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体重計付きバス停


A View of dogbutt
ANIMAL で紹介されていたオランダ・ロッテルダムのスポーツクラブの広告。
バス停のベンチに体重計が仕込んであって、座ると体重が表示される、という単純すぎる仕掛け。
(もちろん体重が表示されることはどこにも書かれていないどっきり)。

悪趣味だし、本気で怒る人もいそうなアイデアだけど、
ジョークで終わらずに「でぶはスポーツクラブに行こう」ってメッセージに落とせてるところがキモだな。
東京の地下鉄のホームのベンチとかでやってみたいけど、まずムリだよなあ。

ユニクロさん、ジル・サンダーはグッドジョブだよ!

ユニクロがジル・サンダーとデザイン監修等のコンサル契約を結んだというニュース
にはかなり飛ばされたのでした。

ここ数年、ユニクロはほんとうに着々とがんばっていて、
商品のクオリティが改善され、MDとプロモーションが連動して動くようになって、
NY出店やUTで少しずつおしゃれなイメージが付加されてきて、
ファッション誌のストリートスナップでもユニクロ着用のおしゃれエリートをずいぶん見かけるようになった。
(とはいえ、これまでは「ユニクロ着てる=恥ずかしい」だったのが、
「ユニクロでもうまく着れちゃうオレっておしゃれ」レベルまではようやく挽回されたけど、
「ユニクロ好き、カワイイ、カッコいい」までは、まだ遥かな道のりが…)

でもユニクロには
(1)審美的要素=デザインのクオリティと、
(2)心理的要素=ブランドとしての権威づけ(お墨付き、というかこのブランドなら間違いないという印象)
という超重要な2点が欠けていた。っていうかまったくなかった。

ジルサンダーの起用がうまく機能すれば、この二つの大きな弱点が
飛躍的に改善できるマジックになりうると思う。

(1)に関して言えば、ユニクロの商品はユニクロの中の人がいくら徹夜してがんばったところで
改善は不可能なような残念な感じだったから、外からの大きな力はぜったいに必要だったはず。
商品はほとんどすべて柳井社長が超細かくチェックしてたというから、やっぱり格段の進歩だよ。
柳井さんが監督してる限り、柳井さんのセンス以上のものは生まれないんだから。

(2)に関しては、ジル・サンダーにはかつてのようなネームバリューはもうないけれど、
それでも「超一流デザイナーがデザインしている」という安心感は、
「おしゃれにはそこそこ関心はあるけれど、自分のセンスにはいまいち自信がない」
っていう多数のお客さんにとっては、
「まあユニクロなら間違いないよね」的に強烈な、無言のお墨付きになる、はず。

さらに言えば、ジル・サンダーを選んだというのも
ユニクロというブランドにとっては相性的にも超ベストマッチ、超グッドチョイスだよ。
すごいよ、柳井さん!

問題があるとすれば、ユニクロの事業基盤は郊外、地方のロードサイドだから、
地方・郊外のユニクロの既存顧客が離れない程度の「カッコいい」商品を
ジル女史が提案できるかどうかはちょっとチャレンジだと思うけど。
まあ、賢い柳井さんは当然そのあたりも考えはあるんだろうし、手を打ってくるだろう。

このユニクロの大きな動きでファッション業界のファストファッション化が
ぐぐっと進んでいくことはおそらく間違いないことで、
これはあとから振り返るとけっこう画期的な出来事になるのかもしれない。

というのも、値段が高くてもいい素材&いい縫製のハイクオリティ服を欲しいと思ってる人は少数で、
これまでは、それなりのものを買うにはそれなりの値段がするから、
仕方なくそれなりのお金を服に払ってた、っていう人がかなり多いと思うんだ。
そういう人は、安くてデザインもよくて着ていて恥ずかしくなくて質がいい服が手に入れば
迷わずそっちに流れるだろう。
だから、このユニクロの戦略がうまくいけばワールド、オンワード、サンエー…といった
国内アパレルはかなりシマを荒らされることになるだろうし、
UAやビームスほかのセレクト勢もかなり痛い目に遭うと思う。

で、どうなるかって?
ユニクロやH&M、ZARA、GAPなどの大手SPAがそれぞれ著名デザイナーを擁して
ディフュージョンブランドを大衆向けに大量に売って、
ごく少数のファッション原理主義者たち=(高くてもカワイイ、カッコいい、誰も着ていない服が欲しい派)が、
著名デザイナーの供給源であるモード服を細々と買う、という二極分化が進むんじゃないかな?
(モード服の市場が縮小してしまうと、デザイナーの供給源も細くなってしまうけど…)

クルマや家電の業界で寡占化が進んだように、
巨大な販売力と生産背景を持った大手数社にアパレルも収斂されていくような気がする。
安い服でデザインも質もブランドもすべて満たせるのであれば、
希少性に価値を感じるマニアでもなければ、
あえて高い服を買う理由が見当たらないと思うんだよね。

