青の誇り~プラチナ世代の軌跡~ -177ページ目

AFC U-17選手権 準決勝・決勝プレビュー

オーストラリアが1次予選でラオスに不覚をとり、韓国、サウジ、イラン、中国は準々決勝で敗退。フル代表では絶対に考えられない結末の末、生き残ったのは、タジキスタン、シリア、北朝鮮、日本の4ヶ国だった。アウトサイダーのはずの2ヶ国と、少数精鋭選抜スパルタ指導方式採用の1ヶ国と、最高の環境と指導者に過保護に育てられたエリート集団1ヶ国。大きなプレッシャーから解放され、大きなモチベーションを失ったあとの準決勝・決勝はどの国が勝ち進むのだろうか?技術的、体力的に大差ないこのカテゴリーで勝負の行方を左右するのは?気持ち?誇り?なんだろう?確実に言えるのは、アジアチャンピオンになればその実績が国の自信や世代の自信を大きくすること。将来アジアにおいてライバルになるであろう国々が早々と敗退した今大会、できるだけその自信に差を付けておきたいところだ。できれば2試合とも3-0くらいで完勝し、「この世代の日本強し」とのイメージを植えつけたい。準決勝2試合は明日14日(木)、3位決定戦・決勝は17日(日)いずれもジャランベサールスタジアムで行われる。


【準決勝】

9月14日(木)17:00 日本 vs シリア

9月14日(木)20:00 北朝鮮 vs タジキスタン


【3位決定戦・決勝】

9月17日(日)17:00 3位決定戦

9月17日(日)20:00 決勝


 *時間は現地時間。日本とシンガポールの時差は1時間。

U-17日本、6年ぶりに世界へ!!

AFC U-17選手権 第7日(準々決勝)


9月11日(月) 17:00 K.O (シンガポール・ジャランベサールスタジアム)

日本 1(1-0、0-1、ET0-0、0-0、PK8-7)1 イラン

【得点】

1-0 柿谷(14分)

1-1 イラン(73分)

         

【PK】日本 ○ ○ ○ × ○ × × ○ × ○ ○ ○

    イラン ○ ○ ○ × ○ × × ○ × ○ ○ ×

 

日本メンバー

GK.廣永遼太郎(90)

DF.金井貢史(90)

   甲斐公博(90)

   高橋峻希(90)

  山崎正登(90)

MF.岡本知剛(90)

   柿谷曜一朗(90)

山田直輝(90)

   水沼宏太(90)

FW.大塚翔平(90)→73分、田中裕人(90)

端戸仁(90)→46分、齋藤学(90)→105分、比嘉厚平(90)


来年韓国で開催されるU-17W杯への出場権を賭けた大一番。延長戦からネットTVで見たが、PK戦は半端ではなく死闘だった。日本の2人目、5人目は1本目のキックをセーブされたが、イランGKの動き出しが早かった為にやり直しになった末の成功。全体的にイランの選手のほうが表情に落ち着きがあり、流れは間違いなくイランにあった。サドンデスでは、決められれば終わりという状況で、7人目、9人目の枠内に飛んだ強烈なシュートを廣永が神がかり的なビッグセーブで弾き出す(6人目はポスト直撃)。11人目までは全く同じ結果、12人目で決着という死闘の末に、日本が6年ぶりにU-17ワールドカップへの出場権を獲得した。おめでとう、U-17日本!! とりあえず、大きな、大きな目標は達成したが、まだ準決勝、決勝と大会は続く。94年以来12年ぶりのアジア制覇へ向け、もう一度気持ちを切り替えて欲しい。


【他国の試合結果】

シリア 2-1 サウジアラビア

タジキスタン 1-0 韓国

北朝鮮 2-1 中国 



メニコンカップ2006 観戦記

9月10日(日) 13:00 K.O (名古屋市瑞穂球技場)

オールイースト 2(1-1、1-0)1 オールウェスト

【得点】

1-0 小野悠斗(16分)

1-1 鍋田亜人夢(35分)

2-1 泉沢仁(39分)


【最優秀選手】

MF小野悠斗(横浜F・マリノスジュニアユース追浜)


【敢闘賞】

FW泉沢仁(柏レイソルU-15)

MF宇佐美貴史(G大阪ジュニアユース)


