B級パラダイス -14ページ目

B級パラダイス

健康優良不良中年が、映画、音楽、読書他好きなことを気まぐれに狭く深くいい加減に語り倒すブログであります。

日曜にこんなことがあったのを記し忘れていた。

 

同居している両親が、一服しようと外に出る俺を捕まえて、いきなり「墓を見てこい」と言うのだ。

墓は家のすぐ裏手の方にあるので行くのは全然構わないし、こちらに戻ってから墓参りもしてないのは確かなのだが、急にいったい何なんだ?と問うと、

「お地蔵さんができた。」「今朝、もうお坊さんにお経あげてもらった」と親父、御袋揃ってニヤニヤ、いやニコニコしながら口々に言うではないか。

 

「はぁ?地蔵???」

(おいおい、二人そろっていきなり惚けてしまったのか)と不安もよぎりながら、わけもわからず墓まで行くと・・・

確かに小ぶりの真新しい地蔵があった(笑)。

 

結局理由はよくわからないのだが、墓に地蔵を置きたくなり、石屋に頼んで作ってもらったとのこと。

「いいお顔しているでしょ?」と嬉しそうに言う御袋、満足そうな親父に別に文句はない。しかし小ぶりとはいえ注文して作ったとなると、年金暮らしの中、お金は大丈夫なのかとちょっと心配になった俺を見透かすかのように

「ほら、コロナのお金が入るだろ」「まだ貰ってないけど先に作っちゃった」と二人して笑っている。

 

あのう・・・貰えるも何もまだ申請書さえ届いてないんですが!?


それにしても、コロナの給付金を見越して地蔵を作る人間なんて日本中で我が親だけじゃないのか…いやはや(笑)。

 

ううむ・・・俺もいい加減能天気だが、この親の子として生まれ育ったのだから無理のないことだったのだと変に納得してしまったよ(笑)。

 

「早くコロナが収束して普段の毎日が戻るように願って地蔵を作り、毎日拝んでいる」

とかだったら、まあ、ある意味美しいし、もしかしたら新聞の地方版の小さな記事になるかもだが、

給付金見越して、ただ単に墓にあったらいいなあと思ったから作っちゃった・・・だもんなあ(笑)。

 

普段なら親父の浪費にはたらたら文句を言う御袋だが、自身が信心深いので今回の親父の提案には即賛成だった模様だ。


「親父と御袋が地蔵を作った」とかみさんと娘たちに伝えたら「はああ?」という顔。

10分前も俺も同じ顔をしてたよ(笑)

 


昨日、いや日付も変わってしまったから一昨日になるが、先週末に提出した企画書の説明で、初めてZOOMを利用した「オンラインプレゼン」を午前と午後2回行った。

4月までと打って変わって一人で全部説明ではなく各担当者が説明をしてくれたのだが、接続が切れてしまわないかなど、いらぬところに気を使ってしまったり、ただでさえマスクしている審査員が画面越しで表情も分からぬままのプレゼンだったので、なんだか普通の時より疲れてしまったのだった。

 

プレゼン自体は悪くなかったと思うものの、なんせ競争相手もいるので果たしてどんな結果になるやら・・・。

実は同じ日に他にも同僚たちも2つのプレゼンがあったのだが、そのうち一つが早くも敗退の知らせが昨日入ったのだ。

残り3つの結果待ち。そのうち2つが自分が担当だけにプレッシャーではあるが、もう腹を据えて待つしかないので、地蔵のことなど思いだして心静かに良い結果を待つとしよう(笑)。

あ、その前に明日も別の企画書提示があったのだった。うわあ(笑)。


まあそんなわけで今宵もTHE BACKHORNで

ひょうひょうと

昨日だったかBSで「夕陽のガンマン」をやっていたので見ようとしたら、かみさんが、俺がしまい込んだマカロニウエスタンDVDの棚を指差し「これ、今観なくたってそこにあるでしょ?」とあっさり看破され、チャンネル権は数秒で剥奪されたのだが、ちょうど画面に映っていたリー・ヴァン・クリーフに「この人、毎回出ているよね」だって(笑)。

まあ、確かにマカロニ・ウエスタンに数多く出ているのは認める。だが毎回って何だよ(笑)。

正確には「彼が出ているマカロニを俺がよく見てるから我が家のモニターに映る回数が多い」というわけだ(笑)。

「よく見ろ!彼がONE PIECEの「鷹の目のミホーク」のモデルだぞ!」と自慢げに解説する俺に「おとーさん嘘ばっかりつくから怪しいけど、ほんとだと認めるわ」と娘たちも納得した、彼の鋭い視線の魅力炸裂のこの作品、もう何回も観ているのだがレビューできていなかった大好きな本作、ブロ友のpunksさんも手に入れたようなので負けてなるものかと先に記しておきます(笑)

西部悪人伝1970年)SABATA

監督・脚本 : フランク・クレイマー 製作 : アルベルト・グリマルディ 脚本 : レナード・イッツォ 撮影 : サンドロ・マルコーニ 音楽 : マルチェロ・ジョンビーニ

出演 : リー・ヴァン・クリーフ、ウィリアム・バーガー、ペドロ・サンチェス、ニック・ジョーダン、フランコ・レッセル、リンダ・ヴェラス、ジャンニ・リッツォ、アントニオ・グラドーリ、ロバート・ハンザー、カルロ・タンベルラーニ、ルチアーノ・ピゴッツィ、アンドレア・アウレリ、ロマノ・プッポ、スパルターコ・コンヴェルシ、ジョン・バーサ

 

昨年レビューしたユル・ブリンナーの「大西部無頼列伝」の前作である、サバタシリーズの第一弾だ。

「大西部~」のユル・ブリンナー版サバタは「インディオ・ブラック」という別名もあり、クールで決して慌てない佇まいは似ているけど、貧しい者や子供の味方というちょっと義賊的な側面があった。だが、リー・ヴァン・クリーフのこの一作目は、つけもつけたりの邦題通り、言うなれば悪の上をいく極悪(笑)。