アパレル業界の人にとっては頭の痛い未来だけど、
大多数の一般人にとっては、これってきっとハッピーなことだ。
そんなわけで、アパレル/セレクト業界は、今後縮小していく未来しかないように思う。
個人的には残念だけど、資本主義ってこういうことなんだよな。

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Pen「アールヌーヴォー」特集/BRUTUS「ファッション」特集

今日オフィスに届いた雑誌たち。

Pen (ペン) 2009年 4/1号 [雑誌]
¥550
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なぜ「今こそアールヌーヴォー」なのかまったくわからないあまりに唐突な特集だけど、
(工業的、直線的でなく手作り的、曲線的ってことか?)
中身はきっちりと調べ、撮影し、丹念に編集されていて完成度は高い。
Penは立ち位置とか目線が、
バーや寿司屋によくいる蘊蓄おやじタッチなんで(←醤油にワサビを溶くと怒られちゃう感じ)
まあどちらかというと苦手な雑誌なんだけど、
この号は粘っこいおやじスタイルがいい方に作用していたように思う。
亡き往年の『太陽』(平凡社)を少し薄めた感じ。

でも「今こそアールヌーヴォー」って、さすがに突っ走りすぎじゃないのか?
なぜ唐突にアールヌーヴォーだよ?
このマーケティングからはみ出して暴走してしまう感じは好きだけど、
この担当の人、編集会議とかどうやって通したんだろう?
暴走と言えば、ブルータスでも巻頭12ページぐらいをフランク・ミュラーが飾った
「天才特集」という滅茶苦茶な暴走号が数年前にあったのを思い出した。
「天才=フランク・ミュラー」って、そんなコンセンサスどこにもなくない?
編集者の思い入れで前のめりすぎだYO!

でもこのPen、後半のタイアップページが壊滅的。
これ見てモノを欲しくなるやつの気が知れないし、
ここに出稿を決意したクライアントの気はもっと知れないよ…。


BRUTUS (ブルータス) 2009年 4/1号 [雑誌]
¥680
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「不況不況」とは言うものの、かなり潤っている感じのブルータスのファッション特集。
祐真、野口、両大巨頭のページは、まあなんというかお約束の予定調和の世界。
あらかじめパリやミラノの偉い人たちが決めたファッション写真の定型を
いかに再現できるかという世界だから
目新しさもないし、欧米のファッション誌にアクセスできる人にとっては面白みもない。
でも極東で自分のブランドイメージに差し障るような余計なことをされたくないメゾンにとっては
この予定調和がベストなのもよく理解できる。
まあ、本国の承認やらいろいろめんどくさいもんね。

白山春久さん、長谷川昭雄さんのページは、
どちらも80年代後半のPOPEYEを彷彿させるようなクラシックでハッピーな世界。
長谷川さんの「Mahalo」と題されたハワイ撮影(だよな?)のページは、
力の抜けきった感じのモデルのセレクトもスタイリングも写真の質感も、
この春の気分に同期しててどれもばっちりハマってた。
きっとチームの息がかっちりとあった撮影だったんじゃないかと思う。
切り抜いてオフィスのデスクに貼っておきたいぐらいだよ。この号のベスト。

「ファッション写真でさんざんお金集めたから、あとは好きにやらせてもらいますわ」
な感じの後半の記事ものページもよかった。


あとこれは先週読んだやつだけど
STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2009年 04月号 [雑誌]
¥780
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スタジオボイスの華麗なる400号の歴史を振り返るという
ぼくのような雑誌マニアにはたまらん特集なんだけど
過去の歴史が華やかだっただけに、今の惨状が際立ってしまう悲しい1冊。
この雑誌に関わった人々へのアンケートで構成されたページがあるんだが、
何人かの人が挙げていた過去の「不良」特集とか「Loud Minority」特集とか、
ぶっ飛んでて主張があって、やっぱりかっこ良かった。
いまはすっかりへなちょこになってしまったCAP藤本やすしも、
90年代前半はカッコいいデザインをばしばし生み出していたんだね。

でもその頃から15年が経って、いまはすっかり老境に入ってしまった感のあるスタジオボイス。
今この雑誌で唯一気を吐いてるのはADの((STUDIO))の峯崎ノリテルさんくらいだと思ってたのに、
なのになのに、次号からAD変えちゃうの?? いくらなんでも愚策じゃない??

