成してみましょう。
部門費振替表は上のようになります。
部門費合計の段の金額は資料をそのまま記入します。
問題はその下からになります。
第一次配賦
動力部門費の配賦
動力部門費38,000円を切削部門と組立部門と修繕部門に配賦します。
相互配賦法(簡便法)なので動力部門が修繕部門に供給した分もきちんと考慮します。
ただし、動力部門が動力部門に供給した分は無視します。
つまり、資料(B)の機械時間の段の動力部250時間は0時間だとして考えるということになります。
この結果、動力部門費は切削部門と組立部門と修繕部門の配賦基準の比で分けられることになります。
- 機械時間1時間あたりの動力部門費(20円/時)=修繕部門費38,000円÷(切削部の機械時間900時間+組立部の機械時間600時間+修繕部の機械時間400時間)
- 切削部門に配賦する動力部門費(18,000円)=機械時間1時間あたりの動力部門費(20円/時)×切削部の機械時間(900時間)
- 組立部門に配賦する動力部門費(12,000円)=機械時間1時間あたりの動力部門費(20円/時)×組立部の機械時間(600時間)
- 修繕部門に配賦する動力部門費(8,000円)=機械時間1時間あたりの動力部門費(20円/時)×組立部の機械時間(400時間)
となります。
修繕部門費の配賦
修繕部門費73,000円を切削部門と組立部門と動力部門に配賦します。
相互配賦法(簡便法)なので修繕部門が動力部門供給した分もきちんと考慮します。
ただし、修繕部門が修繕部門を修繕した分は無視します。
つまり、資料(B)の修繕時間の段の修繕部360時間は0時間だとして考えるということになります。
この結果、修繕部門費は切削部門と組立部門と動力部門の配賦基準の比で分けられることになります。
- 修繕時間1時間あたりの修繕部門費(25円/時)=修繕部門費73,000円÷(切削部の修繕時間1,000時間+組立部の修繕時間1,000時間+動力部の修繕時間920時間)
- 切削部門に配賦する修繕部門費(25,000円)=修繕時間1時間あたりの修繕部門費(25円/時)×切削部の修繕時間(1,000時間)
- 組立部門に配賦する修繕部門費(25,000円)=修繕時間1時間あたりの修繕部門費(25円/時)×組立部の修繕時間(1,000時間)
- 動力部門に配賦する修繕部門費(23,000円)=修繕時間1時間あたりの修繕部門費(25円/時)×組立部の修繕時間(920時間)
となります。
後は、それぞれの動力部門費と修繕部門費を合計して第一次配賦計とします。
第二次配賦
第二次配賦は直接配賦法と同じになります。
動力部門費の配賦
動力部門費23,000円を切削部門と組立部門に配賦します。
直接配賦法と同じなので動力部門が修繕部門に供給した分は無視します。
また、動力部門が動力部門に供給した分も無視します。
つまり、資料(B)の機械時間の段の動力部250時間と修繕部400時間は0時間だとして考えるということになります。
この結果、動力部門費は切削部門と組立部門の配賦基準の比で分けられることになります。
- 機械時間1時間あたりの動力部門費(15.333…円/時)=修繕部門費23,000円÷(切削部の機械時間900時間+組立部の機械時間600時間)
- 切削部門に配賦する動力部門費(13.800円)=機械時間1時間あたりの動力部門費(15.333…円/時)×切削部の機械時間(900時間)
- 組立部門に配賦する動力部門費(9,200円)=機械時間1時間あたりの動力部門費(15.333…円/)×組立部の機械時間(600時間)
となります。
機械時間1時間あたりの動力部門費が割り切れていませんが、それぞれの動力部門費の段階ではきちんと整数で金額が求まっています。
このような出題もあるので、割り切れなかったからといって計算ミスだとは必ずしも言えません。
修繕部門費の配賦
修繕部門費8,000円を切削部門と組立部門に配賦します。
直接配賦法と同じなので修繕部門が動力部門を修繕した分は無視します。
また、修繕部門が修繕部門を修繕した分も無視します。
つまり、資料(B)の修繕時間の段の動力部920時間と修繕部360時間は0時間だとして考えるということになります。
この結果、修繕部門費は切削部門と組立部門の配賦基準の比で分けられることになります。
- 修繕時間1時間あたりの修繕部門費(4円/時)=修繕部門費8,000円÷(切削部の修繕時間1,000時間+組立部の修繕時間1,000時間)
- 切削部門に配賦する修繕部門費(4,000円)=修繕時間1時間あたりの修繕部門費(4円/時)×切削部の修繕時間(1,000時間)
- 組立部門に配賦する修繕部門費(4,000円)=修繕時間1時間あたりの修繕部門費(4円/時)×組立部の修繕時間(1,000時間)
となります。
後は、それぞれの動力部門費と修繕部門費を合計して第二次配賦計とします。
その後、切削部と組立部の「部門費合計」「第一次配賦計」「第二次配賦計」を合計して製造部門費合計の段の切削部と組立部の金額を求め、それらを加えて合計の段の製造部門費合計の金額を求めます。
補助部門費を製造部門へ配賦する仕訳
上の例題の仕訳について考えてみましょう。
第一次配賦では補助部門費を製造部門と自分以外の補助部門に配賦します。
製造間接費の各部門に集計(第1次集計)の仕訳は
(借)切削部門費 168,000/(貸)製造間接費 443,500
(借)組立部門費 164,500/
(借)動力部門費 38,000/
(借)修繕部門費 73,000/
となっています。
この中の『(借)動力部門費38,000』を切削部門に18,000円、組立部門に12,000円、修繕部門に8,000円振り替えるので
(借)切削部門費 18,000/(貸)動力部門費 38,000
(借)組立部門費 12,000/
(借)修繕部門費 8,000
となります。