俺が考えるマカロニ主人公の2大行動原理、すなわち「復讐」と「金」のうち、後者の方で動くこのアンチヒーロー、サバタが本当に魅力的なのだ。

全身黒づくめのダンディな洒落者、沈着冷静でニヒルな凄腕。ふらりと現れて、妙な武器を駆使しながら欲深い悪人どもを手玉に取って、最後には大金を奪って去っていく正体不明のガンマン、サバタ。

 

まあ、自分も以前は知らなかったんだが、以前レビューした「サルタナがやってくる~虐殺の一匹狼~」のジャンニ・ガルコ演ずる「サルタナ」がまさに上記の通りで、サバタそっくりだったのだ(笑)

気になって調べたら、本作の監督フランク・クレイマーことジャンフランコ・パロリーニがサルタナ・シリーズの1作目『Se incontri Sartana prega per la tua morte(サルタナに会ったら自分の死を祈れ)』を監督していたんですな。

 

このサルタナ一作目が、これまでの暗い復讐譚ばかりのマカロニ・ウエスタンとは一線を画した、彼が監督していたスパイ映画同様、ある意味軽妙洒脱なマカロニ・ウエスタンとしてヒットしたそうで、これが’70年代初頭に次々と作られたコメディタッチのマカロニウエスタンの見本となったのは確かだろうと思われるのだ。


言わば、先日記事を書いた「風来坊/花と夕日とライフルと」に先駆けだったわけだ。これまでのキャラクターとは明らかに違うサルタナは魅力的だったのだろう。「ジャンゴ」や「リンゴ」などとともに名前がパクられるマカロニの人気キャラとなるのだから。

 

ところが、何があったか知らないがパロリーニは2作目以降は監督することなく、アンソニー・アスコットことジュリアーノ・カルニメオがシリーズを連続監督することになる。

俺が観たその時点では唯一の日本でDVD化されていた第4作「サルタナがやってくる~虐殺の一匹狼~」も彼の演出だったのだ。

余談だが主人公サルタナをジョージ・ヒルトンが演じたアスコット監督のサルタナシリーズ5作目「俺はサルタナ/銃と棺桶の交換」はDVD化されたんで欲しいのだなあ(笑)


まあそういうわけで自分が生み出したサルタナシリーズを1作で降板させられたパロリーニ監督が、「ちくしょう!俺が作ったキャラなのに!」と地団太踏んだかどうかはわからないが(笑)、サルタナのキャラクターをそのままコピーしたかのようなサバタを生み出し、もっとビッグネームのリー・ヴァン・クリーフに演じさせ留飲を下げたのかもしれないな・・・などと考えるとちょっと楽しいのである(笑)

 


西部の町ドハティで、軍の資金10万ドルを周辺の土地買い占めのために手下を使って強奪しようとする町の有力者たち。

強奪成功と思えばふらりとやってきたサバタ邪魔され取り返されるわ、悪事の黒幕と気づかれたので懐柔しようとすればすかされ、それならばと殺し屋を差し向ければ返り討ちに合い手も足も出ずに慌てふためく有力者たち。

ニヤニヤと都度口止め要求額を上げて追い詰めていくサバタ。もう極悪というよりドSなんですな(笑)。リー・ヴァン・クリーフ、本当に楽しそうに演じています。


この映画が魅力的なのがそんなサバタをとりまく仲間の存在。

薄汚くてガハハと笑いながらサバタをサポートするカリンチャを演ずるペドロ・サンチェス。「大西部~」にも出ていたが、今思えば「待つなジャンゴ引き金を引け」でも同じような役をやっていたな。俺の中ではフェルナンド・サンチョ、バッド・スペンサーに続く「マカロニのよく見る第3のデブ」のイメージだ(笑)。

もう一人の仲間インディオ、通称ネコはスタント出身のニック・ジョーダンが演じている。まあトランポリンが仕込んであるのだろうがよく飛ぶこと(笑)。

無口で金に汚くもなく、頼まれた仕事は危ない橋でもしっかりこなすなど、ルパンの石川五右衛門的立ち位置でカッコいいんだよな(笑)。

 

そして何よりウィリアム・バーガー演ずるバンジョー!(笑)。凄腕なのにすっとぼけていて最高!

サバタとは以前何か因縁があった仲。酒場女のヒモみたいな生活しているくせに常に持ち歩いているバンジョーにはライフルが仕込まれていて、いざとなったら5人の敵も一瞬で倒す素敵なキャラなのだ!

最後にサバタを出し抜こうとして失敗した時のしょんぼり顔がいいんだよな(笑)。一癖ある凄腕役の多いウィリアム・バーガーの魅力爆発のキャラだといえよう。

 

そうそう、監督がスパイ映画を撮っていたせいかどうかわからないが、サルタナでも変な武器が出てきたが、本作もこの仕込みバンジョーの他にも上下左右の4つの銃口に加えて銃床からも3発撃てる7連発デリンジャーをサバタが愛用している。

加えてライフルに更に銃身取り付けて遠距離の敵を撃ったり、敵も仕込み杖もっていたりと、ガジェットがいちいち楽しいのもいいのだ。

マカロニ必須の音楽は、マルチェロ・ジョンビーニ。軽快なサバタのテーマ曲が色々アレンジを変えて出てくるけど、メキシコっぽいリズムが全体を通じてノリノリのマカロニ・チューンになっていてお気に入りなのだ。

哀愁は控えめながら女性コーラスで「ルンルン・ル・ルン・・・」とはいってくるとことか、映画では使用されていないがサントラ盤では、イントロで、男の声で「EHI AMICO...C'E SABATA, HAI CHIUSO・・・Huhaaaaaa!」と、ムハハハハ高笑いする部分が最高にカッコいいのだ(笑)。

 では予告編もどーぞ!