自分が歳をとってしまっただけで、
今の十代後半のサブカルっ子にとってはスタジオボイスは
まだまだかっこいい雑誌なのかもしれないけど、
読み終わった後遠い目になってしまったのでした。

UT X Wonder Worker Guerilla Band

今日はユニクロUTのサイトにアップされてた「HOT CHOCOLATE」 という新商品に
釘付けになっていたのでした。



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プロフィールにもあるように、このWonder Worker Guerilla Bandというのは、
東京ストリートを代表する人気ブランドSasquatch Fabrix(サスクワッチ・ファブリックス)の変名で、
UTと組んで<HOT CHOCOLATE>なるディフュージョンブランドを立ち上げた、という次第。

H&Mがギャルソンとコラボしたり、ユニクロもフィリップ・リムとコラボしたりと、
ハイブランドやモードブランドのファストファッション勢とのコラボというのはここ最近目立ってきてるけど、
ファストファッションがストリートブランドとコラボするっていうのはかなり画期的だよ!
(そういえばUTは熊谷隆史率いるGDCともコラボしてたな…)
UTはTシャツブランドなのに、こんなヤバいデザインのパーカまで!
しかも3990円!

ユニクロ本体のコラボはいいデザイナーもよくわからんデザイナーもごちゃっと混ざっていて、
ファションがわからないユニクロの中のおじさん・おばさんが
適当に選んじゃいました感が満載で困ったものですが、
サスクワッチを引っ張ってくるなんて、かなりいいセンスですよ、UT。

UTの立ち上がりの時はテリー・リチャードソンが広告撮ってたりコラボTも出したりして、
五木田智央とか伊藤桂司とかハイファナ(!)とかカッコいい日本のアーティストともコラボってたりして、
原宿界隈でもそれなりに話題になったりしてたのにその後ぱっとしなかったんだけど、
今シーズンは期待できちゃう?

ご存知のようにファッションは低価格化が進んでいて、
去年の秋冬頃から高いものはぱたっと売れなくなってしまっていたわけですが、
この失速から比較的逃れてきたのがストリートファッションの世界だったんですね。
というのも、安価にすませられる適正な代用品がマーケットになかったから。
安いストリートファッション服は、ほんとうに安っぽいものしかなかったわけです。

もしユニクロのこの路線が当たったら、第二弾、第三弾も続けてくるだろうし、
そうなるといち消費者としてはとてもうれしいんだけど、
この手の商品を出してるブランドやショップはかなりマズいことになるんじゃないだろうか?
サスクワッチを扱っているUAの<時知らず>とか、吉井雄一さんの<コンテンポラリーフィックス>とか、
かなりピンチじゃないのかな?

ひょっとしたらこのコラボは日本のストリートファッションにとって、
大きな転機になるんじゃないかって気がしてます。

オバマにみる政治とグラフィックデザイン

ニューヨークタイムズのブログ「T Magazine」 で見つけたんだけど、
このグラフィックはオバマ大統領が経済復興を目的に始める2つのプロジェクトARRA(左)とTIGER(右)のロゴ。
左のARRAはパーフェクトとはいえないけど、85点くらいはもらえそうなグッドデザインだとおもう。
ちょっとレーモンド・ローウィやポール・ランドなクラシックなアメリカの匂いもする。
右のTIGERはインパクト勝負が少し裏目に出てしまった感じはするけど…。(←上から目線)

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記事によれば、デザインチームはクリエイティブディレクターがシカゴベースの
Mode Projectという事務所。デザイナーはDraplin DesignのAaron Draplinと
Wire & TwineのChris Grassだって。(この三組誰も知らなかった…。でもグッドチョイス!)

オバマ大統領のグラフィックと言えば、OBEYが勝手に描いた肖像画がゲリラ的に広まって
いつの間にか選挙戦のシンボルになっていたけれど、
明確な根拠がない、「なんかやってくれそう」感からくる期待感を背景に
大統領にのぼりつめた人だけに、
プロジェクトのロゴマークまできちっとデザインしてくるのはさすがだなあとおもう。
オバマ大統領は今後も勝ち目の薄い、厳しい戦いを強いられるわけだけど、
グラフィックデザインで人々の気持ちを盛り上げ結集させることで、
少しでもこの困難なタスクの成功の可能性を高めようという意思を感じるのです。
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日本の政府、官庁ももう少しだけデザインに気を配ってほしい。
キレイなデザインならばコミットする気持ちも少しだけ高くなるとおもうんだ。
ちょっと汚いものが多すぎませんかね。そんなに全力投球する必要はないけど。
まず大至急、今すぐに変えてほしいのが観光庁のVISIT JAPANキャンペーンのロゴ。

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成田空港にかえってくるたびにこのロゴに盛大に出迎えられると、ほんとうにやりきれない気分になる。
猛烈な脱力感。
ホームページの記述によれば
「力強く大胆な造形は、日本への観光を通じて出会う発見、驚き、感動をシンボライズして」いるらしい…。
マジっすか?
誰がデザインしたんだか知らないけど、これ国辱ものだと思いますよ。