同様に『(借)修繕部門費73,000』を切削部門に25,000円、組立部門に25,000円、動力部門に23,000円振り替えるので
(借)切削部門費 25,000/(貸)修繕部門費 73,000
(借)組立部門費 25,000/
(借)動力部門費 23,000
となります。
これまでの仕訳をまとめると、
(借)切削部門費 211,000/(貸)製造間接費 443,500
(借)組立部門費 201,500/
(借)動力部門費 23,000/
(借)修繕部門費 8,000/
となります。
動力部門費と修繕部門費は一度他の部門に配賦されたのですが、他の補助部門からもう一度配賦されてきているので金額が0になっていません。
そこで、もう一度補助部門を配賦しなければなりません。
相互配賦法(簡便法)では、2回目の配賦は直接配賦法と同じになるので、2回目の配賦で補助部門の金額は0になります。
第二次配賦では『(借)動力部門費23,000』を切削部門に13,800円、組立部門に9,200円振り替えるので、
(借)切削部門費 13,800/(貸)動力部門費 23,000
(借)組立部門費 9,200/
同様に『(借)修繕部門費8,000』を切削部門に4,000円、組立部門に4,000円振り替えるので
(借)切削部門費 4,000/(貸)修繕部門費 8,000
(借)組立部門費 4,000/
となります。
また、これらの仕訳をまとめて、
(借)切削部門費 60,800/(貸)動力部門費 38,000
(借)組立部門費 50,200/(貸)修繕部門費 73,000
としても構いませんが、ここまでまとめることはあまりありません。
この仕訳を切った結果、動力部門費と修繕部門費の勘定がなくなり、全てが切削部門費と組立部門費に配賦されていることを確認しておいてください。
補助部門費を製造部門に配賦する仕訳の勘定連絡図での流れ
上の仕訳を勘定連絡図で表すと下のようになります。
かなり入り組んでいますが、勘定がどのように流れているのかをきちんと理解しておくことが大切です。
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補助部門費の製造部門への配賦(第2次集計)について具体例を使ってお伝えします。
今回は直接配賦法についてお伝えします。
資料(製造間接費の各部門に集計(第1次集計)の具体例の続き)
(A)各部門費
- 部門費合計:443,500円
- 切削部門費:168,000円
- 組立部門費:164,500円
- 動力部門費: 38,000円
- 修繕部門費: 73,000円
(B)補助部門費の配賦基準
- 動力部門費の配賦基準:機械時間
- 修繕部門費の配賦基準:修繕時間
| 配賦基準 | 切削部 | 組立部 | 動力部 | 修繕部 |
|---|---|---|---|---|
| 機械時間 | 1,000時間 | 900時間 | 450時間 | 350時間 |
| 修繕時間 | 960時間 | 865時間 | 425時間 | 300時間 |
補助部門費の製造部門への配賦は直接配賦法とする。
部門費振替表
上の資料をもとに部門費振替表を作成してみましょう。
部門費振替表は上のようになります。
部門費合計の段の金額は資料をそのまま記入します。
問題は修繕部門費の段と動力部門費の段になります。
動力部門費の配賦
動力部門費38,000円を切削部門と組立部門に配賦します。
直接配賦法なので動力部門が修繕部門に供給した分は無視します。
また、動力部門が動力部門に供給した分も無視します。
つまり、資料(B)の機械時間の段の動力部450時間と修繕部350時間は0時間だとして考えるということになります。
この結果、動力部門費は切削部門と組立部門の配賦基準の比で分けられることになります。
- 機械時間1時間あたりの動力部門費(20円/時)=修繕部門費38,000円÷(切削部の機械時間1,000時間+組立部の機械時間900時間)
- 切削部門に配賦する動力部門費(20,000円)=機械時間1時間あたりの動力部門費(20円/時)×切削部の機械時間(1,000時間)
- 組立部門に配賦する動力部門費(18,000円)=機械時間1時間あたりの動力部門費(20円/時)×組立部の機械時間(900時間)
となります。
修繕部門費の配賦
修繕部門費73,000円を切削部門と組立部門に配賦します。
直接配賦法なので修繕部門が動力部門を修繕した分は無視します。
また、修繕部門が修繕部門を修繕した分も無視します。
つまり、資料(B)の修繕時間の段の動力部425時間と修繕部300時間は0時間だとして考えるということになります。
この結果、修繕部門費は切削部門と組立部門の配賦基準の比で分けられることになります。
- 修繕時間1時間あたりの修繕部門費(40円/時)=修繕部門費73,000円÷(切削部の修繕時間960時間+組立部の修繕時間865時間)
- 切削部門に配賦する修繕部門費(38,400円)=修繕時間1時間あたりの修繕部門費(40円/時)×切削部の修繕時間(960時間)
- 組立部門に配賦する修繕部門費(34,600円)=修繕時間1時間あたりの修繕部門費(40円/時)×組立部の修繕時間(865時間)
となります。
後は、切削部と組立部を縦に合計して製造部門費の段を求めれば部門費振替表の完成となります。
ちなみに合計の段を縦に合計しないように気をつけてください。
ここを合計して求まる数字には何の意味もないため、縦には合計しません。
合計の段の一番下は部門費の合計である443,500が入ります。
また、部門費振替表の最上段の部門費合計と部門費配分表の最下段の部門費合計は全く同じになるという点も確認しておいてください。
補助部門費を製造部門へ配賦する仕訳
上の例題の仕訳について考えてみましょう。
補助部門費を製造部門に配賦します。
製造間接費の各部門に集計(第1次集計)の仕訳は
(借)切削部門費 168,000/(貸)製造間接費 443,500