お気楽に毎日映画の更新をしていたが実は明日が企画書2つの提示日。
リモートワークも休業も返上で毎日フルタイム会社で打ち合わせ&作業しておりました。

こちらに戻った途端のコロナ緊急宣言、数字激減の中、あまり歓迎されない形での職場復帰しての、この大型案件の初プレだから、ちょいとプレッシャー。

3月までの環境だと、全て自分でジャッジして、プレゼンも自分で説明していたから、勝つも負けるも俺次第だったけど、こちらに戻ってからは様々な人が意見してくるし、説明も分担するスタイル。だけどプレゼン取れるか取れないかは営業責任なんで、なんとも前とは違う意味のプレッシャーで頭が痛くなるのであります(笑)。

まあ、昨日ある店舗のカタログのリニューアルデザイン企画を出していたのが通ったので、少し気分はいいのだけど、今回のプレゼン、久々ヒリヒリするような緊張感を味わっているのだなあ。

と、会社を戸締りして後は家で作業ということで、覚書日記でした(笑)

今日の一曲 久々のTHE BACKHORNで。
「戦う君よ」

以前書きかけの記事を発見!郡山にいた頃GYAO!の配信で観た、これまた自主映画の香りがする、超お気に入りのご機嫌映画を紹介しておこう。

シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア2014年)

WHAT WE DO IN THE SHADOWS


監督・脚本 : ジェマイン・クレメント 製作・監督・脚本 : タイカ・ワイティティ 製作 : チェルシー・ウィンスタンリー、エマニュエル・マイケル 撮影 : DJ・スティップセン、リチャード・ブラック プロダクションデザイン : ラ・ヴィンセント 編集 : ジョンノ・ウッドフォード=ロビンソン 音楽 : プラン・9

出演 : ジェマイン・クレメント、タイカ・ワイティティ、ジョナサン・ブラフ、コリ・ゴンザレス=マクエル、スチュー・ラザフォード、ジャッキー・ヴァン・ビーク


個人的に今年のベストと思っている「ジョジョ・ラビット」のパンフを読んで、監督のタイカ・ワイティティが、あの「マイティ・ソー/バトルロワイヤル」とこの作品を監督していたと知って驚いたのだが、ジェマイン・クレメントと共同脚本・監督、おまけに主演のこの長編第一作はほんとオススメ!先の「アンデッド」同様低予算の自主映画風な佇まいながら、アイデアも話もすこぶる面白かった


舞台は現代。ニュージーランドのウェリントンで一軒家に一緒に暮らしているヴァンパイアたちのお気楽な日常を取材しているドキュメンタリーの体裁、所謂モキュメンタリータッチで描くホラーコメディーだ。

まず、ヴァンパイヤがシェアハウスしている愉快な設定に加え、彼らをお守りを持った撮影クルー(十字架の着用の許可済み(笑))が密着取材するというフレームがまず最高、アイデア勝ちですな(笑)。


取材されるヴァンパイアは、以下の通り。

ワイティティ演ずるヴィアゴ(379歳)は世話焼きで愉快。

クレメント演ずるヴラド(862歳)はワイルドなルックス。ドラキュラ  のモデルのヴラド・ツェペシェだよね。中世風衣装が似合うし。

蝙蝠のように逆さで寝ていた若手のディーコン(183歳)はちょいワルキャラ。

地下に篭っているピーター(8000歳)。ご覧の通りほぼノスフェラトゥ的ルックス(笑)で仲間もビビる(笑)と個性豊かな面々。
彼らの「吸血鬼ならではのあるある」が可笑しくて、鏡に映らないんでファッションチェックができないとか、招かれないと建物に入れないから飲み屋に簡単に入れないなど、何気に色々苦労している笑える描写が楽しい。
シェアハウスのルール決めで険悪になったり(笑)、楽器を演奏したりダンスしたり、郊外のパブでハメを外したり。喧嘩すると思わず浮かんでしまったり、蝙蝠に変身して追い回したりという細々した生活ぶりの描写も楽しい。
取材者にカメラ目線で語るドキュメント描写もまたいちいち面白いことこの上なしなのだ。


但しやはりヴァンパイア。ピーター以外の3人も昼はもちろん外出できないが、夜は街に繰り出し、ターゲットに定めた人間を屋敷に連れ帰って首元に咬みついて血を吸うシーンは結構リアル。

しかも咬み方を失敗して首から大量の血が噴き出すなど凄惨なことになったり、人間の食べ物を食べてしまい、大量の血を吐き出すなど、まあ、グロもしっかりあるのは俺的にはOKなのだ(笑)。


ある夜、 屋敷に来たニックをピーターがうっかり咬んでしまいヴァンパイアにしてしまう。

この新人ヴァンパイアのニックがトラブルメーカーで(笑)。掟を無視して自分がヴァンパイアだと触れ回った挙句、ある日、人間の親友スチューを招いたりしちゃうので、ヴァンパイアたちは都度イライラ右往左往する様が笑えるのだ。

しかし、この連れて来られたスチューが、紅ほっぺの素朴かつ無茶苦茶いい奴で(笑)。ヴァンパイアたちにパソコンやインターネットのやり方など教えたりしてくれるから皆大喜び。

次のターゲットを検索するんじゃない(笑)

そんなスチューは好かれまくりで「スチューだけは絶対咬まない!」なんて言うくらい馴染みまくるのが微笑ましくて(笑)。


と、現代に生きる吸血鬼たちの「普通の日々」が本当に面白いのだが、そんな楽しい日々も長くは続かない。


ここまでで興味を持った方はご注意!