こうした政府もののデザインとなると、みんなに伝わらなければいけないから、
わかりやすくて、クールより少しあたたかみがあるもので、なおかつ誠実な印象が必要だとおもう。
官公庁だったらつい声をかけてしまいがちなのは佐藤可士和先生だと思うけど可士和はマズい。
ぐっとこらえて、たとえばGroovisions(グルービジョンズ) が各省庁のCIをデザインしたら、
とても素敵なことだと思うし、行政にもっと共感できるようになるとおもうんだよね。

ちなみに歴史上イメージ戦略で最もうまく大衆を操った政治家は
ヒットラーとその宣伝相のゲッベルスだと言われてて、
A新聞あたりのマスコミは、ポピュリズムの文脈とからめて政治のイメージ戦略を批判しがちだけど、
これって「殺人事件が起きたから包丁の販売を規制しろ!」ってのと同じロジック。
目的と手段をごっちゃにして議論してはいけません。

野口強とクローネンバーグ

会社に届いていたPOPEYEの野口強のインタビューがなかなかすごかった。
「草食男」について語ってるんだけど、容赦なく「男としてそんなんじゃダメだ!」と一喝、 
返す刀で「オレの若い頃はさ…」と滑らかに武勇伝につなげて高らかに吼える。
全盛期の北方謙三に迫るオヤジっぷりがなかなか見事。むう。

でもそんなPOPEYEだけどメンノンより広告が入ってる様子で、
部数はともかく広告ではメンノンを抜いてしまったような感じ。
どっちにしてもアラサー中心に元気のいいレディスに比べると、
メンズファッションは相変わらず低調のようでちょっと元気がない。
メンノンは付録の作原さんスタイリングのインテリアのタブロイドはいい感じだった。
POPEYE (ポパイ) 2009年 04月号 [雑誌]
¥730
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MEN’S NON・NO (メンズ ノンノ) 2009年 04月号 [雑誌]
¥650
Amazon.co.jp


おまけパワーで独走するSWEETの今月号の付録はJill Stuart(ジル・スチュアート)のビニールバッグ。
1年前くらいに比べるとおまけの製作レベルも格段にパワーアップしてて、
こんなマトモなおまけがついて六百円台って違法スレスレじゃないかと思うんだが。
そういえば街でもSWEETのおまけを平気で持ち歩いて愛用している女をよく見かけるけど、
そんなやつの気が知れない。
次号のおまけはCher(シェル)のエコバッグとポーチの2点セット。これは売れるよなあ。
この号は道端ジェシカでLA撮影のページが70年代のプレイボーイな雰囲気で個人的にはツボだった。
ルミネにできたkitsonもPRの力で売れてるみたいだし、
西海岸な気分はレディスファッション業界ではまだいけそうな感じがする。


で、今さらだけどクローネンバーグの「イースタンプロミス」を見た。
ハードボイルドの流儀と定型に則った、ティピカルなハードボイルド映画なんだけど、
執拗なバイオレンス描写と流麗なビジュアルが、この映画独特の味付けになっていて、
やっぱり明らかなクローネンバーグ映画に仕上がってる。

クローネンバーグという監督は、
人を痛めつけたり人が痛めつけられたり血を流したり死んだりするリアルで生々しい映像を
フェチ的に撮ることが他を圧倒する最大の関心事で、
それ以外の場面は、彼にとってはあくまで殺人傷害シーンを撮るための
「つなぎ」に過ぎないんじゃないか、という気がしてならないんだけど、
物理的な痛みを感じるくらいのレベルの暴力描写は観客として見てるだけでも実際かなり痛い。
まあ当然、殺人傷害シーンの出来ももの凄く良い。
ビジュアル構成力は圧倒的で、特にロシアン・レストランのシーンは、
調度や食器、料理の色合いや素材感・質感が徹底的にセクシーに撮られ、
厳密にコントロールされたコントラストがフェルメール的に美しかった。

また、日本ではあまり見られないロシアンな大衆的な美意識にあふれた独特のタトゥーもかっこいい。
タワーブックスで外人が分厚い日本の刺青本を好んで買っていく理由がよくわかった。
B級な大衆をおもな支持基盤にするタトゥーは、グローバルな「テイストのよさ」に荒らされてないから、
ちょっとぎこちないローカルさが残ってるんだよな。