(借)組立部門費 164,500/
(借)動力部門費 38,000/
(借)修繕部門費 73,000/
となっています。
この中の『(借)動力部門費38,000』『(借)修繕部門費73,000』を切削部門と組立部門に振り替えることになります。
動力部門から切削部門に20,000円、組立部門に18,000円振り替えるので、
(借)切削部門費 20,000/(貸)動力部門費 38,000
(借)組立部門費 18,000
修繕部門から切削部門に38,400円、組立部門に34,600円振り替えるので、
(借)切削部門費 38,400/(貸)修繕部門費 73,000
(借)組立部門費 34,600
となります。
また、これらの仕訳をまとめて、
(借)切削部門費 58,400/(貸)動力部門費 38,000
(借)組立部門費 52,600/(貸)修繕部門費 73,000
としても構いませんが、ここまでまとめることはあまりありません。
この仕訳を切った結果、動力部門費と修繕部門費の勘定がなくなり、全てが切削部門費と組立部門費に配賦されていることを確認しておいてください。
補助部門費を製造部門に配賦する仕訳の勘定連絡図での流れ
上の仕訳を勘定連絡図で表すと下のようになります。
勘定がどのように流れているのかをきちんと理解しておくことが大切です。
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この記事には改訂版がございます。改訂版は補助部門費の製造部門への配賦(第2次集計)をご覧下さい。
原価部門の分類で補助部門費の製造部門への配賦には様々な方法があるとお伝えしました。
今回は補助部門費の製造部門への配賦(第2次集計)の様々な方法について詳しくお伝えします。
補助部門費の製造部門への配賦(第2次集計)の様々な方法
補助部門は直接製品を製造することはないので、一度製造部門に集計して、製造部門から製品への配賦することになります。
しかし、この補助部門から製造部門への配賦は簡単にはいきません。
具体的に考えてみましょう。
製造部門として「切削部門」と「組立部門」が、補助部門として「動力部門」と「修繕部門」があるとします。
動力部門も修繕部門も切削部門と組立部門を補助しているので、その部分の配賦は問題ありません。
問題は動力部門と修繕部門の間で補助している部分をどうするかです。
動力部門は修繕部門にある機械の動力を提供しているでしょうし、動力部門が故障した場合には修繕部門が修理するでしょう。
つまり、この補助部門同士はお互いに補助し合っているのです。
この補助部門同士の配賦は理論上はお互いに配賦しあうことになります。
しかし、お互いに配賦することを続けた場合、いつまでたっても補助部門の配賦が終わりません。
製造部門に全ての金額が集まることがないのです。
そこで、いろいろな方法が使われることになります。
簿記2級ではこのうち、「直接配賦法」と「相互配賦法(簡便法)」の2つが出題されます。
以下詳しくご説明します。
直接配賦法
補助部門同士でのやりとりを全く無視して補助部門費を製造部門だけに配賦する方法です。
直接配賦法は最も計算が楽ですが、補助部門同士のやりとりを無視するため製造の実態を表さないという欠点があります。
図で表すと上のようになります。
このような配賦の方法を直接配賦法といいます。
相互配賦法(簡便法)
相互配賦法では補助部門同士のやりとりを考慮します。
よって補助部門費を製造部門だけではなく他の補助部門にも配賦することになります。
しかし他の補助部門にも配賦することで、この配賦が終わったあとも補助部門に金額が残ることになります。
この残った分はもう一度配賦しなければなりません。
しかし、2回目の配賦も同じように配賦すると、また補助部門に金額が残ります。
これでは何回繰り返しても全ての金額が製造部門に集計されません。
そこで、1回目は他の補助部門にも配賦しますが、2回目には直接配賦法と同じように他の補助部門は無視して製造部門だけに配賦します。
図で表すと上のようになります。
この配賦の方法を相互配賦法(簡便法)といいます。
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製造間接費の各部門に集計(第1次集計)について具体例を使ってお伝えします。
部門費配分表の作成します。
資料
1.製造間接費合計額…443,500円
2.製造間接費の内訳
(A)部門個別費
| 費用 | 合計 | 製造部門 | 補助部門 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 切削部門 | 組立部門 | 動力部門 | 修繕部門 | ||
| 間接材料費 | 100,000 | 40,000 | 45,000 | 15,000 | |
| 間接労務費 | 150,000 | 62,500 | 50,000 | 12,500 | 25,000 |
| 間接経費 | 80,000 | 25,000 | 25,000 | 12,500 | 17,500 |
(B)部門共通費
| 費目 | 合計 | 配賦基準 |
|---|---|---|
| 建物減価償却費 | 66,000 | 床面積 |
| 福利費 | 24,000 | 従業員数 |
| 電力量 | 23,500 | 機械運転時間 |
(C)部門共通費の配賦基準
| 配賦基準 | 合計 | 製造部門 | 補助部門 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 切削部門 | 組立部門 | 動力部門 | 修繕部門 | ||
| 床面積(平方メートル) | 88 | 30 | 40 | 8 | 10 |
| 従業員数(人) | 48 | 20 | 16 | 4 | 8 |
| 機械運転時間(時間) | 470 | 160 | 130 | 100 | 80 |
部門費配分表