以下ネタバレ記述です〜


ある日、ニックがヴァンパイア・ハンターを招いてしまい、ピーターが殺されてしまったり、普段からいがみあっていた狼男どもと遭遇し、スチューが殺されてしまうのだ。


哀しみに暮れるヴァンパイアたち。だがなんとスチューはオオカミ男化!しかも狼男になっても「いい奴」のスチューが架け橋となり、いがみ合っていたヴァンパイアと狼男たちが仲直りするというほっこりエンディング(笑)。


ヴィアゴもロリコンと言われてもかまわない!と凄い年下の元彼女(でも90代のおばあさんになっている)をヴァンパイアにしてハッピー。ヴラドも元カノと復縁と、いいことづくめのエンディングなのだ(笑)。


この映画、最後の最後までシャレが効いているのでお見逃しなく!であります(笑)


しかしタイカ・ワイティティ、役者としてもほんと良いよね。80分ちょっとという、サクサク観れるランニングタイムも含め、超オススメしておきすぞ!(笑)



思えば実家に戻ってすでに1ヶ月。ちょうど緊急事態宣言にぶち当たり、テレワークやら出社日制限や時短及び車での通勤依頼が絡んで、かつてのペースではない毎日になってしまったな。
まあ、家族揃っての生活については、これまでも月に一度は帰省していたこともあり、恐れていたほど煩がられずに済んでいるのは何よりではあったが。

ただ、一人暮らしの時よりテレビモニターで観るものは随分と変わったのだ。
テレビ放送はかみさんの趣味もありNHKがかなり増えていたり、一人暮らしの時には映らず観れなかったBSも良く観ているし。
あとテレビモニターで観ていたYouTubeは実家のテレビはネットと繋げていないので、当然各自のパソコンやスマホでの視聴になって、揃って観ることはまずないし。

何より、最近ブログでも登場していないBiSHの視聴が激減していることだなあ(笑)。

昨年末からはまって、実家に戻る前にと、DVD2枚と、CDが3枚(そのうち2枚はDVD特典付)を手に入れ、こちらに帰るまではYouTubeかこれらの映像をほぼ毎日何かしらみていたのだが、この1ヶ月は家族の目もあり機会が激減しているのだ(笑)。

この4月からNHKで始まったアニメの「キングダム」の新シーズン。この主題歌「TOMORROW」がBiSHなので毎週観れる!いや聴ける!と思っていたら、コロナの影響で5話で放映延期になっちまって悔しがっていたところなのだ(代わりの「未来少年コナン」再放送はそれはそれで嬉しいが(笑))。

そしたら今日、その「TOMORROW」のオフィシャルPVが公開されているではないか!
おおお!「楽器を持たないパンクバンド」が楽器持ってるじゃねーか!(笑)。曲同様、久々の動くBiSHの面々がカッコいいよお!

スマホじゃ画面が小さいので、タブレットでついつい大音量で聴いてしまい、娘たちから顰蹙買ってしまったが、今日だけは許してくれ!(笑)
それにしても怪獣やゾンビは良くても、マカロニウエスタンとBiSHは何故一緒に観てくれないのだ!(笑)

そんなわけで一人何度も見直し、久々のBiSHに浸りまくる幸せな一夜なのであった。

去年だったかに地元の中古屋の棚で見つけ、裏ジャケに「ゾンビ✖️マカロニ✖️VFXが融合したサバイバルホラー」とあり、数百円の安さもあって、ウホウホ購入した一作のこれ。

そーっと郡山に持っていくつもりが実家に忘れていたのを娘たちが発見し先に鑑賞、「おとーさん、こんなのを喜んで買ってるんだ」と苦笑されたという、いわくつきの一本を昨夜酒飲みながらやっと鑑賞したのであった。

アンデッド (2003年)UNDEAD


製作・監督・脚本・編集 : ピーター・スピエリッグ、マイケル・スピエリッグ 撮影 : アンドリュー・ストレイホーン 音楽 : クリフ・ブラッドリー

出演 : フェリシティ・メーソン、ムンゴ・マッケイ、ロブ・ジェンキンス、リサ・カニンガム、ダーク・ハンター、エマ・ランドール


おお、なんか2本続けての「アン」始まりの映画レビューになってしまったぞ(笑)。

ご覧のクレジットの通りのザ・スピエリッグ・ブラザーズ(双子の兄弟)が低予算で撮り上げた自主映画。その後口コミで拡がり世界各地の映画祭等で評判を呼んだという、オーストラリア産のゾンビ・アクション・ムービーだ!


「ある日突然隕石の飛来でゾンビが出現」と言うと、懐かしのロメロの「ゾンビ」の日本でのTV放映版みたいなイントロダクションだが、こちらでは文字通り隕石に直撃された人々がゾンビ化する()

普通、隕石が直撃したら人体四散しそうだが、この映画では綺麗に穴が空いたりするんですな()


まあこの時点で何となく全体を包むノリはわかって酒飲みながら見出したのだが()、このちょっと懐かしさを感じるタイトルといい、平和な街バークレーにアンデッドたちが溢れ、色んな立場の連中が一軒家に立て篭りと、過去のゾンビ映画の王道パターンを継承しつつも、低予算ながら頑張っている画づくりや編集、それに適度なユーモアを織り交ぜていて、ちょっと好感が持てる作りなのだ。


ミス・バークレーでもある主人公的女性のレネや、変わり者の一見農夫、実は武器商店主のマリオンを中心に、マリオンの家に逃げ込んでくるいけ好かない親父警官と気の弱そうな女性警官のコンビや、レネにミスの座を取られて今は妊婦の女性とその旦那という、中々にキャラの立っている6人に絞った作りも良い。

まあ、左端のレネが「どこがミス?」というくらいにさほどチャーミングじゃないとか(笑)、警官が中々にゲスな扱いとは言え、この連中がアンデッド達にどう抵抗、脱出していくのだろう?と期待は持たせてくれる。


しかし…予算はかかってないが決してチープでもない、精一杯頑張った感のある視覚効果もあり、思ったほど酷い方向にはならずにストーリーも進み安心していると、中盤から足元をすくわれる展開になる油断ならない一作だったのだ!