ありふれたシナリオの定型的な映画であっても、特殊な才能を持った監督が
適切なスパイスをまぶして撮れば、こうまで違うんだ、というお手本のような映画。
カルト映画界の怪作「ビデオドローム」を撮ったようなとびきりの基地外が、
自分の流儀と嗜好に妥協しないままにハリウッド映画のフォーマットで
興行的にもそこそこ成功する作品を成立させたということにこの作品の最大の意義があると思うし、
インディペンデントなクリエーターにとってもお手本にすべき姿勢だと思う。
クリエーターにありがちな
「バカな客(クライアント)が多いから、そのレベルに合わせるしかないんだよ」
みたいな言い訳は、言い訳でしかないってことだ。自戒も込めて。
堪能しました。
イースタン・プロミス [DVD]
¥2,997
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ビデオドローム【ユニバーサル・セレクション1,500円キャンペーン2009WAVE.1】 [DVD]
¥1,200
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EYESCREAM「西海岸クリエイティブ」特集

EYESCREAMは、元気のない雑誌業界にあって編集へのパッションを感じる数少ない雑誌だと思ってる。
いわゆる”ウラハラ”の衰退とともに消えつつある日本のストリートカルチャーの火を必死で守ってる感じ。

雑誌の生き延びる環境としては、休刊してしまった「relax」が
がんばってたころよりずっとずっとキツいはずなのに、
おまけに親会社のUSENもかなりヤバい感じなはずなのに、前を向き続ける姿勢はカッコいい。
この雑誌ともうすぐ次号がでるNEUTRAL(←次はハワイ号!すごい楽しみ!)は応援してます。

で、EYE SCREAMの最新号は「西海岸クリエイティブ」特集。
去年は映画『BEAUTIFUL LOSERS』が公開され、同名の展覧会(←これは最高だった!)が開催されたりして、
西海岸はとてもいい感じの動きがもぞもぞしてるだけに、なかなかのタイミング。
登場してるのはトミー・ゲレロ、マックス・シャーフ、バリー・マッギーといった「BEAUTIFUL LOSERS」的な面々。
まだ読んでないけど、ちょっと読むのが楽しみ。
個人的にも、NYより俄然西海岸だとおもう。
【追記】
読んでみたらぜんぜんダメだった…。
インタビューの内容が薄い(外タレに「日本の印象はどうですか?」と聞いちゃうレベル)し、翻訳も練れてない。
基本設計はいいし、主張もあるし、主張にあった人選もできているのに、その先のエクゼキューションが拙い。
「ストリートな雑誌なんだから、思いがあれば仕事の丁寧さは二の次だよ」って考えもあると思うし、
ダメな基本設計をベースに丁寧な仕事を積み上げた雑誌よりはまだいいと思うけど、
もうちょっと高いレベルがほしいなあ。
インタビューが短すぎていい加減だから、登場する人の考え方がわからないし、
かといってモノが見えてるわけでもない。雰囲気だけしか伝わってこない。
EYESCREAM (アイスクリーム) 2009年 04月号 [雑誌]
¥880
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先週読んだのはもうラス3になってしまったエスクァイア「学校」特集。
BRUTUSも少し前に同じテーマの特集やってたけど、
景気が悪くなってこう毎日のように「格差格差」言われると、
「今消費することよりも、手に職つけて将来の安心を買いたい」ムードになってきてるのは当然の帰結だから、
タイムリーな特集なんだと思う。
でもなんで、よりによって町山さんに「全米一のプレゼン術の授業」の授業なんて受けさせたのか?
町山さんが授業に内容にまったく興味を持てない感じがおかしかったけど、
もしそれが狙いなら悔しいけど大成功だよ。
Esquire (エスクァイア) 日本版 2009年 04月号 [雑誌]
¥700
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相変わらずの雑誌クライシスと、最近読んだ本たち。

雨が続いていて走れないのはちょっとつらい。

BRUTUS「ラジオ特集」。ひどい、ひどすぎる特集。
思想も伝えたいメッセージもない、これじゃただの情報誌だよ。
でも奇跡の完売、増刷らしい…。
ラジオ世代の団塊にターゲットを絞ったのが予想以上に当たったのと、
誌面で紹介した番組の多くが雑誌について触れてくれたからだとか。
まあそりゃそうだ。
ラジオ番組が多メディアで紹介されることなんてめったにないだろうから、
たしかに宣伝したくなるだろうさ。本質じゃなくてマーケティングの勝利だね…。

出版業界からは相変わらず悲しいお知らせばかり聞こえてくる。
雑誌は、文化を媒介していくインフラだと思っている。
昔、ビニ本がアダルトビデオに滅ぼされたように、
文化を伝える機能がネットなどのほかのメディアに代替され、残っていくならぜんぜん問題ない。

