さて・・ようやく暗い暗い交流戦も終わり。
ここから連覇へむけて意気を上げて行きたいところだが、
どうにも故障者多発で盛り上がらない。
その「故障」からやっと回復してきた高橋遥人が開幕から無傷の8勝、防御率0.17とひとり気を吐いている。
ダブルエースの村上 頌樹は5勝4敗と防御率1.84の割には貯金がたった1。
もうひとり才木浩人は同じく5勝4敗も防御率は3.50と先発投手の中では最低
の数字となっている。
このダブルエースで貯金が2個しか稼げない
のだから今の成績も無理はない。
救いなのはこれでもまだ順位は2位で
上位3球団差はない。
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さてその才木浩人。
ここまでの成績
才木は高卒2016年のドラフト3位。
2年目に一軍で22試合を投げ、6勝。
3年目にもおおいに期待をされたが
右肘の故障を発症。
翌2020年に右肘の側副靱帯再建術、
いわゆるトミー・ジョン手術を受け2021年の
一年をリハビリにあてた。
その関係で上の表の通り2年間一軍(もちろん二軍も)登板はない。
2022年に復帰。
9試合に登板し4勝。
なので才木浩人、実働は「2023年から」である。
つまりまだ「3年半」しか働いていない。
才木浩人は昨年オフに球団にポスティングを直訴したと言われている。
主砲の佐藤輝明とともに「4番とエースの同時ポスティング」と一時ネットを賑わせた。
私は佐藤輝明の記事では早々の段階で早くMLBに挑戦させてやりたいと書いたし、その素質は十分にあると思われる。
才木は高卒なのでまだこれでも27歳。
「3年しか働いていないのに、もう少し球団に恩返ししてから行けや」
と言う声もあるし、それもその通りかと思うが、
どうせ行くならもちろん若いうちに行かせてやりたい。
その気持ちはあるが、問題は
「通用するのかどうか」というところだ。
ここまでの才木の投球数。
少々乱暴な計算かもしれないが、657回で10,813球。
割ると1イニングに平均して16.46球。
これを9回にすると148球。
6回を投げるのに98.7球。
打者2巡するのにおよそ100球、平均して費やすのだから3巡目につかまりやすいのも頷ける。
以下、ややこしいので実働3年半に絞ってデータを見てみる。
上記の表からストライクを抽出して深掘りしてみる。
PutAwayとは「片付ける」こと。
PutAway%は2ストライクから片付ける割合。
つまり2ストライクから三振をとった割合の事。
その隣はSWStr%は=スイングストライク率。
要は空振り率のこと。
見逃し三振のパーセンテージが横這いなのに対して空振り率は今季上昇している。
そしてPutAway%もおおよそ昨年の1.5倍。
つまり「三振を多くとっている」という事。
昨季の奪三振は122個。
今年はここまで88個。
1試合あたり7.3個だから昨年の試合数24に換算すると175個になりこれも昨年の1.44倍。
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才木の球種は4種類。
ストレートの他にスライダー、フォーク、カーブ。
その半分以上がストレートだ。
上でも書いた通りK%=奪三振率は1.6倍になっている。
そのストレートの被打率は昨年より1.38倍上昇している。
ストレートの空振り率は昨年の114%となれば・・
今年の才木浩人は昨年より多くの球数を投げ三振を多くとっているが
ストレート以外の球種で三振を多くとっている。
単純にフォークボールであるが、
ストレートの被打率が上がっている事でウイニングボールとしての信頼度は低くなっているのだろう。
ストレートの奪三振は昨年ストレート63個 フォークは45個
今季はストレート30個 フォークは48個。
年換算するとストレート60個 フォークは96個で完全に逆転する。
つまりは、ストレートは2ストライクまでは空振りがとれるが、3ストライク目をストレートでとるのが難しくなっている、と読める。
GB/FBは=ゴロ・フライ比率。
このブログではよく取り上げる指数だ。
打たせた打球のゴロがフライの何倍あるかという指標でその数値が多いほどゴロピッチャーと言われる。当然1.0が基準値なので才木は「フライボールピッチャー」だ。
フライボールは一定の割合でホームランになると言われる。
HR/FBというのは打たせたフライがホームランになる確率。