まず、立て篭もった家から脱出し、車を走らせると街を囲むようにそびえ立つ謎の高い壁が!

加えて酸性雨と空から降り注ぐ謎の光とそこに吸い込まれる人々!という、予想だにしないSF的展開が待っているのだ!


この展開のオチがまた予想の斜め上。「えええ!そーなんですか?!」という、口あんぐりの、だが言わばめでたしめでたしエンディング。

かと思いきや、あららららの再逆転も有りで、酔った頭は混乱するばかりで(笑)、翌日もう一回見直したけど、やはりそういう展開でした(笑)。


正直、嫌な奴は悲惨に死ぬなどのお約束も守り(笑)、まゴアシーンを含め、ゾンビ物としてそこそこテンポも良かったから、最後まで「ゾンビ倒します!」と貫いて欲しかった気持ちもあるし、ゾンビと宇宙的SFとの相性は悪いと個人的には思うのだ。


ただ、ジャケットにあった「マカロニ」風味は希薄なれど、3連改造ショットガンを持つマリオンの、もっさりした身体に似合わないアクションのカッコよさも含め、「絶対今までにない映画にしちゃるけんね!」というスピエリッグ兄弟の意地に免じて良しとします()


彼らはその後ハリウッドに招かれ、SFサスペンス・アクション「デイブレイカー」やSFの巨匠ロバート・A・ハインラインの短編『輪廻の蛇』を映画化した「プリデスティネーション 」を監督。さらに「ジグソウ:ソウ・レガシー 」そして「ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷 」などなど、気になっていたのに自分は未見作ばかり監督していて、順調にキャリアを伸ばしているようで何よりなのだ。


そんな彼らの原点の本作、心の広いB級映画好きの方には是非勧めておきたい一本であります!


ゴールデンウィーク中にもう一本観た映画を遅れてご紹介。

アンブレイカブル (2000年)

UNBREAKABLE

製作・監督・脚本 : M・ナイト・シャマラン 製作 : バリー・メンデル、サム・マーサー 製作総指揮 : ゲイリー・バーバー、ロジャー・バーンバウム 撮影エドゥアルド・セラ プロダクションデザイン : ラリー・フルトン 編集 : ディラン・ティチェナー 音楽 : ジェームズ・ニュートン・ハワード

出演 : ブルース・ウィリス、サミュエル・L・ジャクソン、ロビン・ライト・ペン、スペンサー・トリート・クラーク、イーモン・ウォーカー、シャーレイン・ウッダード、レスリー・ステファンソン、ジョニー・ハイラム・ジェイミソン、ボスティン・クリストファー、エリザベス・ローレンス、チャンス・ケリー、マイケル・ケリー、ジョハンナ・デイ、ジェームズ・ハンディ、ダミアン・ヤング、M・ナイト・シャマラン、ナタリー・ハルトマン

 

この手の映画を情報シャットダウンするのは昨今なかなか難しいのだけど、2017年にこれと繋がっているとは知らずに「スプリット」を劇場で観て、いつか観ようと思いながら果たせぬまま、今年「ミスター・ガラス」が公開されたから、何を今更な感じだけど(笑)、いやあ、10年間オチを知らずにいた甲斐はありましたな(笑)。


フィラデルフィアで乗客乗員131名が死亡するという列車脱線追突事故が起こる。その悲惨な事故からただ一人「無傷」で生還した男、デヴィッド・ダン(ブルース・ウィリス)。

マスコミや周囲の訝る目もある中、何より何故自分だけが奇跡的に助かったのか?と自身も悩むデヴィッド。

そんな彼のもとにあるメッセージが届く。メッセージの主はイライジャ・プライス(サミュエル・L・ジャクソン)。彼は生まれつきの骨形成不全症で、少しの衝撃で骨折してしまう身体なのだ。イライジャがデヴィッドにつきまとうのは何故なのか…。


デヴィッドの列車事故からの生還、妻とも距離があり、息子の真摯な期待にも背を向け続け、終始思い詰めたような表情のブルース・ウィルスの抑えた演技。

いつものように声高にまくし立てることはないけど、それでも異常ともいえる独善的な行動をするサミュエル演ずるイライジャの怪しさ。


くすんだ色調。押さえた音楽。コケ脅しもない演出。いつも何か越しに対象をとらえる冷たいカメラワーク。抑えたトーンで淡々と物語が進む中、

イライジャの悲惨とも言える生い立ちも並行して描かれながら、デヴィッドが過去にも彼が怪我も病気もしたことがなかったことがだんだんと明らかになる。


まったく予備知識なしでの鑑賞だったので、一緒に見ていたかみさんともども「いったいこの話はどう転がっていくのだ?」と戸惑いながら見ていた。


ガラスのような身体故に、アメコミのスーパーヒーローに憧れを抱くのみならず、アメコミの物語は本当にあったことなのだと信じるイライジャ。 

彼は、この世は何かと何かが対極の存在によって成り立っており、自分のような脆い肉体の対極には、「壊れない身体=アンブレイカブル」が存在するはずだと言う。そしてデヴィッドこそがその「ヒーローの不死身の力」を持つ人間だとして事あるごとに自覚を促していく。

 

デヴィッドは怪我や病気をしなかった過去など、自ら目を逸らし意識せず壁を作っていた己の「能力」を意識し出す。

実際、警備の仕事をしながらも直感的に犯罪予備軍がわかったりしていたのだが、ベンチプレスを試せば常人には到底持ち上げられない重さを持ち上げたりと、覚醒しだすのだ。


息子もそれを信じ、パパは銃で撃っても大丈夫なんだと試そうとするシーンはハラハラでしたが。子供に心底信じられるのは嬉しいのだけどねえ(笑)

やがてデヴィッドは触れるだけで相手がしてきた過去がわかる能力を駆使しその「正しい使い方」に踏み出して「ヒーロー」として覚醒を果たす。

覚醒と言っても、数あるアメコミスーパーヒーロー映画のように派手なコスチュームで、街中を舞台にドンパチするわけでもなく、弱点も持ちながら、彼が感知した情報をもとに人知れず行った人助けという地味な動きではあるのだが。