ぼく自身は十代後半に夢中で読んだPOPEYEやSWITCHにその後の生きかたを教えてもらった。
雑誌によって知ったものたちが、今の自分の根源にある。

何かを知る機会さえあれば、あとはググって自分で調べればいい。
でも雑多な情報がまとまっているがゆえに、自分の人生を変えるかもしれない素晴らしいものに
偶然出会わせてくれてきた雑誌が消えていってしまったら、
何かを「知る」ことが極端に難しくなってしまうのかもしれない。
そうなると、文化は「みんなが知ってる」ものに収斂していってしまうんじゃないか。
文化を伝える役割がほかのメディアにスイッチされず、
雑誌とともに消滅してしまうとしたら、とても残念なことだ。
それで世の中が滅びてしまうわけじゃないかもしれないけど、
みんながみんなウィル・スミス主演の映画に歓喜し、AVEX産の音楽に熱中するような世の中は
想像するだけでとても寒々しい。
でも市場で受容されないものは、今の社会の中では生きていけないのが現実だ。
わたしたち消費―カーニヴァル化する社会の巨大ビジネス (幻冬舎新書)/鈴木 謙介
¥756
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最近読んだ本。
特に理由はないけれど、なぜか格闘技ものばかりだな。
1976年のアントニオ猪木/柳澤 健
¥1,890
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「最強」の称号を切望した猪木が次々と異種格闘技戦を戦った76年を軸に、彼の生き様を追った伝記。
猪木のキチ○イっぷりが鮮やかに描かれているんだけど、
彼の狂気はウォルトディズニーと同じ種類の天才ゆえの狂気なんだと感じた。
人を引きつけ、観衆をアジテートする天賦の才を自らの狂気で極限までブーストしていたのが、
この頃の猪木だった。
事業の失敗がなければ、この人はもっと日本人を狂わせていたのかもしれない。
傑作。
泣き虫 (幻冬舎文庫)/金子 達仁
¥600
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猪木本が予想外におもしろかったから何気なく手にとったけどこれも当たり。
猪木はプロレスという香具師の世界に生きていたが、プロレスと総合格闘技の隙間に潜り込み
このニッチを広げていったのが高田延彦だった。
間接的には高田がプロレスを滅ぼしたとも言えるのかもしれない。
あこがれのヒクソンと戦えることになったのに、会社の経営に忙殺されてどうしても戦う意欲が湧かない、
ヒクソン一戦目前後のくだりが特に秀逸。
マイノリティーの拳/林 壮一
¥1,470
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ボクシングの世界で一瞬光を浴びたものの、その後はさまざまな原因でまた暗闇に引き戻されてしまった
ボクサーたちの伝記。Rise and Fallものは昔から好き。
キラー・オン・ザ・ロード (扶桑社ミステリー)/ジェイムズ エルロイ
¥720
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NY行きの機内で読んだ。70年代の場末を舞台に衝動的に連続殺人を繰り返す殺人鬼を
名手エルロイが丹念に描く。きっとこれも映画になるんじゃないか。監督はパティ・ジェンキンスがいいな。
そういえば仙台ジェンキンスってあったな。読んで損はない。

超高層再開発時代の終わり/ジャマル・シャバスとポール・フスコのこと

夕方から六本木ミッドタウンへ。無惨なくらいに閑散としている。
六本木ヒルズも丸の内もそうだけど、この手の都心再開発はたいていは「高感度」をうたっていて、
おそらく企画段階では「このブロックにはビームスで、こっちにはトゥモローで…」
なんて皮算用をしていたんだとおもうけど、
実際にはビームスにもUAにもトゥモローにも断られて、けっきょくはスペースをうめるために
どうでもいいようなB級テナントがぼこぼこ入った中途半端なビル完成!
というパターンが定番になってしまっている。

オープンのブームが終わってしまえば、おまけに今のような景気だとなおさらに、
そんな中途半端な「高感度」ビルに行きたがる人はいないから、
都心再開発物件たちのいまの悲しい状況は、必然なんだとおもう。

ちょっと考えてみたらわかることだけど、「高感度」なテナントなんて
もともとそうたくさんあるもんじゃない。
どこの再開発物件も、テナント集めが当初の狙いどおりいったわけではなく、
苦渋の選択がかさなっていまの構成になったんだとおもうけど、
希望のテナントがあつまらなかった場合のシナリオは事前に考えてなかったのだろうか?
あーあ。こんなことなら、せめてオフィスか住居にしておけば、潰しがきいたのに。

そもそも、ある一角を更地にして超高層ビルをドーン!というディベロッパーのやりかたは、
「かっこわるいし、暴力的だ」と批判を浴びてばかりだった。
こういうものを褒めてたのは隈研吾と村上隆くらいだし、喜んでいたのも田舎者と隈研吾くらいだ。
それでも、今までは「かっこわるいけど儲かる」、という超高層をつくるそれなりに正当な理由があった。
でも今になって「かっこわるいうえに大損するかもしれない」ことがわかったんだから、
これまでどおりの再開発手法は行き詰まるだろう。
そういえば、青山の紀ノ国屋ビルもテナント集めが相当ヤバいみたいだ。
はじまる前からこんなことになっていて、でもなかったことにもできないし、どうするつもりなんだろう?

