宝刀シンカー!逃げるは恥だが役に立つ(会長記) | 堂島猛虎会のブログ

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タイガースファンの3人が綴る、猛虎愛ゆえの強く厳しい評論を発信していくブログです。

スポニチ虎報

 

キャンプも2月終盤となり対外試合も始まり・・・少しずつ盛り上がってきた。

各選手の思惑と首脳陣の希望、そして我らファンの期待が交錯し気温の上昇とともになんとも言えず高揚してくる。

 

中でもドラ1佐藤輝明の連日の活躍が紙面を賑わせ、スポーツ紙は有難いことだろう。

球団もグッズの生産を急ぎに急いでることと思う。

 

大学・ルーキー年の輝き復活なるか

=高山 俊さま

哀愁の幕引きを自らすることになるのか

=北條 史也

全てを見失いもうじき走り方すら忘れかねない

=江越 大賀

楽しげに笑いながらお尻の火に気づかない

=中谷 将大

 

そして「荒れ玉が持ち味、160km/hのストレート・147km/hのフォークボールを投じる『自称:スライダーピッチャー』=藤浪晋太郎」

昨日(2月21日対広島戦)の登板は凄まじかった。誰かの選手生命を今にも断つ気がして震え上がる。あれを見て「二桁勝てる」などと言っている解説者の気が知れない。

確かに勝つかもしれない。しかしそこには二重のリスクが常に付きまとう。

 

さて

 

そんな中、佐藤輝明とともに監督の期待値がうなぎ上りの選手がいる。

我々のキャンプイン直後のインプレッションはこちら

一軍春季キャンプに見る2021新戦力~投手編

 

プロフィールからおさらいする。

 

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■石井 大智  右投右打  23歳 秋田県出身 175cm/81kg 

秋田工業高等専門学校~高知ファイティングドッグス  2020年ドラフト8位

(独立リーグ成績)3年 56試合  14勝16敗 0S 8完投 ERA:1.69 

 

藤川球児の抜けたワンピースを埋めるように在籍した球団・ファイティングドッグスからやってきた。高知出身かと思いきや秋田で出身校は秋田工業高等学校。どうも5年制らしく本人は野球を続けるつもりはなく選択したようだ。なので4年5年は大会出場資格がなく公式戦はなし。卒業後高知FDにドラフト4位で入団する。変わり種の経歴と言えるだろう。ロッテの成田翔が幼なじみらしい。

 

拙ブログでは戦略編成部長が紅白戦を解析しての石井大レビューを掲載しております!

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身長は175cmとのことだがそのずんぐりとした体型からかもう少し小さく映る。

だがその体躯をいっぱいに使いそれこそ球児を彷彿とさせるごとく真上から投げ込んでくる。藤浪がこの身体の使い方でこの角度から投げることができたらチャップマンの105マイル(169km/h)に届くかもしれない。もしくはこの記録に一番近いのは大谷翔平ではなく藤浪だと思う。

 

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話を本題に戻す。

 

高知での自己最速は153km/h。プロのトレーニングを積めばまだ球速は上がる可能性がある。

「秋田出身」ということでどうしても「足腰が出来ている」という先入観がある。

長い冬にボールを握れずひたすら走り込みをしているイメージがあるのは「昭和脳」と言われても致し方ないがこの石井大をみると「やはりな」と思ってしまう。

 

真上から投げ下ろす直球とスライダー、カットボールも投げるのだが石井大の決め球であり魅力はなんと言っても「宝刀・シンカー」

 

このシンカーという変化球。カテゴリーとしてはsinking ball=「落ち球」である。

右投手の利き手側に逃げながら落ちていく。

まさしく決まれば「逃げるは恥だが役に立つ」魔球なのだ。

 

右投手の、とあえて書いたのは同じ球種を左投手が投げると「スクリューボール」と呼ばれるからだ。調べてみてもシンカーとスクリューの明確な違いはわからない。

が記憶を辿ってみても「スクリューボールを投げる右投手」、「シンカーを投げる左投手」というのが思い当たらないので、まあそういう事でよかろうと思うのだ。

 

逃げながら落ちるということで簡単に言えばシュート回転して曲がりながら落ちるフォークボールだと言っていい。右打者には懐深く、左打者にはアウトコースに逃げるように落ちる。

※MLBでは大括りでチェンジアップに分類されるようだが要は「シュート回転する」ことがキモである。

 

以前にもチラッと書いたが私、個人的に「アンダースロー好き」である。

今でこそロッテの石川歩やSB摂津が投げることが知られているがなんと言ってもシンカーの使い手といえばアンダースロー。

 

事情としては横手投げサイドハンドやアンダースローの投手というのはフォークボールを投げられない。なのでその代わりの落ち球として使うのがシンカーというわけだ。

 

 

ヤクルト監督の〝ミスター・ゼロ〟高津臣吾のシンカーもMLBのバッターをきりきり舞いさせた。ただでさえ見慣れない下手気味のサイドハンドから曲がり落ちる魔球は打者の目線から消えたことだろうと思う。

 

そしてなんと言ってもシンカーといえば潮崎哲也。潮崎哲也といえばシンカー。

まさしく「Mr.シンカー」だ。

往年の山田久志の投げる球は速度も直球に近く右バッターの膝下にスッと落ちる軌道で、今でいうパワーシンカーであったが、潮崎の魔球は遅く一度「ふわっ」と浮き上がるような軌道ですとんと落ちる。面白いように空振りが取れた。

 

「ドカベン 」の小さな巨人=里中智が投げる「さとるボール」もシンカーだとされているがこれは全く間違いだと思う。さとるボールはシュートだ。

リリースの瞬間に手首をかぶせ人差し指で回転をかける。

 

「自称:変化球マニア」のダルビッシュの著書からその握りと投げ方を抜粋してみる。

 

「ダルビッシュ有の変化球バイブル」

ベースボールマガジン社

 

ここでもダルビッシュ自ら書いているがアンダースローとは違いオーバースローから投げるシンカー軌道は特有である。高校時代に多投していたそうでそれこそバットはくるくる回ったと書いている。

 

わかりやすく簡単にいうと「鷲掴み」に近い握りで人差し指には力を入れず中指と薬指でしっかり握りこの間からボールを抜きながら薬指でシュート回転をかけるイメージ。小指もしっかり縫い目にかけている。

「ダルビッシュ有の変化球バイブル」

ベースボールマガジン社

 

本日(2月21日)の日刊スポーツには「潮崎級シンカー」の文字が踊るが潮崎のそれとは当たり前だが全然違う軌道だ。対広島戦で1回を投げ直球で外野フライ、続く曽根・ケビンを連続で宝刀シンカーで三振に斬ってみせ矢野監督からは勝利の方程式入りも示唆させるほどだった。

 

右の石井大、左の岩貞が中継ぎとして回転すれば2021の勝ちパターンも見えてくる。

その先にはぼんやりとVの文字も。

 

「150km/hを超えるストレート」や「バックスクリーンを超える特大弾」などそれこそプロでしかなしえない力勝負も魅力なのだが、やっぱり『魔球』の2文字には心揺さぶられる。そこは永遠の野球少年だと思うところだ。

 

追記「少年」の部分へのクレームは受け付けません。

 

 

 

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