その結果(新聞記事)を息子にそっと目配せして知らせる良いシーンもあり、彼のその後の活躍を期待していると…ラストで一気に突き落とされてしまうのだ。

 

この映画、ジャケットに記してあったサスペンス・スリラーかと思っていたのに全然違いましたな(笑)。

「シックス・センス」の大どんでん返しには及ばないものの「そうだったのか!」のビックリのラスト。

 

以下、ネタバレなるべく避けますが、徹底的にリアルな世界に「ヒーロー」を置いた物語であると同時に、「ヒーローの誕生」が、コインの裏表のように、結果的な凶悪の存在が明らかになるという皮肉に満ちた物語でもあったのだ。 


アメコミというだけで荒唐無稽と敬遠する向きも多いとは思う。そのコミックの持つ深いテーマも知らずに。もったいない話だ。


もちろんこの物語も荒唐無稽だと言えばそれまでだ。だが何かを生み出すため他のもの全てを犠牲にするという、本人にしてみれば「真っ直ぐな願い」ってのが、はたからみれば「歪んだ欲望」だというのはハッとする真実でもあると思うのだ。


さてこのデヴィッドとイライジャの宿命の出会いの物語が、あの「スプリット」と共に結実する「ミスター・ガラス」、俄然と興味が湧いたので追っかけてみたいと思うのである。



ゴールデンウィークも少しだけの仕事と、両親が使用している1Fのシャワートイレを買い替えて設置した以外は、仕事に向かう娘の送迎や買い物くらいしか出かけなかったな。

ステイホームの間に映画見まくってやろうと思っていたのに、ほぼ毎日うつらうつらして終わってしまった感じ。一昨日と昨日は結局YouTubeみまれではあったけど、まだ観てなかった映画を観ておこうと、買ってあったこれをやっとこ鑑賞したのだった。

マチェーテ 2010年)

MACHETE


製作・監督・脚本 : ロバート・ロドリゲス 監督 : イーサン・マニキス 製作 : エリザベス・アヴェラン、アーロン・カウフマン、イリアナ・ニコリック、リック・シュウォーツ、クエンティン・タランティーノ 製作総指揮 : アラン・バーノン、アンソニー・グダス、マイルズ・ネステル 脚本 : アルヴァロ・ロドリゲス 撮影 : ジミー・リンゼイ 衣装デザイン : ニナ・プロクター 編集 : レベッカ・ロドリゲス 音楽 : ジョン・デブニー


出演 : ダニー・トレホ、ジェシカ・アルバ、ロバート・デ・ニーロ、スティーヴン・セガール、ミシェル・ロドリゲス、ジェフ・フェイヒー、ドン・ジョンソン、シェー・ウィガム、リンジー・ローハン、チーチ・マリン、エレクトラ・アヴェラン、エリース・アヴェラン、ダリル・サバラ、トム・サヴィーニ


もうね、こんなモヤモヤした日々にはこういうB級バカ映画がやっぱりいいなと実感()偏差値低くても面白いものは面白い!


メキシコの麻薬王トーレスの罠に嵌められ妻子を殺され、違法移民に身をやつしていた元メキシコ連邦捜査官マチェーテ(トレホ)が、アメリカの不法移民に対する法整備を進めようとする政治家の陰謀に利用されるも反撃するという単純なストーリーがまずいいね()

いつもの自主映画的なロドリゲスの力技演出と豪華な出演者で全く飽きない。


もちろんこのメキシコからの不法移民の問題は10年前から変わらず、トランプ大統領の不法移民排除の強硬策は何度もニュースになるくらいだから根深いのだろう。

バカ映画なりにそんなこともちょっと考えさせつつも、やはりバカ映画らしく説教じみない姿勢が好きなのだ!()


デ・ニーロは移民嫌いのとんでもないマクラフリン議員を楽しそうに演じていたが、不法移民嫌いのブッシュ元大統領のスピーチ等を真似ていたそうだ。サンドウィッチマン伊達の安倍首相の物真似みたいに、いかにも言いそうな言い回しでアホである本質を笑い飛ばしてたんだろなあ()。

それにしても麻薬王トーレスのセガールはなかなかの悪役ぶり。10年前で既に四角くなってたのね。最後もう少し肉弾戦で強さを見せつけると思いきやではあったけど(笑)。メキシコ人に全然見えねーのはご愛嬌で()


その他、マクラフリン議員の悪の側近ブース(ジェフ・フェイヒー)や、国境近くで移民狩りをするヴォン(ドン・ジョンソン)、ブースに暗殺者として雇われるトム・サヴィーニなど、マチェーテの兄役のチーチ・マリン以外、男どもはみんな悪役ってのも潔くて良いなあ(笑)。


なんせ主役のダニー・トレホが他のどの悪役より元本物のギャングだっただけに悪役っぽい、この御面相だからね。それなのに、まあカッコいいことモテること(笑)。

黙って行動するのみという行動原理がいい。武器も“マチェーテ”のみならず、重火器から草刈機、果ては人間の腸(!)まで、使えるものは何でも使う戦闘スキルも拍手ものですわ()


ラスト、不法移民たちが立ちあがり、マチェーテと共に殴り込みに行くところなんか、ボヨンボヨン跳ねる改造車も含めて好きな展開ながら、肝心の戦いは思っていたほどスタイリッシュではないのはちょっと残念。


むしろグダグダと言ってもいいくらいだが、こんなシーン含めてパーツパーツ嫌いじゃないから、もう少し激烈な戦闘になったら良かったのだけどなあ。ロドリゲスだったら「デスペラード」並にやって欲しかったけどね。


そんな不満はちょっとあるけど帳消しにしてくれるのが女優陣!(笑)

もう本当に可愛いジェシカ・アルバのサルタナ捜査官!名前と共に最高に素敵で。
「法律より正義を選ぶ!」というラスト近くのアジテーションも含め、シャワーシーンがCGでも画面に映っているだけで眼福。実は郡山去るときに飲んだ女子とちょっと面影が似ていて、個人的に悶えちゃったのも白状しておきます()


あとブースの娘エイプリル役のリンジー・ローハンの脱ぎっぷり&尼僧コスプレも意味なくて最高()


加えてラストの乱戦に参戦しちゃうエロいナースコンビのエリーズ&エレクトラ・アヴェラン姉妹!