部門費配分表は上のようになります。
部門個別費については、基本的に(A)部門個別費をそのまま記入しておけば大丈夫です。
小計の欄は縦に合計した金額を記入します。
部門共通費については、それぞれ配賦基準にもとづいて配賦します。
建物減価償却費
それぞれの部門の建物減価償却費を計算します。
- 建物減価償却費の合計額を配賦基準である床面積の合計数値で割ることで、床面積1㎡あたりの建物減価償却費を求めます。
- 床面積1㎡あたりの建物減価償却費にそれぞれの部門の床面積をかけることでそれぞれの部門の建物減価償却費を求めます。
具体的に数字で計算してみます。
- 床面積1㎡あたりの建物減価償却費(750円/平方メートル)=建物減価償却費合計(66,000円)÷床面積合計(88平方メートル)
- 切削部門の建物減価償却費(22,500円)=床面積1㎡あたりの建物減価償却費(750円/平方メートル)×切削部門の床面積(30平方メートル)
- 組立部門の建物減価償却費(30,000円)=床面積1㎡あたりの建物減価償却費(750円/平方メートル)×切削部門の床面積(40平方メートル)
- 動力部門の建物減価償却費(6,000円)=床面積1㎡あたりの建物減価償却費(750円/平方メートル)×切削部門の床面積(8平方メートル)
- 修繕部門の建物減価償却費(7,500円)=床面積1㎡あたりの建物減価償却費(750円/平方メートル)×切削部門の床面積(10平方メートル)
となります。
電卓の上手な使い方
この計算は定数乗算を利用することで素早く計算することができます。