8月の豊田国際ユース以来、1ヶ月ぶりの名古屋。会場となった瑞穂球技場にはキックオフ15分前に到着したが、既にメインスタンドは満席との案内でバックスタンドへ回された。しかしゴール裏の芝生席を通ってメインスタンドへ移動する。ハーフタイム後に発表された観衆は、10,117人。去年も同じくらい入っていたと思うが、この年代の選手にとってはこれだけの観客の前でプレーするのは初めてに違いない。13時、気温35度の厳しい環境でのキックオフ。今回はひとりの選手に特に注目していた。ガンバ大阪ジュニアユースの宇佐美貴史だ。8月に行われたU-15日本クラブユース選手権でG大阪は準々決勝で敗退したにも関わらず、宇佐美は10得点(5試合)し得点王を獲得した。それ以上に驚いたのは中2でキャプテンをしていたことだ。中学生といえば一番成長する時期で一学年違うと体格的にも精神的にも全然違う。自分の中学時代(時代は違うが)を考えても、中3の先輩を差し置いて中2でキャプテンなんて全く 考えられないことだが、それだけ宇佐美にキャプテンシーと実力が伴っているのだろう。前半はツートップの左でプレーした。GKの頭上を抜くループシュートをバーに当てるなど前半は2本のシュートを放ったが、ゴールはなし。持ち味はスピードに乗ったドリブル。左サイドの突破からセンタリングと見せかけ大きな切り返しなど見所も多かった。切れ味は鋭く、相手DFをスライディングで剥がれた芝と共にゴールラインを大きく割らせたのは圧巻だった。2列目でプレーした後半は自分で仕掛けるプレーより、フィニッシュに繋がるパスを出す機会が多くなる。しかしツートップとのコンビネーション不足なのか、味方が感じていなかったのか厳しいパスが多く、ゴールラインを割ったり、相手DFにカットされる場面も多かった。今回のメニコンカップはU-15の精鋭が集まった、この世代では最も高いレベルの試合だが、宇佐美は14歳にも関わらず体力的にも技術的にも既にこのカテゴリーを超越していた。結論として、得点力、スピード、テクニック、キャプテンシーが高いレベルでまとまっているのが宇佐美の一番の魅力だ。今後G大阪がどのカテゴリーでプレーさせ、どのように類まれな才能を伸ばしていくのか?この年代で目立っていても数年後には消えていく選手も多いだけに、G大阪のコーチングスタッフの手腕もまた注目される。


宇佐美以外で目に付いた選手。

MF井上寛太(京都パープルサンガU-15)

 ボランチでフル出場。攻撃の起点になり、ボールを左右前後に散らしていた。キープ力、ボール奪取能力も高く、宇佐美同様キャプテンシーがある。この試合最大の新しい発見。


MF小野悠斗(横浜F・マリノスジュニアユース追浜)

FW榎本大希(横浜F・マリノスジュニアユース追浜)

DF内田達也(G大阪ジュニアユース)

MF中田航平(横浜F・マリノスジュニアユース追浜)

AFC U-17選手権 第6日

【他国の試合結果】

C組 サウジアラビア(勝点6) 5-0 ミャンマー(勝点0)

D組 シリア(勝点6) 2-0 ベトナム(勝点4)

D組 中国(勝点7) 5-0 バングラデシュ(勝点0)


グループリーグ全試合が終了し、準々決勝の組み合わせが決定した。各試合の勝者が、来年韓国で開催されるU-17ワールドカップの出場権を獲得する。なおホスト国である韓国がトップ4入りを果たした場合、3位決定戦に代えて準々決勝で敗れたチームのうち、成績の良い2チームによるプレーオフが行われる。


9月11日17:00

日本(A組1位) vs イラン(B組2位)

サウジアラビア(C組1位) vs シリア(D組2位)

9月11日20:00

中国(D組1位) vs 北朝鮮(C組2位)

タジキスタン(B組1位) vs 韓国(A組2位) 

AFC U-17選手権 第5日

9月7日(木) 17:00 K.O (シンガポール・ジャランベサールスタジアム)

日本(勝点7) 3(1-0、2-2)2 韓国(勝点6)

【得点】

1-0 水沼(19分)

1-1 韓国(59分)

2-1 大塚(67分)

2-2 韓国(74分)

3-2 水沼(90分)


日本メンバー

GK.廣永遼太郎(90)

DF.甲斐公博(90)

  高橋峻希(90)

  山崎正登(90)

MF.岡本知剛(90)

   八反田康平(90)→76分、山浦公裕(90)

   山田直輝(90)→93分、山地翔(90)

   水沼宏太(90)

   田中裕人(90)

FW.大塚翔平(90)→68分、河野広貴(90)

端戸仁(90)


8月の豊田国際ユースでこの2チームの対戦を見たが、この世代の韓国恐れるに足らず、という印象を持った。その一番大きな理由は、崔龍洙、李東国といった韓国伝統の大型CFの系譜を引き継ぎそうな選手がいないことだ。恵まれた体格、常にトップスピードで90分走り続ける運動量は脅威だが、バイタルエリアに入ってからの怖さは、ほとんどなかった。今日の試合、2カ国ともにほぼ準々決勝進出を決めた状況での試合だったので評価はしにくいが、常に先手を取り、90分のゴールで勝ちきった結果は評価したい。なお11日の準々決勝はB組2位のイランと対戦することが決まった。この試合に勝てば日本はU-17ワールドカップの出場権を獲得する。


【他国の試合結果】

A組 シンガポール(勝点2) 0-0 ネパール(勝点1)

B組 イエメン(勝点1) 3-4 タジキスタン(勝点9)

B組 イラク(勝2) 0-0 イラン(勝点4)