などなどとにかくこれでもかのエロカッコいい女優陣の中、最高なのが我らがミッシェル・ロドリゲス姐さん!

いつも軍服やそれに類する格好しかイメージなかったので、え?こんなにスタイル良かったんだっけ?てなくらい不意打ち的にやられましたな()


特典の映像観たら、ジェシカ・アルバが二役で双子の妹を演じていたり、トム・サヴィーニの暗殺者仲間に女殺し屋がいたりなどのシークエンスがバッサリとカットされていたのがわかった。

その分人物描写は薄っぺらくなったけど映画としては勢いが増して正解なんじゃないかな。


まあ、話としては一度観れば充分ながらタランティーノとの「グラインドハウス」でのフェイク予告から、こうして本編が出来て、さらに続篇「マチェーテ・キルズ」まで出来たのでだから大したものだ(笑)。


一度観れば充分と言いつつも女優陣と、なんだかラストはグダグダながらも、途中の無茶な戦闘シーンのために、また何回か観たくなるだろうなあという、頭空っぽにしたい時には最適な一本。未見の方は多少のエログロありますが是非!(笑)

もう止まらないモリコーネ熱!本棚からこいつを取り出しながら音源漁り三昧が楽しくて。
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」や「アンタッチャブル」、「ニュー・シネマ・パラダイス」など有名なところは皆さん聴き馴染みあると思うのでそれ以外をピックアップしていこう。

マカロニウエスタンから離れてのモリコーネの曲と言うと、真っ先に思い出すのが「オルカ」。
ひたすら美しく哀切極まりないこのテーマ曲は初めて聞いた中学生の当時から大好きだった。
ジョーズの亜流と片付けるには惜しい、北の海で繰り広げられるオルカとリチャード・ハリスの戦いも、熱く燃えるものではなく、メインテーマの雄大かつ物哀しいメロディが本当に合っていた。ああ、シャーロット・ランプリングも美しかったなあ。
これ、数あるモリコーネの映画音楽集に何故かあまり収録されていないのだが、3分20秒からのスキャットバージョンが絶品なのだ。

続いてはジョン・ブアマン監督の「エクソシスト2」の「リーガンのテーマ」。これまた美しくも哀しいメロディ。タランティーノの「ヘイトフル・エイト」で不意打ち的に流れてきて劇場で悶絶した最高の一曲。
ついでにパズズのテーマ「magic&ecstasy」も。対照的な禍々しい不安感満載のサイケロック。

ホラー系で言うと「サスペリア」で世界的に有名になる前のダリオ・アルジェントのジャーロ系の映画でも美しい曲がある。「私は目撃者」(原題: il gatto a nove code/9尾の猫)なんてのも物悲しくて良かった。
前作でもある「歓びの毒牙」(原題:L'uccello dalle piume di cristallo/クリスタルの羽の鳥)でも、美しく幻想的なコーラスで、猟奇的殺人を彩っている。
もう一つ、「4匹の蝿」だけは自分未見なんだけど、タイトルバックはロックのようですな。アルジェントがその後組むことになるゴブリンみたい。ここはそうじゃない美しいテーマ曲の方で。
ちなみにダリオ・アルジェントとは1996年「スタンダール・シンドローム」で再び組んでいるのがちょっと嬉しい。音楽もらしくて好きだ(笑)。

美しいと言えば、その昔ラジオで聴いた「わが青春のフロレンス」(METELLO )。映画も未見のはず。内容はすっかり忘れているのだが、このテーマ曲だけは未だに忘れられない切なさだ。

イタリア移民のサッコとバンゼッティがいわれなき死刑を受けるまでを描いたジュリアーノ・モンタルド監督の「死刑台のメロディ」。ジョーン・バエズが歌った「勝利の讃歌(Hear's to You)」をラジオで聴いて良い曲だなあと当時思っていたが、これもモリコーネ作だと後から知って驚いたのだった。

緊張感溢れるハードボイルドな曲もまた素晴らしい。社会派ドラマ「アルジェの戦い」。タランティーノが「イングロリアス・バスターズ」でちゃっかり使っていたけど、カッコいいのだから気持ちはわかる!

カッコ良くも美しく哀切と言ったらこれ。アラン・ドロンにリノ・ヴァンチュラそしてジャン・ギャバン揃い踏みの「シシリアン」。フランス映画のフィルム・ノワールだけど、今聴くとちょっとマカロニウエスタンの音像に近い気がするのだ。
ハードボイルドと言えば懐かしいブロンソンのアクション「狼の挽歌」のテーマも挙げておきたい。粘着的なイントロから斬り込んでくるパーカッションが凶暴なのだ。
時代が飛んで80年代。50歳を超えてもアクションに挑戦していたジャン=ポール・ベルモンドの「パリ警視J」なんてのもカッコ良かった!これ当時劇場で観たな(笑)
フランコ・ネロの不穏なアクション「ヒッチハイク」なんてのもあった。後半で女性の喘ぎ声が入るこの曲はエロかった〜(笑)。
エロいと言えば当時劇場でも観た池田満寿夫の「エーゲ海に捧ぐ」。テーマ曲より劇中のこのコケティッシュな曲が印象的だった。ちなみにボーカルと言うか声はあの「チッチョリーナ」だ。
かようにモリコーネの音楽は本当に実験的と言うか、楽器のみならず、色んな音が入るのが本当に面白いのだが、クリント・イーストウッドがじゃじゃ馬尼僧のシャーリー・マクレーンに振り回されるドン・シーゲル監督の西部劇「真昼の死闘」もそんな一曲。
ジャンジャカギターにまるで動物の声みたいな笛の音が入るわ突然ミサの祈りのような声が入るわで、本編同様ユーモラス。映画自体も邦題より原題の「シスター・サラの2匹のラバ」の方が相応しい変な西部劇でしたな。
「真昼の死闘」以来23年ぶりにイーストウッド主演作にモリコーネの音楽がついたウォルフガング・ペーターゼン監督の「ザ・シークレット・サービス(In The Line of Fire)」のメインテーマ。
これまた緊迫感溢れていてカッコいいスコアだ。