と入力することで切削部門の建物減価償却費22,500が求まります。
この数字を記入した後、連続して

と入力すれば組立部門の建物減価償却費30,000が、
と入力すれば動力部門の建物減価償却費6,000が、

と入力すれば修繕部門の建物減価償却費7,500が求まります。


















と入力するだけで全ての数字を求めることができます。
福利費
それぞれの部門の福利費を計算します。
- 福利費の合計額を配賦基準である従業員数の合計数値で割ることで、従業員1人あたりの福利費を求めます。
- 従業員1人あたりの福利費にそれぞれの部門の従業員数をかけることでそれぞれの部門の福利費を求めます。
具体的に数字で計算してみます。
- 従業員1人あたりの福利費(500円/人)=福利費合計(24,000円)÷床面積合計(48平方メートル)
- 切削部門の福利費(10,000円)=従業員1人あたりの福利費(500円/人)×従業員数(20人)
- 組立部門の福利費(8,000円)=従業員1人あたりの福利費(500円/人)×従業員数(16人)
- 動力部門の福利費(2,000円)=従業員1人あたりの福利費(500円/人)×従業員数(4人)
- 修繕部門の福利費(4,000円)=従業員1人あたりの福利費(500円/人)×従業員数(8人)
となります。
電卓の上手な使い方
この計算は定数乗算を利用することで素早く計算することができます。