この本はおもしろい、隈研吾が「それでも超高層再開発をしなければならない理由」を説明している。
新・都市論TOKYO (集英社新書 426B) (集英社新書)/隈 研吾
¥756
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残念な気持ちで雨の六本木を歩いて六本木ヒルズのTSUTAYAへ。好きな本屋だ。
写真集とデザイン関係の本がけっこう揃ってるし、
立ち読みが苦手なぼくには、ふんだんに用意されたソファで本を眺められるのはとてもうれしい。

きのうは本を2冊買った。
Jamal Shabazz(ジャマル・シャバス)の「Seconds of My Life」 と、Paul Fusco(ポール・フスコ)の「RFK」
どちらも素晴らしい写真集。

Jamal Shabazzの名前をぼくが知るようになったのは、
2001年に出版された「Back In the Days」というは写真集がきっかけだった。
80年代、ヒップホップの黎明期だったブルックリンのブラックコミュニティを撮りためたもので、
登場人物たちののファッションがオールドスクールでほんとうにかっこいいんだ。
この頃、彼の住む一帯はエイズと貧困でひどい状態だったようだけど、
写真集に残る彼らの表情はとてもおだやかでやさしいし、
当時の空気感をきっちりとつかまえたカラー、プリントも素晴らしい。

これまでぼくは、どんな人を撮っても素晴らしい表情を引き出してしまう
何人かのカメラマンと仕事をしたことがある。
あっという間に被写体の緊張をほぐし、とろけさせてしまう。たぶん後天的には身につけられない天性の才能だ。
シャバスもそんなカメラマンの一人だと思う。
荒廃したコミュニティをこういうやさしい目線で撮れたことで、
この写真集はほんとうにすばらしいものになっているとおもう。

荒れ果てた80年代前半のNYの地下鉄を、一触即発の緊張感とともに撮った
Bruce Davidsonの「Subway」 もそのヒリヒリするようなリアルさがとても好きだけど、
シャバスの撮る「おだやかなゲットー」も、その裏表にあるリアルなんだとおもう。

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もう一冊。ポール・フスコの「RFK」は、暗殺されたロバート・ケネディを見送るため全米を走る葬送列車に同乗し、
その窓からボビーの死を悼む人の姿を撮った写真集だ。
去年見た映画『ボビー』の映像がとても好きだった自分にとっては、
この写真集の舞台は超ストライクゾーンだ。
愛されたボビーの死に直面して、被写体となる人たちがあらかじめ感情をまるだしにして
次から次へと登場するわけで、写真家にとってはこれほど「撮りやすい」シチュエーションはそうはないとおもう。
でも走る列車から撮ることで窓越しに見える人々の姿は少しだけブレてにじんでて、
それがとてもいい空気感を出している。
フスコはマグナムの作家だから、マグナムのサイトでほかの作品も一部見ることができる けれど、
ぼくはこのシリーズが断然いちばん好きだ。ほかの作品は被写体に近すぎて、ちょっと生々しい。
車窓越しに撮ることで、半分傍観者のような立ち位置で撮れたのが正解だったように見える。
70年代のアメリカのリアルで悲しい一瞬、一瞬がとてもよく写っているとおもう。
70年代、80年代のアメリカは、なんでこんなにかっこよくて切ないんだろう。
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夜は青山のカフェで雑誌の編集者のSさんとしばらくぶりに食事をした。
次の企画の話、ニューヨークのステーキの話、エスクァイアの話、ギャルとヤンキーの話。
Uさんに北九州市が発行している「雲のうえ」 という素敵なフリーペーパーをもらう。
失礼な言い方だけどフリーペーパーとは思えないような上品で誠実な編集で、
それもそのはず、ku:nelのチームが製作しているんだから質が高いのも納得だ。
「北九州にもずいぶんいい写真撮るカメラマンいるんだねえ」なんて感心していたら久家靖秀さんが撮っていた。

気がつけば2時半になっていたけれど雨はもう上がっていて、それほどさむくない。
なんとなく歩いているうちに家まで歩いて帰った。
夜中の街をとぼとぼ歩いていると、東京はやっぱりいいよなあ、とおもう。

ニューヨーク、最高のステーキ、Midnight Blueとエスクァイアのこと。

3日間だけニューヨークへ行ってきた。半年ちょっとぶり。
向こうでやるべき仕事っていったら、打ち合わせ1件とショー1つ見に行くくらいのもので、
けっこうぶらぶらする時間があったんだけど、まあ言うほど景気悪い感じはしなかった。
スタバもそこそこ混んでるし、タクシーだってそんなすぐつかまるわけじゃないし、
向こうに行った時は必ず見に行く高級スーパーWHOLE FOODS MARKETのレジも相変わらずの行列だったし。
とはいえ、向こうで食事をした友人によればニューヨークのアパレル業界はやっぱりかなりマズいらしくて、
マーク・ジェイコブスを筆頭に5つぐらいのトップブランドを除けば、
デザイナーブランドはどこが潰れてもおかしくない状況だとか。