では最後にモリコーネ初のアカデミー賞受賞のこれを。
クエンティン・タランティーノ監督の「ヘイトフル・エイト」からオープニング。ちょっと「遊星からの物体X」を思い出す不気味さ。中盤からの激しさはホラーっぽさもあるけど大迫力!
こうして並べてみるとお気に入りは70年代の作品が多いのだが、今回の記事も、前の記事のマカロニウエスタンの諸作もほんの一端だから、モリコーネがいかに多くの仕事をしてきたががわかる。しかも凄い曲ばかりだし。
もう90歳を超えているのだが、馴染みの映画音楽作家がどんどん亡くなっている中、いつまでも元気でいて欲しいと心から願う映画人の一人なのである。



日曜は起きてから何故かエンニオ・モリコーネのアンソロジーアルバムを取り出して聴き出した。
もちろんマカロニウエスタンの諸作が大好きだからなんだが、愛読ブロガーさんの記事で、家にあった古いステレオで聴いた映画音楽のオムニバス盤に入っていたこの曲を思い出したからなのだ。

そのレコードは何ちゃらオーケストラの演奏するものでサントラでは無かったが、それでもエンニオ・モリコーネの曲のカッコ良さは変わらずの最高な1曲だったのだ。
当時はまだ映画は観てなかったのに、今にして思えば、この曲でマカロニウエスタンというジャンルに、エンニオ・モリコーネという作曲家に、いや映画音楽に目覚めた最初の1曲だったのかもしれないなあ。

楽器というか様々な音が重なり合い、オーケストラの盛り上がる高揚感たるや、もう最高なのである。セルジオ・レオーネ監督のマカロニウエスタン最高峰の一作、「夕陽のガンマン」テーマ曲を映画オープニングタイトルと共にどーぞ!この「夕陽のガンマン」ではモリコーネのスコアは名曲揃いなのだがラストのこの曲も素晴らしいのだ。
リー・ヴァン・クリーフ演ずるモーティマー大佐のペンダントの秘密。オルゴールからパイプオルガンまで出てくる、タイトルもカッコいい「ガンマンの祈り sixty seconds to what 」


当然のことながらレオーネ監督、モリコーネ音楽、イーストウッド主演の前作「荒野の用心棒」もお気に入り。

口笛をはじめ様々な楽器や声が重なっていく「夕陽のガンマン」の原型のようなカッコいいタイトルバック「さすらいの口笛」。

そして自分はタイトル以上にこのメインテーマに惚れたのだ!「リオ・ブラボー」や「アラモ」でも流れていた「皆殺しの歌」のような音楽を、というレオーネのリクエストにモリコーネが応えたこの曲。ダイナマイト爆発の轟音の後に流れてくる哀愁極まるペットのメロディは悶絶もの!

マカロニの原点ともいえるこの曲が、必殺仕置人などの必殺シリーズの音楽にも影響与えているのがよくわかる一曲だ。


METALLICAがライブのオープニングでも使っていた「黄金のエクスタシー」。「続夕陽のガンマン」のクライマックスを飾るこれまた最高なスコアなのだ!

もちろん狂騒的にけたたましくなっていく、でも無茶苦茶カッコいいメインテーマも必聴ですな。

もう一人のセルジオと呼ばれたセルジオ・コルブッチ監督作で、タランティーノのキルビルでも使われていた「豹/ジャガー」のクライマックスに流れる“L'Arena”。これも大好きなのだ。ボレロのように同じテーマが繰り返される高揚感が素晴らしい。

コルブッチと言えば異色作の「殺しが静かにやって来る」でのスコアがまた最高。マカロニ的カッコ良さとは別の、美しくも哀切のメロディもまた素晴らしいのだなあ。

おお、コルブッチ監督だったら忘れちゃならない「ガンマン大連合」があった!「バマサマタ!バマサマタ!コンパーニェロ〜」のコーラスが耳に残るテーマ曲「Vamos a matar companeros やっちまえ同志たち!」が最高だ!


忘れてはならぬ第三のセルジオことセルジオ・ソリーマ監督。これもタランティーノの映画で何曲か使われていた「復讐のガンマン The Big Gundown 」。熱さに痺れるタイトルバックを聴いてくれ!


レオーネ弟子のトリーノ・ヴァネリ監督のの「ミスター・ノーボディ」。すっとぼけたメインテーマも悪くないが、やはりここは「ワルキューレの騎行」が織り込まれたワイルドバンチとの戦いのテーマが良いよね〜。


再びレオーネ監督の「ウエスタン」から「復讐のバラード」。チャールズ・ブロンソン演じるハーモニカのテーマですな。ああ、ちょっと前に劇場公開された「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ウエスト」名義のロングバージョン、劇場で観たかったなあ。


これもレオーネ監督「夕陽のギャングたち」。ションションションEdda Dell'Orso のスキャットが美しい。


まだまだ紹介したいモリコーネの美しい曲、名曲は他にもたくさんあるのだけど、まずは今回はマカロニ編ということでカッコいい曲を中心にご紹介でした(笑)。浸ってくだされ〜!