Pen「アールヌーヴォー」特集/BRUTUS「ファッション」特集 | A View of dogbutt

Pen「アールヌーヴォー」特集/BRUTUS「ファッション」特集

今日オフィスに届いた雑誌たち。

Pen (ペン) 2009年 4/1号 [雑誌]
¥550
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なぜ「今こそアールヌーヴォー」なのかまったくわからないあまりに唐突な特集だけど、
(工業的、直線的でなく手作り的、曲線的ってことか?)
中身はきっちりと調べ、撮影し、丹念に編集されていて完成度は高い。
Penは立ち位置とか目線が、
バーや寿司屋によくいる蘊蓄おやじタッチなんで(←醤油にワサビを溶くと怒られちゃう感じ)
まあどちらかというと苦手な雑誌なんだけど、
この号は粘っこいおやじスタイルがいい方に作用していたように思う。
亡き往年の『太陽』(平凡社)を少し薄めた感じ。

でも「今こそアールヌーヴォー」って、さすがに突っ走りすぎじゃないのか?
なぜ唐突にアールヌーヴォーだよ?
このマーケティングからはみ出して暴走してしまう感じは好きだけど、
この担当の人、編集会議とかどうやって通したんだろう?
暴走と言えば、ブルータスでも巻頭12ページぐらいをフランク・ミュラーが飾った
「天才特集」という滅茶苦茶な暴走号が数年前にあったのを思い出した。
「天才=フランク・ミュラー」って、そんなコンセンサスどこにもなくない?
編集者の思い入れで前のめりすぎだYO!

でもこのPen、後半のタイアップページが壊滅的。
これ見てモノを欲しくなるやつの気が知れないし、
ここに出稿を決意したクライアントの気はもっと知れないよ…。


BRUTUS (ブルータス) 2009年 4/1号 [雑誌]
¥680
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「不況不況」とは言うものの、かなり潤っている感じのブルータスのファッション特集。
祐真、野口、両大巨頭のページは、まあなんというかお約束の予定調和の世界。
あらかじめパリやミラノの偉い人たちが決めたファッション写真の定型を
いかに再現できるかという世界だから
目新しさもないし、欧米のファッション誌にアクセスできる人にとっては面白みもない。
でも極東で自分のブランドイメージに差し障るような余計なことをされたくないメゾンにとっては
この予定調和がベストなのもよく理解できる。
まあ、本国の承認やらいろいろめんどくさいもんね。

白山春久さん、長谷川昭雄さんのページは、
どちらも80年代後半のPOPEYEを彷彿させるようなクラシックでハッピーな世界。
長谷川さんの「Mahalo」と題されたハワイ撮影(だよな?)のページは、
力の抜けきった感じのモデルのセレクトもスタイリングも写真の質感も、
この春の気分に同期しててどれもばっちりハマってた。
きっとチームの息がかっちりとあった撮影だったんじゃないかと思う。
切り抜いてオフィスのデスクに貼っておきたいぐらいだよ。この号のベスト。

「ファッション写真でさんざんお金集めたから、あとは好きにやらせてもらいますわ」
な感じの後半の記事ものページもよかった。


あとこれは先週読んだやつだけど
STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2009年 04月号 [雑誌]
¥780
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スタジオボイスの華麗なる400号の歴史を振り返るという
ぼくのような雑誌マニアにはたまらん特集なんだけど
過去の歴史が華やかだっただけに、今の惨状が際立ってしまう悲しい1冊。
この雑誌に関わった人々へのアンケートで構成されたページがあるんだが、
何人かの人が挙げていた過去の「不良」特集とか「Loud Minority」特集とか、
ぶっ飛んでて主張があって、やっぱりかっこ良かった。
いまはすっかりへなちょこになってしまったCAP藤本やすしも、
90年代前半はカッコいいデザインをばしばし生み出していたんだね。

でもその頃から15年が経って、いまはすっかり老境に入ってしまった感のあるスタジオボイス。
今この雑誌で唯一気を吐いてるのはADの((STUDIO))の峯崎ノリテルさんくらいだと思ってたのに、
なのになのに、次号からAD変えちゃうの?? いくらなんでも愚策じゃない??

自分が歳をとってしまっただけで、
今の十代後半のサブカルっ子にとってはスタジオボイスは
まだまだかっこいい雑誌なのかもしれないけど、
読み終わった後遠い目になってしまったのでした。