今季は昨年の3倍以上。
才木は昨年6本しかホームランを打たれていないが、
6本のうちの4本を初球に被弾している。
今季はそのあたりもケアしてきたのだろう、初球の被本塁打はまだ1本。
だが今季はすでに昨年を超える7本を被弾している。
そのうち6本がストレートなのだ。
・・・ま、投球の半分以上がストレートなのだから当たり前と言えばそれまでだが。。
ノーストライク・ワンストライクの被弾が5本。
初球の被弾は減っていても1−0が2本、1−1が1本とあきらかに
早いカウントで放り込まれていることがわかる。
相手球団の対策として、追い込まれたら
フォークボールがあるので早いカウントで
強振していく、という対策が見えてくる。
にもかかわらず、球数がかさむ・・ということは
コントロールが悪い、と言うことになる。
ところが才木のBB%=四球率は昨年6.9%から
今季4.9%と向上している。
20%を超えるとトップクラスだと言われる
K-BB%=(奪三振率から与支給率をひいた数値)は昨年の 12.3%から
今季、2倍以上の26%と大きく向上している。
どういう事か。
球数は多くなっているが四球は減っている。
ストレートで三振はとれていない。
結論としては、
カウントを整えるのに無駄なボール球が多い。
という事になる。
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才木はオーバーハンドスローの投手だ。
だが多くのオーバースローの投手は少し斜めから腕が出てくる。
それは人体の構造上当たり前のメカニズムだが、
この腕の振りが地面と垂直、90度に近くなる程制球は安定するし、
球のスピン量も上がり威力も増す。
才木のスピン量(投球回転数)は2600〜2700rpmで(max2783rpmを計測)、
これはMLBの平均2200〜2300回転を大きく上回る数字で、
昨年MLBで100イニング投げた投手の平均投球回転数トップが2718回転で、
才木は3位にランクインする。
才木は腕を「真上から振り下ろす」ために
テイクバックから背中側に腕を回す。
この軌道が「余計」でフォームの「再現性」を下げているのではないかと思う。
同じタイガースの長身投手、
メッセンジャーはこのテイクバックから、腕を垂直に振り下ろすために、
上体をここまで傾ける。
才木のフォローと比べるとよくわかる。
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MLBではストレートの平均球速が150km/h以上ないと通用しないと言われている。
才木のストレートの平均球速は2024年が148.5km/hだった。
これが2025年には150.3km/hとはじめて150km/hを超え、
そして今年は平均151.2km/hに到達している。
単純にスキルアップを目指したのか?
MLBへの挑戦を視野に球速アップを図ったのか。
Picth Value(ピッチバリュー)という指標がある。
「Value」とは「価値」のこと。
「ネーム・バリュー」とかいうあのバリューである。
セイバーメトリクスでいうPicth Valueはその球種が
「どれだけの価値があるか」
=「どれだけ失点を防いだか」というの可視化した指標。
この指標で球種の中から「得意球の可視化」がわかる。
才木のストレートのPicth Valueは、
2024年=22.3
2023年=17.1 と下降していて
今季2026年はここまでで −8.0とマイナスの数字に落ちている。
フォークは4.6→4.9→4.0と大きくは変わっていない。
ここからは
1)ストレートの質だけが落ちている。
または
2)ストレートが通用しなくなっている。
いずれか、またはその両方だと見てとれる。
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ストレートの球速をあげるためのトレーニングに問題があったか?
その方法に問題があったか?
いずれにしてもストレートとフォークだけで海を渡ろうとするには無理がある。
そして何よりMLBでは「制球の悪い投手は成功しない」
これは私の持論なのだ。
その検証は、「海を渡ってまた帰ってきた殺人兵器」がMLB移籍した時に記事にした。
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