と入力することで切削部門の福利費10,000が求まります。
この数字を記入した後、連続して

と入力すれば組立部門の福利費8,000が、
と入力すれば動力部門の福利費2,000が、
と入力すれば修繕部門の福利費4,000が求まります。

















と入力するだけで全ての数字を求めることができます。
電力料
それぞれの部門の電力料を計算します。
- 電力料の合計額を配賦基準である機械運転時間の合計数値で割ることで、機械運転時間1時間あたりの電力料を求めます。
- 機械運転時間1時間あたりの電力料にそれぞれの部門の機械運転時間をかけることでそれぞれの部門の電力料を求めます。
具体的に数字で計算してみます。
- 機械運転時間1時間あたりの電力料(50円/時間)=電力料合計(23,500円)÷機械運転時間合計(470平方メートル)
- 切削部門の電力料(8,000円)=機械運転時間1時間あたりの電力料(50円/時間)×機械運転時間(160時間)
- 組立部門の電力料(6,500円)=機械運転時間1時間あたりの電力料(50円/時間)×機械運転時間(130時間)
- 動力部門の電力料(5,000円)=機械運転時間1時間あたりの電力料(50円/時間)×機械運転時間(100時間)
- 修繕部門の電力料(4,000円)=機械運転時間1時間あたりの電力料(50円/時間)×機械運転時間(80時間)
となります。
電卓の上手な使い方
この計算は定数乗算を利用することで素早く計算することができます。