そんなまったり&メローな今回のニューヨークでの収穫は2つ :

1. Ben & Jacks Steak House
取引先の方に連れて行っていただいたミッドタウンのステーキハウス。
アメリカ標準と比べると肉質はかなりソフトで日本人好み、
それでいてアメリカンステーキの醍醐味である赤身肉の旨味は超濃厚。
焼き具合はパーフェクトなミディアムレアで、極楽のようにウマい。
おまけに一人およそ$50くらいと格安(まあ、ご馳走になったんだが)
ニューヨークのステーキハウスといえばブルックリンのPeter Lugerが有名で、
現地の友人は断然Peter Luger派が多いし自分もすごく好きな店だけど、
ニューヨークステーキ対決は文句なしにBen & Jacksの圧勝だと思う。
これからニューヨークに行くたびに食いに行きたいぐらい気に入ったかも。激しくおすすめですYO!

でも、東京には肉の赤身を旨く食わせるステーキハウスがなんでないんだろう?
東京の焼肉屋の充実ぶり洗練ぶりは確かにスゴいけど、アメリカのステーキは焼肉とは違う次元の美味だと思う。
西麻布のポーターハウスはたぶん日本唯一(?)のアメリカンステーキの店だと思うけど、
値段だけは法外に高いとても残念な店だったから二度と行きたくない。

http://www.benandjackssteakhouse.com/
(音出るよ注意!)

2. Midnight Blue Collection

A View of dogbutt
世界一カッコいい品揃えのビデオ屋じゃないかと思う(正しくはDVD屋か)
イーストビレッジのKim's Videoにパトロールにいったとき見つけて捕獲した。
ただ者じゃない雰囲気のジャケにムラッときて手に取った純粋なジャケ買いで、
『MIDNIGHT BLUE』がなんなのかもまるで知らずに買ったわけだがこれが大ヒット。

『ブギーナイツ』を見て70年代ポルノ業界の無責任でヨれた雰囲気に夢中になってしまい、
それ以降中毒的に『ブギーナイツ』的な感覚のビジュアルを探し続けてきたんだけど
これはまさにそんな自分好みのダメな感じがぎっしりの5枚組のボックスセットだった。

調べてみると、『MIDNIGHT BLUE』はNYのケーブルで深夜に放送されていた「伝説の」ポルノ業界番組らしい。
中身はまだ少ししか見てないけどこんな感じで、
素晴らしいことに当時のCM(ストリップバーやなんか)もそのまま入ってて、
70年代アメリカの場末の雰囲気がコッテリと味わえること。

A View of dogbutt A View of dogbutt A View of dogbutt A View of dogbutt

まあ、こんなものにはまるで興味がないような人がほとんどだろうけど、
エグルストンとかスティーブン・ショアとかのニューカラーの写真とか、
ジョン・ウォーターズとかブラックエクスプロイテーションムービーが好きな人は気に入るかも。
ローファイでインチキくさい、でもカッコいいアメリカ。
Amazon.comでは買えるみたいですYO !

こんなのもおすすめ。
ブギー・ナイツ [DVD]/マイケル・ペン
¥1,687
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インサイド・ディープ・スロート [DVD]
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あとエスクァイアの件。
ある時期はほんとうに素敵な雑誌だっただけに休刊は残念で仕方ない。
「雑誌は編集長のもの」とはよく言われることだけど、
それだけにたまたまダメな人が編集長になってしまうと、
どんな偉大な雑誌でも一瞬で失速しうるって例だと思う。
不景気や広告減少が痛いというのはウソではないと思うけど、
ここ1年くらいのエスクァイアは、かつての姿の見る影もない残念な姿になってしまっていて、
雑誌としての志は希薄だけど広告は入れてほしいという、
よくわからないけど高めのR25?みたいな感じだったから、読者が離れていくのも必然だったと思う。

評論家(?)の仲俣暁生氏はエスクァイア休刊についてプレイボーイ日本版休刊の件と並列して、
アメリカの雑誌の日本版をありがたがる」という舶来信仰は、『プレイボーイ日本版』の休刊を契機に、いいかげんに終わりにしていい」
ブログ に書かれていたけれど、
ずいぶん適当なアレだと思う。
エスクァイア日本版は「アメリカの雑誌の日本版」とは名ばかりで、アメリカ版とはぜんぜん違う
日本らしい編集がなされた雑誌だった。

madame FIGAROのフランス版と日本版ぐらい違うと思うよ。