と入力することで切削部門の電力料8,000が求まります。
この数字を記入した後、連続して


と入力すれば組立部門の電力料6,500が、

と入力すれば動力部門の電力料5,000が、

と入力すれば修繕部門の電力料4,000が求まります。






















と入力するだけで全ての数字を求めることができます。
最後に部門共通費のそれぞれの部門の合計を小計の段に記入し、部門個別費の小計と部門共通費の小計を合計して部門費合計を記入して部門費配分表を完成させます。
製造間接費を各部門に集計する仕訳
上の例題の仕訳について考えてみましょう。
製造間接費を各部門に振り替えます。
部門費配分表より、切削部門の部門費は168,000円、組立部門の部門費は164,500円、動力部門の部門費は38,000円、修繕部門の部門費は73,000円となります。
これらの各部門費に製造間接費443,500円を振り替えるので、
(借)切削部門費 168,000/(貸)製造間接費 443,500
(借)組立部門費 164,500/
(借)動力部門費 38,000/
(借)修繕部門費 73,000/
となります。
製造間接費を各部門に集計する仕訳の勘定連絡図での流れ
上の仕訳を勘定連絡図で表すと下のようになります。
勘定がどのように流れているのかをきちんと理解しておくことが大切です。
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この記事には改訂版がございます。改訂版は部門別計算をご覧下さい。
部門別計算の流れについてお伝えします。
部門別計算の流れ
部門別計算の流れは以下のような手順で行われます。
- 製造間接費を各部門(製造部門と補助部門)に集計
- 補助部門費を製造部門に配賦
- 製造部門に集計された製造間接費(製造部門費)を各製品に配賦
以下詳しく説明します。
1.製造間接費を各部門に集計
まず最初に、製造間接費を各部門に集計します。
この際に製造間接費を部門個別費と部門共通費に分け、部門個別費は特定部門に賦課し、部門共通費は各部門に配賦します。
このように各部門に集計することを部門費の第1次集計といいます。
この第1次集計では部門費配分表を作成します。
部門個別費
特定の部門だけに発生し、その部門に直接集計できる費目を部門個別費といいます。
特定の部門で使われる材料や特定の部門で働いている工員の賃金、特定の部門にしかない機械の減価償却費などが部門個別費になります。
部門共通費
各部門に共通に発生し、どの部門で発生したか、直接には分からない費目を部門共通費といいます。
電気代や水道代などが部門共通費になります。
2.補助部門費を製造部門に配賦
部門費配分表を作成したら、次に補助部門に集計された製造間接費を製造部門に配賦します。
補助部門は製品の製造に直接関わっていないので、補助部門に集計された製造間接費を直接製品に配賦するわけにはいきません。
そこで、一度製造部門に配賦し、製造部門を通じて各製品に配賦することになります。
補助部門費の製造部門への配賦の計算は部門費振替表(部門費配賦表)を作成して行います。
このように補助部門費を製造部門に配賦することを部門費の第2次集計といいます。
ちなみに、補助部門費を製造部門に配賦する方法には「直接配賦法」「階梯式配賦法」「相互配賦法(簡便法)」「相互配賦法(連続配賦法)」といった方法がありますが、この中で簿記2級の範囲になっているのが「直接配賦法」と「相互配賦法(簡便法)」の2つです。
詳しくは後日お伝えします。
今回は概要だけつかんでもらえれば十分です。
3.製造部門に集計された製造間接費を各製品に配賦
各製造部門には、部門費の第1次集計と第2次集計の手続を終えて、製造間接費が集計されてきています。
この集計されてきている製造間接費を製品に配賦します。
この配賦は実際配賦による場合と予定配賦による場合の2つがあります。
実際配賦と予定配賦については後日お伝えします。
今回は概要だけつかんでおいてください。
勘定連絡図
部門別原価計算を勘定連絡図で示すと下のようになります。
それぞれの番号が部門別計算の流れに対応しています。
詳細は後日お伝えします。
今回は概要だけイメージしておいてください。
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この記事には改訂版がございます。改訂版は部門別計算をご覧下さい。
原価部門の分類についてお伝えします。
原価部門の分類
原価部門は大きく分けると製造部門と補助部門の2つに分けることができます。
製造部門
製品の製造に関わっている部門を製造部門といいます。
「機械加工部門」「組立部門」「切削部門」などがあります。
製造部門の製造間接費はそれぞれの製造部門から各製品に配賦されます。
補助部門
製品の製造には直接関係しない部門を補助部門といいます。
補助部門には製造部門が製造することを補助したり他の補助部門が補助することを補助したりするというはたらきがあります。
他の部門の機械や備品の修繕やメンテナンスを行う「修繕部門」や自社で電力などの動力を製造する「動力部門」などがあります。
補助部門は製品を直接製造しないため、補助部門で発生した製造間接費を直接製品に配賦することはありません。
一度製造部門に配賦し、製造部門を通じて各製品に配賦されることになります。
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部門別計算の目的についてお伝えします。
部門別計算の目的
部門別計算の目的は2つあります。
- より正確な製品原価を計算するため
- 原価管理をより適切に行うため
この2つです。
以下、詳しくご説明します。
より正確な製品原価を計算する
例えば、服を製造する工場において、布を切る部門(裁断部門)とその布を縫い合わせる部門(縫合部門)の2つがあるとします。
そして、裁断部門は人間が手で行っていて、縫合部門は機械で行っているとします。
この場合、部門別計算を採用していなければ、裁断部門と縫合部門は同じ配賦基準で配賦することになります。
時間法を採用するとしても、どちらも「直接作業時間」で配賦するか「機械運転時間」で配賦するかになります。
しかし、より正確に製造原価を計算しようと思ったら、裁断部門は「直接作業時間」で配賦し、、縫合部門は「機械運転時間」で配賦したほうがよいのは明らかです。
このように、製造工程が2つ以上に分かれている場合は、全体で製造間接費を計算して同じ配賦基準で配賦するよりもそれぞれの部門で製造間接費を計算してそれぞれの配賦基準で配賦する方がより実際の製造工程を表します。
実際の製造工程を表した方が、より正確に製品原価を計算することができます。
原価管理を適切に行うため
原価管理を行うためには予算差異や操業度差異を分析する必要があります。
予算差異や操業度差異を分析する場合も、全体での差異よりもそれぞれの部門における差異をきちんと把握できた方が、より意味のある原価管理が行えます。
裁断部門と縫合部門全体で予算差異が不利差異だと分かってもどちらがどれだけ無駄があるのか分からなければお互いに相手の部門の責任だと言うかもしれません。
全体では不利差異でも、裁断部門は有利差異、縫合部門が不利差異だった場合、裁断部門には必要のない無駄の削減を指示してしまうかもしれません。
このように考えていくと、それぞれの部門で差異分析をした方がより意味のある原価管理ができることは明らかです。
これらの理由で部門別計算が採用されます。